
女性に多い尿漏れの原因。肥満や便秘、筋力の低下に要注意!
Date:2017.09.14
尿漏れは年齢や性別に関係なく、老若男女の誰でも悩んでいる問題です。咳やくしゃみをしたとき、トイレを我慢しすぎたときなど…チョロッ、と漏れて思わずヒヤリとした経験はありませんか?
尿漏れの原因は男性と女性で違いがあります。尿道の場所や、妊娠・出産の有無といったポイントが絡んでくる尿漏れは、女性だからこそ起こりがちな問題でもあるのです。
この記事では、女性の尿漏れによく見られる原因についてご紹介していきます。「まだ若いのに尿漏れなんて」と悩んでいた人は、ぜひチェックしてみてくださいね。若い人の尿漏れも珍しいことではありませんよ。
この記事の目次
体質的な問題で男性よりも女性の方が尿漏れをしやすい
尿漏れは、どちらかと言えば男性よりも女性の方が抱えやすい問題です。ですから、女性で尿漏れに悩んでいる人は心配いりません。女性なら誰でも起こる問題なのです。
どうして女性の方が尿漏れをしやすいのか?それにはこんな理由があります。
女性の方が尿道が短い
男性と女性では、尿道のつき方に違いがあります。一般的に男性の方が尿道が長く(約25cm)、女性の方が尿道が短い(約4cm)傾向にあるのです。
さらに具体的に説明すると、男性の尿道は細くて長く、女性の尿道は太くて短いつくりになっています。おまけに男性の尿道はS字にカーブしていますが、女性の尿道は直線です。
尿が出口まで行くのに時間がかかるのは、曲がりくねった細い尿道を持った男性ですよね。女性は物理的な問題で尿が出てきやすい身体のため、尿漏れが起きやすくなっているのです。
女性の方が骨盤底筋がゆるみやすい
骨盤底筋とは、子宮や膀胱を支えている筋肉のことです。この筋肉によって、子宮からは経血が、膀胱からは尿が出されています。
骨盤底筋は出産によってゆるみやすくなります。ゆるんだ骨盤底筋は尿道口を上手にキュッと締められず、尿漏れを起こしやすくなってしまうのです。
実際に、尿漏れに悩む女性の大半が出産を経験している人です。もちろん出産は経験していなくても、骨盤底筋は毎月のように生理で子宮にも働きかけている存在。女性はもともと骨盤底筋がゆるみやすい身体になっているのです。
肥満で尿漏れする可能性もある
女性の身体は、女性ホルモンの分泌バランスによって痩せたり太ったりを繰り返しやすいつくりになっていますよね。生理前に太りやすくなる…などが例です。
肥満状態になることで腹部に圧力がかかりやすくなります。この腹圧によって膀胱が圧迫されてしまい、尿漏れしやすくなってしまうのです。
実際に、ダイエットをしたら尿漏れがなくなった…といった前例もあるほど。男性とは違って女性は皮下脂肪がつきやすい存在ですから、肥満による尿漏れも起こりやすいのです。
パターン1.腹圧性尿失禁で尿漏れしてしまう原因
尿漏れ(尿失禁)にもたくさんの種類があって、種類ごとに原因も変わっていきます。
尿漏れの中でもポピュラーなパターンが「腹圧性尿失禁」です。腹圧性尿失禁とは、お腹にかかる圧力が膀胱を圧迫して尿漏れしてしまうことを言います。
どうしてお腹に圧力がかかると尿漏れしてしまうのでしょうか?腹圧性尿失禁の原因は次の通りです。
咳やくしゃみなどで身体に力を入れた場合
腹圧性尿失禁が起きる一番有名な原因が、「咳やくしゃみをしたとき」です。
咳やくしゃみに限らず、重たい物を持ったときなど、身体に強く力を入れると腹圧がかかりやすくなります。そのため腹圧による尿漏れが起きるのです。
喘息やアレルギーで咳・くしゃみの多い人や、力仕事をしている人などは、このパターンによる尿漏れが多いですね。
骨盤底筋がゆるんでいる
ご説明した通り、女性は出産や生理などで骨盤底筋がゆるみやすい身体になっています。
本来ならお腹に圧力がかかっても、骨盤底筋が尿道口をキュッと締めてくれるため尿漏れはしません。ですが骨盤底筋が緩んでいると、些細な腹圧でも尿道が締まらずに尿漏れしてしまうのです。
- 妊娠や出産
- 生理
- 女性ホルモンのバランス
- 加齢による筋力の低下
- 肥満で脂肪がつくことによる筋力の低下
- 運動不足
…心当たりはありませんでしたか?
骨盤底筋も体操や運動、トレーニングで鍛えることができます。しっかり骨盤底筋を鍛えておけば、多少の腹圧がかかっても尿漏れを阻止することができますよ。
内蔵が下がっている(内臓下垂)
内蔵の位置って、当然ですが外からは確認できませんよね。見えない部分にある内臓は、もしかしたら知らない間にあるべき位置からズレているおそれがあります。
肥満や運動不足が続いていると、胃や腸など内臓の位置が下がってしまう可能性があります。内蔵の位置が下がることで腹圧がかかりやすくなり、腹圧性尿失禁を引き起こすのです。
「胃下垂」や「腸下垂」という言葉は聞いたことがありませんか?内臓が下がることは、「内臓下垂」という名称で知られています。
- 下っ腹がポッコリ出ている
- 便秘になりやすい
- 食欲が減退する
特に肥満は、皮下脂肪によって内蔵下垂を起こしやすい要因ですよ。女性なら更年期障害などでも内臓下垂を起こしやすいため要注意です。
便秘で腹圧がかかりやすい状態
便秘になると、腸内に便が溜まってお腹が張った状態になりますよね。つまり、お腹に圧力が加わった状態になるということ。
便秘は腹圧をかけやすいため、腹圧性尿失禁を起こしやすいのです。特に女性はホルモンバランスの乱れで便秘を起こしやすく、体質的に尿漏れも起こしやすい体質です。そのため腹圧性尿失禁が起きやすくなっています。
尿漏れに悩んでいる人は、一緒に便秘に悩んでいることも多くあります。便秘を感じたら早めに解消したいですね。
パターン2.切迫性尿失禁で尿漏れしてしまう原因
尿漏れには、「切迫性尿失禁」と呼ばれるパターンもあります。
切迫性尿失禁は、突然強い尿意に襲われてトイレまで我慢できずに漏らしてしまうことを言います。
切迫性尿失禁が起きるのには、次のような原因が考えられます。
脳に何らかの原因がある
尿意は脳から発せられている信号です。通常では膀胱に200~400mlほどの尿が溜まったときに「尿意」という信号が出されて、人はトイレに行き排尿します。
切迫性尿失禁の場合は、脳に何らかの異常があって尿意が上手く伝わらず、強い尿意を感じて間もなく失禁してしまう…といった事態が起きるのです。
「脳と膀胱で情報のやり取りが上手くできていない状態」にあるのが、切迫性尿失禁というわけです。
- 精神的なストレス
- 脳の異常
- 骨盤底筋が弱っている
- 膀胱の異常
といった理由があります。
男性であれば前立腺肥大症が考えられますが、女性に起こる切迫性尿失禁の原因はわかりづらいのが現実です。気になる症状があれば病院で詳しい検査をしてもらいましょう。
過活動膀胱になっている
切迫性尿失禁は、過活動膀胱の症状の一つとして有名です。
過活動膀胱とは、膀胱が必要以上に過敏に動くせいで尿意が近くなったり、急に強い尿意を感じる症状です。
尿漏れと一緒に頻尿のような症状を感じている人は、過活動膀胱になっている可能性が考えられます。現在、50歳以上の女性が8人に1人は抱えている、とされているのが過活動膀胱です。
- 膀胱炎になっている
- 自律神経が乱れている
- 脳に異常がある
- 骨盤底筋が弱っている
過活動膀胱は多くの人が無自覚の内に抱えやすい症状です。そのため病院に行く人も少なく、悪化しやすいのがおそろしいところ。
もし兆候を感じたら、症状が深刻化する前に受診してくださいね。
他の原因との混合型の失禁
切迫性尿失禁は、何か他の要因と合わさった「混合型尿失禁」であることも多くあります。
- 心因性の頻尿
- 骨盤底筋のゆるみ
- 内蔵下垂による腹圧性尿失禁
…など。急激に強い尿意に襲われるタイプの切迫性尿失禁は、いくつかの要因が同時に関係していることが多いのです。
切迫性尿失禁の詳しい原因がわかりにくいのは、混合型による尿漏れである可能性が高いからです。切迫性の尿漏れを抱えている人は、病院で検査をしてもらってからハッキリとした原因を突き止めるのが良いですね。
パターン3.膀胱炎によって尿漏れしてしまう原因
尿漏れは膀胱炎で生じる症状の一つである可能性もあります。膀胱炎とは、膀胱に病原菌が入り込んだせいで起こる膀胱の炎症です。
女性は男性と違って尿道が太く短いため、尿道から菌が入り込んで膀胱炎になりやすいのです。
- 頻尿
- 残尿感
- 排尿時の痛み
…などがあれば、膀胱炎による尿漏れを疑ってみましょう。
免疫力や抵抗力が低下している
通常は尿道から菌が入り込んだとしても、免疫力や抵抗力が十分に備わっていれば深刻な膀胱炎は防げます。ですが
- 風邪を引いているor風邪気味である
- 寝不足である
- 栄養不足である
- 生理中である
…といった状態になると、免疫力が下がって膀胱炎になるリスクが高まってしまうのです。
特に生理中は免疫力が下がりやすいだけでなく、ナプキンや経血に潜んでいた菌類が尿道口から侵入して膀胱炎になりやすい傾向にあります。
また、疲労が溜まっているときにも免疫力が低下して膀胱炎になりやすくなります。
トイレに行くのを我慢する
どうしても席を外せないときや、何かに集中しているときなど…尿意があるのにトイレに行くのを我慢してしまうことはありませんか?
トイレに行くのを我慢すると、尿が溜まって膀胱炎になるリスクが高まります。
尿は本来なら排泄すべき、毒素を含んだ老廃物です。そんな尿を出さずに溜め込んでおけば、菌に感染するのは当然ですよね。
膀胱炎は一度発症するとクセになりやすいものです。トイレを我慢するのがクセになっている人は、なるべく尿意を感じたらすぐにトイレに行くよう心がけましょう。
性行為で菌が感染している
膀胱炎は性行為でも発症するリスクが高まります。性行為の際にデリケートゾーンや肛門周辺の常在菌が付着することで、尿道口を通って膀胱に感染するおそれがあるのです。
もちろん免疫力が十分に備わっていれば、性行為が膀胱炎に直結することはありません。
体調の優れないときの性行為はなるべく控えましょう。また、避妊具を使って感染症を防いだり、性行為の後はシャワーなどで身体を清潔にしたりするなど、菌の感染を防ぐ工夫をしましょう。
神経因性膀胱炎の可能性
神経因性膀胱炎は、神経的な問題で生じる膀胱炎のことです。通常なら膀胱と脳で尿意の連絡を取り合っていますが、神経回路に問題が生じることで膀胱に問題が生じてしまいます。これにより膀胱炎になって排尿トラブルが起きるのです。
神経因性膀胱炎になると、唐突な強い尿意や残尿感、排尿のキレの悪さから尿漏れをしてしまいます。
「尿漏れしたらどうしよう」のように、排尿に対して強い強迫観念やストレスを抱くことも神経因性膀胱炎を起こすきっかけになります。
パターン4.溢流性(いつりゅうせい)尿失禁の原因
溢流性尿失禁とは、自分の意に反して尿漏れしてしまう症状のことです。日常生活にも支障をもたらすため、とても問題視されている存在です。
いつも残尿感があって、尿が溜まると知らない間に尿が溢れて出てくるのが溢流性尿失禁です。
男性が発症することが多い病気ですが、女性なら
- 子宮筋腫
- 子宮脱
のような子宮の病気が原因で起こるとされています。
女性にはありがち。でも深刻な尿漏れは病院へ行くべし
女性の尿漏れはよくあることですから、ちょっと漏れてしまったからと言って気に病む必要はありません。ですがたまに漏れるのではなくて、頻繁に尿漏れをするようなら要注意。
尿漏れには膀胱炎や子宮筋腫のような、何か重大な病気の兆候が隠れていることもあります。もしも尿漏れがクセになっていて頻繁に起きるようなら、早めに病院へ行きましょう。
- 薬物療法
- 膀胱の治療
- 尿漏れ対策の訓練やアドバイス
…など、尿漏れに対する有効的な対応をしてもらえます。
もしも尿漏れが深刻化していて日常生活に支障をもたらすようなら、専門家の意見を聞いてみるのも一つの手ですよ。

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