
放置している足のむくみが実は病気かも?「隠れ下肢静脈瘤」に注意!
Date:2016.04.19
女性の多くが悩まされている「足のむくみ」。よくある悩みということで、気になってはいても特に病院へ行ったり、むくみ対策をしたりしないで放置している人も多いのではないでしょうか。
でも、足のむくみの中には、放っておくと後々大変なことになるむくみも。あなたのむくみは大丈夫ですか?一度、自分の足のむくみについて、チェックしてみましょう。
ただのむくみじゃない?6人に1人は「隠れ下肢静脈瘤」かも!
足のむくみに悩んでいる女性でも「下肢静脈瘤」という病名は耳にしたことがない人が多いのではないでしょうか?
ピップ株式会社と長江恒幸先生(都庁前血管外科・循環器内科 院長)は共同で『隠れ下肢静脈瘤』に関する実態調査を実施しました。20~40代女性の日常的にむくみを感じている12,848人を対象に調査した結果、15.2%が『隠れ下肢静脈瘤』の可能性があることがわかりました。
若い女性には馴染みのないこの病気。いったいどんな病気なのでしょうか。
年配の女性にはありふれた病気!「下肢静脈瘤」とは?
「隠れ下肢静脈瘤」を説明する前に、まず「下肢静脈瘤」を知らなくてはなりません。
「下肢静脈瘤」という病気は、若い女性だと知らない人も多いかもしれませんが、年配の女性にはそう珍しくもない血管の病気です。60~70代の女性に多く見られる病気ですが、最近では30~40代で発症する人も珍しくない低年齢化の進む病気です。
血液は心臓から動脈によって体中に送られ、静脈によって心臓へと返ってきますが、足の血液を心臓に戻すには重力に逆らって押し上げる必要があります。
その際に、血液が重力に圧されて逆流しないように、静脈内には血液の逆流を防ぐための「弁」があります。
この弁がうまく機能しなくなると、血液を押し上げることができなくなり、脚の血管内に血液は停滞。血管を押し広げて皮膚表面にボコボコとしたコブをつくることになります。
見た目がひどい病気ではあるものの、重篤な症状になりにくいことから、そのままにされることが多いようですが、じわじわと長い年月をかけて進行していくので注意が必要です。
また、血管が隆起せずに、皮膚表面に網目状、蜘蛛の巣状の血管が浮き出ている状態も、軽度の下肢静脈瘤の症状です。
その他、
- ふくらはぎがだるい・重苦しい
- 足のむくみがひどい
- 足がつる(こむら返り)
- 足が熱い・ほてる
- 足がムズムズする・不快感がある
- 足がかゆい・湿疹ができる
- 色素沈着が見られる
- 足に潰瘍ができる
などの症状が見られます。
患者数は1000万人とも、出産経験のある成人女性の2人に1人が発症するとも言われています。
若年層に多く見られる「隠れ下肢静脈瘤」とは?
皮膚に近い場所を流れる「表在静脈」の機能が低下する下肢静脈瘤に対し、
- 筋肉層内を流れる「深部静脈」
- 表在静脈と深部静脈を結ぶ「穿通枝」
- 皮膚の表面からはわからないような、より細い「表在静脈」
に、機能低下が起きるものを「隠れ下肢静脈瘤」と言います。
皮膚表面には何の変化も見られないため、ただのむくみだと思って放置。知らないうちに症状が悪化することもあります。
血液の循環が悪くなることからくる、足の重さやだるさに悩まされたり、皮膚に炎症や潰瘍ができるケースもあり、放っておくことで慢性化してしまう危険性があります。
ひどくなれば手術!重症化は少ないものの女性にはつらい病気
太い静脈に弁不全が起こってしまうと、むくみやだるさの症状がひどくなったり、重症化したりした場合に手術が必要になります。
太い血管が隆起するので、女性としては見た目にもつらいものがあります。
細い静脈の弁不全の場合は隆起はせずに、蜘蛛の巣状、網目状に血管が浮き出るだけで、この場合は症状も軽いことが多く、重症化もあまりないので手術の必要はありません。
ただのむくみ?隠れ下肢静脈瘤?チェックのポイントとは
あなたのむくみは大丈夫でしょうか。下肢静脈瘤が潜んでいないかどうかチェックしてみましょう。
隠れ下肢静脈瘤の可能性をチェック!
【「隠れ下肢静脈瘤」チェック】
- むくみ方に左右で差がある
- 膝下から足首まで、特にくるぶし周辺の肌が黒ずんでいる(角質などは除く)
- しつこいかゆみがある(湿疹が出る場合も)
- よく足がつる
当てはまる項目が2つ以上ある場合は、隠れ下肢静脈瘤の可能性大!特に「かゆみ」は隠れ下肢静脈瘤発見のきっかけになることの多い症状です。
そのほか、
- 朝になってもむくみが取れない
- 膝周り・膝裏にむくみがある
も隠れ下肢静脈瘤の典型的な症状。注意が必要です。
こんな症状も要注意!隠れ下肢静脈瘤の人が抱える悩み
隠れ下肢静脈瘤の人たちは足のむくみやだるさなど、下肢静脈瘤の直接的な症状のほかにも血流やリンパの流れが悪くなるために、
- 冷え
- 腰痛
- 頭痛
などの症状にも悩まされることが多いようです。
また、隠れ下肢静脈瘤の可能性が高い人たちは、足に対する悩みやコンプレックスが多いということもわかっています。
- 足の肌の色
- 血管の目立ち
- ふくらはぎの形
- 足の臭い
- かかとのガサガサ
同じような悩みを抱えている人は、注意が必要かもしれません。
こんな人は要注意!下肢静脈瘤になりやすいタイプとは?
下肢静脈瘤ができる原因にはいろいろありますが、その中でも三大要因と言われているのは、次の3つ。
- 長時間の立ち仕事
- 教師、美容師、看護師、販売員など、長時間立ちっぱなしの仕事をしている人は発症しやすいと言われています。ずっと同じ姿勢を取り続けるデスクワークなども注意が必要です。
- 妊娠・出産
- 運動不足やホルモンの影響などにより発症しやすいと言われています。高齢出産や、妊娠・出産回数の多い人などは特に注意が必要です。
- 遺伝(体質)
- 家族に下肢静脈瘤の方がいる場合は、遺伝的体質によりなりやすいことが考えられますので、日頃から注意が必要です。
そのほかの危険因子としては、
- 加齢
- 肥満
- 高身長
- 便秘
なども。
若い時から気をつけたい!隠れ下肢静脈瘤の予防法とは
すでに隠れ下肢静脈瘤の兆候が見られる人はこれ以上進行させないために、今はまだ心配なさそうな人は予防のために、静脈の逆流防止弁に負担をかけない生活を心がけるようにしましょう。
弾性・着圧ストッキングを日常的に履く!
通常のソックスやストッキングよりも伸縮性の強い「弾性(着圧)ストッキング」。血管を圧迫して、血液循環をサポートする働きがあります。
着圧・弾性ストッキングには、市販のものと、医療用のものがあり、一般的に医療用のものの方が性能がよいようですが、市販のものでも各メーカーからさまざまなタイプが出ています。
- ストッキング
- ハイソックス(膝上・膝下)
- タイツ
- お出かけ用
- お休み用
- マタニティ用
形体や圧力もさまざまなタイプが市販されています。むくみの度合い、生活スタイル、予算などによって選ぶようにするとよいでしょう。
市販のもの、医療用、どちらを使用するにしても、継続的に、日常的に使用することが重要になります。
ただ、サイズや圧力や使用方法などを誤るとトラブルを招くこともありますので、市販のものを自分で判断して購入する場合は、装着後の経過に注意が必要です。
下肢静脈に負担のかからない生活を!
立ちっぱなし、椅子に座りっぱなしなど、長く同じ姿勢でいなければならない人は、1時間に1度は足の負担を軽くするよう心がけてください。
- 足の指をグーパーと動かす
- 立った姿勢で踵を上げ下げする
- 椅子に座った姿勢でつま先を上げ下げする
- 屈伸運動をする
足に適度な刺激を与えることで、血流を促すようにしてみてください。
また、下記のように重力の負担を減らすことも効果的です。
- 立ちっぱなし、座りっぱなしが続いたときは、椅子の上に足を乗せるなど、足を高くして休憩をとる
- 就寝時、クッションを足の下に敷くなどして、足を少し高くして寝る
難しいことではないので、是非今日から心がけてみてください。
血液の循環をよくする健康的な生活を!
血液を心臓に押し上げるのに必要な筋力を鍛えるために、適度な運動をすることも有効です。日常的に30分程度のウォーキングなど。下肢静脈瘤の疑いがある方は、ジョギングなどの激しすぎる運動は避けた方がよいでしょう。
また、ドロドロ血など、血液の流れが悪くなることもよくありません。
- 塩分、油分の摂りすぎに注意する
- 1日1.5リットル以上の水分を摂る
上記のようなことに気をつけて、バランスのよい食生活を心がけましょう。
下肢静脈瘤予防とともに、むくみのない美しい脚を目指して!
あなたのむくみは大丈夫そうですか?今はまだ隠れ下肢静脈瘤の症状も、下肢静脈瘤の症状も現れていないとしても、
- 危険因子に思い当たるものが多い人
- 隠れ下肢静脈瘤の人たちと同じ悩みを多く抱える人
は、今すぐにでも予防法をとり入れ、足のむくみ具合、肌の状態など、日々、注意して生活した方がよいでしょう。
足のむくみすらない!という人も安心はできませんよ。
私自身、妊娠・出産前まではむくみ知らずの体質でしたが、出産経験&座りっぱなしの仕事のせいか、日に日にむくみが出るようになり、足のかゆみもひどくなり、ついにはもやもやとした蜘蛛の巣状の血管がうっすらながら浮き出るまでに!
「隠れ下肢静脈瘤かも…」と思っていましたが、これはもはや隠れではない下肢静脈瘤の初期段階!?と、慌てて着圧ストッキング着用したところ、多少薄くはなってきました。
もやもや血管も気持ち悪いですが、「脚が汚くなったね」と家族に言われるくらい、肌の色やムラ、細かい湿疹などが脚の見た目を残念な感じにしていくので、今、美しい脚をしている女性たちには、むくみ予防、下肢静脈瘤予防を取り入れた生活をお勧めしたいです!
下肢静脈瘤の予防は、すらりと細く美しい脚を目指すことにもつながります!10年後、20年後もきれいな脚を保てるように、すぐにでも始めてみてください!

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