ヘンプシードオイルの驚くべき効果。上手な使い方も要チェック!
Date:2018.07.31
美容や健康に欠かせない油、賢く選んでいますか?
ヘルシーなオイルには、オリーブオイルやアマニ油、エゴマ油などさまざまありますが、今回ご紹介するのは美肌やダイエット効果はもちろんアトピーの症状改善、記憶力アップ効果などもあるヘンプシードオイル。
ほかのオイルにはない、理想的な成分の含有率と魅力的な効果を知れば、すぐにでもヘンプシードオイルを日々の食事に取り入れたくなってしまうはず!
気になるヘンプシードオイルの安全性やおいしい食べ方、食べる以外の使い方も一緒に見ていきましょう。
この記事の目次
ヘンプシードオイルのヘンプって?安全性と最大の魅力
「ヘンプ」や「ヘンプシード」といった言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな植物なのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
ヘンプシードオイルの効果をご説明する前に、
- ヘンプとはどんな植物か
- ヘンプシードの安全性
- 最大の魅力
- ほかのオイルとの違い
をご紹介していきます。
ヘンプとはアサ科の植物
ヘンプとは日本語で麻のことを言います。麻はアサ科植物の総称です。ヘンプは食用や繊維などの産業を目的として品種改良が行われた麻の一種で、同じアサ科の植物で覚醒剤として知られている大麻、マリファナと区別して呼ばれています。
- 麻(ヘンプ)
- アサ科の植物。約90日で3~4mまで成長し収穫することができます。古代より農作物として育てられ、種(ヘンプシード)は古くから食用として使われています。また、衣類や紙、建設材料や薬としても使われています。
産業用のヘンプは陶酔作用のあるテトラヒドロカンナビノール(THC)含有量が0.3%未満のものと厳しく決められているため、危険な中毒・陶酔作用はありません。
ヘンプシードは麻の実
ヘンプシードは「麻の実」のことです。主に、
- 食用
- 食用油
- 塗料
- 化粧品
として商品化されており、危険性もなく安全に使うことができます。
ヘンプシードオイルは麻の実の殻をむき、分別、搾油したもの。きれいな緑色でクセが強くなく、品の良い香りがするため料理に使いやすいオイルです。
脂肪酸のバランスが理想的
ヘンプシードオイルには、オメガ6とオメガ3という必須脂肪酸がバランス良く含まれています。
- オメガ3
- オメガ3系脂肪酸。必須脂肪酸のひとつで、日常生活で不足しがちと言われている。代表的な脂肪酸にαリノレン酸がある。健康・美容に効果があり、魚油や甘煮油、エゴマ油などにも含まれる。
- オメガ6
- オメガ6系脂肪酸。必須脂肪酸のひとつで、日常生活で摂取しやすいとされている。代表的な脂肪酸にリノール酸がある。コーン油、大豆油など身近な油に含まれていて無意識に過剰摂取している場合もある。
理想の割合、ヘンプシードオイルの含有割合、日本人の摂取割合は以下の通りです。
αリノレン酸:リノール酸 | |
---|---|
理想の割合 | 1:4 |
ヘンプシードオイルの含有割合 | 1:3 |
日本人の平均摂取割合 | 1:15 |
理想の割合に対して、日本人の必須脂肪酸の摂取量はバランスが悪くなっていることが分かります。ヘンプシードオイルスプーン1杯で1日に必要な量のオメガ3(αリノレン酸)を摂取することができます。
また、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅といったミネラル類もスプーン大さじ1杯で1日分を補えるとされています。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEといったビタミン類も含まれています。
ほかのオイルとの違い
ヘンプシードオイルはαリノレン酸とリノール酸をバランス良く含むだけでなく、希少なオイルであるγ(ガンマ)リノレン酸を含んでいるのも特徴です。
- γリノレン酸 (GLA)
- 免疫機能や血圧調整、アレルギー反応機能など生体調整機能に欠かせない生理活性物質の材料になる脂肪酸で、数少ない植物油にしか含まれておらず希少。母乳や月見草油などに含まれます。
ヘンプシードオイル小さじ1~2杯で1日に必要なγリノレン酸を摂取できると言われています。
ヘンプシードオイルをほかのオイルと比べた以下の表をご覧ください。
オイルの種類 | αリノレン酸 | リノール酸 | γリノレン酸 |
---|---|---|---|
ヘンプシードオイル | 20 | 56 | 3 |
アマニ油 | 58 | 14 | 0 |
菜種油 | 11 | 21 | 0 |
オリーブオイル | 1 | 9 | 0 |
バター | 1 | 3 | 0 |
成分の約80%が必須脂肪酸でできているのはヘンプシードオイルの特徴。αリノレン酸、リノール酸、γリノレン酸を最もバランス良く、十分な量含んでいるのがヘンプシードオイルであることが分かります。
脳から髪まで!ヘンプシードオイルで得られる嬉しい効果
ご説明したようにヘンプシードには、リノール酸とαリノレン酸、γリノレン酸が含まれているのが最大の魅力です。それぞれの脂肪酸は数え切れないくらい体にとって良い影響を与えてくれます。
ヘンプシードオイルに含まれる脂肪酸や栄養素を摂ることで、どのような効果が得られるのか詳しく見ていきましょう。
記憶力をアップし健康な脳に導く
ヘンプシードオイルに含まれるαリノレン酸は体内でDHAやEPAに変化します。DHAやEPAは血液をサラサラにすることで知られていますが、血液がサラサラになることで脳の働きをよくする効果があります。
ヘンプシードオイルを日常的に摂取することで、
- 学習能力や記憶力アップ
- 認知症予防と改善
- うつ病予防と症状軽減
に効果が期待できます。
DHAやEPAが脳細胞を活性化すると脳の情報伝達を促し、学習能力や記憶能力をアップさせることができると言われています。
DHAやEPAには老化やストレスでダメージを受けた脳の神経細胞を活性化させ、血流を良くすることで認知症を予防したり、改善する効果まであるとされています。
うつ病患者の体内にはαリノレン酸やDHA、EPAなどの蓄積量が健康な人よりも少ないことが明らかになっています。そのため、αリノレン酸の摂取はうつ病を予防し、症状を軽減させる効果があると考えられています。
サラサラ血液で血流改善
- サラサラ血液をつくるαリノレン酸
- 末端血管の血流をスムーズにするγリノレン酸
の働きが血流改善に大きな効果を発揮してくれます。
αリノレン酸はDHAやEPAとして血液をサラサラにしてくれる効果があります。血液がサラサラになると血流改善や血栓の予防にも繋がります。
また、女性に多い末端冷え性は毛細血管の血流が悪くなっているのが原因のひとつ。毛細血管内を血液細胞が流れるとき、血液細胞が硬いと血液内で石のようにつっかえて、血流を悪化させてしまいます。
γリノレン酸には細胞膜を柔らかくする効果があります。細胞膜が柔らかいと血液細胞が毛細血管をスムーズに通り抜けることができ、末端冷え性の改善にも繋がります。
多方面から美肌をサポート
ヘンプシードオイルに含まれる脂肪酸は、肌にとても効果的。特に、αリノレン酸は肌へ浸透しやすいため肌に塗ることで高い美肌効果が期待できます。
ヘンプシードをマッサージや保湿剤として肌に塗ることで得られる効果は、
- αリノレン酸がコラーゲンの生成を促す
- リノール酸がセラミドの原料になる
- γリノレン酸が肌のバリア機能をアップさせる
などがあります。
また、ヘンプシードに含まれる
- カンナビシンA
- ビタミンE
には強い抗酸化作用があり、肌の老化にも繋がる活性酸素を中和し、シミやしわの予防といったアンチエイジングにも効果的です。
- カンナビシンA
- ヘンプシード(麻の実)にのみに含まれるポリフェノールの一種。近年ヘンプシードに含まれていることが発見され、医学的にも注目を集める抗酸化物質。
美しく痩せるダイエット効果
必須脂肪酸は細胞の新陳代謝に欠かせない存在。ダイエットで美しく脂肪を減らすには、基礎代謝を上げる必要があります。そのために必要になってくるのがαリノレン酸やγリノレン酸といった必須脂肪酸。
αリノレン酸は、DHAやEPAとして血液をサラサラにし、体内に中性脂肪が溜まりにくい体をつくります。γリノレン酸は、肥満の原因となる余分なコレステロールを回収してくれる善玉コレステロールを守る役割があります。
また、ダイエット中は脂質やミネラルやビタミン類の摂取量が減ることで、肌が乾燥したり、基礎代謝が低下したり、あげくには老化が進んだりしますが、ヘンプシードオイルを摂取することで、
- 美肌をキープ
- 老化予防
- 基礎代謝の維持
- ホルモンバランス調整
など、ダイエット中のトラブルを予防することが可能。
ヘンプシードオイルには、コレステロールやトランス脂肪酸が含まれていないことも健康的な体を目指すための嬉しいポイントです。
PMS症状と生理痛を緩和
ヘンプシードオイルに含まれる希少な脂肪酸、γリノレン酸にはPMSの症状を緩和する効果があります。これは、γリノレン酸が材料になるプロスタグランジンE1という物質の働きと考えられています。
プロスタグランジンE1には、
- 生理痛を起こすプロスタグランジンE2の働き抑制
- ホルモンバランスを整える
などの働きがあり、生理前の精神的なストレスや不安、胸のはりやむくみ、頭痛などといった体の症状の緩和に効果が期待できます。
生活習慣病の予防&改善
生活習慣病とは、生活習慣の乱れで起きる高血圧、糖尿病、高脂血症といった病気の総称です。
ヘンプシードオイルを摂取することで、
- αリノレン酸がつくるサラサラ血液
- リノール酸がコレステロール低下
- γリノレン酸が血圧・血糖値・中性脂肪を正常化
といった多方面から生活習慣病を予防・改善する効果が期待できます。
また、生活習慣病を招く体に悪い油とは、
- 飽和脂肪酸
- トランス脂肪酸
- 酸化した古い油
があり、それぞれの体に及ぼす悪影響と、含まれる食材(油)は以下の通りです。
飽和脂肪酸 | コレステロールや中性脂肪を増やす | ラード、バター、牛脂 |
---|---|---|
トランス脂肪酸 | 善玉コレステロールを減らす | マーガリン、ショートニング |
酸化した古い油 | 体内の老化を加速させる | 開封して時間の経った油、繰り返し使っている油 |
こういった日常生活で知らず知らずの間に摂取してしまっている悪い油から体を守るにはヘンプシードオイルのような良質な油の摂取が効果的。
ヘンプシードオイルに含まれる、
- リノール酸とγリノレン酸にはコレステロール値を下げる
- γリノレン酸には血圧や血糖値を下げる
といった効果が悪い油から体を守ってくれます。
アトピー・アレルギー緩和
ヘンプシードオイルがアトピー性皮膚炎の症状を緩和するのは、
- γリノレン酸の炎症を鎮める働き
- αリノレン酸の肌の保湿を保つ働き
によるものが大きいと考えられます。
γリノレン酸から生成されるプロスタグランジンE1にはアトピー性皮膚炎をはじめとしたアトピーやアレルギーなどの慢性的な炎症を鎮める働きがあります。
γリノレン酸の炎症を鎮める働きは、フランス、イギリス、ドイツなどヨーロッパ諸国でγリノレン酸をアトピーの抗皮膚炎用の医薬品として使うほど、その効果は認知されています。
また、αリノレン酸はコラーゲンの生成を促すことでアトピーの症状を緩和する効果もあります。肌を健康に保つには肌の潤いが重要。コラーゲンは肌の水分量を保つ役割があります。
食べても塗ってもOK!ヘンプシードオイルを100%活用する方法
次に、1日の摂取量や、食べ方、食べる以外の使い方をご紹介していきます。ヘンプシードオイルには嬉しい効果を実感するには正しく摂取することが必要不可欠。
ヘンプシードオイルを上手に活用して、効果を最大限に引き出しましょう!
料理にプラスしておいしく食べる
ヘンプシードオイルの1日の摂取目安量は大さじ1~2杯程度です。
ヘンプシードオイルは加熱する必要がなく、そのまま食品にかけたり、飲み物に加えたりすることができます。
ヘンプシードオイルはそのまま、
- スムージー
- ドレッシング
- パン
- サラダ
- 納豆
- 豆腐
などに混ぜる、かけて食べる方法が一般的です。クセもなく、食べやすいオイルなので色々な食材にかけてみてお好みの食べ方を見つけましょう。
肌や髪、頭皮に塗って活用
適量をそのまま肌や髪に直接塗ることで嬉しい効果を得ることができるのもヘンプシードオイルの特徴。
- ボディオイルとして
- かかとやひじなど角質のごわつき、かさつきが気になる部位に塗ると、柔らかく潤いのある肌へ近づきます。
- ヘアオイル・頭皮マッサージオイルとして
- 髪に塗るとコシとツヤのある美髪に、頭皮にマッサージをする容量でヘンプシードオイルを染み込ませると抜け毛予防に効果を発揮するとも言われています。
また、界面活性剤など肌や環境の負担になる成分を含まないヘンプシードオイルは、クレンジング剤や保湿剤として使用することもできます。
ヘンプシードオイルの効果で頭も体も健やか美人になろう
ヘンプシードオイルの魅力をご紹介してきましたが、気になる効果は見つかったでしょうか?
体はもちろん、頭の働きにも効果を発揮するヘンプシードオイル。毎日食べる習慣をつければ、年齢を重ねるのも怖くはありませんね。
普段の食事にヘンプシードオイルをプラスして、おいしく食べ続けているうちにきっと嬉しい効果が出てくるはず。
体に必要不可欠な油を、賢く選んで賢く使うだけで驚くほど体の調子が整います。ヘンプシードオイルで、毎日健やかに過ごせる健康で美しい体と頭をつくりましょう!
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