
最高の油「ギー」の美容・健康効果。注目のヘルシーバター!
Date:2017.03.26
ココナッツオイルやオリーブオイル、アボカドオイル、亜麻仁油など…今やヘルシーオイルは大人気ですね。
そうした中、海外セレブや有名モデルの間で注目を集めているオイルがあります。バターから作られるヘルシーオイル、その名も、ギー(ghee)。
「バターなのにヘルシー?」とちょっと不思議に思う人も多いかもしれませんね。
今回はインド発のオイル、ギーについて紹介します。
この記事の目次
最高の油!ギーはインド発祥の純度の高いバターオイル
ギー(ghee)はインド発祥のバターオイル(すましバター)。簡単に言うとバターから水分やタンパク質を取り除いた、純度の高いオイルです。
ギーは保存しやすい純粋なオイル
ギーの原料は牛、水牛、ヤギのミルクです。ミルクを沸騰させて煮沸殺菌したら、その後乳酸発酵させます。そうしてまずは発酵無塩バター「マカーン」が完成します。その「マカーン」をじっくり加熱して溶かしたものをろ過して不純物を除去します。
こうして作られるギーはバターに比べて腐敗しにくく、インドのような高温多湿の地域でも、長期保存や常温保存が可能とされています。
加熱ろ過の工程で
- 水分
- 糖分
- タンパク質
を除去することによってこうした保存が可能とされています。
ギーはアーユルヴェーダにおける「最高の油」
ギーを語る上で切っても切り離せないのがアーユルヴェーダのお話です。
アーユルヴェーダと言うと日本ではエステやスパのイメージですが、アーユルヴェーダは古代インドで生まれ5000年以上の歴史を持つインドの伝承医学です。
- 今ある病気を治療する「治療医学」
- 病気をよせつけない健康な心身を作る「予防医学」
の両方を目的とした学問で人々の健康や日々の生活に寄り添った自然療法でありながら、現代医学や治療にも大きな影響を与えています。世界最古の医学とも言われています。
アーユルヴェーダの古典医学書「チャラカ・サンヒター」において、「ギーは記憶力、知力、消化力、勢力、オージャス(活力)を高める効果がある」「「解毒、解熱、疲労回復、滋養強壮などの作用もあり、ギーはその用い方により無数の効果をあげることが出来る」という記述があるそうです。
つまり、アーユルヴェーダにおいてギーは最も優れたオイル、「最高の油」とされているのです。
薬や宗教儀式などにも使われる
ギーは料理や食事療法だけではなく
- マッサージ
- 外用薬
などの薬として使われることもあります。
さらに、
- 宗教的な儀式
- 結婚式
- 葬式
においても用いられ、神像を沐浴させたりお供え物にするなど神聖なオイルとして様々な場面で珍重されています。
薬や宗教儀式などにも使われる
ギーは食用としてだけではなく、
- マッサージ
- 外用薬
- 宗教的な儀式
- 結婚式
- 葬式
など治療や美容、宗教儀式にも用いられます。
ギーは摂取する優れたオイルであると同時に、治療のための万能薬であり神聖なものでもあるのです。
ギーの豊富な栄養素がもたらす驚きの美容、健康効果とは
世界最古の医学アーユルヴェーダにおいて最高の油とされるギーは、「次なるココナッツオイル」とも言われ、今、美に敏感な女性たちの間でじわじわと人気を高めています。
ギーに秘められた効果には以下の栄養素たちが大きく関係しています。
- 中鎖脂肪酸
- 短鎖脂肪酸
- 共役リノール酸
- ビタミンA
- ビタミンE
ここからはギーの効果について詳しく紹介していきますね。
1:脂肪燃焼をサポート
やはり体に良くないというイメージが根強いからか、ダイエット中はつい距離をとってしまうオイル。しかし、摂取量に配慮さえすれば良質なオイルはむしろダイエット効果をあげてくれる心強い美の味方!
ギーにはそのダイエット効果を高める栄養素、「中鎖脂肪酸」、「短鎖脂肪酸」、「共役リノール酸」が含まれています。
- 長鎖脂肪酸
- 中鎖脂肪酸
- 短鎖脂肪酸
今回のギーのお話で関係してくるのは「中鎖脂肪酸」と「短鎖脂肪酸」です。
- 中鎖脂肪酸
- 中鎖脂肪酸は摂取すると消化酵素や胆汁酸などを使うことなくすぐに小腸で分解、吸収されます。消化機能に負担をかけることがないので余分なエネルギーを使わずに速やかにエネルギー源として使うことが出来るのです。すぐにエネルギーになるため脂肪として蓄積されにくく、それどころかなんと体脂肪や内臓脂肪、体重、ウエストサイズなどを減らす効果まであるそう!
同じようにすぐにエネルギー源に変わる成分として炭水化物があげられますが、こちらは同時に脂肪になりやすいというデメリットもあります。中鎖脂肪酸は脂肪になりにくいエネルギー源としてアスリートにも愛用されているそうです。
- 短鎖脂肪酸
- 筋肉に作用して脂肪燃焼を促進したり、血液で運ばれた脂肪の余分な蓄積を防ぎます。短鎖脂肪酸は中鎖脂肪酸よりもさらに分解されやすいので、体脂肪になりにくいとされています。
- 共役リノール酸
- 不飽和脂肪酸のひとつで乳製品に多く含まれる脂肪分です。共役リノール酸は、脂肪の分解や燃焼に不可欠な酵素、「ホルモン感受性リパーゼ」に働きかけて脂肪燃焼を促進します。また、筋肉の成長を促して代謝を高めてくれるのです。つまり、脂肪が燃えやすく、かつ脂肪を溜めにくい体につながります!
2:腸内環境を整えて免疫機能をアップ
短鎖脂肪酸の中でも酪酸という成分がギーには含まれていますが、実はこれは他のオイルには含まれない乳製品特有の成分です!
ギーに含まれる酪酸(短鎖脂肪酸)には以下のような腸内環境を整えるという重要な役割もあるのです。
- 悪玉菌の増殖を抑える
- 酸性である短鎖脂肪酸によって腸内が弱酸性になります。こうなると酸性に弱い悪玉菌の増殖を抑えることができるので腸内環境が整います。大腸の粘膜に働きかけて便通を改善してくれます。
- 免疫機能を高める
- なんと免疫細胞の70%が腸内にいるそう!免疫機能が低下すると外からのウイルスを攻撃することが出来ないので風邪や様々な病気から体を守ることが出来なくなってしまいます。腸内環境を良好に保ち免疫機能を高めることで病気予防につながります。
ギーで腸内環境を整えることが、
- 便秘の予防や改善
- 便秘によるむくみの解消
- 免疫機能の上昇
- 病気の予防
につながるということですね。
- 食物繊維
- オリゴ糖
などが発酵する際に生成されているのです。外からの摂取で補うと短鎖脂肪酸の働きのサポートになります。
3:アンチエイジングと病気予防
なんとギーはアンチエイジングの効果までもたらしてくれる美の味方!
それはギーに含まれる「ビタミンA」「ビタミンE」「共役リノール酸」の高い抗酸化作用によるものです。
- タンパク質
- 脂質
- DNA
などが酸素によって酸化されるのを防止する作用のことです。
- ビタミンA
- 肌や目を健康に保つための重要な栄養素。鼻やのどの粘膜にも作用します。
- ビタミンE
- 「若返りのビタミン」と呼ばれるほど抗酸化作用の高いビタミン。
- 共役リノール酸
- 血中のサビつきを防止する効果があります。
抗酸化作用は体内のサビつきを防止しますから、
- 肌の健康
- 肌のハリやツヤ
- 生活習慣病の予防や改善
にも効果が期待できます。
栄養価が高いギーは美と健康の両方に作用してくれるということですね。
4:消化機能を高める
何千年もの歴史をもつアーユルヴェーダにおいてギーは消化力を高めるために用いることがあるそうです。現代ではそうした効果が短鎖脂肪酸による働きによるものであることが分かっています。
- 水分
- ミネラル
などの吸収がスムーズになって消化器官が活発に動きます。栄養素が効率よく体内に行き届くのです。
このようにギーは健康的な消化活動をサポートしてくれますよ。
5:抗アレルギー作用
今や2人に1人は何かしらのアレルギーを持っていると言われているのはご存知でしょうか。
- 花粉症
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー
- 動物アレルギ―
などあげたらきりがないほどあり、多くの人が悩まされていますよね。
- アレルギー症状の原因となる物質の生成を抑える
- アレルギー反応そのものを抑える
などの抗アレルギー作用があります。
6:治癒効果やリラックス効果
古くから万能薬として重宝されてきたギーには、
- 消炎
- 鎮痛
- 治癒
などの効果があると言われています。
塗り薬のように傷や軽度のやけど、できものなどに塗ると回復を早めたり傷跡を残りにくくしてくれます。
また、神経を鎮める効果もあるのでリラックスしたいときにもおすすめです。
7:目のリフレッシュ
アーユルヴェーダのひとつにギーで目を洗うリフレッシュ法、ネトラバスティがあります。これは小麦粉などで作った土手で目の周りを囲み、そこにギーを流し入れるという方法です。
- 眼精疲労の回復
- ドライアイの解消
- 目のアレルギー症状の緩和
など目の不調に対する効果がある他、白目をクリアに見せる効果やクマや目元のくすみにまで効くというから驚きです。
自宅でも可能という情報もありますが、自己流で行うと大きな事故につながりかねません。施術方法や施術後の注意点などがあるようですので、安易な自己判断で行うのは危険でしょう。専門のサロンでしっかり説明を受けたうえで施術として受けることをおすすめします。
発酵無塩バターを使ってギーを手作りしてみましょう!
ギーは輸入食品の販売店での購入やネット購入が可能ですが、自宅で手作りすることも出来ます。良質なバターを使って作ってみるのも良いですね。
ギーの作り方とは
【必要なもの】
- 発酵無塩バター
- 鍋(アルミ製の鍋は避けてください)
- 油こし紙(キッチンペーパーや清潔なガーゼでも可能)
- ギーを入れる耐熱容器(煮沸消毒しておきます)
【手順】
- 発酵無塩バターを鍋に入れます。
- 弱火でゆっくり溶かします。
- やがて水分やタンパク質が泡となって出てきます。わずかにフツフツする状態で引き続き煮詰めます。
- 20分ほど経過すると、少しずつ透明になっていきます。引き続き煮詰めましょう。
- さらに煮詰めて30分から40分経過すると、また小さな細かい泡が出ます。この際に、茶色の沈殿物と黄金色の液体が見えたら火を止めます。
- 油こし紙で濾します。
- 冷めたら完成です!
- 濁ってしまうので煮詰めている間は混ぜないようにしましょう。
- 保存容器のフタは完全に冷めてからしてください。
手作りギーの保存方法
いくらギーが腐りにくいオイルと言っても、自宅で手作りした場合は出来るだけ
- 高温多湿
- 直射日光
を避けて保存するのが良いでしょう。常温保存で2か月から3か月程度で使い切りましょう。
いつもの料理やバター代わりに!ギーの使い方と注意点
多くの効果を持つギー。ぜひ日々の生活に取り入れてみましょう!
オイルとして飲み物や料理に
ヘルシーなバターとして使えばいろいろな使い方が出来ますよ。
- 白湯やホットミルクに
- 朝の白湯や寝る前のホットミルクなどにギーを小さじ一杯加えます。バターコーヒーのようにコーヒーにプラスするのもおすすめです。
- トーストやパンに
- バターの代わりにギーを朝食の食卓に置くのも良いですね。いつものトーストやパンがまた違った味わいになりますよ。
- サラダにかけて
- オリーブオイルのようにサラダにかけて使うのもバターの風味が感じられて美味しいですよ。
- 調理用の油として
- ギーは焦げにくいので炒め物に、風味付けに、様々な料理に使えます。
天ぷらなどには使用しないでください。またパンやケーキ作りにも不向きです。
フェイスオイルとして
オイル美容のように顔にギーを使う方法もあります。
- ニキビ対策に
- ウコンとギーを1:4の割合で混ぜたものをニキビに塗り、30分程経ったら肌に残らないようしっかり洗い流しましょう。
- マッサージオイル
- ギーで顔を優しくマッサージしたあと、拭き取るか軽く洗い流しましょう。
- まぶたに塗る
- 目の疲れを感じるときはまぶたに薄く塗りましょう。
- おでこに塗る
- ギーを手に取り出して温めおでこに塗ります。ギーの鎮静作用が働いてぐっすり眠れるそうです。
ギーを摂取する際の注意点
ギーを摂取する上での注意点を紹介しておきます。ギーの効果を正しく得るために大切なことですのでぜひ覚えておいてくださいね。
- 一日の摂取量は?
- いくら最高の油、万能オイルと言っても、ギーは油です。1グラム当たり9キロカロリーですので、一日の摂取量は30cc以内を目安にしてください。
- 気になるカロリー
- 大体大さじ1杯で108キロカロリーと言われています。毎日摂取するようであれば一日あたり大さじ1杯に抑えましょう。
- 一緒に摂取するのは控えて
- アーユルヴェーダでギーとハチミツは同時に摂取すべきでないと言われています。毒が溜まる、それぞれの作用が打ち消されるなどの理由があるようです。また同じようにギーと魚も相性が良くないと言われています。
正しく取り入れてギーの効果を楽しみたいものですね。
グラスフェッドバターから作られるオーガニックギーも!
最後にオーガニックがお好きな方に向けたお話です。
バターの中にはグラスフェッドビーフ(牧草のみで育った牛)から作られたグラスフェッドバターというものがあります。
- 香り
- 甘さ
- 味わい
などが一般的なギーとはまた違ったものだそうですよ。気になる方はぜひ違いを楽しんでみてくださいね!

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