新型栄養失調は若い女性にも多い!肉を避ける女性はチェック
Date:2016.04.08
どうしても痩せたい!とダイエットに励むのはいいのですが、食事制限だけに頼るダイエットは危険です。
それは分かっていても、食べる量を減らす方法が一番手っ取り早く痩せられるせいか、まだまだ食事制限に頼ってダイエットをしている女性も多いものです。
しかし、それを繰り返していると恐ろしいことになりますよ。若い女性に増えているのが、新型栄養失調という病気です。
新型栄養失調という病気について知っておくことは、女性としても無駄になることではありません。
手遅れになる前に、新型栄養失調について知り、正しいダイエットをすることをお勧めします。
カロリーは十分なのに栄養不足。新型栄養失調ってどういう状態?
新型栄養失調は高齢者に多く見られると言われています。
しかし近年では若い女性にも増えている症状です。新型栄養失調とはどのようなものなのでしょうか?
3食きちんと食べていても栄養不足と言われる
新型栄養失調とはカロリーは足りているのですが、ビタミンやミネラル、タンパク質といった栄養素が不足していることを指します。
特にタンパク質不足になっていることを、新型栄養失調と呼ぶことが多いです。
新型栄養失調になると、体にはどのような変化が現れる?
タンパク質は次のような重要な役割を担っています。
- 筋肉や血管、皮膚、髪の毛の材料になる
- 免疫細胞、臓器などの組織の材料になる
- ホルモン、免疫の抗体、遺伝子の材料になる
- エネルギー源になる
これらの働きをするタンパク質が不足すると
- 疲れやすくなる
- 風邪をひきやすくなる
- 貧血になる
- 筋肉がなくなるため、転びやすくなる
- 結核や肺炎、脳出血、骨折などをしやすくなる
- 免疫力が低下する
- 心臓の働きが弱くなり心臓病などになりやすくなる
などといった、生命の維持に影響を与えてしまいます。ダイエットどころではありませんね。
新型栄養失調の原因はタンパク質不足!ダイエット中の女性は要注意!
新型栄養失調になってしまう原因はタンパク質不足です。普通に食事をしていれば、タンパク質はそれほど不足することはありません。
なぜタンパク質が不足してしまうのでしょうか?
お肉を食べなくなることで、タンパク質が不足する
高齢になるとコレステロールが高いことに敏感になります。コレステロール値が高いと、血液がドロドロになり、脳梗塞などの脳疾患や心筋梗塞などの心疾患になりやすいからです。
特にシニア世代は、脂肪や脂の多いお肉を食べなくなる傾向にあります。
若い女性もダイエットをしたいと思うと、肉類を避けるようになります。極端な食事制限をすると野菜だけ食べる、という生活をするようになることも。
野菜はビタミンもミネラルも摂れるので、安心してしまうのでしょう。
お肉には重要な栄養成分が含まれている
魚や大豆は栄養価が高く、毎日の食事に取り入れたい食材として知られていますが、肉類も必要なもの、ということを知っておきましょう。
肉や卵といった動物性食品には、「血清アルブミン」が多く含まれています。
血液中には多くのタンパク質が存在していますが、血清アルブミンは血液中のタンパク質の約6割を占めています。血清アルブミンが不足すると、タンパク質も不足しやすくなるのです。
お肉には代謝を促すビタミンBやミネラルといった成分が豊富に含まれています。
エネルギー源とビタミンBやミネラルが一度に摂れて、スタミナがつく素晴らしい食材。老化予防にも必要な食材なのです。
さらに夏になるとそうめんやうどん、アイスなど糖質の多い食べ物を多く摂るようになりますね。
そうすると糖質をエネルギーに変換するビタミンB1が不足し、食欲不振になり、肉などのタンパク質も不足して、ビタミンB群やミネラルも不足して、疲れやすくなるのです。
また、脂質は細胞膜や血液、ホルモンなどの原料となるほか、ビタミンA、D、Eといった脂溶性ビタミンの吸収率を高めてくれるものなのです。
あなたは大丈夫?新型栄養失調度チェックで確認
自分が新型使用失調かどうかは分からないこともあります。次の項目で当てはまるものにチェックを入れてみましょう。
- 肉類をあまり食べない
- 風邪をひきやすく、治りにくい
- めまい、息切れ、立ちくらみなどをよく起こす
- 口内炎を作りやすい
- 食べ物の好みが変わりやすい、味が分かりにくい
- 油抜きダイエットなど、油を摂らないようにしている
- 気持ちが沈みがちでイライラしやすい
- 好きなメニューは何日も続けて食べる
- インスタント食品を食べることが多い
当てはまる項目が多いほど、新型栄養失調の可能性が高いので注意した方がいいですよ。
また、ふくらはぎの一番太い位置を、両手でつかんでみましょう。両方の足をチェックしてみて、どちらか一方でも軽く指が届くようなら、新型栄養失調の可能性が高いと言われています。
ふくらはぎが細くなっていたら要注意!ということですね。
健康診断の血液検査で新型栄養失調が分かる?
新型栄養失調を調べる方法として、健康診断があります。それが血液検査です。
血液中のアルブミンの数値を調べてもらいましょう。アルブミン(ALB)3.5g/dl以下で低栄養、3.8g/dlで予備軍と言われています。
新型栄養失調にならないために。正しい栄養の摂り方とは?
新型栄養失調にならないためには、タンパク質の摂取が重要です。もちろん、お肉ばかりを食べ過ぎるのは控えたいもの。正しい栄養の摂り方について紹介しましょう。
不足しても、摂りすぎてもいけないタンパク質の摂取量はどれくらい?
タンパク質の摂取量の目安は、1日に体重1kgあたり1g~1.1gです。体重が45kgであれば約45g、60kgの人なら約60gのタンパク質を摂るのが理想です。
加齢とともにタンパク質を吸収しにくくなりますので、若い年齢の人よりも、50代以上はタンパク質の摂取量が多くなります。
年を取るとともに、若い頃よりもタンパク質を多く摂取する必要があるのです。
タンパク質を構成するアミノ酸の種類と働き
タンパク質を含む食品として代表的なものが、
- 肉
- 魚介
- 卵
- チーズ
- 大豆製品
といった動物性タンパク質です。
これらはアミノ酸をバランスよく含む良質なタンパク質です。そもそもタンパク質というのは、20種類のアミノ酸からできています。
その中で体内で合成されないものを「必須アミノ酸」と呼んでいます。それらは食事から摂らなければなりません。
必須アミノ酸には次の9種類があります。
バリン
- 精神の安定
- 疲労回復
- 免疫力の向上
- 成長を促す
ロイシン
- 体の各組織の収縮
- 集中力を高める
- 肝機能を正常にする
イソロイシン
- 神経機能の向上
- 血管の拡張
- 甲状ホルモンの分泌の促進
スレオニン
- 消化吸収の促進
- 新陳代謝の向上
- 小腸の機能の向上
メチオニン
- 記憶の低下を予防
- 有害物質の排出
- 発毛促進
フェニルアラニン
- ホルモンの材料
- 血圧を正常にする
- 食欲抑制効果
トリプトファン
- 睡眠障害の改善
- 脳の機能の向上
- 鎮痛鎮静効果
リジン
- 筋肉増強
- 成長促進
- 疲労回復
- 肝機能の正常化
- 視力回復
といった働きがあります。
豆腐や魚介類などの植物性タンパク質はカロリーは低いのですが、アミノ酸スコアも低いのです。
アミノ酸スコアというのは、9種類のアミノ酸がどれくらい含まれているか、という数値で、動物性タンパク質は100に近く、良質なタンパク質、と言えるのです。
脂質が多くないものを選びながらバランスよく摂る
お肉は食べ過ぎると悪玉コレステロールが増えてしまい、動脈硬化の原因になるので、脂質の少ないものを選ぶのがポイントです。
- 赤味のヒレ肉
- 鶏もも
- 鶏ささみ
などは低カロリーと言われています。
肉や魚の加工品である
- ハム
- ウインナー
- ちくわ
- はんぺん
などは塩分が多いので、摂りすぎないように注意しましょう。
お肉を食べるのはどうしても抵抗がある、という場合は、大豆製品、魚介類で植物性タンパク質を摂り、残りを肉類などの動物性タンパク質を摂るようにすればいいでしょう。
また、お肉を食べる際にもバターなどは控えて、塩・こしょうなどを使うことでカロリーダウンになります。このような食生活は生活習慣病の予防にもつながりますね。
むやみに食べないダイエットは健康に悪い
世の中には、独自の健康法で健康を維持しているケースもあります。大事なのは自分の体に適した方法を取り入れることなのでしょう。
お肉を食べなければ痩せる、と思っているとそうとばかりは言えないということです。健康な体でなければダイエットはできません。
むやみに脂肪やカロリーが高い食べ物を避けていると、かえって痩せなくなるということでもあります。
大事なのは健康な体で美しい体を作ることです。
新型栄養失調などにならないよう、必要な栄養素をしっかり摂って、美しく痩せることを目指しましょう。
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