
眉や唇に色素を入れるアートメイク。施術のメリットとリスク
Date:2020.01.09
アートメイクという施術をご存知ですか?アートメイクとは、眉毛やアイラインになる目尻、リップなどに針で色素を入れる施術方法のこと。いわば刺青によるメイクのようなものです。
アートメイクをすればメイクなしで常時顔を美しく見せられますが、施術の際のリスクがかなり大きいとして、注意が促されています。
施術するためのクリニック選びに失敗すると、取り返しのつかない事態を招く可能性があるのです。アートメイクで得られるメリットと、必ず確認しておくべきリスクについて見ておきましょう。
この記事の目次
アートメイクとは?眉や目尻・唇に針で色素を入れる施術
まずアートメイクとは、針を使って皮膚の中に色素を入れ、見せたい印象に近づける施術方法のことを言います。
- 眉
- 目元
- 唇
がアートメイクの施される主な部位。眉をかかなくても形の良い眉毛をキープできたり、唇をずっと血色良く見せたりといった目的で使われる方法です。
タトゥー(刺青)との大きな違いは、色素を入れる皮膚の深さ。アートメイクはタトゥーよりも浅い表皮層に、数回に分けて色素を入れていく施術方法なので、ナチュラルな色になります。
半永久的なタトゥーと比べると、色が薄れていくスピードが速いのもアートメイクの特徴。
アートメイクのメリット。すっぴんに自信がつき、落ちない
「針で皮膚に色を入れる」と考えると少し怖いイメージがありますが、アートメイクには次のようなメリットがあります。
すっぴんの顔に自信が出る
アートメイクで眉や目元、唇に色を入れることで、すっぴん状態の顔に自信が出るようになります。アートメイクは無毛症の治療目的で用いられることもあり、人のコンプレックスを解消するために大変役立てられているのです。
いつでも眉が描かれていたり、目元がハッキリ見えたり、唇の血色がよく見えたりといった状態でいられます。
唇の形や目元に自信がない人でも、少し色素を入れるだけで随分印象が違って見えるものです。アートメイクは数年で色が消えていくので、整形よりも手軽に挑戦できる美容施術としても評価を得ています。
メイクをする手間が省ける
アートメイクを施すことによって、メイクの手間が格段に減ります。眉や目元、唇…気になる部位にはすでに色が入っている状態ですから、他の細かなメイクを施せばすぐにでも外に出られます。
アートメイクが理想通りに上手くいけば、一切メイクをしなくても自信を持って人前に出られるようになります。
急な来客や外出時には嬉しいメリットですね。「眉描いてないのにどうしよう!」といった悩みを解消してくれるので、忙しい女性にも人気です。メイクを禁止されているような職場でも解決策の一つとして挙げられています。
メイクを落とす手間が省ける
メイクを落とすのが面倒くさいと感じること、ありますよね。しかし落とさないと肌トラブルを招いてしまいますし、かといってゴシゴシと強く擦ることで、肌がボロボロになってしまうこともあります。
アートメイクはメイクを落とす必要がないため、肌トラブルのリスクを減らすことができます。
肌が弱くてメイクの度に肌荒れする、という人の解決策にもなりますよ。
水や汗に濡れても落ちない
突然の雨や水濡れ、汗をかいたりしたときにメイクが落ちてしまうことがありますよね。アートメイクは当然、水濡れや皮脂で落ちることはありません。暑い日でもプールや海でも、メイク崩れの心配がありません。
ちなみにアートメイクはタトゥーとは違い、銭湯やプールに入ることを許可されています。
アートメイクはあくまで素顔の魅力を引き立てるための施術方法です。タトゥーと違って「一生消えない」ことはありませんから、罪悪感が少ないのもメリットです。
アートメイクのリスク。消えにくく感染症・化膿のおそれ
魅力的なメリットを持っているアートメイクですが、タトゥーと並べられる通り「身体の内側に色素を入れる」施術であることに変わりはありません。安易に施術を決断できない、次のようなリスクを持っています。
施術時には痛みが伴う
針を使う、という点から想像できた人もいるでしょう。刺青を入れるときほどではありませんが、アートメイクの施術をするときには痛みが伴います。
もちろん施術の際には麻酔を使いますが、毛抜きで毛を抜いたときのようなチクチクとした痛みが生じます。
表面麻酔などにより可能な限りの痛みを軽減してもらえますが、個人差によっては全く痛みを感じない人も、強く痛みを感じる人もいます。事前のカウンセリングでよく話し合っておく必要があります。
施術にかかるコストが高い
針を使った医療行為に分類されるアートメイクは、1回の施術にかかるコストが高いことでも知られます。
アートメイクの施術は1回につき約50,000円程度ですが、部位が増えたり回数が増えたりすれば、倍々に額が高くなります。
色が入りにくければそれだけ高いコストがかかります。メイクをしなくて良くなるとしても、人によってはメイクアイテム代の方が安く感じるでしょう。
デザインの修正が難しい
アートメイクは一度色を入れてしまうと、簡単には消えません。数年で消えるということは、数年は残り続けると言うこと。
理想と違うデザインで色を入れてしまったり、途中で違うデザインに変えたくなったとしても、簡単に調整できないのです。
例えば眉メイクのトレンドは移り変わりが激しいですから、施術時のトレンドの形で色を入れたとしても、施術後にトレンドが変わったとき眉の形を簡単に変えられません。
クリニックや施術者の良し悪しによっては、そもそも希望していた形通りに色を入れて貰えないことがあります。
施術による化膿や感染症のリスク
近年、アートメイクによる被害報告が相次いでいます。人の皮膚に針で色素を入れるという難しい施術ですから、失敗するとこんなリスクを抱えることに。
- 施術した部分が化膿する
- 施術した部分の腫れが引かない
- 目元の施術で角膜に傷がつく
- 施術中・施術後に感染症を発症する
体質による個人差も関係していますが、衛生管理の徹底されていないクリニックや、非医療従事者による施術が理由で、このようなリスクが高くなります。
アートメイクをしようと考えたら、クリニックや施術者の選び方が重要になります。安さ重視のクリニックだと医療の知識・技術が満足でないことがあるので注意してください。
数年で消えるが簡単には消えない
アートメイクは数年かけてじっくり薄くなっていきます。タトゥーのように半永久的とまでは言えなくても、数年は付き合っていく必要があるということです。
一時の気の迷いで色を入れると、施術後に「消したい」と思っても簡単には消せません。消すにしてもレーザー治療など、施術に加えてさらにコストがかかります。
デザインや色・部位の決め方も重要ですが、それ以前に「入れる・入れない」を決めることから慎重に考えていきましょう。施術して数年間はそのままですから、本当に後悔しないか、困らないかをよく考える必要があります。
完全に消えることはない
数年で色が薄くなり、レーザー治療や除去手術で消せるとしても、入れたアートメイクが完全に消えてなくなることはありません。
表皮に入れた色はあくまで「薄くなる」だけで、時間が経過しても完全に消えることはないのです。
施術から数年経っても、よく見るとアートメイクが残っていることがあります。レーザーや除去手術をしても完全に消し去ることは保証されていません。アートメイク施術前の状態に完ぺきに戻すことは、不可能であると覚えておきましょう。
MRIを受けられない場合がある
アートメイクをした人全員が、という話ではありませんが、アートメイクが理由でMRI検査が受けられない可能性があります。
MRI検査が請けられないと病気の発見や治療方法の相談ができなくなります。もしもの事故や病気の際、大変なリスクを負うことになってしまいます。
もちろんアートメイクが理由でMRI検査が受けられなくなる可能性は低いですし、そもそもクリニックで事前にMRI検査について相談していれば、MRIの妨げになるようなアートメイクは防げます。
アートメイクの施術をする際は、MRI検査についてクリニックとよく話し合っておきましょう。
メリットもあるけどリスクが大きい。施術の判断は慎重に
アートメイクはメリットも多く魅力的な施術ですが、施術にあたって抱えるリスクは決して少ないとは言えません。
一度施術してしまうと後から取り返しがつかないので、アートメイクの施術をする前によくリスクと向き合いましょう。
消えないけれど本当に良いのか、化膿や感染症のリスクが低い安全なクリニックを選べるのかどうか…。施術の前にしっかり考えてくださいね。
ちなみにアートメイクの他にも、眉毛やリップを一時的に染めておく「ティント」など、すっぴんに自信が出る方法はたくさんありますよ。

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