骨盤内うっ血症候群の症状と原因は?PMSとの症状の違いに注意!
Date:2016.06.13
生理前の不快な症状はPMS(月経前症候群)と言って多くの女性が悩むものです。
しかし、それ以外にも生理前になると子宮のあたりに下腹部痛が起こり、PMSなら鈍痛が多いのに、それとは違ってチクチクやずきずきと言った痛みを感じる事があります。
何かの病気?と思っているうちに生理が起こりその痛みは鈍痛の生理痛へと移行していってしまって、結局なんだったの?と思うような事がありませんか?
こうした症状は骨盤内うっ血症候群の可能性があり、生理痛やPMSとは違う症状があります。
その原因や詳しい症状にはどのようなものがあり、妊娠との関係はどうなっているのでしょうか?
骨盤内うっ血症候群の症状と原因はPMSと勘違いしやすい
骨盤内うっ血症候群はPMSのように生理の前やまたは排卵時などにも痛みが生じるものです。
しかし厳密には通常の生理痛などの類とは違っているものの、PMSの一種のように勘違いされやすいものです。
症状は似ている事が多いですが、具体的な原因や症状は独特のものがありますので、良く観察して骨盤内うっ血症候群かな?と思う節がある場合は速やかに婦人科での検査や処置を受ける事がおすすめです。
代表的なものでは
- チアノーゼ
- むくみ
があります。
骨盤内うっ血症候群の主な症状をしっかりチェックしてみよう
骨盤内うっ血症候群は生理痛を起こす事がありますが、普通毎月経験している生理痛とは少し違います。
主な症状として、生理ではない時期に、
- 下腹部が重苦しくなる
- 下腹部が引きずられるような痛み
- 腰痛
- 性交痛
- おりものが多くなる
- 1日の終わり夕方や夜に症状が酷くなる気がする
- 不安感
- 疲労感
- 頭痛
- 不眠や不眠気味になる
- PMSだと思って痛み止めを飲んでも効きにくい
といったものがあります。
生理のリズムが崩れていたり、ストレスが溜まっている時には良くありがちな症状ですし、生理ではない時期に起こる症状といっても比較的身近なものが多い事から、PMSと間違えて診断される事が多くあります。
しかしPMSは生理前の一過性の症状なのに対して、骨盤内うっ血症候群は35歳以上の女性または経産婦に多く見られる事が特徴的です。
- PMS(月経前症候群)
- 妊娠や出産を重ねるたびに症状が軽くなっていく事が多い
- 骨盤内うっ血症候群
- 35歳以上の女性で経産婦に多く、生理の前になると痛みが強くなるような気がする
この症状だけではなかなかPMSとの違いが分かりにくいですが、内診や触診を受けると気づく事もあります。
骨盤内うっ血症候群は婦人科の内診で特徴的な痛みを伴う
骨盤内うっ血症候群の疑いがある時に婦人科や産婦人科を受診すると、内診を受けます。
この時に特徴的な症状として、
- 触診すると子宮の腫れを確認出来る
- 触診時に必要以上の痛みを感じる
- 骨盤内の静脈が膨れている事が分かる
- 左側が痛い事が多い(左側の血管が長くてうっ血しやすいため)
と言う事があります。
骨盤内うっ血症候群の原因は骨盤内の血流と関係している
骨盤内うっ血症候群の原因は骨盤内の血流との関係が深く、骨盤内にある卵巣や子宮周辺の静脈がうっ血して症状が出る事が多いと言われています。
骨盤内に血液が停滞している事が主な原因です。
生理の前になると、卵巣や子宮には、血液量が増えるので不快な症状が強くなる傾向があります。
特に左側には骨盤内の血管が左側に多く長く複雑に走行しているので、どうしても左側の静脈がうっ血しやすくなります。
どうして骨盤内に血液が停滞してしまうのかと言うと、
- 虚弱体質
- ホルモンバランスの乱れ
- 運動不足や座りっぱなしの時間が多い
- 便秘
- 冷え性
- ストレスや緊張する事が多い
- 出産経験
などが影響していると言われています。基本的には血流が良くないと言う事から始まると考えられています。
骨盤内うっ血症候群が疑われる時に行う検査はこの3つ
骨盤内うっ血症候群の疑いがある方には、その症状の改善も視野に入れて先ずは3つの検査を行います。
肝臓・ホルモンバランス・静脈の状態を詳しく検査します
骨盤内うっ血症候群の疑いがある時には、さまざまな角度から検査を行います。
骨盤内の血流の問題なのに肝臓?と思う方もいるかもしれませんが、肝臓にも大きな関係があるので検査を行います。
- 肝臓の検査
- ARテスト(アームレングス・リフレックス:腕長反射)によってチェックします。肝臓が硬くなっていると血液の循環が悪くなり、静脈血が肝臓に流入しにくくなります。肝臓の状態を確かめるのは骨盤内うっ血症候群には大切な検査です。
- 女性ホルモンバランスの検査
- 女性ホルモンの中でもプロゲステロン(黄体ホルモン)について調べます。プロゲステロンは子宮の収縮を抑える働きがあると同時に、血管平滑筋の収縮を抑える働きがあります。つまり静脈血が流れにくくなり、うっ血させる原因になる可能性があるからです。
- 静脈の検査
- 静脈が弱っている場合やうっ血が始まっている事が分かった場合には静脈を丈夫にするためのサプリメントなどを考えます。
骨盤内うっ血症候群の治療法にはさまざまなアプローチがある
骨盤内うっ血症候群の治療法にはさまざまなアプローチがあります。血流を良くする事を最終的に目標としているので、身近なものからスタートする事もあります。
骨盤内うっ血症候群の主な治療法は食事療法から始まる
骨盤内うっ血症候群の治療法にはさまざまな種類があります。その中でも身近なものでは食事療法です。
- 赤や紫色の野菜や果物(ブルーベリーなど)
- 赤や紫色の食品にはプロアントシアニジンと言われるバイオフラボノイドが多く含まれています。コラーゲンの減少を防ぎ、血管の弾力性を生み出します。
- 柑橘類やローズヒップ
- バイオフラボノイドのヘスペリジンが含まれています。コラーゲンの生成を促進して血管の健康に役立ちます。
- 天然のビタミンC
- ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素なので積極的に摂取するようにします。
血管を健康に保つ、弾力性を保つと言う事が骨盤内うっ血症候群の治療法の糸口と考えると、アンチエイジングも非常に役立つと考える事が出来ます。
骨盤内うっ血症候群の主な治療法ではサプリメントも併用
食事療法が有効だと言う事はサプリメントで特有の成分を補うと言う方法も有効性があると考えられます。
食品から治療に必要な成分を補う事が出来ない場合、食品を入手しにくい時にはサプリメントを併用します。
- ピクノジェノール
- ピクノジェノールはバイオフラボノイドの一種ですが、ぶどうの種や松の樹皮に含まれているのでサプリメントで摂取します。1日あたり150~300mg摂取する事が推奨されています。
- プロアントシアニジン、ヘスペリジン
- 食品からも摂取出来ますが、即効性がないので、数か月にわたり摂取するためにはサプリメントを選択する事があります。
骨盤内うっ血症候群の主な治療法ではハーブや漢方にも注目
35歳以上の女性で、経産婦の場合は、骨盤底の筋肉のゆるみ、子宮下垂が見られる事があります。
それに加えて骨盤内うっ血症候群の症状があると言う場合には、ハーブや漢方薬も症状緩和に役立つとされています。
- ハーブ
- スターグラス
- 漢方薬
- キバナオウギ、カラトウキ、ミシマサイコ
ハーブと漢方の両方を組み合わせると症状の緩和に良いと言われています。単体ではなくて組み合わせるので、専門家の知識が必要です。
運動による骨盤内うっ血症候群の治療法はコツがある!
日頃から運動不足の方や、座りっぱなしの時間が長い方は、どうしても骨盤内の血流が悪くなります。
運動を取り入れる事で、体全体の血流を良くしてあげると、骨盤内に停滞していた血液も心臓に戻りやすくなる事から、運動療法も行われています。
大きなポイントとして、朝方の運動はおすすめで静脈のうっ血を防ぐ効果があると言われています。
おすすめの運動の種類は、
- ウォーキング
- 水泳
などの有酸素運動で、なおかつ負荷をかけすぎないで出来る運動が良いと言われています。
筋トレなどをしたい場合には、負荷をかけないで行う事が望ましいと言われています。
骨盤内うっ血症候群の主な治療法は物理療法も効果的!
物理療法の中で特に効果的なのはリングドレナージが挙げられます。
主にハーブや漢方薬と併用する事が多いもので、リンパ腺の流れを良くすると同時に代謝をさらに良くして症状の改善を狙います。
他に有効性が認められているものでは、
- カイロプラクティック
- 鍼灸
- クレニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)
があります。
これらは週に2回から3回程度の治療で効果を実感出来ると言われています。
生理前の足の付け根の痛みは骨盤内うっ血症候群と紙一重
骨盤内うっ血症候群の症状の中で人によっては足の付け根に痛みを感じると言う方もいます。
しかし足の付け根の痛みは妊娠との関係も疑われるので、安易な判断は危険です。
生理前に足の付け根の痛みを感じたら妊娠検査をしよう
妊娠の初期症状と骨盤内うっ血症候群の症状はとても良く似ています。
骨盤内うっ血症候群の症状はこれまで述べて来たとおりですが、妊娠の初期はこれから大きくなろうとしている子宮の影響でうっ血が起こったり、頻尿気味になる事が多いものです。
まさに紙一重のような症状で、特徴らしい特徴があまりない時期ですから、自己判断は非常に危険です。
骨盤内うっ血症候群はPMSとも妊娠の初期症状とも違う
骨盤内うっ血症候群の症状は生理が来ると治まってしまってPMSと勘違いする方が非常に多いものです。
しかも妊娠初期でつわりが始まる前の症状にもとても良く似ている事から、自分自身では良く分からない状態になる事も多いと言えます。
PMSのように生理前の症状が重い、妊娠の可能性があると言う場合を除いて、35歳以上の女性で経産婦の場合は、おかしいな?と感じたら出来るだけ早めに婦人科を受診して検査を受ける事がおすすめです。
また、日頃から運動や代謝をアップさせる努力をしておくと、ごく自然な感じで回避出来る症状です。
できるだけ積極的にウォーキングなどを行ったりして健康的な日々を過ごすようにしましょう。
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