春先につらい花粉症…症状を緩和する食べ物と食事療法
Date:2017.01.20
例年、2月ごろから増え始める植物の花粉。スギやヒノキなどの花粉症に悩まされる人も多いのではないでしょうか。
くしゃみや鼻水・鼻づまりが治らなかったり、目が異常にかゆくなったり、症状が重い人は本当に辛いですよね。
筆者の周りにも、デスクの上に常に大きなティッシュ箱が置いてあったり、外出時にマスクが手放せない人が何人かいます。
今回は花粉症の症状改善に役立つ食べ物や、おすすめレシピなど、花粉症の食事療法についてご紹介したいと思います。
この記事の目次
なぜ花粉症は起こるのか?知っておきたい身体のメカニズム
花粉症はアレルギー性の病で、体内に花粉という異物が侵入すると、それを体外に排出しようとして、くしゃみや鼻水といった症状を引き起こします。
年々、花粉症に悩む人が増加中!その原因とは?
近年、花粉症に悩む人は増加傾向にあると言われています。1998年には19.6%だった有病率は、2008年には29.8パーセントにまで増加!原因としては、以下のようなことが考えられています。
- スギ花粉の増加
- 大気汚染
- 添加物の摂りすぎ
- ダニやハウスダストの増加
- 高たんぱく・高脂肪食
- ストレス
花粉の増加だけでなく、アレルギー症状を引き起こす様々な要因が重なり、患者数が多くなっていることがうかがえます。
ズバリ知りたい!花粉症の症状緩和や予防に役立つ食べ物
そうなると、知りたいのは花粉症に効果がある食材。アレルギー症状を緩和したり、予防したりする成分を含む食べ物をご紹介していきましょう。
ネバネバ成分で粘膜を保護する「レンコン」
レンコンのネバネバ成分であるムチンには、粘膜を保護する働きがあります。
また、レンコンを黒ずませる成分のタンニンは、抗炎症作用のあるポリフェノールの一種。ムチンとの相互作用で花粉症などのアレルギー症状に役立ちます。
EPAやDHAが豊富な「青魚」
あじ、さば、いわしなどの青魚はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいます。
乳酸菌で免疫力をアップ!「ヨーグルト」
花粉症は体内の2つの免疫細胞のバランスの乱れが原因で起こると言われています。免疫細胞が作られるのは主に腸内。
αリノレン酸でアレルギーを緩和する「シソ・えごま油」
シソやえごま油には「αリノレン酸」という成分が含まれており、この成分は摂取されると、EPA(エイコサペンタエン酸)に変化し、アレルギー症状を緩和してくれます。
アマの種子から取ったヘルシー油「亜麻仁油(アマニ油)」
アンチエイジングやダイエット効果があるとして、最近注目されている「亜麻仁油」。
アマの種子から取ったこの油にも、えごま油同様、「αリノレン酸」が多く含まれており、花粉症の改善や予防に役立ちます。
甜茶ポリフェノールが効果的な「甜茶」
中国茶の一種で甘いお茶の総称である甜茶。ブナ科、アカネ科など様々な種類がありますが、バラ科キイチゴ属の甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)にのみ、抗アレルギー作用があります。
花粉症に効く栄養素がたくさん入った「納豆」
納豆には乳酸菌が豊富に含まれ、腸内環境に働きかけて免疫バランスを整えてくれます。
また、納豆のネバネバ成分であるムチンには、抗炎症作用や粘膜を保護する働きがあります。
注意!花粉症を悪化させてしまうおそれのある食べ物
上記とは逆に、花粉症の症状を悪化されるおそれのある食べ物もあります。以下のような食材には注意してください。
グルテンには要注意!「小麦粉を使った食品」
パンなど小麦粉を使った食品に含まれる「グルテン」は、ホルモンのバランスを崩したり、免疫構造を弱めたりすることがあるそう。
さらに、輸入小麦には殺虫剤や防腐剤が使われており、それがアレルゲンと結びつく場合もあります。
たんぱく質が分解されにくい「牛乳・乳製品」
牛乳や乳製品に含まれるたんぱく質は体内で分解されにくく、またカルシウムと結合しているため、異物と見なされて免疫システムに異常をもたらしたり、分解される時に毒素を発生させたりします。
そのため、腸内にアレルギーを引き起こすヒスタミンという物質が発生し、花粉症の症状が出やすくなります。
果物アレルギーの恐れがある「果物」
花粉症の人は、果物アレルギーになりやすいと言われています。
果物アレルギーの人は、特定の果物や野菜を食べると、のどの奥や唇、舌にかゆみや痛みを覚えたり、吐き気や下痢など消化器系の症状が起こったりします。
アレルギー症状が出た場合は、その果物や野菜の摂取を避けるようにしましょう。
リノール酸が豊富な「植物油を使った料理や食品」
揚げ物やドレッシングなどに欠かせない植物油は、必須脂肪酸のリノール酸を豊富に含んでいます。リノール酸は摂りすぎると、アトピーやアレルギー性鼻炎、花粉症などになりやすくなるので注意しましょう。
不飽和脂肪酸に注意!「肉・卵」
肉の脂身や卵には、アレルギー症状を悪化させるアラキドン酸という不飽和脂肪酸が含まれています。
腸内の悪玉菌が増殖!「砂糖」
砂糖の過剰摂取は腸壁のバリア能力を弱めたり、悪玉菌を繁殖させて腸内環境を悪化させたりします。
加えて、砂糖には血液の酸化作用があり、骨に含まれるカルシウムやマグネシウムを血中に溶かし出してしまいます。
マグネシウムが欠乏すると、アレルギー体質が悪化するおそれがあります。
加熱はOK、生食にはご用心!「トマト」
生のトマトにはアレルギー物質であるヒスタミンが含まれているため、特にスギ花粉症の人はアナフィラキシーショックを起こすおそれがあり、注意が必要です。
加熱するとヒスタミンは消滅するため、加工済のトマトを使ったスープやパスタを食べると、花粉症の改善が期待できます。
グルテンフリーやヴィーガンは花粉症を治す?
よく、グルテンフリーやヴィーガン(肉や魚・卵や蜂蜜など動物性のものは一切摂らない、完全菜食)だと、花粉症にならなかったり、症状が改善されると聞きますが、本当でしょうか。
ネットなどでも、実際に
- マクロビオティック
- 菜食生活
- グルテンフリー
などを実践して、花粉症が完治するまではいかなくとも、緩和されたという報告が多数上がっています。
花粉症改善に効果的な、おすすめレシピをご紹介!
さて、ここまで花粉症改善に効果的な食材をご紹介してきましたが、実際、どんな風に日々のメニューに取り入れればよいのでしょうか。
おすすめレシピをご紹介します。
レンコンとささみのサラダ
- レンコン
- 6~7センチ
- 大葉
- 4~5枚
- 鶏ささみ
- 1本
- マヨネーズ
- 大さじ2
- 練りわさび
- 少々
- 醤油
- 少々
- れんこんは薄切りにしてしばらく酢水に漬けておく。大葉は細切りにする。
- 沸騰したお湯にれんこんと鶏ささみを入れて茹でる。
- 茹で上がった鶏ささみは食べやすい大きさに手で割き、れんこん、マヨネーズ、わさび、醬油を入れて混ぜ合わせる。
- 3を皿に盛りつけ、仕上げに大葉を散らす。
いわしの梅しそ巻き
- いわし
- 4尾
- 梅干
- 2個
- 大葉
- 8枚
- 醤油
- 大さじ1
- 酒
- 大さじ1
- オリーブオイル
- 適量
- いわしは頭を落としてはらわたを抜き、3枚におろす。梅干は種を抜いて包丁で叩き、ペースト状にする。
- いわしの水気を拭き、身の内側に梅干を塗る。その上に大葉を一枚ずつ乗せ、くるくると巻いて楊枝で留める。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、2のいわしを並べて焼く。
- 焦げ目がついてきたら醤油と酒を入れて蓋をし、しばらく蒸し焼きにする。
- タレがなじんだらいわしを取り出し、楊枝を抜いて盛り付ける。
ヨーグルトスムージー
- プレーンヨーグルト
- 200㏄
- みかん
- 1個
- バナナ
- 1本
- みかんはよく洗って皮をむき、実はミキサーに入れやすい大きさに割っておく。バナナは皮を剥き、適当な大きさに切る。
- ジューサーにヨーグルト、バナナ、みかんの実と皮(へたは取っておく)を入れ、スイッチを入れて、なめらかになるまでよく混ぜる。
みかんは皮ごと入れるため、無農薬のものを使うのがおすすめです。
辛い花粉症に負けないために。食生活で体質を改善!
いかがでしたか?花粉症の症状は花粉そのものだけでなく、免疫細胞が大きく関わっていて、食生活とも深い繋がりがあると知って驚きですよね。
症状がひどい時はもちろん薬にも頼るべきですが、アレルギーが起こりにくい身体を作る努力も必要です。
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