肥満が原因で引き起こされる病気とは?肥満は見た目だけの問題じゃない
Date:2017.09.13
肥満を解消する理由の多くが、「見た目」。特に女性は少しでも細くて綺麗でありたいという思いが強いですね。
でも、肥満は「見た目」といった美容の問題だけではありません。肥満が怖いと言われている理由は、それが原因で起こる病気です。
「元々太っているから大丈夫」
「健康診断で異常なかったから大丈夫」
と思っていても、突発的な病気になることもあります。
また、大丈夫と過信していても知らない間に病気が進行しているなんてことも…。
病気によっては命に関わるものもあるので、肥満は健康にもよくありません。
肥満にならないためにも、肥満が原因で引き起こされる病気や、肥満の定義を知っておくことが大事です。
太っている人だけが肥満じゃない!痩せた人でも肥満にある
「肥満」というと、ほとんどの人が見た目が太っている人のことを指していると思っています。
しかし、最近の肥満には、見た目は痩せていても肥満になることもあります。どういう人を肥満というのかを知っておくことが大事です。
体脂肪率で自分の肥満度をチェックすることが大事
太っているか、太っていないかの判断をするため、ほとんどの人が体重を目安にしているのではないでしょうか。
体重が増えたから脂肪が増えた、減ったから脂肪が減ったと思っている人が多いと思いますが、体重は筋肉の重さも含まれているため、体重が減ったから脂肪が減ったということわけではありません。
自分が肥満に近づいているのかを知るには、体重だけではなく体脂肪率をチェックする必要があります。
最近は、体脂肪率が計測できる体重計も増えています。こういうもので、体重だけではなく体脂肪率もこまめに測ることが肥満回避になります。
体脂肪率は、男性と女性では目安が変わってきます。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
軽度肥満 | 20%以上 | 30%以上 |
中等度肥満 | 25%以上 | 35%以上 |
重度肥満 | 30%以上 | 40%以上 |
体脂肪を測る場合、朝起きてではなく食後2時間以上後に測ると安定してきます。
また、毎日測定する場合は、時間を決めて測定すると変化が分かりやすくなります。
痩せていても肥満!? 皮下脂肪だけではなく内臓脂肪に着目
見た目は痩せているのに、体脂肪率を測ると数値が高いという人がいます。これは、皮下脂肪がついているのではなく、内臓脂肪が多いことが考えられます。
痩せているのに、お腹がポコッと出ている人などは内臓脂肪が多い可能性が高いです。
見た目が痩せているから肥満とは無関係と思っている人も、実は内臓脂肪が多いということもあるので、注意が必要です。
体脂肪率を計測して、数値が高い場合は内臓脂肪が増えている可能性があるので、肥満対策を取る必要があります。
命に関わる病気も!? 肥満が原因で引き起こされる病気
肥満になると、いろんな症状が出てきます。体が動かしにくくなったり、大量の汗をかいたりというのは軽い症状です。
ずっと肥満の状態が続くと、こういった症状だけではなく病気や体に変化が出てくることがあります。
中には、命に関わるものもあるので、肥満がどういった病気を引き起こすか知っておくことが大事です。
その1.血糖値が増える「糖尿病」
肥満になると、血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなり、血糖値がどんどん高くなります。この状態を「糖尿病」と言います。
糖尿病は、血糖値が高くなるだけではなく、他にも様々な病気を引き起こします。
- 手足のしびれ
- 目の疾患
- 血管の疾患
上記のようなもの以外にも、足が壊死するなどの症状が得る場合もあります。
糖尿病には2種類あり、肥満が原因で起こる糖尿病を「2型糖尿病」と言います。
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 加齢
- 過食、高カロリー食事の摂取
2型糖尿病は、中高年に多い病気とされていましたが、食生活の変化によって若者でも糖尿病を発症する人が増えています。
また、インスリンがうまく作用せずに糖尿病になるのを「1型糖尿病」と言います。
この糖尿病は、子供にも多くみられ自分でインスリン注射を投与していかなくてはいけません。
また、2型糖尿病と違うため食生活を改善したからといって症状が改善するものではありません。
その2.高い圧力で血液を送る「高血圧」
肥満になると、普通の人よりも血液が増えるため循環させる量も増えます。そのため、血液を全身に送るために心臓が高い圧力で血液を送り出します。
この状態を「高血圧」と言います。
高血圧になると、常に心臓が高い圧力になっているため、この状態が長期間続くと心臓が肥大し心臓疾患を引き起こします。
また、血管にも大きな負担を与えてしまいます。肥満による高血圧は、食事療法や運動によって肥満が解消されると血圧も正常に戻っていきます。
その3.血液の流れが悪くなる「動脈硬化」
肥満になると、血中のコレステロール値が高くなります。そのコレステロールが血管に付着すると、血管内部が狭くなったり血管自体がもろくなってしまうことがあります。
また、血管自体が硬くなってしまうこともあります。この症状を動脈硬化と言います。
動脈硬化は血管が硬くなったりもろくなるだけではなく、心臓や脳にも影響を与えるためとても注意が必要な病気です。
動脈硬化で硬くなった血管は、もろくなってしまうのでちょっとしたことで破れたりすることもあります。
加齢でも血管は硬くなっていくので肥満にならないようにする注意が必要です。
その4.血管の影響を受ける「心臓疾患」や「脳疾患」
上記にも記載しましたが、肥満になるとコレステロールが血管にこびりつき動脈硬化になります。
動脈硬化は、血管を硬くするだけではなく心臓の疾患や脳の疾患にも繋がります。
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 脳梗塞
上記は、動脈硬化が進行すると引き起こしやすい病気になります。そして、こういった病気は命にもかかわってきます。
また、命が救えても麻痺や半身不随といた障害が残ることもあります。
血液がドロドロとしていると詰まりやすくなるので、肥満を解消してドロドロ血液を改善しなくてはいけません。
その5.肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」
脂肪肝とは、名前の通り肝臓に脂肪が蓄積される病気を言います。
食事で摂取した脂肪や糖分が肝臓にどんどん蓄えられると、肝臓に脂肪がついてフォアグラ状態になります。
健康な人でも、肝臓には3~5%の脂肪が含まれていますが、5%を超えると脂肪肝と呼ばれるようになります。
また、アルコールからくる脂肪肝の場合は、肝硬変に繋がることもあるので注意が必要です。
その6.血液中のコレステロールが増える「脂質異常症」
肥満になり、血液中のコレステロールや中性脂肪が過剰に増えると、「脂質異常症」になります。
脂質異常症になると、血液がドロドロになり血管が詰まりやすくなります。脂質異常症には、いくつかの種類があります。
遺伝によって引き起こされる脂質異常症。遺伝のため、痩せていても発症する
【二次性高脂血症】
肥満や、その他の病気が原因で引き起こされる脂質異常症
次のような病気でも、二次性高脂血症を引き起こす可能性があります。
- 糖尿病
- 肝臓病
- 腎臓病
- 甲状腺機能低下症
その他、悪玉コレステロールが増えたり、その反対で善玉コレステロールが極端に少なくなったりすることでも引き起こされます。
二次性高脂血症の場合、食生活の見直しなどで症状が改善されます。
その7.膝の軟骨が変形する「変形性膝関節症」や腰への負担
肥満になると、体重オーバーとなり体を支える腰や膝に負担がかかります。
特に、膝には体重の約2~3倍の負荷がかかるため、膝に炎症を起こしたり膝の関節が変形することもあります。
膝の関節が変形することを「変形性膝関節症」と言い、痛みを生じます。
変形性膝関節症は、1度発症すると完治は難しいと言われています。そのため、病気を発症しないように肥満を予防する必要があります。
また、腰にもかなりの負担が出てきます。最初は痛み程度ですが、肥満で腰痛が悪化し寝ていないとツラいといった症状も出てきます。
その8.寝ている時に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」
太り過ぎると、首の周りに脂肪がつき喉が圧迫されたり、気道が狭くなります。
また、寝ている時は筋肉も緩んでいるため空気を十分に取り込むことができなくなり、睡眠時に呼吸が止まってしまいます。
その呼吸が止まっている時間が一瞬ではなく、長時間だったり一晩に何度も起こす症状が「睡眠時無呼吸症候群」です。
睡眠時無呼吸症候群は、突然死などの原因にも繋がります。
また、夜しっかりと睡眠が取れなくなるため、日中眠くなったり集中力が失われたりといった症状も出てきます。
その9.命に関わる「ガンや婦人科系の疾患」
女性が肥満になると、次のような婦人科系の疾患を発症します。
- 不妊症
- 生理不順
肥満になると、女性ホルモンのバランスが崩れるため、生理が来たり来なかったりします。そのため、妊娠しづらくなってしまいます。
また、肥満になると閉経後も女性ホルモンの量が減らないため、乳がんのリスクが高くなると言われています。
その他、肥満になるとその他のガンリスクも高くなります。
- 大腸がん
- 子宮がん
- 卵巣がん
- 前立腺がん
上記のようなガンリスクが高くなると言われているため、注意が必要です。
肥満は見た目だけではなく命に関わることもある
肥満は、見た目などの美容だけの問題ではありません。太ったからといって、すぐに何かしらの病気になるというわけではありません。
しかし、肥満状態が長期間続いたり、その状態を改善しないと徐々に体が蝕まれていき、様々な病気が出てきます。
肥満が原因で引き起こされる病気は、肥満が解消されれば完治するものがほとんどです。
自分は肥満状態だなと思ったら、そのままにせずに食事や運動で体重をコントロールしましょう。
そうしないと、気づいた時には命に関わる病気になっていた…なんてことになってしまうかもしれません。
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