秘書検定とはどんな資格?そのメリットや取得の方法
Date:2018.03.19
就職や仕事のスキルアップのため、「資格を取得したい」という人は毎年たくさんいます。時間を割いて資格取得を目指すなら、なるべく役に立つものが良いですよね。
社会人の女性から
- 総合的にマナーを学ぶことができた
- 敬語をうまく話せるようになった
- 印象良く思われる
などの理由で人気なのが、「秘書検定」です。
名前に「秘書」と付いていますが、秘書ではない方が取得してもさまざまなメリットを得られます。仕事を円滑に進める上でのマナーや知識を広く学べ、職種問わずビジネスシーンで活かせることができます。
今回は秘書検定がどのような資格なのかを始め、秘書検定で得られるメリットをご紹介します。社会人としてスキルアップしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
秘書検定で求められる、5つの項目。一般知識や経済用語を出題
秘書検定の正式名称は「秘書技能検定」といいます。国家試験ではなく、公的試験です。人材育成を目的とし、一般知識やビジネス用語の他に、マナーや職場での判断力も問われます。
年間約14万人が受験し、秘書を目指す方始め、就職や転職活動のアピールとして取得する人もいます。合格すれば履歴書に記載することもできます。学生から社会人まで広い世代、さまざまな職種で人気の資格です。
秘書検定では秘書に必要な知識や技能を、大きく5つ求められます。それぞれ詳しくお伝えしましょう。
1.必要とされる資質。秘書に必要な感覚や判断力が問われる
秘書は上司の身の回りのお世話や、仕事のサポートをします。それらを適切にできるか、
- 感覚
- 判断力
などが秘書に必要とされる資質です。例えば
- 上司が何を求めているか、先回りして察する
- 急な来客にどう取り次ぐか
こういった判断や感覚が備わっているか、秘書検定で問われます。
2.職務知識。仕事の進め方や、急な依頼への対応を学べる
上司の仕事をどうサポートするかは、秘書にとって重要な業務です。秘書検定では次のような時にどんな対応をすれば良いか、といった問題が出題されます。
- 別の業務中、他社へ書類を届けるように頼まれた時
- 上司が不在の際、上司宛へ連絡が来た時
- 他社から急用を頼まれたが、上司と連絡が取れない時
上司や他部署、取引先などとスムーズに仕事をするためには、適切な対応ができなければなりません。
急な依頼や連絡など、仕事では予想外のことも多く生じます。その際にどういった対応をすれば良いか、秘書検定の問題から学ぶことができます。
3.一般知識。社会人なら覚えておきたい経済用語を出題
職場の人や取引先と話している言葉を理解しなければ、仕事をうまく進めるのは難しいと言えます。秘書検定では、社会人として知っておきたい言葉が出題されます。
- 原価…製品を作るためにかかる費用
- 都銀…都市銀行の略
- IMF…国際通貨基金の略
このような経済用語や略語などが出されます。
秘書ではない人でも、一般知識として社会人なら覚えてほしい言葉を学べ、上司との会話が円滑に進む手助けとなるはずです。
4.マナー・接遇。日常生活に役立つマナーも身に付けられる
職種や年齢問わず、ビジネスマナーは身に付けておきたい作法です。職場でビジネスマナーがきちんとしていなければ、反感を買われることもあります。
秘書検定では「来客時にどのような対応をすれば良いか」といった対人でのマナー以外にも、次のようなマナーも問われます。
- 電話対応での言葉遣い
- 名刺の正しい扱い方
- 不祝儀袋の畳み方
仕事以外でも役立つ、基本的な言葉遣いや作法も覚えられます。
5.技能。事務の基本的な知識やメールの書き方を学ぶ
仕事をスムーズに進めるためには、コミュニケーション能力やマナーの他に、職場環境を整えることも大事です。秘書検定ではオフィス環境や書類の取り扱いなどに関する、常識的な問題が出されます。
- 文書をホチキスでとじる際の、適切な箇所
- 現金書留と簡易書留との違い
上記のような事務の仕事で欠かせない、基本的な知識や用語を出題します。
メールや社内文書、返信はがきなどの書き方の問題も出されます。伝言メモの書き方や、間違った情報を記載した場合の対応なども問われます。
秘書検定の受験要項や出題形式。秘書ではない人でも取得できる!
秘書検定はビジネスマナーや一般知識など、社会人として知っておきたいことを幅広く学ぶことができます。
では秘書検定を取得するにはどうすれば良いか、受験資格や出題形式などをご紹介します。
年齢制限がなく、学生も受験可能。試験は年2〜3回
秘書検定は年齢制限がなく、誰でも受験できます。秘書以外の職業に就いている人や学生も受験可能です。
試験は年2〜3回、2・6・11月に実施されます。筆記試験ではマークシート方式と記述式での問題が出題され、級によっては面接もあります。
筆記試験は理論と実技に分かれています。
- 理論…必要とされる資質、職務知識、一般知識
- 実技…マナー・接遇、技能
それぞれの得点が60%以上で合格です。
1〜3級まで4段階あり、どの級からでも受験できる!
秘書検定には3級、2級、準1級、1級があり、全級で筆記試験が出題されます。準1級と1級では面接もあります。どの級からでも受験可能なため、3級を飛ばして2級を受けることもできます。
- 3級
- 秘書検定のベースとなります。職場でのマナーや言葉遣いなど、基本的な知識を身に付けることができます。合格率は60%ほどです。
- 2級
- 秘書としての一般的な知識や技能などが問われ、実践的なビジネスマナーを学べます。受験者数がもっとも多く、社会人として不可欠な対人マナーを一通り得られます。60%前後の方が合格しています。
- 準1級
- 筆記試験のうち4割が記述問題で、筆記試験に合格すれば面接試験も受けます。仕事上での対応や気配りに、より高いスキルが求められます。合格率は2・3級の約半分、30%ほどです。
- 1級
- 秘書検定の最上級レベルのため、高い知識や対応力が要求されます。筆記試験はすべて記述問題で、筆記合格後の面接も難しくなっています。合格率は30%ですが、事務未経験者の方が合格するのは難しいとされています。
就職や転職のために秘書検定を取得する方は、2級か3級を受験される方がほとんどです。
秘書を目指す方やキャリアアップしたい方は、面接も加わる準1級や1級でも良いでしょう。面接試験では、面接室での振る舞いや話し方などをチェックされます。
2・3級は独学での合格も狙える!準1・1級は面接対策が必須
秘書検定は級によって難易度が異なり、おすすめの勉強法もさまざまです。
2級と3級は筆記試験のみなので、独学での合格も十分可能です。独学ではモチベーションを保ち、勉強時間も自主的に確保しなければなりません。「自宅では勉強しない」という人には通学や通信講座をおすすめします。
準1級と1級は筆記試験合格後に面接試験があるため、独学の合格は難しくなります。資格スクールなら模擬面接を行なう所もあり、おすすめです。
通信講座や通学では演習問題を解く機会もあり、添削も受けられ、独学よりも安心して秘書検定に望めるでしょう。
秘書検定を取得するメリット。仕事にも日常生活にも活かせる!
秘書検定は社会人に必要とされるマナーや知識、メールの書き方などが問われます。
実際の仕事で直面するような対応を求められる問題も出されます。何が適切な対応なのかきちんと理解できるため、職場で活躍する期待も高まります。
面接試験のある級では立ち居振る舞いや言葉遣いも判断材料になるので、仕事でそのまま活用できます。
秘書以外の方が秘書検定を取得しても多くのメリットがあり、仕事でもプライベートでも活かせる内容が豊富です。ここからは、秘書検定を取得するメリットをご紹介します。
秘書に欠かせない知識を取得できる。秘書を目指す方にもおすすめ
秘書の仕事は
- 来客や電話対応
- スケジュール管理
- 書類作成
など多岐に渡ります。上司が職場で円滑に業務できるよう、サポートする役目を担っています。
秘書検定の大きなメリットは、秘書の仕事に欠かせない知識や来客での応対を、具体的に学べることです。未経験で秘書になりたい方が取得しておくと、就職や転職にも有利とされています。
仕事における判断力や対応力が身に付く。キャリアアップにも!
職場では
- 急な来客対応
- 予定外の業務
など、予想していないことも多く発生します。
秘書検定では具体的に「こういう時にどうすれば良いか」に対しての解答があり、適切な判断力や対応力を身に付けることができます。
また、職場でとっさの業務に対応できれば仕事振りを認められ、キャリアアップにつながる可能性も高くなります。
社会人必須の敬語やビジネスマナーを、総合的に学べる!
秘書検定は秘書ではなくても、
- きちんとした敬語を話せるようになりたい
- 社会人必須のビジネスマナーを身に付けたい
このような方にもおすすめの資格です。
接客業やコールセンターなどでは言葉遣いを学ぶ機会がありますが、職種によって敬語やビジネスマナーを学ぶ時間を確保していないこともあります。
社会人としてのマナーや立ち居振る舞いを総合的に学ぶことができるのは、秘書検定の特徴でありメリットです。職場で実際に使える敬語やマナーも多く、実践に活かすことができます。
文書作成や電話対応など、いろんなシーンでスムーズに対応できる
仕事では業務に関する知識を覚えるだけではなく、いろいろな能力が求められます。
- 電話やメール対応
- 来客の取り次ぎ
- 素早くメモを取る
秘書検定では職種を問わず、仕事に活かせるスキルをたくさん学ぶことができます。電話や来客対応が必要な方は、職場で活かせることが多いはずです。
仕事では要点をまとめた文書を作成したり、他社へメールを送ったりと、さまざまなツールでのやり取りが発生します。秘書検定で学んだ気配りや言葉遣いも活かせば、機転のきいた受け答えができるようになります。
どんなシーンにもスムーズに対応できる人は重宝され、職場で一目置かれるでしょう。
企業からの関心も高く、就職や転職に有利!接客業にメリット大
秘書検定には特に受験資格はありません。年齢や職種関係なく、誰でも受験できます。学生でも受験可能で、合格すれば就職にも有利です。
ビジネスマナーや一般知識を学ぶため、転職活動でも役立ちます。秘書検定は企業からの関心も高く、就職や転職に有利な資格の1つとされています。
- コミュニケーション能力がある
- ビジネスマナーを身に付けている
上記を口だけで説明するのは難しいですが、秘書検定を取得すればこれらの証明にもなります。
事務職に限らず、高いコミュニケーションスキルが求められる飲食業やホテル業の就職にも有利に働くでしょう。
冠婚葬祭のマナーや敬語が身に付き、女子力アップにつながる!
秘書検定では仕事に関する知識だけではなく、日常生活で役立つ敬語や慶弔マナも学べます。一般常識としてのマナーや知識が身に付いていれば、女性らしい振る舞いにつながります。
- 非常識ではない、適切な振る舞いができる
- 冠婚葬祭での正しいマナーを知っている
- 言葉遣いが丁寧で年上の人とも気兼ねなく話せる
このような女性は好印象に映りますよね。女子力をアップするために秘書検定は大いに役立ち、女性に大変メリットのある資格です。
また、相手の状況を把握して気が利く女性は、仕事でもプライベートも頼りになります。秘書検定で出される問題では気配りのコツも学べ、いろんな人から好感を持たれます。
秘書検定のメリットを活かせる職業。知識やマナーが大活躍!
秘書検定は秘書を目指す人や就職に活かしたい人だけではなく、女子力アップにもおすすめの資格です。
中には秘書検定を取得して、「仕事や転職に活かしたい」と考える人もいらっしゃるでしょう。マナーや社会常識をしっかり学んで自分のものとすれば、職場でたくさんのメリットをもたらします。
ここでは、秘書検定を活かせる職業をお伝えします。秘書以外にも活かせる職業はあるので、ぜひ有効活用してみてくださいね。
秘書検定をもっとも活かせる秘書。未経験でも就職の可能性あり!
秘書検定を1番活かすことができるのは、もちろん秘書です。秘書に関する知識やビジネスの場で求められる対応力を幅広く学べるため、秘書を目指す方にもおすすめします。
下記のように、秘書と言っても働く場所はさまざまです。
- 広告代理店の社長秘書
- 食品会社の秘書業務全般
- 官公庁などでの部長秘書
秘書の経験がなくても、秘書検定を持っていれば歓迎している職場も多く、一から秘書としての経験を積むことができます。
秘書業務は
- 来客対応
- 電話の取り次ぎ
- スケジュール管理
など広範囲にわたり、かつ責任感も必須の仕事です。
秘書検定では臨機応変な対応、高いコミュニケーションスキルを学べ、秘書としてステップアップしたい人にも取得してほしい資格です。
秘書検定を大いに活用できる事務。スキルアップにおすすめ!
事務の仕事も、業務内容や職場によっては秘書に近いことがあります。
- 電話やメールで取引先と連絡
- 来客へのお茶出し
- 文書の作成や整理
これらは一般事務で任されることがある業務の一部です。秘書検定で基本的な知識を知っていれば、未経験でも事務で活躍できる可能性が秘められています。
また、事務では普段の業務以外に、急な来客対応や緊急の連絡など、素早い対応を求められることもあります。
事務として働く上でスキルアップしたい人にも秘書検定はおすすめで、得られるメリットもたくさんありますよ。
受付は「会社の顔」。臨機応変な対応が求められる
会社へ訪問されたお客様と接する、受付。その会社の人間として、来訪者の対応を最初に行ないます。「会社の顔」とも言える受付の仕事では、さまざまな対応をしなければなりません。
- 会議室への案内
- 電話の取り次ぎ
- 飛び込み営業への対応
ビジネスマナーを覚えるだけではなく、臨機応変な対応も求められる職業です。秘書検定は高いコミュニケーションスキルを学べ、受付業務の手本としても活かせます。
社内外問わずいろいろな人と接する受付は、秘書検定を取得することで適切な対応力や判断力を得られるはずですよ。
高いコミュニケーション能力が必要な、営業や営業アシスタント
営業は新規開拓や取引先など、さまざまな人と関わることが多い職業です。高いコミュニケーション能力が求められます。
- 非常識な対応をする
- 一般常識がない
- 気が効かない
このような人は信用がないと見なされる可能性が高く、勤め先の悪い評判につながることもあります。
秘書検定は社会人なら知っておきたいマナーや常識、基本的な経済用語を勉強できます。
「営業アシスタント」と呼ばれる、営業の仕事をサポートする人にも秘書検定はメリットが多く、取得して損はないでしょう。営業アシスタントは
- 営業担当のスケジュール管理
- 見積書や納品書の作成
- 資料の作成やデータ入力
- 名刺の管理
などの業務があり、営業の手助けをしつつ、社内でのやり取りも要します。
営業の状況に応じて、瞬時の判断や気配りが求められます。秘書検定で得られる相手への気遣いや予想外のケースを活かせる場面が多く、営業アシスタントとしてのスキル向上にもつながります。
秘書検定でマナーや気配りを身に付け、ステップアップ!
「ビジネスマナーを身に付けたい」と思っても、読書や話を聞くだけではなかなか身に付けるのが難しいものです。秘書検定なら社会人に必要とされるマナーや知識を幅広く学べ、実践に役立つ多くのケースを勉強できます。
秘書検定は、秘書ではなくても多くの仕事に役立ち、さまざまなメリットがあります。女性らしい仕草や気配りも身に付き、コミュニケーション能力の向上や女子力アップにもつながります。
秘書検定を取得して、仕事にもプライベートにも活かしてみてくださいね!
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