朝から感じる疲れの原因と対処法。起床後と寝る前の行動が鍵!
Date:2017.07.27
単純に寝起きが悪いのではなくて、目が覚めたときに「身体がだるい…」と感じることはありませんか?
起きたときに
- 頭がぼーっとする
- 物事をうまく考えられない
- 身体に疲れやだるさを感じる
- 身体を起こしても力が入らない
のような症状がある人は要注意。それは単なる寝起きの悪さではなくて、身体に何か問題が生じている可能性が考えられます。
この記事では、朝起きたときに疲れを感じる理由や対処法についてご説明していきます。「寝ても寝ても疲れがとれない」という人は要チェックですよ!
病気やストレスのサイン。目覚めに疲れを感じる理由
睡眠は本来、身体の疲れをとるための行為です。そのため、眠ってから目が覚めたときには疲れがとれてスッキリしているのが通常。
つまり、朝起きて疲れを感じているのは身体に異常が生じているというサインなのです。
起床時に疲れを感じている人には、次のような理由が考えられます。心当たりがないか見てみてくださいね。
起立性調節障害の可能性
思春期の子どもに見られがちな病気ですが、起立性調節障害は大人になっても発症するおそれがあります。
起立性調節障害は、自律神経のバランスが乱れることによって血圧や心拍のコントロール機能が低下してしまう病気のことです。
- 起き上がったときにめまいや立ちくらみがある
- 寝起きに頭が上手く働かない
- 些細な運動で息切れしやすい
- いつも倦怠感や疲労感を感じている
…のような症状があれば、起立性調節障害の可能性が考えられます。
起立性調節障害の人は、自律神経のバランスを上手く調節することができません。そのため身体を起こしたときなどに血流を上手く巡らせることができず、めまいや疲労感のような低血圧の症状を起こしてしまうのです。
「ただ寝起きが悪いだけ」と言って軽視する人が多いため、なかなか起立性調節障害に気づく人は多くありません。もし疑いがあるようならすぐに病院で診て貰ってくださいね。
心療内科で自律神経を整える手助けをしてもらうのも有効的ですし、循環器科などで起床時の血圧・心拍の変化を検査してもらうのをおすすめします。
顎関節症になっている
顎(がく)関節症は、噛む力が衰えてしまった現代人に多いとされる病気です。
噛み合わせが悪くなるだけでなく、寝ているときに歯ぎしりをしてしまい睡眠中にも疲れを感じてしまうのが顎関節症の症状です。
顎関節症で起こる歯ぎしりは、無意識に起こりやすいため自覚症状がありません。そのため起きたときに感じる疲労を顎関節症と結びつけづらいのが厄介です。
- こめかみ
- 頬
- 顎
に痛みを感じる場合は、顎関節症を疑ってみてください。
また、顎関節症は睡眠時無呼吸症候群に繋がりやすいとも言われています。顎関節症に加えて睡眠時無呼吸症候群を併発すると、睡眠中に上手く呼吸ができず余計に身体に疲労を溜め込んでしまいます。
- 口を大きく開けたとき音がする
- 口を上手く開けられない
- 上下の歯がかみ合わない
- 寝起きにこめかみ、頬、顎に痛みを感じる
のような症状があれば、顎関節症の可能性アリです。顎関節症の治療は歯医者さんで行ってもらえますよ。
自律神経の乱れで疲れが取れていない
起立性調節障害の発症にも繋がりますが、自律神経の調整が上手くできていないことは睡眠の質自体を下げてしまう可能性があります。
もしも何か強いストレスや不安を感じたまま眠った場合は、身体を興奮させるための「交感神経」が活発化した状態になっています。
そのため眠れたとしても脳が上手く休めておらず、結果として目が覚めたときにも疲れを感じてしまうのです。
女性であれば、生理に近い日にはストレスに敏感になっています。そのため特に自律神経を上手く調整することができません。
また、自律神経はストレスの他にも
- 暑さによる体温調節
- 長時間目を酷使して起こる眼精疲労
- ライフイベントや遠出など環境の変化
といった理由で乱れることもあります。
自律神経の乱れは睡眠の質を下げて疲れをとれにくくするだけでなく、起立性調節障害に発展する恐れもある危険な兆候です。なるべく心に負担をかけないよう、無理をしないでくださいね。
寝る前の行動が睡眠に響いている
寝る前、どんな行動をとっていますか?睡眠前の行動によれば睡眠の質を大幅に下げ、本来取れるはずの疲れもとれなくなってしまいます。
いつも寝る前に次のような行動を取っている人は要注意ですよ。
- 就寝3時間以内の食事
- 食事をすると、胃腸はそれらを消化するために約3時間ほどの時間を必要とします。つまり食事をしてすぐに眠ってしまうと、脳は寝ていても身体は消化活動を続けている状態になるのです。
そのため睡眠中も胃腸の疲れはとれず、内臓の疲労によって身体にも疲労感を与えてしまいます。特に脂分の多い食事は消化に時間がかかるため、眠る前はなるべく避けた方が良いですね。
- カフェインの摂取
- カフェインには神経を興奮させる覚醒作用があるため、眠る直前に摂ることで睡眠を妨げる可能性があります。睡眠不足のような状態になるため、朝起きたときに疲れを感じてしまうのです。
カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶、チョコレートなどに含まれています。寝る前のこれらの摂取には注意してくださいね。
- 寝る直前に画面を見る
- スマホやテレビなどの液晶画面からは、ブルーライトといって交感神経を活発化させる光が漏れています。そのため寝る前に何かの画面を見ていると、神経が興奮して満足な睡眠がとれず、起きたときも疲れを感じてしまうのです。
ジェットコースター血糖を起こしている
寝る直前の食事や、糖質の高い夕食を摂ることで「ジェットコースター血糖」と呼ばれる症状を引き起こす可能性があります。
ジェットコースター血糖は、睡眠中に血糖値が急激に上下することを言います。血糖値の上下に伴ってインスリンやアドレナリンも一緒に分泌され、睡眠中にもかかわらず体内が忙しなく動いてしまう現象です。
- 血糖値が高いままで眠りにつく
- 血糖値を下げようとして大量にインスリンが分泌される
- インスリンによって血糖値が急激に下がり、低血糖になる
- 低血糖状態に反応し、アドレナリンが分泌される
- アドレナリンによって血糖値が急激に上がり、高血糖になる
といったように、血糖値がジェットコースターのように勢いよく上下してしまうのです。
本来疲れをとるための就寝時間にこのような動きがあることで、身体は上手く休むことができません。特に興奮ホルモンであるアドレナリンが分泌されることで、睡眠中に
- 悪夢にうなされる
- 疲労がとれない
- 脳や身体が休まらない
のようなトラブルから起床時に疲労感を感じてしまうのです。眠る前の食事には注意したいですね。
朝の疲れを吹き飛ばす対処法。起床後と寝る前の行動に注目
朝から感じる疲れには様々な理由がありますが、忙しい朝の気持ちとしては「理由はともかくとして、疲労感をどうにかしたい!」と思うはず。
眠ったにもかかわらず朝から疲れを感じるときには、次のような対処法があります。
起きたら一番に伸びをする
目が覚めたら、まずは一番に「んーっ!」と元気に伸びをしましょう。お布団の中でやっても構いませんし、上半身だけ起こして伸びをしても構いません。
伸びをすることで、縮んで緊張状態にあった筋肉をほぐして血行を良くすることができます。
全身に血流が巡ることによって、身体も頭も冴えてきます。低血圧で寝起きに頭がぼんやりする人には特におすすめですね。
- 両手を組んで真っ直ぐ頭上に伸ばす(バンザイポーズのようなイメージ)
- 足のつま先までピンと伸ばす
- 息を大きく吸いながら身体を伸ばし、ゆっくり息を吐きながら伸びをやめる
伸びをして血行が良くなってくれば、自然と体温も上昇して身体が起床モードに切り替わりますよ。
温かい飲み物で水分補給する
人は睡眠中に汗や口呼吸によって水分を失っています。脱水症状は疲労感を余計に増長させる原因。
そこで、目が覚めたらまずは1杯何か飲み物を摂ってください。水分補給をすれば身体のだるさや疲労感が少し軽減されていきますよ。
- 白湯
- ホットココア
- ホットミルクor豆乳
- 味噌汁
温かい飲み物は身体の内側から体温を上げてくれます。体温が上がれば血行も良くなりますから、身体のだるさが和らいで頭の働きも活発になりますよ。
「眠気覚まし」としてコーヒーが有名ですが、コーヒーに含まれているカフェインには体温を下げる働きがあります。そのため、寝起きで疲労を感じている状態を余計に悪化させてしまいます。
最もおすすめなのは、胃腸に馴染みやすい白湯ですね。排泄を促進させる効果もある白湯は、身体から毒素を排出して疲労を取り除くデトックス効果が期待できます。
熱めの温度でシャワーを浴びる
朝から疲れを感じている人は、眠気覚ましも兼ねて熱いシャワーを浴びることをおすすめします。朝の洗顔や寝癖直しもできて一石二鳥ですよ。
熱めのシャワーを浴びることで、滞っていた血行を効率よく促進することができます。代謝も良くなり、疲労感が軽減されていきます。
また、シャワーの温度が熱いほど身体に刺激が加わり、交感神経を活発化させられます。自律神経の乱れは朝に疲れを感じる原因の一つ。ぜひシャワーを使って自律神経の切り替えを促していきたいですね。
朝のシャワーは長くても10分以内には終わらせるようにしてくださいね。シャワーから上がった後は湯冷めをしないように、しっかり身体や髪を乾かすのを忘れないでおきましょう。
ただし、急に熱いお湯を浴びてしまうと急激な温度変化から心臓に負担をかけてしまいます。冬の寒い日などは特に、最初はぬるめの温度からシャワーを浴びていってくださいね。
朝食でビタミン類を補給する
ビタミンやミネラルといった栄養素は、身体の疲労感を取るのに最適です。朝から疲れがとれない場合は、朝食で栄養素を補給しておきましょう。
- ビタミンB群…豚肉、卵、魚介類、豆類など
- ビタミンE…ナッツ類、うなぎ、大根の葉など
- カリウム…かぼちゃ、きゅうり、イモ類、バナナなど
- カルシウム…乳製品、魚介類、パセリなど
- マグネシウム…大豆、大豆製品、海藻類、魚介類など
- 鉄分…レバー類、パセリ、魚介類、大豆、大豆製品、卵など
手軽に栄養補給をしつつ身体も温められるということで、朝食の味噌汁はかなりおすすめですね。味噌汁であれば目覚めの1杯に飲んでもOKです。
疲労が深刻な状態に達していて料理なんてできない、という場合は野菜や果物をミキサーにかけたスムージーでも良いです。
各栄養素には、血液を巡らせたり栄養をエネルギーに変換するための働きがあります。栄養不足になっては身体が上手く機能せず、疲労は溜まっていく一方です。しっかり栄養補給をして朝の疲れを取ってくださいね。
起きたら軽めの運動をする
「疲れているのに運動なんてしたら余計に疲れるのでは?」と心配になる人もいるかもしれませんが、心配はご無用。
人は睡眠から目覚めた後、頭や身体が上手く働かずに睡眠状態を引きずってしまうことがあります。これを「睡眠慣性」と呼びます。睡眠慣性が続いた状態だと、身体が重く疲労を感じてしまうのです。
寝起きに少し運動をすることで、交感神経を活発化させると共に体温を上げて睡眠慣性を打破できるのです。
…とは言え、寝起きのぼんやりした状態で運動をするのも酷な話ですよね。寝起きの運動は、あくまでも寝起きの疲労感を取ることが目的です。そのため身体が起きる程度の運動でOK。
- 軽い柔軟運動(ラジオ体操など)
- ウォーキング
- ジョギング
などがおすすめですね。
ウォーキングやジョギングなどであれば、朝のゴミ出しのついでに取り組めますよ。
睡眠の質を高める対策
いくら朝から疲労感を取るために苦労しても、その翌朝にまた疲労を抱えて目を覚ましたのではキリがありません。寝起きの疲労感は、夜の内に対策しておくことも重要です。
睡眠環境や眠る前の行動などに気を付けて、睡眠の質を上げる努力をしてみましょう。睡眠の質が上がれば、眠っている間の疲労回復効果がアップしますよ。
- 目が覚めたら日光を浴びる
- 睡眠3時間よりも前に食事を済ませる
- 眠る前に液晶画面を見過ぎない(スマホ、テレビ、PCなど)
- 寝室の温度や湿度、寝具を快適なものに整える
特に寝起きの日光浴は重要です。朝に日光を浴びることで体内時計を調節し、夜に眠気が来るように睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌をコントロールできるのです。
睡眠中に疲れが取れたら、朝目が覚めてから疲労を感じる心配はなくなりますよ。
最善の対処は原因を知ること。心当たりがあったら専門家へ
朝に起きてから感じる疲れは、ちょっとしたケアで簡単に回復することができます。ぜひいろんな対処を試しながら、元気な1日のスタートを切ってください。
…とは言え、その場しのぎの応急処置ばかりをしていても朝の疲れはずっと続く一方。
眠ったのに疲れを感じるのは、知らない間に身体に異変が起きているサインです。もしかしたらあなたの身体は、自分で思っているよりも深刻な事態を抱えているのかもしれません。
「寝起きが悪いだけだから」と甘く見ずに、少しでも心あたる点があったら専門家に見て貰ってくださいね。ハッキリとした原因がわかれば、その後の対処もしやすくなりますよ。
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