気が利かない人の特徴7つと誰でも「気が利く人」になれるコツ
Date:2017.06.07
仕事でもプライベートでも、気が利く人は何かと愛され、重宝されます。
「察する」文化が定着している日本では、逆に気が利かない人は苦労します。
気が利く人に対して「生まれ持ったものの差だから、仕方ない」と諦めてしまっていませんか?
気が利く人になることは、心がけと日々の練習次第で、誰にでも可能です。
今回は、「気が利かない人」の特徴と、「気が利く人」になるためのコツをお伝えしていきます。
この記事の目次
【1】気が利くか・利かないか。何が違うのか?
気が利く人と利かない人とでは、自分の見ている世界も、相手に与える印象も、大きく変わってきます。
1.気が利くか・利かないかで、印象はこんなに変わる
まず、気が利く人とそうでない人とで、相手の印象がどれほど変わるのかを見てみましょう。
「気が利く人」の印象を誰かに聞くと、多くの場合こんな答えが返ってくるでしょう。
- 長く一緒にいても疲れない
- 楽しい
- 心が和む
- 頼りがいがある
- 強い支えになってくれる
- 余裕がある
- コミュニケーションがスムーズに運ぶ
このように、気が利く人と一緒にいると、人は無理せず、楽な気持ちで心地よく過ごすことができるのです。
一方、「気が利かない人」の印象を聞くと、こんな答えが返ってきたりします。
- 疲れる
- イライラする
- 傷つくことがある
- 話が分かりにくい
- いちいち言わないと動いてくれない
- 言われたことしかやらない
- 迷惑をかけても平気でいる
ちょっと辛辣すぎる意見もありますが、とくにビジネスの場では気が利かない人に対して周囲の目は非常に厳しいことが多いのは、事実ですよね。
2.どこが違うの?気が利く人の特徴
「気が利くね」と言われる人は、そうでない人といったいどこが違うのでしょうか?
気が利く人に多く見られる特徴は、次のようにまとめることができます。
- 先回りして助けてくれる
- 相手の手間やストレスを減らす行動をする
- 周囲をよく見ている
- 相手のことをいつもある程度把握している
- 人が面倒くさがることを率先してやる
- 臨機応変に対応できる
こうした言動は、なかなかできない難しいことのように思うかもしれません。
でも、一つ一つの行動をよく見ると、気が利く人は何も特別なことや、大きなことを成し遂げているわけではありません。
たとえば「後ろの人が通るまでドアを開けて待っている」とか、「留守中の電話メモを相手に分かりやすいように書く」など、本当に小さなちょっとしたことの積み重ねが、気が利く人の特徴なのです。
【2】だから相手を怒らせる…気が利かない人の特徴
では次に、「気が利かないなぁ」と言われてしまう人にありがちな特徴を、順番に見てみましょう。
1.「気が利かない自覚」がない
じつは気が利かない人の多くが、自分が「気が利かない人である」ということをあまり自覚していません。自覚がないので、煙たがられても敬遠されても、あまり気にせず生きています。
自覚がないどころか、「自分は気が利く」と思い込んで余計なお節介を焼いてしまう人も、中にはいます。
周囲も内心「迷惑だなぁ」と思いつつ、気を遣ってなかなか本音を言わないことが多いので、こうした人が自分の「気が利かない」部分に気づくのはとても難しいかもしれません。
その点、「気が利く人になりたい」と思ってこの記事を読んでいるあなたは、少なくともこの第一段階はクリアしているはず。気が利く人に変身する第一歩を、すでに踏み出しているはずです!
2.気を遣われたことに気がつかない
先ほどの例のように、気が利かない人は周りの人に「迷惑だなぁ」と思われたり、気を遣わせたりしていることが多いものです。
でも、気が利かない人は、そのことにすら気づきません。
誰かが自分のために気遣いをしてくれた。何か手助けをしてくれた。そんな場面でも気がつかないので、反省したり「ありがとう」と感謝したりすることができないのです。
他人に何かをしてあげたとき、人はたいてい、された側よりした側の方が強くそのことを覚えています。
「あの人は、ありがとうを言わなかった……」という記憶は、気が利かない人が気づかないうちに、相手の心に強く刻まれている可能性があります。
3.自分のことしかしない、考えない
たとえば職場で、誰がやっても良いとされている雑用があったとします。自分の仕事が早く終わって手があいたとき、気が利く人はその雑用を率先して片付けたりしています。
では、気が利かない人はどうでしょう。自分の仕事が終わったら、「早く終わった、ラッキー」と休憩しているかもしれません。
もし、自分よりも明らかに忙しい上司がその雑用をこなすはめになったとしても、気が利かない人は「大変だなぁ」とは思いつつ、自分がその仕事を買って出ようという発想には至りません。
確かに、忙しいときに無理して他人の仕事まで引き受ける必要はないでしょう。そこまでの自己犠牲心は要りませんが、自分が手があいたときには、気が利いた人は「他の人の仕事で、何かちょっと手伝えないかな?」と考えます。
その、ほんのちょっとの「人助け」に心を向けられるかどうかが、気が利くか利かないかの分かれ目なのです。
4.視野が狭く、周囲を見ていない
そもそも職場の誰が忙しくしていて、誰が今暇なのか。手伝おうにも、そうした事情が全く分からないというのも、気が利かない人に多い特徴です。
普段自分の仕事をこなすことしか考えていないため、他の人がどんな状態なのか、ひょっとすると忙しくて悲鳴を上げているのか、それとも余裕でサボっているのか、分からないのです。
だから、いざ手伝ってみようとしても、いったい誰を助けたら良いのか分かりません。
このように、気が利かない人は視野が狭く、周囲を観察するクセがついていないことが多いです。気が利く人を目指す上では、自分の手元からちょっと目を上げて、周りを見渡すクセをつけると良いでしょう。
5.想像する力に欠けている
誰が忙しいかは知っている。でも、その人が「助けてほしい」と思っていることに気づかない……。そんなケースも多々あります。
気が利かない人は、他人の気持ちをあまり想像しないことが多いです。
後になって相手に「どうしてあのとき、ちょっとでも助けてくれなかったの?」と言われると、本当にびっくりして「気づかなかった」と返答し、余計に怒らせたりしてしまいます。
悪気はないし、その場では「助けてあげれば良かったなぁ」と思うのですが、想像する習慣がなく、想像力そのものが身についていないため、また同じようなことを繰り返します。
その結果、「あの人は気が利かない」という評価につながり、苦しい思いをすることになってしまうのです。
6.未来を予測するのが苦手
人の気持ちを想像できないだけでなく、気が利かない人は未来を予測することも苦手です。
たとえば、風邪を引いて寝込んでいる人の家に、お見舞いがてら食料を届けるとしましょう。
気が利く人は、「風邪を引いて弱っているだろうから、消化が良くて、すぐ食べられるもの。でも食欲がないかもしれないし、ゼリーやスポーツドリンクも入れておこうかな……」と、相手が食べるときのことを考えて(想像して)食料を選びます。
でも気が利かない人は、「美味しいからこれでいいだろう」と自分が好きな菓子パンを買ってしまったり、「とりあえず何でもいいから買ってきて」と言われた言葉を鵜呑みにして、肉や魚などの食材を買い込んでしまうかもしれません。
「月末は経理課が忙しい」ということに気づかず、精算すべきレシートをついギリギリまで溜め込んでしまったり。
上司のチェックが必要な書類を優先して仕上げればいいのに、つい楽な仕事を優先して、納期に遅れたり。
ちょっとだけ先を予測するクセ、要するに「段取り」する力をつければ、こうした事態は防げます。
気が利く人は、じつはこうした「予測」「段取り」を徹底してクセづけているから、先回りして気が利く行動ができるのです。
7.面倒くさがり、もしくは、恥ずかしがり屋
気が利く行動を思いついても、「面倒くさいから」あるいは「恥ずかしいから」という理由で避けてしまうケースもあります。
たとえば「2-3.自分のことしかしない、考えない」でご紹介したケースのように、「自分の仕事が終わってしまって、誰がやってもいい雑用がある」というときです。
「あの仕事やっておこうかな」とちらっと考えたとしても、「面倒くさいからいいや」とやめてしまう人がいます。誰がやってもいい仕事なので、譲り合うのは構わないのですが、いつもこの調子なのは問題かもしれません。
また「恥ずかしいからやめておこう」と考える人もいます。せっかく気が利く行動を思いついたのに、「ガツガツしてると思われたら恥ずかしい」とか、「なんとなく照れくさい」という理由で躊躇してしまうのです。
どちらの場合も、結局は「やらない」という結果だけが残ることになり、度重なるといつしか「あの人は、手があいても絶対やろうとしない。ほんとに気が利かない人」と評価されてしまうのです。
【3】気が利く人とは、要約するとこんな人
要するに、「気が利く人」というのはどんな人なのかというと、
- 相手の気持ちを想像できる
- 相手の心地よさのために行動できる
- 未来を予測し、先回りして行動できる
このようなことができる人のことなのです。
自分以外の人が今どんな状況で、何を考えているのか、想像を巡らせて考える。
自分の都合ばかり優先するのではなく、他の人が心地よくいるための行動をとる。
そして、少しだけ未来のことを予測して、相手に言われる前に適切な行動をとれる。
こういったことができるようになると、あなたも周囲に「あの人は気が利くね」と言われ、喜ばれるようになるのです。
【4】気が利く人になるためのコツ9か条
ここまで読んできて、自分にも思い当たることがあった……という人は、逆に「気が利く人」になるためのチャンスをゲットしていると言えます。
気が利く人に変身するためには、自分のどこを変えればいいのか、おそらく把握できたはず。今度は、「どう変えていけば良いのか」に焦点を当ててみましょう。
いよいよ、気が利く人になるためのコツをご紹介していきます!
1.まずは「挨拶」「感謝」を徹底する
一番最初に意識したいのは、
- 日々の挨拶をきちんとすること
- 「ありがとう」を伝えること
この2点です。
気が利く人は、相手を心地よくすることを心がけています。その最たるものが、挨拶と感謝です。
「おはようございます」「お疲れ様です」こうした挨拶を自分からにこやかにしていくことで、相手の心を和ませる絶好の訓練になります。
また、毎日欠かさず挨拶をしていると、いろいろなことに気づきます。相手が元気なときもあれば、具合が悪そうにしているときもあるでしょう。
普段雑談をしてくる相手が脇目も振らずデスクに向かっていることがあれば、「今日は忙しそうだな」と気づくこともできます。
挨拶を毎日続けることで、あなたには周囲の状況を把握する目が養われていくのです。
そして、些細なことでも何かしてもらったときには「ありがとう」と声に出して伝えることを忘れない。相手の小さな親切心をきちんと汲んで、言葉を返すことで、相手は「親切にして良かったな」と気持ちよくなれるのです。
挨拶と感謝は、小さなことのように思えて、とても重要な習慣です。そして、誰にでもすぐに始められることでもあります。
まずは、この2つを欠かさないようにしてみましょう。
2.身の回りの「気が利く人」を見つけて真似する
あなたの周囲に、「気が利くなぁ」と感じる人はいますか?
もしいないとしたら、まずは気が利く人を見つけるところから始めます。あなたが気づいていないだけで、気が利く人は必ずそばにいるはずです。
見つけるためのポイントは、
- その人といると、なぜか心地よくいられる
- その人と一緒の仕事は、なぜかいつもスムーズに運ぶ
- 自分がしてほしいことを、言われる前にやっておいてくれる
こうした人を探すことです。見つかったら、それがいわゆる「気が利く人」です。
どんなときに、どんな行動をしているか。自分ではなく、その人の目線になったつもりで観察します。すると、いろいろな発見ができます。
気が利く人の行動で、できそうなものはぜひどんどん真似をしてみてください。最初は単なる真似ごっこでも、そのうち自分なりに「気が利く」行動をとれるようになっていきますよ!
3.相手の気持ちを想像するクセをつける
気が利く人は、周囲にいる他人の気持ちを想像することができます。それが想像できるから、相手にとって心地よい行動が何なのか、判断することができるのです。
想像力は、練習で身につけることができます。あなたも、向き合っている相手や周囲にいる同僚の気持ちを、ことあるごとに想像することを習慣にしてみましょう。
最初はなかなかうまく想像できないかもしれません。「こうかな?」と思ったことが全然違ったり、「何を考えてるのか分からない」と困ったりすることもあるかも。
でも、習慣として続けるうちに、必ず身についてきます。試行錯誤、失敗と成功を繰り返すうちに、相手が何をしてほしいか、自然と分かるようになってくるのです。
4.「自分がされて嬉しいこと」をやってみる
相手の気持ちを読みとる練習と同時に、チャレンジしていきたいのが「自分がされて嬉しいこと」を相手にしてあげるということです。
「この人は今こういう状態だ。自分なら、そんなとき何をしてもらったら嬉しいだろう?」そんなふうに考えてみましょう。
もし相手の望みとちょっと違う行動をとってしまったとしても、あなたが良かれと思って行動した、という思いは必ず相手に伝わります。
「今まで知らんぷりしてたのに、手伝おうとしてくれている」そんな事実が伝われば、相手も心が和み、好意的なコミュニケーションが可能になるかもしれません。そうすれば、余計に気持ちを想像しやすくなるのです。
「自分がされたら嬉しいこと」を、やってみる。面倒なことや照れくさいことでも、ぜひ練習だと思ってチャレンジしてみてください。
5.臨機応変に対応を変える
自分がされて嬉しいことをやってみる、という練習に慣れてきたら、今度は「相手の反応を見て、臨機応変に行動を変えていく」ことにシフトしましょう。
これができるようになると、お節介や的外れな行動がなくなっていき、かなり「気が利く人」そのものに近づいていきます。
人の感じ方はそれぞれなので、自分がされて嬉しいことが相手にとっても嬉しいこととは限りません。「あ、違うな」と気づいたら、「ではこの人の場合は何が嬉しいことなのか?」と想像を巡らせてみます。
この記事を読み始めたばかりの頃のあなたなら、「そんなこと難しすぎる、無理だよ」と思ったかもしれません。でも、上のような練習を試行錯誤しながら繰り返すうちに、こうした力は確実に身についてきます!
相手によって、臨機応変に対応すること。このことも、ぜひ心がけてみてください。
6.「言われる前にやるゲーム」にチャレンジ
近い未来を先読みして、言われる前に行動できるのも、気が利く人の大きな特徴です。この力をつけるためには、「言われる前にやるゲーム」を習慣にするのがおすすめです。
ゲームのルールはごく簡単。誰かに「これやっといて」と用事をお願いされる前に、してほしいことを先読みしてやっておいてあげるのです。
先回りできたら、あなたの勝ち。「気が利くね、ありがとう」と言われる機会も増えるでしょう。
もし、自分が気がつく前に「これお願い」と依頼されてしまったり、他の「気が利く人」に先回りされてしまったら、「次はどうやったら自分が先回りできるかな?」とゲーム感覚で考えてみましょう。
ちなみに、楽しくやるのがこのゲームのコツです。
突然発生した仕事の依頼など、誰にも予想ができないこともあるでしょう。先回りできなかったときにも、あまり悔しがったりピリピリしたりするのではなく、「次に勝つにはどうしたら良いかな?」と楽しみながら対策を練ってみましょう。
7.人より早く行動を始める
「言われる前にやるゲーム」で必要なのは、先回りする力です。
先回りして何かをするためには、まず次に必要なことを想像するための「時間」を確保することです。
気が利く人になるためには、あえて人よりちょっとだけ早く行動を始めるのがコツ。
たとえば、集合時間にみんなより早く着いて待っているとか、朝10分だけ早く出勤して雑用をこなしておく、といった小さな「早さ」の積み重ねが、大きな成果を生み出します。
8.人がやりたがらないことを、あえてやる
人があまりやりたがらないことを進んでやると、小さなことでも非常に感謝されて「気が利くね」と好感度を上げることができます。
人がやりたがらないことは、些細なことでも大きく評価を上げられるので、ある意味とってもコスパが良いのです。
たとえば、
- 面倒くさいこと
- 誰がやっても良い雑用
- 小さすぎてみんなが見過ごしがちなこと
こうした仕事は日常に溢れています。
この「小さな仕事」を気がついたときにササッとやってしまうことで、あなたの評価は確実に上がります。誰も見ていないと思っても、続けていればちゃんと気づく人は必ずいます。
ゴミをまとめて出しておくとか、ファイルを整頓しなおしておくとか、そうした小さなことで良いのです。人がやりたがらない仕事を見つけたら、自分の仕事でなくてもやってしまいましょう。
9.見返りを期待しない
最後におすすめしたいのは、自分がした行動に対して「あまり見返りを期待しすぎない」ということです。
してもらって嬉しいことは人によって違う、と書きました。これは、あなたの行動を嬉しいと思う人もいれば、そうでもない人もいる、ということでもあります。
それが自分にとって、むしろ嬉しくないことだった場合、相手のことは「気が利く人」というよりも「余計なお節介を焼く人」と感じてしまうのではないでしょうか。
そう考えると、あなたが何かしてあげた場合も、「感謝されて当然」「どうして何も言ってくれないの」と不満に思うのは危険です。
気が利く人は、あくまでも人が居心地よくなる行動がとれる人。相手の役に立てた時点で自分の目的は達したと考え、見返りをあえて期待しないのがおすすめです。
おわりに:気が利く人になると、自分も楽しくなる!
相手の手間やストレスを減らし、心地よく過ごせるように努力していれば、自分の評価は上がります。そうすると相手との関係も良くなり、自分の居心地も自然と良くなっていきます。
気が利く人になるということは、相手だけでなく自分も心地よく、楽しく過ごせるということ。
ぜひ、コツをマスターして「気が利くね!」と言われる楽しさを味わってください!
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