
「何もしたくない…」無気力のとき、気持ちが楽になる10の方法
Date:2018.07.04
「なんにもやる気が起きない」……そんな日は誰にでも訪れます。
何もしないで休むのは、決して悪いことではありません。ときにはのんびり過ごして疲れを癒すのも、必要なことですよね。
ただ、無気力な日がしばらく続いて「困っている」「居心地が悪い」と感じるようなら、改善策を試してみるのも良いかもしれません。
今回は、無気力で困っている人に試してほしい、「気持ちが楽になる考え方」や「少しずつ気力を取り戻していける方法」をご紹介します。
この記事の目次
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【1】まず原因を考えよう。無気力になっているのはなぜ?
生活や気分に支障が出るほど無気力になってしまったのには、何か原因があるはずです。
原因は、自分ではっきり気づいている場合もあれば、無意識のうちに抱え込んでしまっていることもあります。
あなたは、次のようなことに心当たりがありませんか?
原因(1)トラブル、悩みごと
現代は、仕事も人間関係も驚くべきスピードで複雑化しています。人には打ち明けづらいトラブルや悩みごとを抱えこんでしまうケースも多いもの。
たとえば、
- 仕事で失敗してしまった
- 職場に嫌な人がいる
- パワハラ・セクハラなどのハラスメントを受けている
- 経済面で生活が苦しい
- 恋人や夫に浮気された
- 家族とうまくいっていない
- 親友と喧嘩してしまった
……など。
自分が否定されるような出来事や自信を喪失してしまう出来事があると、人は落ち込み、気力をなくしてしまいがちです。
こうしたトラブルや悩みごとは、他人に相談しにくいもの。勇気を出して相談しても冷たい反応をされたり、思うような助言を得られなかったりすると、ますます落ち込みますよね。
行動して嫌な目にあった記憶が強く脳裏にこびりつき、「もう何もしたくない」と脱力しているのではないでしょうか。
原因(2)疲れ、ストレス
無気力は、ストレスや疲れが限界に達しているサインという場合もあります。
忙しすぎる生活や精神的なストレスは、人から正常な判断力を奪います。新しいことはもちろん、いつもしていることでさえ面倒でたまらなくなってしまいます。
とくに厄介なのは、長期にわたりストレスに晒され続けているときです。
ストレスの源をなくそうと頑張ってもそれが取り除かれない……そんな日々が続くと、「何をしても無駄なんだ」という気分になってしまいますよね。
この状態は【学習性無力感】と呼ばれています。自分にとって危険な状態であるにもかかわらず、「逃げよう」という意志を失ってしまうのです。
原因(3)我慢が続いている
我慢を続けているときも、無気力状態に陥りやすくなります。
- やりたくないことを無理してやっている
- やりたいことを無理に我慢している
など、何かを我慢して心を押さえつけている状態のときは、何をしても心地いいと思えません。
やらなくてはいけないことを後回しにしているときも、要注意です。
本心では「やりたくないなあ」と思っていることを後回しにしていると、それはいつまでも心に引っかかるトゲのような存在になっていきます。
この場合は簡単な対処として、
- 本当にやるべきことなのか、考え直す(やる必要がないならやめる)
- 手を付けやすい「小さなこと」から始めてみる
といった方法で徐々にやる気を取り戻せる場合があります。
原因(4)刺激のない毎日
暮らしが単調で「刺激がなさすぎる」状態も、無気力に繋がります。
退屈を紛らわすために新しいことを始められるなら良いのですが、「面倒だし、忙しいし……まあいいか」と後回しにすることが続くならば要注意です。
↓
新しいことをするのが面倒になる
↓
さらに退屈になり、気力がなくなる
という悪循環に陥っている可能性があります。
興味を持ててあまり負担のかからないことから、ちょっとずつ手を出してみましょう。
原因(5)過度なダイエット
見落としがちなポイントですが、行き過ぎたダイエットが無気力状態を呼び寄せるケースも少なくありません。
脳は、体重に占める割合はわずか2%程度ですが、エネルギー消費量はというと、全身の約18%をも占めています。
脳を動かすための栄養素の多くは、食事から得ています。栄養素が足りなければ、頭も回らず、身体も重く、動くのが億劫になります。
これが無気力やイライラの原因になっていることがあるのです。
ダイエットのために身体に負担をかけすぎていないか点検してみましょう。
原因(6)心身の疾患
無気力状態は「うつ病」の初期症状としても有名です。
まじめな人ほどかかりやすい疾患でもあるので、「甘えている」とか「自分がそうなるはずはない」と思い込まずに、カウンセリングや心療内科などで適切な治療を受けることが大切です。
そして、無気力が続く症状は、うつ病だけではありません。
自律神経失調症や、
- 肝臓の病気
- 心臓の病気
といった内臓疾患でも無気力状態になるケースがあります。
病気の兆候なら、できるだけ早めに内科や心療内科を受診することが重要です。いつもと違う、何かおかしいと思ったら、専門医の診察やカウンセリングを受けましょう。
【2】一番大事なポイントは「頑張りすぎないこと」
厄介な無気力状態から抜け出す上で、一番大事なポイントを最初にお伝えしておきます。そのポイントとは、ずばり「頑張りすぎないこと」です。
無気力が続く原因の多くが、頑張りすぎてしまうことにあります。
気力を使い果たしてしまうほど頑張っている。それが、今のあなたです。自分をねぎらってあげましょう。少なくとも、自分を責める気持ちから気をそらすことを意識しましょう。
自分が「これならできるかも」「ちょっとやってみようかな」と思えたことのみ、実行すれば、充分です。
全部こなさなくても、一つ二つ実践するだけでOK!くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
では、無気力を改善する方法を見ていきましょう。
【3】対策(1)考え方〜罪悪感を捨てて気持ちを楽にする〜
まずは、考え方の基本です。
気力が湧かず何もしたくないときは、つい自分を責めてしまいがち。その罪悪感を手放して、楽な気持ちになるコツをご紹介します。
1.「何もしたくない」気持ちを受け入れる
今の気持ちをそのまま感じて、受け入れてみましょう。
「こんなんじゃダメだ」「サボっている」と考えてしまうことがあるかもしれません。でも、まじめに頑張りすぎたからこその無気力なのだと、自分を少し甘やかしてあげてください。
「何もしたくないときだってある。人間だから当たり前だ」と、まずはそのままの気持ちを認めてあげるのが最初のステップです。
2.何もしない状態を実現する
「何もしたくないなら、しなくてもいいんだ」と自分の気持ちを許容したら、今度は実際に「何もしない」時間を過ごしてみましょう。
休日の予定を全てキャンセルして、自分のために丸一日を確保します。一日では足りないようなら、思いきって休暇をとるのがおすすめです。
気が済むまで寝るも良し、ゴロゴロしながらマンガを読むも良し。
スマホやネットをして過ごすよりは、デジタル機器から離れた方が効果的です。携帯やスマホの電源を切って、SNSもメールも今日はお休みします。
食事は準備しておいたものを食べるか、デリバリーをとりましょう。もちろん、料理をしたくなったらしてもOK。ただし、無理に「自炊しなければ」と思ってしまうなら、自炊はやめて楽な方法を選びましょう。
コツは、罪悪感を手放すことです。
そんな日を何度か経験していくと、徐々に「何かしたい」という気持ちが芽生えてくるかもしれません。こうなれば、無気力状態から脱出への一歩を踏み出せそうですね。
3.やりたくないことを「やらずにすむ」方法を考える
無気力から回復して気力を取り戻すには、やりたくないと思うことから距離を置くのが一番です。
できる範囲で結構ですので、好きなことや好きな人とだけ関わりを持つように意識してみましょう。そして、やりたくないこと、会いたくない人からはできるだけ距離を置きましょう。
やりたくないことが、あなたの気力を吸い取っています。それから距離を置いて、自分を守る壁を作ってみてください。
今まで吸い取られていた気力が身体の中をきちんと循環するようになり、気力も戻ってきます。
【4】対策(2)行動〜小さな変化がやる気を取り戻す〜
少し気持ちが落ち着いてきたら、今度は小さなアクションを起こしてみましょう。
あくまでも自分の負担にならないように、できそうなことから試すのがポイントです。
4.できるだけ日光を浴びる
日光を浴びると、自律神経のバランスを整えるセロトニンという物質が分泌されます。とくにおすすめなのは、午前中に太陽の光を浴びること。体内時計がリセットされて、睡眠の質が良くなります。
朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びましょう。日中も日光を浴びられるよう、窓辺で過ごしたり、近所を散歩したりしてみてください。
心地よいベランダがあるなら、そこに出るのもおすすめです。外出するのは億劫でも、ベランダならば部屋着で気軽に出られます。
5.空気を入れ替え、水を飲む
新鮮な空気を吸うのも大切です。
たとえば、デスクワークでくたくたに疲れたときを想像してみてください。外に出て深呼吸するだけで、疲れがすーっと楽になることがありますよね。
血液の流れを良くするために、コップ一杯の水を飲むこともおすすめです。
新鮮な空気と、新鮮な水。些細なことですが、たったそれだけでストレスが軽くなるのであれば、試す価値がありそうです。
お部屋の空気をフレッシュなものに入れ替えたら、好きな香りのフレグランスをシュッと一吹きするのも気持ちいいですよ!
6.生活を整える
睡眠や食事などの生活習慣を整えることで、やる気と幸福感を司る脳内物質の分泌を促進することができます。
幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」は、規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけることで、安定した分泌をキープできます。
ホルモンは目に見えませんが、空腹や睡眠不足がメンタルに悪影響を与えるのは、あなたも経験したことがあるのではないでしょうか。
- 毎日同じ時間に起床する
- バランスの良い食事を三食きちんと食べる
- 日中、できる範囲で良いので身体を動かす
- 湯船にお湯を張り、ゆっくり温まる
- 早寝してぐっすり眠る
地味に思えるかもしれませんが、こうした生活が無気力を脱するための近道と言えます。ぜひ取り入れてみてください。
7.身体を動かす
歩くことは、立派なリズム運動です。
「歩く」習慣を取り入れると、自律神経(交感神経・副交感神経の両方)が活発に働き、徐々にやる気も復活してきます。
外出できるときは散歩、難しいときは家の中をぐるぐる歩き回ったり、踏み台昇降をしてみるのもおすすめです。
「歩く気力はまだ湧かないよ」という人は、好きな動画や音楽を楽しみながらストレッチをしてみましょう。
手順などの難しいことはいったん忘れて、肩を回したり足を伸ばしたり、自分が「気持ちいい」と思う動きをするだけでOKです。
8.本を読む
頭の体操をしたくなったら、軽い読書がおすすめです。
- マンガ
- 雑誌
- ビジネス書
など、自分の読みやすいもの、興味はあるのになかなか手がつけられずにいたものなどが、気分転換にピッタリです。
本は、自分以外の誰かの思いに触れられる、とてもコスパの良い娯楽です。無気力でアウトプットできないときは、インプットのチャンスと捉えてみましょう。
本の中で出会った言葉が背中を押してくれたり、心の重荷を降ろしてくれることもありますよ。
9.目的を再確認する
頑張っているのに空回りしてしまったり、物事が思うように進まず挫折してしまったり。そんなときもありますよね。
「自分は何のためにこんなことをしているのだろう」「もう、やめてしまおうか」……そんなふうに感じているときは、いったん初心にかえってみるのがおすすめです。
そこで「やっぱりいいな、欲しいな」と思えれば、また仕事に向かう気力が戻ってくるかもしれません。
自分の目的を再確認することで、やる気が湧いてくることもあります。
10.助けを求める
ここまで9つの対策をご紹介してきましたが、事情によっては実践しづらい場合もあるでしょう。
そんなときは、「誰かに助けを求める」ことを選択肢に入れてください。
- 離れて暮らす家族
- 友人
- 行政などの第三者
など、いざというときに頼れる誰かを探しましょう。「一人でなんとかしなきゃ」と抱え込んでしまうと、無気力をどんどん悪化させてしまいます。
罪悪感を抱く必要はありません。
ここだけは、面倒でもちょっと頑張って身体を動かし、休める時間を自分に確保してあげてください。
【5】焦らずゆっくりが基本。心は必ず軽くなる!
対策を始めるのは、早ければ早い方が良いもの。ただし、「すぐに良くなるはず」「数日で気力を取り戻せる」というものでは、決してありません。
あなたが今抱えているのは、少しずつ蓄積されてしまって重たくなった「無気力」です。手放すときも少しずつ、一枚ずつ皮を脱ぎ捨てていくように、軽くなっていきます。
ちょっと時間はかかるかもしれませんが、必ず気持ちが楽になるときは来ます。「どうしてあんなに気持ちが重たかったんだろう?」と不思議になるくらい、身体も心も軽くなるときが、必ず訪れます。
どうか焦らず、できるところから試してみてくださいね。
そして、たまには本当に「何もしない日」を自分に許してあげてください!
思いきり自由なその時間が、あなたの元気を呼び戻してくれるかもしれません。

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