貧血はレバーだけでは治らない!栄養補給と生活習慣の改善に注目
Date:2017.11.14
貧血対策として有名なレバーには、鉄分がたっぷり含まれています。だからこそ血液の量を増やす効果は期待できるのですが…もちろんこれだけでは完璧に貧血を治すことはできません。
貧血を予防・緩和していくためには、鉄分以外の栄養素も大切です。また、日頃の生活習慣で心がける必要があるポイントもいくつかあります。
この記事では、レバーがどのくらい貧血を治してくれるのか、レバー以外にはどんなことに気を付けるべきかを見ていきます。レバーをはじめ、様々な視点から貧血にアプローチしていきましょう。
レバーは貧血にどんな効果がある?レバーの限界とは
レバーとは、肝臓の肉のことです。鉄分をはじめ様々な栄養素が豊富なことから、美容にも健康にも役立つ食材として知られています。特に鉄分の含有量の高さから、貧血対策として名高い存在ですね。
そんなレバーですが、果たしてレバー単体でどの程度まで貧血に効果をもたらしてくれるのでしょうか?
鉄分を補給して血液量を増やす
レバーが貧血対策として挙げられているのには、鉄分の含有量が関係しています。例えば100gあたりに含まれている鉄分の量ですが、ほうれん草が約2mgであるのに対して、豚レバーには約13mgも含まれているのです。
貧血にも実はいくつか種類があるのですが、ほとんどの人は「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる症状です。鉄分が少なくなってしまうと、赤血球の中にあるヘモグロビンが減ってしまいます。
ヘモグロビンが不足すれば体内に酸素が運ばれなくなり、めまいや倦怠感、頭痛と言った貧血の症状があらわれるのです。
だからこそ貧血には鉄分の補給が必要不可欠。レバーは数ある食材の中でも特に鉄分の含有量に恵まれた存在だからこそ、貧血の予防や対策にすすめられているんですね。
レバーには銅も含まれている
鉄分ばかりが注目されがちですが、貧血を治していくには銅の摂取も大切です。
銅はヘモグロビンをつくる働きをサポートする存在です。鉄分と一緒に銅が摂取されれば、銅が鉄分の吸収を助けてヘモグロビンの生成効率を高めてくれます。
ただ鉄分だけを摂取していても、鉄分が吸収されなければヘモグロビンが作られないため貧血もなかなか治まりません。レバーが貧血対策の食材として挙げられているのは、鉄分と一緒に銅も摂取できる食材だからなんですね。
ビタミンAは摂りすぎるとNG
鉄分と銅の含まれたレバーは貧血対策に向いた食材。…ですが、レバーにはさらにビタミンAが含まれています。ビタミンAには
- 目の健康を保つ
- 免疫力をアップさせる
- 抗酸化作用(活性酸素を除去する)
といった良い作用がありますが、摂りすぎると排出されずに溜まってしまい、めまいや薄毛・脱毛、発疹などの悪影響を出してしまいます。
貧血を治したいからと言ってレバーばかりを摂っていると、ビタミンAの摂りすぎで副作用が出てしまいます。貧血にレバーだけで対処してはいけないのは、これが理由です。
一つの食材ばかりを食べていれば、栄養が偏るのは当たり前ですよね。鉄分や銅の補給には最適なレバーですが、他の食材と組み合わせながら摂取するのが一番です。
貧血を治すならレバーの以外の食材や生活習慣も取り入れて
ご説明した通り、レバーでできるのは鉄分と銅の補給です。レバーばかり食べていては他の栄養が補給できませんし、ビタミンAの過剰摂取になるため危険。
健康的に貧血を治していくなら、レバー以外の食材が必要不可欠ですね。また食事ばかりに頼らず、日頃の生活習慣から貧血の予防・緩和にアプローチするのも大切です。
貧血を治すには、レバー以外に次のことに注目してみましょう。
鉄・銅以外に必要な栄養素
鉄分と銅は確かに重要な栄養ですが、もちろんこれらだけでは貧血の治りも期待できません。
貧血を治すには鉄分の吸収を良くしたり、造血や血流を促すことも大切です。鉄や銅以外には、次の栄養素も積極的に摂りいれていきましょう。
- タンパク質
- 身体の様々な部位を構成するタンパク質は、ヘモグロビンの材料にもなります。鉄分の摂取と一緒に、肉類や卵でしっかり補いましょう。
- 葉酸
- ビタミンBの一種である葉酸は、赤血球をつくるサポートをします。葉酸は体内でつくることができないため、食事から摂り入れる必要があります。
葉酸が不足すると悪性貧血になってしまうため、貧血対策には欠かせない存在です。貧血の種類には「葉酸欠乏性貧血」と呼ばれる貧血もあるほど。
- ビタミンB6
- ビタミンB6の働きは、タンパク質が再合成されてヘモグロビンを生成するのをサポートすること。ビタミンB6が豊富に摂取されていれば、貧血をあらかじめ予防することもできます。まぐろの赤みなどからよく摂取できます。
- ビタミンB12
- ビタミンB12は、葉酸の吸収や働きをサポートするための大切な栄養素です。これが不足すると赤血球が満足に作られなくなり、貧血が起きてしまいます。
牡蠣や卵黄、乳製品、くるみ、大豆製品などから摂取できます。
- ビタミンC
- ビタミンBには鉄分の吸収を高める働きがあります。また、ヘモグロビンを作り出す働きもあるため造血効果を促すこともできます。
アセロラやキウイ、赤ピーマンなどから摂取しましょう。
スムージーや果実ジュースを飲もう
貧血に必要な上記の栄養素を効率よく摂取するなら、スムージーや果実ジュースはとっても優れた存在です。
ビタミンたっぷりな野菜・果実ジュースを飲んで栄養補給をしても良いし、自分で一からスムージーを作るのもおすすめ。
- ほうれん草
- 小松菜
- 大根葉
- トマト
- キウイ
- ドライフルーツ
- はちみつ
作ったスムージーは一度電子レンジなどで温めて、ホットスムージーにしてから飲んでくださいね。
貧血を治すためには血流を促すことが大切です。冷えた状態のスムージーを飲むと、身体が冷えて血流が滞るため注意してください。
貧血におすすめの食べ物
貧血には、レバー以外の食べ物からも栄養を補給する必要があります。また鉄分も、レバーばかりから補給せずに他の食べ物を通して摂取するのをおすすめします。
ヘム鉄は単体で吸収されやすく、非ヘム鉄は動物性タンパク質と組み合わせることで吸収率が上がるという特徴があります。どちらもバランスよく摂取しましょう。
- ひじき
- しじみ
- 納豆
- 味噌
- ほうれん草
- 菜の花
- 小松菜
などレバー以外の食材も使いながら、貧血を治す栄養補給をしていきましょう。
しじみを使った味噌汁は、身体を温めながら栄養補給ができて貧血にかなりおすすめです。味噌汁なら他にも、油揚げやあさりなどの具材と組み合わせることができますよ。
鉄分補給と栄養バランスを意識すると、全体的に和食中心の食事になりますね。「一汁三菜」を意識した食事で貧血にアプローチしていきましょう。
身体を冷やさないように温める
貧血を治すためには、ただ鉄分や栄養素を補給すればよいというわけではありません。いくら造血作用を促してみても、血流が滞ってしまっては意味がありません。
造血作用を高めた上でさらに身体を温めると、血の巡りが良くなって貧血も緩和されていきます。
- 上着やブランケットなどで体温調節をする
- 冷たい飲み物や食べ物は避け、温かいものを身体に入れる
- 入浴の際はしっかり湯船に浸かる
身体を温めることは、身体機能を大幅にアップさせます。血流が良くなることはもちろん、食べた食材から栄養が吸収されやすくなって、貧血を治すサポートをしてくれますよ。
有酸素運動を習慣化させる
適度な運動は健康の秘訣。もちろん貧血も例外なく、運動で緩和・予防することができます。
運動をすると、体温が上がって血流が促進されていきます。筋力が鍛えられることから代謝も良くなるため、貧血を予防することができるのです。
おすすめなのは、ゆっくりとした動きの有酸素運動です。慣れないうちは1日15分を目安に、散歩感覚でウォーキングをしてみてください。他にもヨガやストレッチ、ラジオ体操なども効果的ですよ。
貧血が酷いときは、ランニングや筋トレなどは極力避けましょう。動機や息切れがしないくらいを目安に、スポーツを習慣にしてみてくださいね。
睡眠不足を解消する
睡眠は身体の疲労を癒して血流を促すだけでなく、鉄分の吸収も手伝ってくれます。
貧血の予防・緩和のためには、1日に最低6時間の睡眠はとるように心がけましょう。また、質の良い睡眠をとることも大切です。
- 就寝の2時間前までに夕食を済ませる
- 寝室の湿度や温度に気を付ける
- 毎日規則正しく、同じ時間に起床する(休日の寝だめをしない)
といったポイントに気をつけながら、睡眠の質を高めていきましょう。
また毎日適度な運動をすることは、身体にほどよい疲れを溜めて良い睡眠を促してくれます。
レバー以外の食事と生活習慣を意識して貧血を治そう
鉄分補給は貧血を治す大きな一歩ですが、他にも大切なことはたくさんあります。レバーを食べることは鉄分を補給することに繋がりますが、他のポイントまでは補えません。
貧血を治すなら、レバーの摂取も摂りいれながらバランスの良い食生活を心がけていきましょう。
- 食生活
- 運動
- 睡眠
- 体温調節
…といったポイントを踏まえて健康的な生活を送ろうとすれば、自然と貧血も快方へ向かいます。貧血のときはレバーだけにとらわれず、生活そのものを振り返ってみてくださいね。
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