爪が割れる原因。乾燥や栄養不足だけではなく、病気のことも!
Date:2017.12.27
マニキュアやネイルチップなど、爪のおしゃれが欠かせない女性は多くいます。指先が可愛いと気分も上がりますよね。
しかしネイルアートをしようとして、爪が割れているのに気付くこともあるでしょう。爪が割れていると思うようにマニキュアが塗れず、おしゃれも楽しめません。割れた爪を見られるのもイヤですよね。
爪が割れる原因は、日常に様々潜んでいます。「爪がよく割れて困っている」という方は、これからご紹介する原因に心当たりがないか確認してみてください。
この記事の目次
爪は皮膚の延長!主成分はタンパク質の1種である「ケラチン」
爪は皮膚に付いているわけではなく、指の先端の角質が変化したものです。つまり爪は皮膚の延長上にあります。
爪の成分は主に「ケラチン」というタンパク質の1種です。18種類のアミノ酸が結合してできており、皮膚や髪にもケラチンが含まれています。
ケラチンはタンパク質の中でも強度に優れ、硬い成分です。ケラチンには適度な水分が含まれています。しかし
- 乾燥
- ケラチンや爪に必要な成分が不足
この2つが主な原因で爪が割れやすくなると言われています。
では爪が乾燥する原因は何なのか、爪に必要な成分とは何か、ご紹介していきます。
食器用洗剤で爪が乾燥!界面活性剤の割合が高い洗剤は要注意
爪の割れる原因の1つに「乾燥」があるとお伝えしました。乾燥の要因として、食器用洗剤による刺激が挙げられます。食器用洗剤は食器やフライパンなどの油汚れを落としますが、手の皮膚や爪の油分も落としてしまいます。
食器用洗剤には合成洗剤と呼ばれるものがあります。合成洗剤ではない、食器用液体石けんは
- 脂肪酸ナトリウム
- 脂肪酸カリウム
が主成分です。この2つ以外の成分が40%以上を占めていれば、「台所用合成洗剤」と表示されています。
台所用合成洗剤には
- 1滴で汚れが落とせる
- ガンコな油汚れも落ちる
のようなキャッチコピーで販売されているものが目立ちます。
合成洗剤では「界面活性剤」と呼ばれる成分で汚れを落とします。界面活性剤の割合は、洗剤の成分表示に記載されています。界面活性剤の割合が高いほど確かに汚れは落ちますが、その分肌や爪への影響も大きいので注意が必要です。
界面活性剤の刺激が強いと爪の乾燥が悪化し、爪が割れる原因になると言われています。ヒビ割れたところから爪がめくれると、二枚爪になりやすいので要注意です。
爪のケアが原因のことも!アセトン入り除光液は油分・水分を奪う
ご自身でマニキュアを落とす際、除光液を使う方がほとんどでしょう。除光液はアセトンが含まれているものが数多くあります。アセトンは、ネイルをしているなら聞いたことがある方も多いはず。
アセトンは油脂を溶かす働きがあるため、爪の油分も奪ってしまいます。油分だけではなく水分も奪うため、爪が乾燥して割れる原因となります。
ご自身でネイルアートをしており、普段自宅でアセトン入りの除光液を使っている方は注意が必要です。
- 毎日除光液を使い、日々ネイルアートを変えている
- 除光液の使用量が多い
このようにアセトン入りの除光液を頻繁に使っていると、爪の油分や水分はより奪われます。爪の水分が減ると乾燥が進み、爪が割れやすくなります。
自爪の表面を傷つけるスカルプは、爪が薄くなる!
ネイルサロンでスカルプをすると、爪が割れることがあります。
- スカルプ
- スカルプチュアの略です。ジェルやアクリル樹脂の人工爪を自爪の上に作ります。爪ヤスリを使って爪の表面に傷をつけて溝を作り、ジェルなどを爪に入れ込みます。高い密着度があり、かなりの強度を持ちます。
スカルプは自爪の表面に傷をつけるため、爪へ非常に負担がかかります。人工爪の密着度が高く剥がれにくいですが、爪へのダメージも大きくなります。
スカルプは、取り外す際も爪へ大きな負担を与えてしまいます。スカルプを落とすには専用液が必要で、ネイルサロンで施術を受けます。
アセトンなどを含む専用の液でスカルプを柔らかくします。専用液で落とせないジェルやアクリル樹脂は削り取って落とします。自爪に傷が入る可能性もあります。
何度もスカルプをすると
- 爪の表面に傷がつく
- アセトンで油分や水分が奪われる
- 場合によっては取り外す際も爪に傷がつく
これらの施術を繰り返すことによって、自爪が薄くなります。爪が薄くなると割れる可能性も高まります。
力を入れて爪切りすると、爪に段差が生じて割れる原因に!
爪切りが原因で爪が割れることもあります。
力を入れて爪切りで一気に爪を切ってしまうと、爪の構造がまばらに切れてしまう可能性があります。爪が真っ直ぐに切れていない場合、爪の層に段差が生じ、ヒビ割れが発生します。
特に切れ味の悪い爪切りを使うと、強い力を入れて爪を切らなければなりません。すると爪の層に段差が生じるだけではなく、爪に非常に大きなダメージを与えてしまい、割れる原因になりかねません。
ダイエットや食生活の乱れで栄養が偏ると、爪がもろくなる!
爪にはケラチンというタンパク質が含まれている、とご紹介しました。栄養不足だとタンパク質を始め、爪に必要な成分が不足します。
例えば
- ダイエット
- 食生活の乱れ
などにより栄養が偏ると爪が弱りやすく、割れやすい原因となります。
爪の主成分であるケラチンを構成しているのは、タンパク質です。タンパク質は
- 肉や魚
- 卵
- 乳製品
などに含まれています。野菜や麺類中心の食生活を送っていると、不足しがちです。
爪は1日に約0.1〜0.15mmずつ伸びると言われています。ケラチンの材料であるタンパク質の摂取量が減ると、爪自体がもろくなります。
細胞と細胞をつなぐコラーゲンも、爪に必要な成分です。このコラーゲンもタンパク質です。つまりタンパク質が不足するとコラーゲンにも影響を与え、爪が割れる原因となると言われています。
ビタミンAは爪の乾燥を防いでくれる!野菜不足の人は要注意
爪を健康に保つには、ビタミンAも大事です。ビタミンAはニンジンやピーマンなどの緑黄色野菜に含まれています。野菜不足が続くと、摂取量が少ない傾向にあるビタミンです。
ビタミンAには、爪の乾燥を防ぐという大切な働きがあります。ビタミンAが不足すると爪が乾燥しやすくなり、割れる可能性が高くなります。
ビタミンB2不足は新しい爪ができにくい!ツヤや潤いも不足
ビタミンB2は、爪を新しく生まれ変わらせる成分です。ビタミンB2は
- 緑黄色野菜
- 果物
- レバー
などに多く含まれています。野菜や果物を食べる習慣が少ないと、不足しやすくなります。
ビタミンB2が不足すると新しい爪ができにくく、爪にツヤや潤いが失われてしまいます。爪の成長が妨げられて割れやすい爪になり、健康な爪を保つのが難しくなります。
偏った食生活をしていると亜鉛不足に!新陳代謝に不可欠
爪は日々伸び続けるため、新しい細胞を作る必要があります。新しい細胞を生み出す新陳代謝には、亜鉛が欠かせません。
亜鉛は
- 牡蠣
- ウナギ
- レバー
- 納豆や豆腐などの大豆製品
などに含まれています。普通に食事していれば不足することはありません。しかし
- 「野菜しか食べない」などの極端なダイエット
- インスタント食品やファーストフードばかりの食生活
このように偏った食生活を送っていると亜鉛は不足しがちです。
亜鉛が不足すると新しい健康な爪を保つのが難しくなります。爪が弱くなり、割れやすくなります。
鉄分不足は爪に悪影響!反り返った爪は鉄分不足の可能性大
鉄分が不足すると貧血になりやすいのは、よく知られています。レバーやひじきなどに含まれる鉄分は、不足すると爪が割れる原因になる可能性が高まります。
- ダイエット
- カップラーメンやレトルトなどの加工食品ばかり食べる
鉄分が不足するにはこのような理由があります。更に女性は月経で出血するため、毎月鉄分が不足しやすくなります。
爪を見ると、鉄不足かどうかの判断ができます。
- 白くなる
- 横線が入る
- 反り返る
- 溝ができる
上記のような症状が爪に現れると鉄分が不足している、と言われています。特にスプーンのように反り返っている爪は、鉄分不足の可能性が高いです。
慢性的な鉄分不足が続くと、爪が割れやすくなります。女性は無理なダイエットや月経が原因で鉄分が失われやすいため、爪の状態を日々チェックするのも大切です。
病気が原因で爪が割れることも!症状が悪化する前に受診を
爪が割れる原因には、
- 食器用洗剤や除光液による乾燥
- 偏った食生活による栄養不足
があるとお伝えしました。
実は、病気が原因で爪が割れることもあります。ここからは爪が割れる病気をご紹介します。何が原因で爪に病気が生じるのかも確認しましょう。
爪にいずれかの症状が見られる場合は、皮膚科や形成外科で受診することを勧めます。
「爪甲縦裂症」は爪の中央付近で縦に割れるのが特徴
爪甲縦裂(そうこうじゅうれつ)症とは、爪の縦に向かって割れ目が入る症状です。
- 加齢
- マニキュアや除光液
- 爪を噛む
- 化学薬品の使用
- 栄養不足
などが原因と言われています。中には原因不明の場合もあります。爪が中央付近で縦に割れるのが特徴的です。酷くなると
- 1本の爪に何本も割れ目ができる
- 数本の爪に割れ目ができる
- 爪がはっきりと2つに分かれる
このような症状が見られます。明らかに爪が縦割れしていれば、症状が悪化する前に病院で診てもらいましょう。
爪の先端の白い部分が増える「爪甲剥離症」は女性に多い病気
爪甲剥離(そうこうはくり)症は爪が浮き上がり、先端の白い部分の面積が増える病気です。爪が割れたり剥がれたりし、爪が層状に剥がれる「二枚爪」も爪甲剥離症の1種です。
- 台所用合成洗剤
- シャンプー
- マニキュアや除光液
- 甲状腺機能異常
などが原因で発症すると言われています。
- 甲状腺機能異常
- 甲状腺は、のど仏の下にあります。甲状腺から分泌されるホルモンは、多くても少なくても健康に悪影響を生じます。ホルモンの分泌が過剰だと「甲状腺機能亢進症」、不足すると「甲状腺機能低下症」と呼ばれます。
洗剤やシャンプーに原因があるとされているため、料理人や美容師に多い症状です。爪先を使った、細かい作業を必要とされる職業の方にも見られることがあります。
甲状腺機能異常以外の原因は女性に関するものが多く、水仕事をする女性に多いのも特徴です。
爪水虫とも呼ばれる「爪白癬」は痛みや痒みがなく気付きにくい!
爪白癬(つめはくせん)とは、白癬菌と呼ばれる水虫が爪の中で繁殖している状態を指します。「爪水虫」とも呼ばれます。
- 同じ靴を毎日履く
- 爪白癬の人が使用した、バスマットやスリッパを使う
- お風呂に入らない日がある
これらが原因で爪白癬になることがあります。
爪白癬の初期症状では爪の色が白くなり、痛みや痒みがありません。自覚症状がなく、いつの間にか悪化していることが多いと言われています。
症状が進行すると爪の厚みが増え、盛り上がります。この状態では爪が大変もろく、割れたり剥がれたりします。爪が欠ける場合もあります。
「糖尿病」で血流が悪くなると爪に栄養が行き渡らない!
意外かもしれませんが、糖尿病が原因で爪が割れることもあります。
- 糖尿病
- 血液中にブドウ糖が増え、血糖値が高くなる病気。自己免疫疾患などが原因の1型、生活習慣などが原因の2型があります。
日本人は2型糖尿病がほとんどで、
- 食べ過ぎ
- 運動不足
- メタボリックシンドローム
などの生活習慣が原因と言われています。
糖尿病になると血液の流れが悪くなり、末端にある爪は血液が送られにくくなります。血流が悪くなって爪に栄養が行き渡らなくなると
- 巻き爪
- 横向きに線が入る
- 白く濁る
- 分厚くなる
このような症状が見られる場合があります。
中でも爪が分厚くなる、肥厚爪(ひこうそう)は糖尿病がかなり進行すると現れる症状です。爪にヒビが入り、割れる原因になると言われています。
爪は健康のバロメーター!爪が割れたら普段の生活を見直そう
爪は「健康のバロメーター」とも呼ばれています。爪が割れたらネイルケアだけではなく、食生活の問題や病気を疑うきっかけにもなります。
爪が割れる原因には
- 食器用洗剤
- マニキュアやスカルプなどのネイル
- 栄養不足
などがあるとご紹介しました。爪が乾燥してしまう除光液や合成洗剤を使っていないか、栄養が偏った食生活になっていないかなど確認してみましょう。
「爪がよく割れる」という方は、普段の生活に原因がないか見直してみてください。
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