頻尿の原因とは?年配者だけではなく若い女性も注意が必要
Date:2017.10.17
トイレに行く回数が年齢とともに増えていくという女性が年々増えています。
頻尿は、年齢とともに出てくる症状というイメージがありますが、実はそうではありません。
加齢による頻尿もありますが、病気や体質、女性ならではの理由で頻尿の症状が出ることもあります。
また、頻尿といっても、1日にどのくらいトイレに行くと頻尿になるのか分からないという人も多くいます。
頻尿はどのようなことが原因で起こるのか、またどのくらいトイレに行くと頻尿と呼ばれるのかを知ることが大事です。
頻尿を知ることで、自分が本当に頻尿なのか、また他の病気が原因で頻尿の症状が出ているのかが分かります。
自分の尿意が頻尿と繋がっているのかを知ることが大事
よく「頻尿」と聞きますが、自分が頻尿なのか分からないという人が多いと思います。
そもそも、どういった状態が頻尿なのでしょうか?
頻尿は、一般的には1日に排尿回数が8回以上あることを言います。しかし、自分で「トイレに行く回数が多い」と感じる場合は、頻尿と言えます。
人によって尿を溜められる量が違うため、一概に1日に8回以上トイレに行っているからといって全員が頻尿であるとは言えません。
老化だけが原因ではない!頻尿になる10の原因
頻尿というと、老化現象の1つというイメージがあります。しかし、頻尿は老化だけが原因ではありません。
若い人でも、頻尿の症状が出ることがあります。また、他の病気が原因で頻尿になることもあります。
頻尿になる原因には、どういったものがあるのでしょうか。
その1.膀胱が勝手に収縮してしまうことで起こる「過活動膀胱」
最近、テレビCMでも流れているので知っている人も多いかもしれませんが、加齢とともに増えるのが過活動膀胱です。
- 急に尿意が襲って来る
- 我慢できずに漏れてしまう
- トイレが近くなる
- 夜寝ている時に何度もトイレに起きる
こういった症状が、過活動膀胱の症状になります。
日本泌尿器科学会の発表では、過活動膀胱の羅患者数は男女合わせて800万人以上と言われており、今では一般的な病気になりつつあります。
また、過活動膀胱は、次のようなことが原因で起こります。
- 加齢による排尿コントロール機能の低下
- 前立腺肥大による膀胱の異常な収縮
- 脳関連の病気による脳神経の異常
過活動膀胱は、加齢によるものとされていましたが、今では若い女性でも過活動膀胱の症状を発症することがあります。
急にトイレの回数が増えたり、尿意が我慢できなくなったと感じた場合は、過活動膀胱の可能性があります。
その2.妊娠や出産による骨盤底筋のゆるみ
よく女性で、くしゃみや重いものを持ち上げた時に尿が漏れるという人がいます。
これは、骨盤底筋が緩んでいるからです。骨盤底筋がゆるむと、尿が漏れやすくなるため漏れないように何度もトイレに行ってしまいます。
そのため、頻尿になることもあります。骨盤底筋は、次のようなことが原因でゆるんできます。
- 妊娠
- 出産
- 運動不足
- 加齢
骨盤底筋は、子宮だけではなく尿道や膀胱も支える筋肉なので出産で筋肉がゆるむと尿道や膀胱も緩んでしまいます。
出産で緩んだ骨盤底筋は、そのままではゆるんだままなので放置していると頻尿常置が続いてしまうこともあります。
また、妊娠すると子宮が大きくなるため膀胱が圧迫されるため頻尿に繋がります。
妊娠による頻尿は、出産をすれば解消されますが、出産すると骨盤底筋がゆるむので頻尿の症状がなくなるわけではありません。
その3.女性に多い病気「膀胱炎」
頻尿の原因と言われている病気で1番有名なのが、膀胱炎です。
膀胱炎は、細菌などが尿管から膀胱に入り繁殖して、膀胱が炎症状態になることを言います。
膀胱炎は女性に多い病気で、早い人では10代に発症することもあります。
女性に膀胱炎が多い理由は、尿道が男性より短く、また肛門や膣に近いため細菌が入りやすい状態にあるからです。
膀胱炎には次の2パターンがあります。
- 排便時に大腸菌などが尿道に入り繁殖する
- 既に尿道にあった細菌が尿意を我慢することによって繁殖する
膀胱炎になると、膀胱が炎症状態になっているため尿が少しでも膀胱に溜まると排出したくなります。そのため、頻尿になります。
その4.心因的なものからくる神経性頻尿
極度に緊張するようなイベントや、場面に遭遇すると突然トイレに行きたくなることはありませんか?
これは心因的なものからくる尿意で、多くは一過性のものです。そのため、しばらくすると尿意もおさまってきます。
しかし、日常的にストレスなどによって緊張状態が続いていると、日常生活でも常にトイレに行きたくなり頻尿に繋がります。こういった症状を神経性頻尿と言います。
- 極度のストレス
- 自律神経の乱れ
- 過密スケジュール
- 人間関係
上記のようなものが心に負担をかけると、交感神経と副交感神経のバランスが乱れて頻尿に繋がります。
また、上記のようなことが原因でトイレに行く場合、1度に排出される量が少ないため何度もトイレに行くことで頻尿に繋がります。
その5.膀胱がん・子宮筋腫・卵巣腫瘍といった病気
女性にはあまり多くありませんが、膀胱がんも頻尿に繋がります。
膀胱がんの場合、膀胱に腫瘍ができるため思ったように尿が出なかったり、残尿感や頻尿の症状も出ます。
また女性に多いのが、子宮筋腫や卵巣腫瘍です。
子宮筋腫は、月経異常などの症状もありますが筋腫が子宮周辺の臓器にも影響を与えることがあります。
そのため、頻尿や排尿時の痛みといった症状が出ることもあります。
卵巣腫瘍の場合、腫瘍が小さい時はあまり症状が出ませんが腫瘍が大きくなると膀胱を圧迫するため頻尿の症状が出ることもあります。
その6.糖尿病や高血圧といった生活習慣病
糖尿病や高血圧といった生活習慣病も頻尿の原因と言われています。糖尿病は、血液中の血糖値が高くなり、起こる病気です。
糖尿病の場合、喉がとても乾きます。それは、血液中の血糖値が高いため糖分を薄めようとして、水分を異常に摂取するためです。水分を過剰に摂取するため、排尿も多くなります。
もう1つ、体は血液中の糖分を排出しようとするため尿の量を増やすためトイレに行く回数も増えます。
また、高血圧の1番の原因は塩分の過剰摂取と言われています。塩分を過剰摂取すると、糖尿病と同じように血液内の塩分濃度を薄めようと水分を多く取り込みます。
そのため、血管に圧力がかかることで高血圧になります。高血圧になると、腎臓にも負担をかけます。
一般的に日中は尿を作り、夜は尿を濃くして溜めることができます。しかし、高血圧で腎臓機能が低下していると、日中に十分に尿を作ることができないため夜間も日中と同じように尿を作り出します。
そのため、夜何度ものトイレに行ってしまい頻尿に繋がります。
その7.月経前症候群(PMS)の症状
月経前症候群の症状というと、イライラや腹痛といった症状が有名です。実は、頻尿も月経前症候群の症状の1つとされています。
生理前は、精神的に不安定になり睡眠不足になることがあります。眠れないとついトイレに行ってしまうため、頻尿に繋がります。
また、生理前のため「もしかしたら生理が来るかも」という不安な気分になり、つい何度もトイレに行ってしまうことから頻尿になることもあります。
月経前症候群が原因の頻尿の場合、生理後には症状もなくなるので一時的なものになります。
その8.不眠症・睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害
睡眠と尿意も関係しています。不眠症などで眠れないと、ついトイレに行ってしまいます。
それが習慣化すると尿意はないのにトイレに行くことで頻尿に繋がります。
また、睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に舌根部分や軟口蓋が気道を塞ぐことで、呼吸がしづらくなったり止まってしまう症状を言います。
気道が塞がれると、寝ている間に尿を濃くして溜めておくホルモンの働きが悪くなるため、尿意が出てきます。そのため、夜間頻尿に繋がります。
その9.体の冷え・冷え性
冷え性の人は、尿を溜める膀胱が収縮しているため尿を溜めることができません。そのため、頻繁にトイレに行くようになります。
末端の冷えもそうですが、下半身が冷えると特に頻尿になりやすいと言われています。
また、冷え性の人だけではなく体が冷えているとトイレの回数が増えます。
体が冷えると血液循環が悪くなり、冷え性と同様に膀胱が収縮してしまいます。
また、体が冷えていると汗をかく量も減ります。
体の余分な水分は汗と尿で排出していますが、汗の量が減ることによって尿として排出される量が増えるため、トイレの回数が増えて頻尿になります。
その10.水分やカフェイン配合物の過剰摂取
水分を過剰に摂取すると、排出する量も増えるため頻尿の原因に繋がります。
また、その時にミネラルウォーターではなくカフェインを多く含んだものを飲むと、利尿作用でさらにトイレに行く回数が増えます。
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- コーラ
上記のようなものにはカフェインが含まれているので、他の水分のよりも利尿作用が高くなります。
特に、夜遅くに上記のようなものを飲むと夜間にトイレに行く回数が増え夜間頻尿の原因となります。
日頃から気を付けておけば頻尿は自分で予防することもできる
頻尿は、加齢とともに誰もがなる症状ではありません。また、若い世代の頻尿は、自分で注意をすれば予防をすることができます。
生活習慣にならないように規則正しい生活をし、体が冷えないようにするだけでも頻尿の予防に繋がります。
「もしかして頻尿かな」と思ったら、まずは自分の生活を見なおしてみましょう。もしかすると頻尿になりそうなことを行っているかもしれません。
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