ガリガリ体型は改善が必要!痩せすぎに潜む病気と健康被害の危険
Date:2016.11.22
女性なら誰しも痩せたい、細くなりたい、と思うものです。きゅっと締まったウエストや細くスッキリした脚はあこがれですよね。
でもただ痩せればいいというものではありません。「痩せ過ぎ」は体調不良や病気の原因になりますし、自分の身長や体型にあった適正体重というものがあります。
ではどこまでがスリムで、どこからが痩せ過ぎなのでしょうか。
また、痩せすぎると体にどのような影響があるのか、健康を守るためにもしっかり知っておいて下さいね。
この記事の目次
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「スリム」とは違う、痩せ過ぎの定義
女性は細ければ細いほどいい、というものではありません。実際、異性から見ても、痩せ過ぎにはあまり魅力を感じないようです。
やはり女性には女性らしい適度な丸みが必要ですよね。棒のような腕や足では全然そそられません。
身長と体重から「痩せ過ぎ」とはどのような状態か考えてみましょう。
BMIから適正体重を割り出す
肥満かどうかを見る一つの指針として、「BMI」という数値が使われます。
美容のための理想体重と健康のための適正体重は違うので、BMIを基準にすると「太っている」と感じる女性が多いようですね。
- ◆BMIとは?
- Body Mass Indexの略で、肥満度を表す指標のこと。
BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
たとえば身長160cm、体重56kgであれば、
56÷(1.6×1.6)=21.875となります。
BMI=22を標準体重とし、25以上を肥満、18.5未満をやせすぎと判定します。身長とBMI値=22から割り出せば、適正体重がわかるということですね。
痩せ過ぎの女性が増えている
本屋に行けば1年中ダイエット本が山積みなっているように、女性の「痩せたい」という欲求には終わりがないようです。
次から次へと新しいダイエット法が出てきますが、これは見た目が細いことが美しいこと、という風潮があるためでしょう。
それでも女性は少しでもやせて、体重を落とすことが美しくなることだと思ってしまっているようです。
実際、厚生労働省の行った「平成26年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると、痩せ過ぎの女性が増えている傾向にあります。
やせの者(BMI<18.5 kg/m2 )の割合は男性5.0%、女性10.4%である。この10年間でみると、 男性では変化はみられず、女性では有意に増加している。なお、20 歳代の女性のやせの割合 は、17.4%である。
平均体重も年々減少傾向にあるようですね。
太りたくても太れない?痩せ過ぎの原因
太れない、または痩せ過ぎの原因は色々ありますが、主な原因は身体的なものと心理的なものです。
拒食症の前段階である
憧れのモデルや芸能人のように痩せたい!と思ったり、または太っていることを他人に指摘されたことに傷ついたりして、痩せたいという思いが極端になってしまっている人がいます。
特に若い女性に多い問題ですが、痩せたいと思うあまりに食事が出来なくなってしまい、体重減少がいいことだと思ってしまうんですね。
体重が減少している間にくい止めないといずれは「拒食症」になってしまいます。
元々胃腸が弱く栄養の吸収が悪い
普通に食べているのに、むしろ人より食べるのにちっとも太れない、という人がいますよね。その原因の一つに胃腸が弱い、ということがあります。
胃の消化能力が低く、腸でも栄養を吸収しにくいため太ることが出来ずに、ちょっと食べないとすぐに痩せ過ぎの状態になってしまいます。
胃下垂によって栄養が吸収できない
胃下垂だと太らないとよく言いますよね。胃下垂とは胃の位置が正常な位置よりも下がってしまっている状態のことで、病気ではありません。
ですから、健康診断で胃下垂ですと診断されても特に治療をする必要はありません。
胃下垂の特徴は、
- 食後に下腹部がふくれる
- 便秘、下痢が多い
- 少ししか食べられない
- 胃がもたれる
- げっぷが多い
などがあります。
過度なストレスで痩せすぎてしまう
ストレスも痩せ過ぎの原因になります。ストレスが続くと食欲がなくなってしまう人もいれば、ストレスの影響で胃腸の調子が悪くなり、栄養を吸収できずに痩せてしまうことも。
栄養バランスの悪い食事
適正な体重を維持して美しいボディラインを作るためには、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどバランスよく栄養を取ることが必要不可欠です。
食事を抜いたり、お菓子などの甘いものを食事代わりに食べていないでしょうか。糖分は一時的なエネルギーになっても筋肉を作ることは出来ません。
また、
- 野菜を食べない
- 食物繊維が不足している
という状態では内臓機能の低下にもつながり、胃腸で食べたものをしっかり消化吸収できないため、どんどんやせていくのです。
体質的、遺伝的なものが原因の痩せ過ぎ
ご両親がやせている、祖父母もやせているなど体質的に太れない人もいるようです。
何を食べても太ってしまう人から見るとうらやましい限りですが、太れないということはそれはそれで悩みの種になるようですよ。
痩せ過ぎに隠れている病気の可能性
しっかり食べている、ダイエットは特にしていないのに痩せ過ぎになっている場合は、何らかの病気が隠れている可能性もあります。
病気が原因であれば、その治療をしないとどんどん痩せるばかりです。
うつ病などの心の病が隠れている
最初のうちは疲れが取れない、よく眠れないといった症状から始まることが多い心の病。
今は仕事が忙しいだけ、と疲労を軽く見ているとだんだん食欲もなくなってきて何もしたくなくなってきます。
胃潰瘍などわかりやすい症状があればいいのですが、それもないのに急激に痩せていく場合にはうつ病などの可能性があります。
心の病がやっかいなのは、本人がそれを認めたくない、現実を直視しないため、病院にかかることが遅くなることです。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうことが原因で起こる病気で、新陳代謝に異常が現れます。
一番わかりやすいのが体重の減少で、その他にも
- 手の震え
- 動悸
- 首の前面が腫れる
などの症状が見られる病気です。
10代の女性に多い摂食障害
拒食症になると、痩せたいと思うあまりに過剰なダイエットを繰り返し、食べることが出来なくなり極端に体重が落ちてしまいます。
また、食べることがやめられず、食べ過ぎへの罪悪感から嘔吐などを繰り返す嘔吐過食症や、拒食症の後に過食症を引き起こし、食欲をコントロールできなくなることも。
改善には家族など周囲の人の協力も不可欠で、時間もかかります。
しかし普通に食べられるようにその原因を取り除いていかないと、体重は減少する一方で、栄養失調により最悪の場合は死に至ることもあるので早期に専門家に見せることがとても大切です。
胃がんなどの疾患が隠れている
ダイエットもしていないのに急激に痩せてきたというのはよくありません。
特に30~40代以降は代謝が落ちてくる年代ですから、若い頃と同じように食べていれば多少太るくらいが当たり前。
中年以降に、何もしないのに痩せてくるというのはよくない兆候です。
まして骨や血管が浮き出るほど痩せるというのはあり得ないことなので、健康診断を受けるなど早めの対処が必要です。
痩せ過ぎが招く健康への悪影響と病気の危険性
痩せていればきれいに見えるからいい、ということではありませんよ。健康上の様々な問題が出てきます。
痩せた状態が続いていれば病気を引き起こす可能性もあり、早めに適正体重に戻すことが必要でしょう。
女性ホルモンのバランスが乱れる
BMIが17を下回ると女性ホルモンの分泌にも影響が出るとされていて、
- 生理不順
- 無月経
- 重い生理痛
などの不調が起こる場合があります。
健康な女性に周期的に生理が来ないというのは婦人科系の病気を引き起こす可能性もありますし、将来的には不妊の原因にもなり得ます。
ホルモンバランスを整えて女性の健康を維持するためにも痩せ過ぎはよくありませんね。
スタミナが足りず疲れやすい
痩せ過ぎの人は筋肉が足りないので、疲れやすく、また疲労回復も遅くなります。
ちょっとしたことでも疲れやすいので運動が嫌いな人が多いのですが、動かなければ筋肉が増えることもなく、痩せる一方です。
血行不良による冷え性や肩こり、肌トラブル
痩せ過ぎの人は筋肉量も脂肪も少ないので、血流が悪く冷え性になりやすいです。
それだけではなく、筋肉不足から重い頭を支える力がない、骨格が歪みやすいなどの原因から肩こりがひどくなることもあります。
免疫力が低下して風邪を引きやすくなる
よく食べる太った人よりも、食の細い痩せた人の方が体が弱いイメージがありませんか。
それはあながちはずれでもなく、実際必要な栄養素が足りていないので、免疫力が低下しやすく抵抗力もありません。ウィルスや細菌に感染しやすいのです。
風邪を引きやすいくらいならまだしも、免疫力が低下していると様々な病気を引き起こす原因にもなるので、筋肉をつけて丈夫になりたいですね。
痩せ型の糖尿病になる可能性
糖尿病というと太っている人がかかるもの、というイメージをお持ちではないでしょうか。ところが太っていないから糖尿病にならないと思っていると大間違いなんです。
実際、日本人の2型糖尿病のうち、半数以上は標準体重もしくは痩せ型の人だということがわかっています。
- 2型糖尿病とは
- 遺伝的要素、生活習慣などが原因で、中高年に発症が多い糖尿病。糖尿病の多くはこの2型。1型は原因がよく分かっておらず、子どもや若年層に発症が多い。
欧米人は太っている人がなりやすいのに日本人は痩せ型でも危険が高くなるのは、元々が「農耕民族」であるという理由があります。
欧米人は昔から肉食でしたからインスリンの分泌量が多いのですが、アジアはずっと穀物中心の食生活をしてきました。
ですから、インスリン自体が少なくても問題はありませんでした。
ところがここ数十年の食の欧米化によってインスリンが必要になったものの、体はまだ変化できていないんですね。
痩せ過ぎでインスリンの分泌が悪いのに高カロリーな食事ばかりしていると、太る前にインスリン不足で糖尿病になってしまうのです。
出産時の低出生体重児のリスク
妊娠、出産は命がけの大仕事ですから、母体は平常時よりもたくさんの栄養を必要とします。
妊娠した時に母体が栄養不足だと、胎児に必要な栄養を供給することが出来ないので成長に影響が出てしまうことも。
早産ではないのに体重が少ない低出生体重児(2500g未満)の危険が普通のママよりも2倍にもなるのだとか。
しかも低出生体重児は、適正体重で生まれた子どもに比べ、成人してからの生活習慣病のリスクが6倍にもなるといわれています。
女性としての魅力が半減する
これは病気ではありませんが、がりがりに痩せた腕や脚は女性としての魅力に欠けると言わざるをえません。
男性から見てはもちろんのこと、同性から見ても美しさは感じないでしょう。胸もお尻もぺったんこでは、水着になるのも恥ずかしくなってしまうのではないでしょうか。
女性はやはり、適度な丸み、柔らかさがあってこそ女性らしく感じられるもの。本人が太っていると思うくらいでちょうど良かったりするのです。
健康的に痩せ過ぎを解消する方法
痩せているならとにかく食べる!というのも急に行うのは無理があります。胃腸に負担をかけてしまうので、ゆっくり改善してくことが大切ですね。
栄養のバランス、食事の内容を見直す
まずは良質なたんぱく質を摂りましょう。
- 卵
- 肉(モモやロース、鶏ムネ肉など)
- 魚
- 大豆製品
など、筋肉を作るもととなる食品は毎日欠かさず摂りたいもの。
そして摂った栄養素の代謝を良くするためにはビタミン類は欠かせません。
適度な運動で筋肉をつける
急に筋トレなどやり慣れない運動をすることはありません。まずはストレッチやウォーキングなどできそうなことからやっていって、「運動する」という事に慣れましょう。
体を動かすことに慣れてきたら、いよいよ筋肉をつけるための運動を。ダンベルなどを使った軽いウェイトトレーニングなら家でも出来ますよね。
- 腕立て伏せ
- 腹筋運動
などは道具もいらないので、毎日少しずつやってみましょう。
合わせてプロテイン飲料なども飲むと筋肉をつけやすくなりますよ。
虫歯、噛み合わせなどを改善する
健康な歯でしっかり噛めることは想像以上に大事なことなんですよ。虫
歯があったり噛み合わせが悪いと食べたものをしっかり噛むことが出来ずに消化吸収が悪くなります。
痩せ過ぎはあなたの魅力を半減させてしまうから
肥満は確かに美しくありませんが、かといって痩せれば美しくなれるのかといったら決してそうではありません。
男性は痩せ過ぎよりもむしろぽっちゃりしている方が好きなんですよ。
それは子孫を残そうという本能から来るもので、丈夫な子どもを産んでくれそうな体型に魅力を感じるものなのです。
モデルさんのスタイルに憧れる気持ちはわかりますが、あの人たちは身体を見せることが仕事です。
そこまで見せる必要のない私たちは、健康も考えた上で理想のスタイルを追求しましょう。
体重も身長や体型から適正なものになるようにしていきたいですね。
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