結婚式のご祝儀マナー。しっかり守って縁起良くお祝いを!
Date:2017.12.15
結婚式の際に新郎新婦へお祝いの気持ちを込めて渡すご祝儀。このご祝儀には、実は細かいマナーがたくさんあります。
もしそうなってしまったら、知らなかったで済ませるのはとても恥ずかしい事。さらにはせっかくのお祝いムードに水を差す事にもなりかねません。
そこで今回は、大人なら必ず知っておきたいご祝儀のマナーについて紹介します。
この記事の目次
知っておきたいご祝儀の基本マナー!お金の準備から渡し方まで
結婚式の度に毎回、「どうだったっけ」と悩んでしまうご祝儀事情。お金の準備からそして渡し方まで、知っておきたい基本マナーを流れに沿って紹介していきます。
いくら包むべき?ご祝儀の相場を確認しよう
渡す相手や自分の立場。状況によって渡す金額は異なります。そこでご祝儀の相場をまとめてみました。
上司・恩師として参列:3万円・5万円
兄弟・姉妹として参列:5~10万円
叔父・叔母として参列:5~10万円
祖父・祖母として参列:5万円
また連名でご祝儀を包む場合は、上記の1.5~2倍でなるべく奇数になる金額を包みます。例えば、友人の式に夫婦で出席した場合、ご祝儀は連名で50,000円が相場です。
2万円は避けるべき?仕方のない場合は工夫すればOK!
ご祝儀の金額は奇数が好ましいとされています。これは、偶数のような割り切れる数字は2人が将来別れる事を予感させるため縁起が悪いと言われているから。
そこでご祝儀の一般的な相場は3万円なのですが、学生の立場だったり社会人になりたてでどうしてもお金の工面が難しい時。そんな時は無理せずに2万円でも大丈夫。大切なのはお祝いする気持ちです。
お金は新札を用意して。ぎりぎりの用意は大変!
ご祝儀には新札を包みます。これは、きれいなお札の方が気分が良いという理由だけでなく、普段はあまり手元にない新札を事前にちゃんと用意する事で、「お祝いするのを心待ちにしていました」という気持ちを表すためでもあります。
したがって、ぎりぎりに用意しようとすると新札がなくて慌ててしまう事も。ご祝儀のお金は余裕を持って用意しておきましょう。
新札は以下の方法で手に入れる事ができます。
- 銀行で両替
- 郵便局で両替
- 銀行にある両替専門ATMを使う
万一事前に新札が用意できなかった場合。前日の夜、もしくは当日になんとか用意できる可能性もあります。
- コンビニATMでおろす
- コンビニのATMは一度の大量のお金を詰めるため、他に比べて新札を入れている可能性が高いと言われています。
- アイロンをかける
- できるだけきれいなお札にアイロンをかけると、ぴんっとしたピン札を作る事ができます。(ピン札と新札の違いは後述します)。霧吹きで少し湿らせ、当て布をして高すぎない温度でアイロンをかけます。くれぐれも焦がさないように当てすぎには注意してくださいね。
- 式場で両替してもらう
- 式場によってはフロントに新札を用意している場合が多いです。特にホテルの場合はかなりの確率で両替してもらえるようです。
新札:銀行で発行した未使用の新券のこと
ピン札:未使用ではないけれど折り目や汚れのないきれいなお札のこと
ご祝儀には新札を用意したいものですが、ピン札をもらっても気にならない・気が付かないという場合も多いそう。どうしても用意できなそうな場合は、ピン札でも良いかもしれないですね。
正しい祝儀袋の選び方
祝儀袋は包む金額につりあうものを選びましょう。目安としては祝儀袋の値段。包む金額の1/100ほどの値段のものを選びましょう。ご祝儀が3万円なら祝儀袋は300円程で選んで。
袋だけ豪華なものを選びたい!と中身の金額につりあわない祝儀袋を選ぶのはマナー違反です。
また、祝儀袋には「結び切りの水引き」がついたものを必ず選びましょう。これは「一度結んだらほどけない」という2人の絆の思いを込めたもの。
逆に「蝶々結びの水引き」は、「ほどいて何度も結び直せる」ことから結婚式ではNGです。
ご祝儀袋の書き方(外袋と中袋)
祝儀袋の外袋に名前を、内袋に金額と住所を、筆ペンや毛筆で書きます。
筆ペンは普段書きなれていないという人が多いと思うので、実際にご祝儀袋に書く前に何度か練習してみるといいですね。
贈り主の名前は短冊の下側に書きますが、上側には「寿」か「御祝」、または「御結婚御祝」と書きます。
「結婚御祝」は4文字になり、4と言う数字は縁起が悪いのでNGです。これらは元々記入されている場合もありますが、ない場合は忘れずに記入しましょう。
【 外袋 】
- 個人名の場合
- 水引を境に、下の部分に自分のフルネームを書きましょう。
- 会社名入り個人名の場合
- 右に上寄せで小さめのサイズで会社名を、その左に自分のフルネームを書きましょう。
- 連名・夫婦の場合
- 右側に夫のフルネーム、左側に妻のフルネームもしくは名前のみを書きます。
- 連名・3名までの場合
- 右から五十音順、もしくは目上の人から書きます。
- 連名・4人以上の場合
- 祝儀袋に書く名前は3名までとします。それ以上の場合は代表者の名前のみを書いて、その隣に「外一同」と書きます。
【 内袋(中袋) 】
内袋の表側中央に、ご祝儀袋に入れた金額を「金〇萬円」と漢数字で書きます。
気を付けたいのは、「一、二、三」ではなくて、「壱、弐、参」などの漢数字で書く事。以下の表を参考にしてみてください。
1万円:壱萬円
2万円:弐萬円
3万円:参萬円
5万円:伍萬円
7万円:七萬円
8万円:八萬円
10万円:拾萬円
また、たまに「金〇萬円也」という風に最後に「也」をつける場合がありますが、これは一般的に金額が10万円以上の高額の時にのみつけるのが正解とされています。
内袋の裏側左下には住所と名前を書きます。新郎新婦が整理する時に分かり易くなるので、忘れずに書きましょう。
祝儀袋に入れるお札の向き。のり付けは?
お札を袋に入れる向きも決まっています。内袋を表にして、お札は肖像画が表を向いた状態で上向きになるようにして入れましょう。
のり付けは開封時に手間がかかってしまうので、しない方が良いでしょう。
間違えると縁起が悪い!祝儀袋の包み方・折り方
祝儀袋に必要事項を書いてお金を袋に入れて。ここまで来ると安心してしまいそうですが、祝儀袋の折り方にもマナーがあります。
祝儀袋は最後に裏側で上下を折り重ねるように包みますが、上下のどちらを先に畳むかでその意味合いがまるきり変わってしまうのです。
逆に下の折り返しに上の折り返しを重ねてしまうと、「悲しみを流しましょう」とう不祝儀の意味になってしまいます。お葬式の香典に使われるので、結婚式では絶対に間違ってこの折り方をしないように。
渡し方:袱紗やハンカチに包んでお祝いの言葉と共に
ご祝儀は汚れたり折れ曲がったりしないように大切に扱うのはもちろんの事、袱紗(ふくさ)で包んで持っていくと大人の女性としてとてもスマートです。
大事なのは「大切に持ってきました」という気持ちが伝わることなので、袱紗が無ければ大きめのハンカチで代用しても大丈夫です。間違っても裸のままカバンから出す、なんて事はないように。
受付で袱紗をひらき、ご祝儀袋の文字が相手から正しく読める向きに整えて両手で渡しましょう。この時に「本日はおめでとうございます」というお祝いの言葉を添えます。
連名のルールについて。連名で良い時、NGな時
夫婦で結婚式へ出席する時に、ご祝儀を2人で一緒にまとめて連名で出すのはよくある事です。それゆえ気軽にいろんなケースで連名でご祝儀を出そうとしてしまう人もいるようです。
しかし夫婦や家族を除いて、基本的にご祝儀で連名は使いません。連名についてのルールについて、少し詳しく紹介します。
夫婦で出席の場合は連名でOK!
基本、「一家につき1つのご祝儀」というルールがあるので、ご祝儀は夫婦でまとめて出します。しかし贈り主に関しては、主人の名前だけにしても連名にしてもどちらでも構いません。
実は昔は、妻の名前を書いた連名でご祝儀を出す事はあまり良くないとされていました。男性をたてるという意味もあり、主人の名前だけを書いて渡すのがマナーとされていたのです。
もし夫側の親族で年配の方が多いような結婚式に出席する際には、連名のご祝儀を見て快く思わない人もいるかもしれないので気をつけましょう。
しかし友人の結婚式であれば、夫婦連名でもまったく問題ありません。むしろ関係性が分かり易かったりするので、そちらの方が良いでしょう。
友人、同僚同士の連名はNG!披露宴に出席しない時はOK!
友人や同僚同士でのご祝儀の連名。これはやってはいけません。ただし、披露宴に出席しなかった・できなかった時など、お祝いだけでも渡したいという場合に限っては、友人や同僚での連名のご祝儀を渡す事は全く問題ありません。
その場合は複数人の連名の書き方を参考に、ご祝儀袋に贈り主を書いて渡します。
祝儀袋のデザインについて。キャラものはあり?
祝儀袋の選び方はすでに前述していますが、ここではデザインの内容を含めてもう少し詳しく紹介します。金額で選ぶだけでなく、包む相手によってはより相応しいデザインのものを選べるようにしましょう。
親しい後輩や友人に:2~3万円包む場合
基本は、祝儀袋は白が正式です。色味が多ければ多いほどカジュアルな印象になります。渡す相手が親しい後輩や友人の場合は、カラフルでカジュアルなデザインでも問題ないでしょう。
近年ではディズニーなど人気キャラクターがプリントされた祝儀袋もあります。喜んでくれる事が予想できるような親しい間柄なら、このような祝儀袋を選んでも問題ありません。
会社関係や親族に:3万円包む場合
白い祝儀袋に水引は紅白か金銀の、スタンダードなものを選ぶと良いでしょう。
個人や夫婦連名で:5万円以上包む場合
華やかな飾り結びの「結び切り水引」で、上質な和紙が使われているものを選んで。鶴や亀などの縁起物が書かれている、飾りで造形されているものも良いでしょう。大きさも大きめになります。
出席できない時など:1万円包む場合
式に出席できずにお祝いだけでも贈りたい場合。ご祝儀の金額は1万円が相場ですが、この際の祝儀袋は水引とのしが印刷された簡素なものが良いでしょう。ただし、水引は10本のものを選んで。5本だと一般祝い用です。
袱紗について。使いこなせるとスマートな大人の女性の第一歩
祝儀袋を包む袱紗についても、もう少し詳しく紹介しましょう。実は袱紗は慶弔で包み方が異なり、知らずに弔事用の包み方をしてしまうなんて事もよくあるものです。
逆に袱紗を上手に使いこなせると、とてもスマートに見えます。大人の女性として、きっと一目置かれる事でしょう。
袱紗の色選び。慶事は赤系、紫は万能カラー
袱紗の色ですが、紫は性別も問わず慶事・弔事の両方に使える万能カラーです。
慶事のみに使用する際には赤やピンクの赤系を、間違っても弔事の際に使用する緑・藍色・グレーは使わないようにしましょう。
包み方:慶事と弔事は異なるので注意!
包み方も慶事と弔事で異なります。慶事は右開きになるように、弔事では左開きになるように折ります。
慶事の包み方
- 四隅が上下左右(ひし形になるように)に袱紗を開く
- 開いた袱紗の中央からやや左に祝儀袋を置く
- 四隅の左、上、下、右の順に折りたたむ
- 左のはみ出した部分を内側に折る
弔事の包み方
- 四隅が上下左右に来るように袱紗を開く
- 開いた袱紗の中央からやや右に不祝儀袋を置く
- 四隅の右、下、上、左の順に折りたたむ
- 右側のはみ出した部分を内側に折る
大切なのはお祝いする気持ち、だからこそ1つ1つマナーを守って縁起よく!
お祝いのお金を渡すのに、ここまで色々とマナーを守らなくてはならないなんて面倒と思う人もいるかもしれません。
しかし、その1つ1つに込めれられた縁起や新郎新婦への配慮の意味を考えると、日本の奥深い文化に感心する気持ちも芽生えませんか?
相手の事を思うマナーをさりげなく、しっかりと実践できる人はとても素敵です。ご祝儀のマナーをしっかり身に付けて、大人の女性として余裕を持って新郎新婦をお祝いしましょう。
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