乳癌を防ぐ食事とは?食生活改善で乳癌のリスクを下げよう!
Date:2016.09.05
がんは日本人の死亡原因として長らくトップをキープしている病気です。
日本人の2人に1人がかかると言われているほど割合が高い病気ですから、誰でもがんにかかる危険性は持ち合わせているのです。
そして女性が特に注意したいのが乳癌です。女性がかかるがんの部位でダントツトップだからです。
有名人でも乳癌にかかる方が増えているように感じます。まだ若いのに、自分とそれほど変わらない年齢なのにと考えると他人ごとだとは思えませんね。
また乳房の再建技術が向上しているといっても、手術でメスを入れたり、乳房を失ったりするのは肉体的にも精神的にも受けるダメージは相当大きいと考えられます。
乳癌の発症原因はまだはっきりと解明されているわけではありませんが、生活習慣と大きく関係していることがわかってきています。
少しでも乳癌リスクを減らすためにできることを知り、ガンにならない体づくりに役立てましょう。
まずは現実を知ること!乳癌患者の推移とかかりやすい年代とは
乳癌にかかる患者が増えていると聞いても、実際どれくらいの患者数がいるのかわからないですよね。
具体的な数字を知ることで乳癌患者がいかに多いのか、またどの年代に最も発症しやすいのかを知っておくとより危機感が出てくると思います。
患者数激増!この20年から30年間で3倍以上!
1970年代の乳癌患者と最近の乳癌患者数を比べてみるとその激増ぶりに驚かされます。
1970年代では1万人程度だった乳癌患者数が、1990年代にはその3倍の3万人、そして現代ではその患者数が5万人にも昇るのです。
乳癌はこの数年患者数が激増していますし、その患者層も若年化が進んでいるのが現状なのです。
がんはその種類にもよりますが、若いときにかかってしまうと細胞分裂のスピードが早いため進行も早くなりがちです。
乳癌患者は若者にも増えている
日本全体で見てがん患者が増えているのは、高齢化も原因です。高齢化によって老化がすすむことでがん細胞が活性化しやすくなるからです。
ところが乳癌の場合はちょっと違います。それはたとえ年齢が若くても発症するリスクを持ち合わせているからです。
実際に乳癌患者の年齢層を見てみると、40代以降にかかるケースが最も多く、最近は20代から30代でかかる若年性乳癌の患者数も増えてきているのです。
怖いくらいの患者数激増!その原因として考えられること
一昔前はそれほど多くはなかった乳癌患者。それがたったの20年から30年で激増してしまっているのには、一体どのような原因が考えられるのでしょうか。
食事とがんの密接な関係、高脂肪高カロリーな食事
この20年から30年で私たちの身の回りの生活が大きく変化しましたよね。変わったことの一つが食生活ではないでしょうか。
日本人の昔ながらの食事といえば
- ご飯
- お味噌汁
- 漬物
- 納豆
などの和食が中心だったと思います。
その結果日本人の平均身長が伸びただけでなく、初潮を迎える年齢も早くなり昔と比べて成長が早くなってしまったのです。
乳癌にかかる原因を作るのが女性ホルモンの影響。
初潮が早いということはそれだけ女性ホルモンの影響を長く受けることになります。それが乳癌発症率にもつながっているのです。
昔と比べると出産回数が激減、女性ホルモンの影響を受けやすくなる
外で働く女性が増えたことで、晩婚化がすすみました。結婚してからもキャリアを積むためにお子さんを産まない選択をする女性も少なくありません。
妊娠中は生理が来なくなりますので女性ホルモンの影響を受けにくくなるのです。
昔は一人の女性が子供を4人以上産むことも珍しくありませんでしたので、生理が来ない期間が長かったのです。
また昔はミルクで育てる方は少数であり、ほとんどの方が自分のおっぱいを赤ちゃんにあげていました。
ところが今は産後もすぐに仕事に復帰する女性も多くいます。授乳をしないことも乳癌リスクを高める原因になります。
授乳中はホルモンの影響で比較的生理が再開しにくいので、女性ホルモンの影響を受けにくくなるからです。
隠れ肥満も危険!皮下脂肪の多さがリスクを招く
日本人女性の体型はこの数年でかなり変化してきました。背も高くすらりとしていて欧米人に負けないくらいスタイル抜群の女性も増えてきています。
しかしながら日本人は痩せ願望が人一倍強く、体型を気にしてかなり過酷な食事制限を実施している女性も少なくありません。
ところがそういった女性の体脂肪率は実は低くはなく、むしろ高い隠れ肥満の傾向にあります。
また女性がストレスを受ける機会も多く、ストレス解消のためにドカ食いをする方も少なくありません。
不規則な生活でホルモンバランスが乱れる
職種によっては夜間も仕事をこなさなくてはいけない必要が出てきます。
- 看護師
- キャビンアテンダント
- 医師
- 介護士
- 深夜営業の飲食店
など私たちの周りには夜働いている女性をたくさん見かけますよね。
もともと人間には体内時計が備わっていて昼に活動して夜に休むというリズムが出来上がっています。
お酒の飲み過ぎが乳癌を招く!
女子会や飲み会に積極的に参加する、一日頑張った自分へのご褒美に毎日の晩酌が習慣になっている女性も多いのではないでしょうか。
実はお酒の飲み過ぎが乳癌リスクを高めることがわかってきています。
- お酒を飲む機会が多い
- 一度に飲む量が多い
- 休肝日がほとんどない
以上のような条件に該当する方はかなり乳癌リスクが高いと言えるでしょう。
食べ物で乳癌にかかりにくい体を作るコツ
生活習慣の変化が乳癌の発症率を挙げてきたのは事実です。食べる物に気を付けるだけで乳癌を予防する効果が期待できます
酸化はがんの活性化を促進!抗酸化物質で酸化を抑制しよう
老化現象を起こす原因だといわれているのが活性酸素。
私たちが生きている限り酸化を止めるのは難しいのです。実は酸化は老化現象をすすめてしまうだけでなく、がん細胞の働きも活性化させてしまうのです。
抗酸化物質を含む主な食品を紹介していきます。
ポリフェノールも抗酸化物質として有名な成分です。
- 赤ワイン
- 緑茶
- 大豆
- そば
- カカオ
- ブルーベリー
これらにポリフェノールが多く含まれています。
主に緑黄色野菜に含まれているカロテノイドも酸化を緩やかにしてくれます。
- ほうれんそう
- かぼちゃ
- ブロッコリー
- にんじん
- トマト
- すいか
- オレンジ
などに含まれています。
βグルカンも抗酸化物質の一種であり、きのこ類に主に含まれています。
- しいたけ
- まいたけ
- なめこ
- エリンギ
- アガリクス
女性の強い味方!大豆イソフラボン
大豆イソフラボンといえば大豆製品に含まれている栄養として有名ですね。
女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをしてくれることから、ホルモンバランスを整えたり、女性らしい体つきを作ったり、肌をきれいにしてくれたりと美容効果も期待できます。
乳癌を起こす原因として女性ホルモンのエストロゲンの働きが活性化することが挙げられます。
植物性のイソフラボンはそのがん細胞に関係の深いエストロゲンの働きを抑制してくれるのです。
大豆イソフラボンは日本人に馴染みの深い食品に多く含まれています。
- 納豆
- 味噌
- 豆腐
- 豆乳
- 醤油
実は味噌汁をたくさん飲む人ほど乳癌にかかりにくいという研究結果が出ています。
アンケートの「みそ汁」、「大豆、豆腐、油揚、納豆」の項目を用いて大豆製品の摂取量を把握し、その後に発生した乳がんとの関連を調べました。
…中略…
一日に3杯以上の味噌汁を飲む方は、乳癌の発生リスクを40%も下げられるということが判明しているのです。
しかし大豆イソフラボンは大量摂取してしまうと逆効果になってしまいますので、摂りすぎには注意が必要です。
食べ物から摂る分に関しては問題ありませんが、サプリメントでの摂取は過剰摂取につながりやすく十分な注意が必要です。
血液サラサラ!不飽和脂肪酸を摂ろう!
青魚などに含まれているDHAやオリーブオイルなどの植物性の油に多く含まれているEPAは、生活習慣病の改善に効果がある栄養として知られています。
これらには血液をサラサラにして動脈硬化などのリスクを下げてくれるだけでなく、がん細胞を抑制する働きもあるのです。
動物性脂肪の摂取量を減らして、
- DHAを多く含む青魚
- オリーブオイル
- 亜麻仁油
といった植物性のオイルを積極的に摂りましょう。
肥満防止、エストロゲンの過剰吸収をブロックする食物繊維
女性に多くみられる便秘。便秘はあらゆる不調の原因となるだけでなく、乳癌リスクを上げる原因にもなるのです。
腸には人間の免疫の7割が集中していると言われており、腸の健康を維持することが免疫機能を維持することだと盛んに言われるようになってきました。
こんな食事には要注意!乳癌リスクを上げないための食事の注意点
食べ物で乳癌リスクを下げることもできるのですが食べる物によっては逆にリスクをあげてしまうことも十分に考えられます。
動物性脂肪の取りすぎに注意すること
食生活の欧米化によって私たちは以下のような食品を食べる機会が増えました。
- 肉
- チーズ
- バター
- 加工食品
- 洋菓子
これらの食品には飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪が多く含まれています。
これらを食べる量が多い方は意識して減らす努力が必要です。
また調理法を工夫することでも脂肪を減らすことは可能です。たとえば肉は焼いて食べるのではなく、ゆでたり蒸したりすることで余分な脂肪を落とせます。
サラダを食べる時もマヨネーズや市販のドレッシングをかけるのではなく、脂分を抑えた手作りドレッシングを作るのがおすすめです。
食材は旬のものを!新鮮な物を食べよう!
野菜には乳癌予防効果の高い栄養が含まれているのですが、できる限り新鮮な物を選ぶようにしましょう。
購入してから日にちが経ってしまうと野菜も酸化してしまって、せっかくの栄養効果が半減してしまいます。
また野菜はできるだけたっぷりと食べることをおすすめします。生で食べるよりも煮たりゆでたりしたほうが、量をたくさん食べられますよ。
大好きだけど我慢も大事!お酒はほどほどに!
飲酒が乳癌リスクを上げる要因ですので、飲み過ぎには十分な注意が必要です。
毎日お酒を飲むことが習慣になっている女性も多いのですが、健康のためにも
- 休肝日を設ける
- お酒を飲む量をセーブする
など努力が必要です。
またお酒を飲むと大量にビタミン、ミネラルを消費してしまいます。
せっかく野菜や果物から摂取した栄養が飲酒のおかげでムダになってしまうのももったいないですよね。
- ビールジョッキ2杯以上
- 日本酒2合以上
- ワイングラス2杯以上
一日にこれ以上の量を飲むと乳癌リスクが高まります。お酒は飲んでもいいのですが、量は控えめにしましょう。
パン食が乳癌リスクを高める!パンよりもご飯を!
食生活の欧米化に伴って、朝ごはんにパンを食べる方も多いのではないでしょうか。
実は乳癌患者の食生活について調べてみたところ、興味深いことが分かったのです。
それは乳癌患者の約8割が朝ごはんにパンを食べていたこと。パンは原料にバターを使っていますし、食べるときにバターやマーガリンといった動物性脂肪を多く含むものを乗せて食べます。
それが動物性脂肪の取りすぎにつながってしまうのです。さらにはパンの付け合せには
- オイルたっぷりのドレッシングをかけたサラダ
- 添加物の多いウィンナー
が定番という印象がありますよね。
そうすると乳癌予防に効果的な味噌汁の摂取量が大幅低下してしまうのです。酷い場合は一日に全く味噌汁とご飯を食べないケースもあるようです。
乳癌リスク改善のために取り組むべきこと!生活習慣改善で乳癌を防ぐ
食事以外でも乳癌リスクを下げる方法があります。いくつか紹介していきますので実践できそうなことはすぐにでも取り入れてみてください。
喫煙は美容と健康の大敵!今すぐにでも禁煙を!
ダイエットや美容目的でタバコを吸う女性は少なくありません。喫煙は美容と健康の大敵です。
ニコチンは体内で活性酸素を大量に発生させてしまうため、乳癌リスクを高めます。
これをきっかけに禁煙しましょう。なかなか自分一人で禁煙ができない場合は、禁煙外来もありますので利用してみるといいでしょう。
運動不足を解消!適度な運動をしよう!
運動不足の方、少なくありませんよね。
駅やオフィス、ショッピングセンターに行けばエスカレーターやエレベーターを使い、自宅では家電が家事をこなしてくれます。
最近は自転車でも電動アシスト付きタイプに乗っている方が増えましたし、自動車を運転すればあまり体を動かさずに目的地まで行けてしまいます。
また運動不足が続くと内臓機能も低下してきて、免疫機能も下がってきます。これががんや病気の発生を促進してしまうのです。
がん予防のためにも健康と美容のためにも適度な運動をしましょう。実は研究の結果、日ごろから適度な運動を行っている方は乳癌の発生リスクが30パーセントも下がると言うことがわかっています。
- 有酸素運動
- 酸素を取り込みながら行う運動。ウォーキングやジョギング、水泳が有名。脂肪の燃焼を促進してくれるため、ダイエットにも効果的。
- 筋トレ
- 脂肪は筋肉で燃えますので筋トレで筋肉を鍛えます。たとえば電車で爪先立ちをする、休憩中にスクワットなど隙間時間を利用した筋トレもありますので忙しい方でも取り入れやすいと思います。
運動するときは息が上がりすぎない程度に行うことが重要です。過度に運動してしまうと今度は活性酸素を大量発生させてしまう危険性があるからです。
また過度に運動しすぎるとその後の仕事にも悪影響が出ますし、運動すること自体がストレスに感じてしまって続かなくなる危険性があります。
定期検診も大切!生活習慣見直しでがんにかかりにくい体に
健康は失ってみてから初めてそのありがたみがわかるのです。小まめに検診に行って早期発見することで早い改善が期待できます。
しかしできることから乳癌にかかりたくない、治療を受けたくないというのが本音ではないでしょうか。
病気によっては日ごろ気を付けるだけでその発生率を大きく下げることが可能になります。乳癌もその一つになります。
生活習慣を改善することで乳癌リスクを下げることは可能です。食べる物に気を付ける、運動する習慣を行うなどして、乳癌予防に努めましょう。
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