つらい妊娠中の全身の痒みをなんとかしたい!その原因と対策
Date:2016.05.30
妊娠したら、なぜか肌がやたらとかゆくなったり、敏感になったりして困っていませんか。
ただでさえ、体調がいつも通りではないところに、肌までかゆくなったらつらいですよね。
なぜ妊娠すると肌の状態が変わってしまうのか、その原因から対処法までご紹介します。
妊娠すると肌がかゆくなる8つの理由
それまではなんでもなかったのに、妊娠してから急にかゆくなることが多くなった、という方も少なくありません。
妊娠してから肌のかゆみが出る症状を「妊娠性皮膚掻痒症」といい、全身にかゆみが出ることが多いのですが、出産によって治まることがほとんどです。
なぜ妊娠すると肌の痒みが発生するのか、ご説明しますね。
1.肌が乾燥してバリア機能が失われている
妊娠すると肌質が一時的に変わったりして肌トラブルが起きやすくなります。それまで使っていた化粧品が使えなくなったりすることもありますね。
乾燥肌がひどくなり、バリア機能が失われているのでかゆみが増すことがあります。かゆいからといって搔き壊してしまうとさらにかゆみが悪化してしまうことに。
肌に刺激を与えずに、とにかく保湿を心がけることが大切です。
2.妊娠によってホルモンバランスが乱れる
妊娠~出産期のホルモンバランスの乱れによる影響で肌がかゆくなることがあり、まだ妊娠したことも気づかないくらいの妊娠初期からかゆみが出ることがあります。
- プロゲステロンが増える
- 男性ホルモンが減る
このような乱れによって肌が乾燥しやすくなり、かゆみが出てしまうのです。
3.肝機能の低下で胆汁の流れが悪くなる
妊娠中のホルモンバランスの変化により、肝臓の機能が低下することがあります。そうすると胆汁の流れが悪くなり、たまりやすくなるのです。
これを胆汁の鬱滞(うったい)といい、肌のかゆみが症状として出てくるのです。出産後にはたいてい解消されます。
4.代謝がよくなり汗をかいて湿疹ができる
妊娠すると汗をかきやすくなりますね。基礎代謝は妊娠前と比べ5~15%もアップするそうです。
血流量も増えているので、暑いし汗や皮脂の分泌が盛んになって、毛穴が詰まりやすくなってしまうのです。毛穴が詰まると細菌が繁殖しやすくなり、炎症を起こします。
- ニキビ
- 湿疹
- あせも
- うみ
などができやすくなり、かゆくなるのです。
5.下着の締め付けによるかゆみ
妊娠中は大きくなるお腹を支えるために、腹帯やガードルで身体を締め付けていますね。
また、妊娠中期から後期にかけては身体のサイズもどんどん変化していきます。
身体に合わないサイズの下着をつけることで締め付けも強くなり、かゆみが増してしまいます。
6.妊娠線ができてかゆみがでる
妊娠線とは、お腹や乳房が急激に大きくなることによってできる”肉割れ”です。
皮膚の伸びが追いつかずに、真皮にある弾性繊維が避けてしまうため、表面から見ると赤くミミズ腫れを起こしたような線が出来てしまいます。これが妊娠線です。
妊娠線は、
- お腹
- 胸
- お尻
- 太もも
などにできやすいので、血行を良くして皮膚が硬くなるのを防ぐことが大切です。
7.細菌やウィルスのせいで外陰部がかゆくなる
妊娠中はおりものの量が増えて、肌の表面だけでなくデリケートゾーンやかゆくなることもあります。
膣内のpHが乱れて菌が増殖してしまうと膣炎を起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
- 大腸菌
- ブドウ球菌
- 膣カンジダ菌
- トリコモナス原虫
などが原因で感染症を起こすこともあるのです。
陰部のかゆみは相談しにくいかもしれませんが、細菌性のかゆみの場合は抗生剤や膣錠が必要な場合もあるので、早めに病院で相談しましょう。
8.他の病気が隠れていることも
たいていはホルモンバランスの乱れや皮膚の乾燥が原因で起きることが多い肌のかゆみですが、病気が隠れている可能性も否定できません。
- 慢性腎不全
- 肝疾患
- 糖尿病
- 悪性リンパ腫
- 精神神経疾患
- 遺伝的要素
かゆみが続くようなら、一度主治医に相談してみましょう。
かゆいお肌のケア方法が知りたい!自分でできるスキンケアなど8つの方法
かゆみ止めはあまり使いたくない、という場合には日々のちょっとした心がけでかゆみを防ぐことも出来ます。
普段とは体調が違うのだということを忘れずに、こまめなケアでかゆみを防ぎましょう。
1.敏感になっている肌を刺激しないこと
肌が敏感になっていますから、とにかく刺激を与えないこと!
- 石けんや洗顔料は低刺激のものを使う
- 石油系のボディーソープを使わない
- ナイロンタオルなどで身体をこすらない
- 顔だけでなく身体もしっかり保湿する
お風呂に入る時は以上のようなことに気をつけましょう。身体を洗う時は手を使って泡で洗うだけで十分です。
2.皮脂を取りすぎないようにして全身を保湿すること!
保湿は一番のかゆみ予防法です。乾燥がひどい時はあえて石けんなどは使わずに、お湯だけで流してもいいのです。
少ない皮脂を洗い流さないように。そして大切なのが保湿。水分を補給してあげたら、きちんと油分で膜をすることを忘れてはいけません。
入浴の時に保湿効果のある入浴剤を使い、お風呂上がりには全身にクリームなどを塗ってしっかり保湿して下さいね。
3.お風呂の温度を38℃くらいのぬるめにする
暑いお風呂に入ると肌が刺激されてかゆみが増します。お風呂はぬるめの38℃くらいにしましょう。
湯船はリラックスできてよいのですが、長く入りすぎないように気をつけましょう。
また、熱いお湯は肌を乾燥させるので、顔を洗う時はさらにぬるめのお湯で洗って下さい。
4.妊娠線予防クリームをお腹に塗る
肉割れが出来るとその部分がとてもかゆくなるので、お腹他目立ち始める安定期以降は、妊娠線予防のために保湿クリームをぬりましょう。
またはホホバオイルなど、保湿効果の高い植物オイルもおすすめです。
出産直前に赤ちゃんの位置が下がってくる時に妊娠線が出来てしまうこともあるので、出産まで気を抜かずににケアして下さい!
5.身体に合ったサイズの下着をつける
妊娠後期は特に胸やお尻が大きくなります。下着はひと回り大きなサイズでもいいくらいです。
敏感肌の方は、
- 肌に優しいコットン素材のもの
- ゴムや縫い目が当たらないもの
を選ぶと、かゆみも防ぐことが出来るでしょう。
6.身体を締め付けない服を着る
最近はマタニティーウェアもオシャレでかわいいものがいっぱい!妊婦には見えないような服もたくさんあります。
ただ、肌のかゆみが出ている時は、あまり身体を締め付けないデザインのものを選んで下さい。身体を締め付けていると血行が悪くなり、余計かゆみが増すことがあります。
7.肌を保護するビタミンAを摂取する
ビタミンAは皮膚や粘膜を保護し、肌荒れから守ってくれる栄養素。緑黄色野菜にたっぷり含まれているので、日々の食事で積極的に摂りたい栄養素です。
ただし、妊娠初期には過剰摂取にならないよう注意が必要です。
妊婦がビタミンAを過剰摂取すると、胎児に奇形を起こす可能性が高くなると報告されており、妊婦の健康障害や胎児奇形を起こすことのない最大限の量は4,500μgRE/日と報告されています
8.洗濯の時に柔軟剤を使わない
下着や肌に直接触れる衣類を洗う時は、肌に優しい洗剤を選ぶとともに、柔軟剤の使用は控えた方が無難です。
洗剤や柔軟剤の成分が衣類に残っていると、それが肌についてかゆみを増してしまうことがあるからです。
赤ちゃんの衣類用の洗剤を使うといいですよ。ママになってからも使えますしね。
どうしてもかゆみが我慢できない!そんな時の対処法
スキンケアなどをがんばっても、思い通りにならないのが妊娠です。それでもかゆくなることはあります。そんな時はどうしたら良いのでしょうか。
かかないでかゆいところを冷やすようにする
かゆい!かきたい!と思ったら、かかずにポンポンとたたいてみてください。爪を立ててかくと傷が出来てしまいます。
それでも我慢できない時は冷やしてみましょう。ただし、急激に冷やさないことがコツです。
急激に冷やすと、血管がキューッと収縮して一時的にかゆみがおさまります。
しかし、温度が上がってきて再び温かくなったとき、一気に血管がふくれて血流が増し、かゆみもましてしまうことがあります。
医師にかゆみ止めを処方してもらう
クリームなどで保湿してもかゆみが治まらない場合には、皮膚科もしくは産婦人科で妊娠中でも使えるかゆみ止めの塗り薬を処方してもらいましょう。
薬は使いたくない、特にステロイド剤については不安という方が多いと思いますが、薬を使わずに我慢して、
- イライラする
- かゆくて眠れない
- ストレスがたまる
こんな症状を抱えたままの方がお腹の赤ちゃんにはよくありません。
妊娠中のかゆみに関する体験談を見てみても、我慢しないで早めに医師に相談すれば良かった、という声も多いのです。
一時的なものとして割り切って、薬で抑えることも必要でしょう。
妊娠中の肌のかゆみは出産とともに解決します!
妊娠期間はわずか10ヶ月です。
その間には楽しいことも、肌のかゆみのように大変なことも色々ありますが、妊娠が原因で起きていることは、たいてい出産とともに消えてなくなります。
そのときはかゆくて大変ですが、出産が終わればあの時は大変だったなと笑い話になるようなことです。
こまめにケアすれば少しずつ治まるので、あまりストレスに感じないように、妊婦ライフを楽しむようにして下さい。
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