組み合わせ次第で毒にもなる!薬と上手に向き合う方法とは
病気やけがをしたとき、症状を軽くして早く回復するために、また不快感を軽減するためにも、薬はなくてはならないものとなっています。
- そのお薬はお医者様で処方してもらったものですか?
- それとも常備薬的に自分のお気に入りをドラッグストアで買っているものですか?
ですが、薬は症状を改善、回復させるための効用だけでなくほかの作用のある要素も混ざっています。
薬の各主成分を配合させ、効果が出るようにするために別の症状を誘発してしまうような副作用があるものもあります。
また、ひどい風邪などで咳、熱、頭痛、のどの痛み、鼻水と複数の症状を和らげようと何種もの薬を飲むと、すべて効くこともあれば相性が悪く、別の部分の具合が悪くなったりもします。
病気を治すはずの薬で具合が悪くなってしまうのはなぜ?
朝から快調、元気いっぱいの時であれば、だれも薬など飲みません。飲む必要もないからです。
特定の症状の緩和、治癒のために薬をのむ
頭が痛いからと頭痛薬を飲んだところ、とりあえず頭痛は治まったものの、胃が痛くなった。
または風邪ひきで風邪薬を飲んだところ、頭がぼうっとして眠気に襲われ、何もできなくなってしまったなどの経験は誰しもあるのではないでしょうか。
頭痛薬にしても、A社の頭痛薬はぴたりと聞くけど、B社の同等品だといまいち効かないなどもあるかと思います。
人間の体はそもそも十人十色で、それぞれが違います。
ですから、管理された工場で同一に作られている薬の効き方も十人十色、人それぞれに、相性のいいお薬、悪いお薬があって当然なのです。
薬局で買える市販の薬でも、お医者様で処方される薬でも、自分と相性のいいもの、悪いものはしっかりとチェックしましょう。
おくすり手帳を有効活用しましょう
最近ではそれを踏まえて処方薬局では「お薬手帳」というものを出しています。
いつ、何の薬を処方されたかというシールをひたすら張り付けていくだけの手帳ですが、自分自身の体のためにもぜひ活用しましょう。
持病がある人は何かあったときのために、常に「お薬手帳」は持ち歩くように心がけることが大切です。
薬には通常手にすることのできるものとできないものがある
製薬会社によって製造され、日本国内で使用または販売される薬は薬事法に基づき、すべて厚生労働省の認可が下りたものです。
薬はものによってはもともと劇薬や毒薬であって、使い方を誤ると死に至るようなものも中にはあったりします。
最もそのような紙一重のような劇薬の管理は病院やお医者様などのプロの手にのみゆだねられ、我々庶民が手にすることは、おいそれとはありません。
我々が手にすることのできる薬は病院などで処方されて入手したもの、または薬局で買える汎用性のある薬です。
病院で処方してもらう薬なら安心?
一概にこうとは言い切れないかもしれませんが、病院で処方される薬の方がその時その時のカスタム仕様には近く、効用もあるようです。
保険の適用がされますので、モノによるとはいえ、薬局で購入するお薬よりは手頃な価格です。大半が西洋医学に基いたお薬です。
処方された通りの飲み方をしなければならないのは言うまでもありません。
手軽に手に入るドラッグストアのお薬の効果は?
風邪薬、頭痛薬と各種ありますが、やや汎用性の高い薬が多くなります。
つまり、病院に行くほどの症状じゃない時に自己判断でのむような薬が主であり、何でも屋的に効用はやや薄いように思われます。
典型的なのは風邪のひき初めに飲むお薬です。
これで治ればしめしめ、だめなら病院に行ってきちんと薬をもらおうとする方が大半かと思います。
病院ではお医者様の処方がないと薬が出ませんので、私たち患者の都合で、あれもこれもというわけにはいきませんが、薬局ではある意味、より取り見取りです。
薬局で入手できる薬には次のようなタイプに分けられます。
- 西洋医学系の薬
- 漢方
- ハーブなど自然のもの
- ホメオパシー
西洋医学のお薬はありとあらゆる人工的に配合された化学成分の効用を治癒のために追求していますが、漢方以下の3タイプは症状をゆうるりと緩和、自然治癒に任せるようなものがほとんどです。
得体のしれない化学成分の副作用の心配は小さいかもしれませんが、自然の産物にも化学成分は当然ふくまれており、皆無ではありません。
これらの中で自分と相性のいいものを選ぶことが大切です。
病を治すためなら、薬は正しく使おう。
薬はものによっては毒薬にもなりううるようなものもあります。市販で薬局で売られているようなお薬は比較的(あくまでも比較的です)無害なものも多いです。
「毒にも薬にもなる」または毒にも薬にもならない」という言葉があるように、お薬は使い方を間違えると両刃の剣のようなもので、危険ですらあります。
硫化水素の発生に使われた薬剤は単体ではそれぞれの役目のあるただの化学薬剤でした。(今では該当品は販売されていません)。
これが意図的にまたはうっかりとでも間違った使われ方で大変な事件を引き起こす猛毒になるのです。
おまけにこの硫化水素ですが、合法的に薬としての使用も臨床されています。
このように、薬は正しく使わないと効用も得られませんし、危険なことにすらなり得るのです。
薬の規定量、規定回数は必ず守る
上述の話は言うまでもなく、極端な例ですが薬のパッケージや薬局で処方された飲み方、食前・食後、一日の服薬回数、一家の分量などはきちんと守って飲みましょう。
倍量飲めば効果が倍になるというような単純なものではないですし、思わぬ弊害が出てしまうこともあるかもしれません。
薬の服用は必ずコップ一杯の水と一緒に
そして薬は必ず水と一緒に飲みましょう。適量はコップ一杯の水と言われています。
これはお薬が錠剤でも粉でも、固形ですが、水に溶けることで有効成分が吸収されやすくなるからです。
面倒くさくって、水なしで飲もうとすると口に残ったり、のどのあたりに残ったりしているのを感じることもあります。
付着した薬の成分が強いと粘膜などが傷つくこともあります。
ですからお薬は必ず水で飲みましょう。
また、水分であればジュースでもお茶でもよいかのようにも思えますが、これも多いに間違いです。
危険!アルコールとは一緒に飲まない。
休肝日という言葉があるように、飲酒が過ぎると肝臓を悪くします。
アルコールによって肝臓がありとあらゆるものを分解吸収させようとフルに活動してしまうからです。
そのような中で肝臓は薬の成分を必要以上に分解吸収しようとしてしまうのです。
アルコールの作用が薬を本来の姿から変えてしまうため危険です。
映画やTVドラマのサスペンスで、睡眠薬などとアルコールを無理やり飲ませて、被害者そのものの犯行に見せかけるのは良くあるトリックです。
つまり、アルコールと薬の相乗効果で死に至ることもあるのです。
薬と一緒に飲んだり食べたりしてはいけないものもある
アルコールだけでなく、薬を飲むときに一緒に飲んだりしない方がいいものはほかにもいろいろあります。
よく言われるのはグレープフルーツジュース。これもグレープフルーツに含まれる成分で薬の効果が出ないというのが定説です。
そのサイトによると薬による相互作用などを起こしがちな一緒に摂取してはいけない食品類は次のものです。
- グレ-プフルーツジュース
- クロレラ
- 緑黄色野菜
- 納豆
- カフェイン
- チーズ
- アルコール
- 牛乳
緑黄色野菜など体によさそうなものまでとは、意外ですね。こちらのサイトには各食品ごとに合わせてはいけない薬もリストアップされています。
尚、薬によっては眠気を誘ったり、判断力を鈍らせる作用のある薬もあります。そのような薬を飲んだ時は車の運転はしてはいけません。
どんなに調子が悪くても薬を飲んではいけない時もある!
さて、調子が悪い時に症状を緩和し、健康に戻るための薬ですが、たとえ不調であっても飲んではいけない場合もあります。
アルコールを飲んだ後には薬は決して飲まない
アルコールと一緒に薬を飲むのは前述のように論外ですが、飲酒後に薬は飲んではいけません。理由はやはりアルコールも薬も肝臓で分解するため、肝臓に二重に負担をかけてしまいます。
おまけに働きすぎた肝臓のおかげで薬の効用が増幅され、体に悪影響が出ることもあります。
お酒を飲んだ時は普段の常備薬といえども控えるようにしましょう。
特に組み合わせで危険と言われるお薬は、
- 抗ヒスタミン剤
- 咳止め
- 睡眠薬
- 精神安定薬
- 高血圧の薬
- 解熱鎮痛剤
- 糖尿病の薬
などです。
これだけあると、もう、飲酒後には薬は飲まないと決めた方が安全ですね。大丈夫な薬もあるにはありますが、それを見つける方が大変です。
インフルエンザに罹ったときも勝手に薬は飲まないこと
インフルエンザに罹ったときは手持ちの風邪薬などで対応してはいけません。
おまけにインフルエンザは特に小さい子供などは、重篤化しやすい病気なのです。
下手に風邪薬を服用することでインフルエンザ肺炎やインフルエンザ脳炎をおこすこともあります。
またインフルエンザはただの風邪類と違う感染症です。
必ずお医者さんに行き、特定のお薬(タミフルなど)をも処方してもらって飲みましょう。
ただしこれも対象療法でインフルエンザを治すわけではないので、必ず病院に行きましょう。
妊娠しているとき、妊娠しているかもしれない時の服薬もやめましょう
妊娠中の方は、自己診断で薬を飲むのはやめましょう。
お母さんと赤ちゃんは生まれてくるまで一心同体、母体を通り抜けるものは赤ちゃんの体も通り抜けます。
ですが、赤ちゃんの体は成人の母体ほど抵抗力もありません。
おまけに母体の中で生まれでるまでの体の機能を形成しているのです。
特に妊娠初期にあたる2ヶ月から4か月の間は一番影響を受ける可能性の高い時期であり、奇形などが出る確率が高くなります。
妊娠中は、まず、病院での定期的検査を必ず受けましょう。
そして妊娠中は調子が悪い時はすべてお世話になっている産婦人科で相談して、薬がどうしても必要であればそこで処方してもらいましょう。
もちろん、そのような最悪の事態にならぬよう、産婦人科で相談すれば漢方薬などでむくみを取るお薬を処方してもらえますので、お医者様を頼りましょう。
尚、よくありがちなのですが、妊娠してすぐ後に体調を崩し、風邪だと薬を飲んでたら、あとで妊娠が分かった…というケースです。
筆者もその一人だったのですが、ご安心ください。
これを思うと妊活中の方は自身の体の状態をよりベターに維持するために、余計なお薬を飲まないという心がけはありかと思いますが、さほど神経質になる必要はなさそうです。
ですが、例えば睡眠薬などを常用しがちな方はいきなり薬をやめて、ゆっくりすべき妊娠中にあえて眠れなくなるのもつらいでしょうから、早めに薬断ちをしてもなんとかなる環境を整えておいた方がよいのは確かですね。
どんなに便利でもお薬には頼りすぎないようにしよう。
いろいろと便利なお薬ですが、深刻でない限り、常用は避けましょう。
また念のために、安心のためにと、特に必要でもないのに予防代わりに飲むのも控えまししょう。薬ばかり頼りにすると、次のような問題が出てきます。
薬には依存症になってしまう危険もあり
薬には依存性があります。
そのお薬がないとイライラしたり、不調になったりしまいます。
それはもちろん不健康な状態です。ですからたとえ軽めのお薬だとしても、できる限り常用はしないようにしましょう。
薬の助けに慣れた結果、体の自浄・自然治癒能力は落ちる
人間の体は、具合が悪いと、体の中の白血球が戦い、病気や不調を治そうそうとします。
ですが、調子が悪い時に、すっと治るからという理由でお薬に頼りすぎるのはやはり問題なのです。お薬がすっと不調を治してくれるため、自分自身の体の中の自然治癒能力の方は怠けてしまいます。
自分の体の免疫力自体は退化傾向に向かってしまうのです。これでは長期的に見ればありがたくない話ですよね。
ですからやはりお薬は必要な時だけの使用にとどめるようにしましょう。
長期間の服用でじわじわと出てくる副作用
お薬は各種化学成分の合成品です。症状を軽くする成分をよい状態に保つためにほかの成分も多々入っています。
その成分のなかのどれか、または組み合わせで、本来のお薬の効果とは別の、目的外の副作用があるということは前述しました。
お薬もあるというよりは、すべてのお薬には長期使用のリスクは潜んでいると思ったほうがよいでしょう。
ステロイドなどは長期使用のリスクが良く語られるお薬ですが、これ以外にも一世風靡した画期的な治療薬が何年かして販売中止となった事例はたくさんあります。
特にハルシオンなど、睡眠導入剤は事件にまで発展してしまうことのある薬です。
処方された患者さんが使っているうちに強力な依存性や耐性ができることがわかり、結果副作用で意識がなくなったり、狂暴化するなどの問題が起きるというものでした。
かつて筆者が日光アレルギー対策に5年くらい服用していたトリルダンという薬も長期利用で不整脈が発生するケースがあるということで販売中止となってしまいました。
正直、何十年後かに出るかもしれない不整脈より、今のアレルギーの方が深刻だと、恨めしい思いでしたが、やはり恐ろしいですね。
また英国では、1990年代に壮年の女性のクロイツフェルトヤコブ病(狂牛病)患者が多くなり、調査の結果、皆、数十年前に不妊治療を受け、卵誘発剤を使用していたというニュースがありました。
ですからお薬は使わずに済むなら使わないで済ませる努力をしましょう。
今、なしで特定の病状ではないけど、これがないと生きていけないと思うお薬がある方はできるだけ飲まない努力から始め、やめる方向に持っていきましょう。
自分に本当に必要な薬を見極める
人間の体は十人十色です。それぞれ違います。私たちが必要とするものもそれぞれ違っており、誰にとっても100%完璧なものなどないと思っていた方がよいでしょう。
自分に必要なもの、相性がいいものはもちろん、薬や医療のプロであるお医者様の意見も取り入れながらベストと思われるものを選ぶようにしましょう。
どんなにいい薬でも、薬の多用は避けるべし
現代では不可欠な薬たちですが、使い方を間違えると大変なことになります。
ですから、お薬はできるだけ多用しない方がいいでしょう。
とはいえ風邪薬などはそれぞれ規定量を規定回数、一定の量を飲まないことには効果がない場合もあります。
ここで、多様を避けるというのは病院で処方される風邪薬や特定の病気のために処方された薬でなく、処方薬、薬局での購入品にはかかわらず、自己判断で飲む常用薬的なものを指します。
お薬はそれぞれの効用や飲み合わせの悪さは薬のしおりなどにも書いてあるかもしれません。
ですが、うっかりそんなもの読まない人も多いのではないかと推測されます。
たとえ読んだとしても、個人の体調や食べたり飲んだりしたものすべてに対応しているわけではありません。
なので、薬は自己判断で多用しない方が賢明です。
ある意味、必要もないのに危険物を体に取り入れているも同然です。
不調は本当にそのくすりでしか解決できないものか自問してみよう
薬でしか症状の治まらないもの、その他の化学成分でないもので症状を和らげないか考えましょう。
例えば、睡眠導入剤の代わりにアロマオイルを使うなどです。
お薬はソレしか手のない場合だけに限りましょう。
薬やサプリメント(サプリ)の安易な乱用はやめよう
薬局に行けばよりどりみどり、見てるだけで楽しくなるような品揃えで各種サプリもおいてあります。
サプリはお薬とはちょっと違いますが、やはり健康のためにと補助的に化学成分で不足しがちな栄養素を補うものです。
薬局で薬と同じように変えるサプリも薬と同様に考え、取りすぎ、多様に気をつけましょう。
つまるところ、薬局、ドラッグストアとはお友達になりすぎない、お得意様になるのはやめましょうというところですね。
必要なのは本当に信頼のできる薬を見つけること
自分の体と一番長く付き合い、一番よくわかっているのは自分だということを覚えておきましょう。
お医者様は薬と医療のプロですが、あなたの体の歴史は知りません。
プロの意見も聞きながら、自分に合った薬を選び、薬の使用は最小限に抑えられるように考えましょう。
薬が不要なほど健康であることが理想ですが、なかなかそうもいきません。
どうしても常用しなければならないなら、漢方、ホミオパシーなど、不調を治すというよりは体を鍛えていくようなタイプのお薬も検討してみましょう。
これらもやはり個人での相性もありますので、使用時には勉強が必要です。
お薬がどうしても必要な人は、お薬は友達と一緒に考えていいのかもしれません。
薬も同様に自分と本当にあった薬を数点厳選するくらいの気持ちで、気長に自分に合うものを見つけましょう。