おしぼりを出された時や出す時のマナー。意外と見られてるかも!
Date:2017.08.02
どこかの飲食店に行ったときや、誰かのお家に招かれたときに出される「おしぼり」。実は扱い方にマナーがあるのは知っていましたか?
「たかがおしぼりくらい…」と思っていたなら危険!誰かと一緒にいるとき、おしぼりの使い方からすでにマナーを見られているのです。もしも相手が取引先の方や気になる異性だったなら、絶対にマナー違反はできませんよね。
この記事では、意外と知られていないおしぼりのマナーについてご紹介していきますね。おしぼりのように細かなところからマナーがなっている女性は魅力的ですよ!
江戸時代から続く歴史。おしぼりの由来はお客の疲れを癒すこと
まずはおしぼりがどんな物なのかについてちょこっとお勉強です。レストランなどで出される紙ナフキンとはわけが違いますから、おしぼり特有の由来や目的を知っておけばマナーもすんなり頭に入ってきますよ!
おしぼりは昔も今もお客様の疲れを癒す存在
おしぼりはなんと「古事記」にまで登場していたほど古くから存在しています。実際に普及しはじめたのは江戸時代頃。
日本ならではの「おもてなしの精神」ですね。
今は宿屋よりも飲食店で目にする機会が増えたおしぼりですが、根本の目的は変わっていません。おしぼりは、その場所を訪れたお客様の疲れを労い、癒すために出されるものです。
いわば歓迎の印とも取れる存在ですから、おしぼりが出されたときはその気持ちを無駄にしないようにしっかりマナーを守って使っていきたいですね。
おしぼり(おてふき)は手を拭くもの
よくドラマや漫画などで、サラリーマンが出されたおしぼりで顔や首を拭く描写がありますよね。暑い季節に出された冷たいおしぼりを見れば、つい同じことをやりたくなる人もいるでしょう。
ですが、おしぼりで手以外の部位を拭くことはマナー違反です。おしぼりは「おてふき」という名前で知られていることもあり、手を拭くためのものとされています。
手以外の部位に使うのはやめましょう。
…もし自分の出されたおしぼりが、知らない人が汗だくの脇を拭いたものだとわかったらちょっと嫌ですよね?
おしぼりで手以外を拭かないのには「次にそのおしぼりを使う人のことを考える」という意味もあるのです。
いつ使う?使った後は?おしぼりを出されたときのマナー
おしぼりを出されたとき、どんな風に使っていますか?「ただ手を拭くだけじゃないの?」と思うかもしれませんが、
- 出されたおしぼりが温かい場合or冷たい場合
- 手渡しの場合or最初から置かれていた場合
- 使った後はどう置くか?
…など、意外と多くの場面や作法があるのです。
どんなとき、どんな風におしぼりを出されても良いように、おしぼりを出されたときのマナーについてしっかり見ていきましょう。
使った後は拭いた部分を内向きにたたむ
どんな場面でどのように受け取ったとしても、使った後のおしぼりには共通するルールがあります。それが「拭いた部分を内向きに畳む」こと。
手を拭いたおしぼりには、目には見えなくとも多くの雑菌がついています。それを外側に向けて畳むのは不衛生ですし、失礼にあたります。
そのため、おしぼりを使った後は汚れた面を内向きにして畳みましょう。
おしぼりを手渡された場合
飲食店ではなく、誰かの家などを訪ねた場合にはおしぼりを手渡されることがありますよね。
おしぼりを手渡されたときは、「ありがとうございます」とお礼を言ってから片手で受け取りましょう。両手で受け取ると大げさになってしまいます。
受け取った後は、そのままの流れで手を拭いてください。
手渡しのおしぼりはすぐに使わないと、出してくれた人の厚意を無駄にしてしまうのです。
軽く手を拭いたら、丁寧に畳んでテーブルや台に置きましょう。ぐしゃぐしゃのままポイッと放らないよう注意ですよ。
最初から置いてあるor新たに置かれた場合
テーブルにお茶やお箸と一緒に置かれたおしぼり…飲食店などでよくある光景ですね。
置かれたおしぼりは、右側に置かれているのなら右手、左側に置かれているのなら左手で受け取るようにしましょう。
受け取ったら軽く両手を拭いて、丁寧に畳んでから元の位置に戻しておくのが良いですね。
冷たいor温かいおしぼりはすぐに使う
夏だと冷たいおしぼりが、冬だと温かいおしぼりが…。といったように、お店やお家によっては季節に合わせた温度のおしぼりを出されることがあります。
確かに夏の冷たいおしぼりは気持ちが良いですし、冬の温かいおしぼりはホッとしますよね。おもてなしの精神が伺えます。
わざわざ温度のつけられたおしぼりは、相手の気遣いやおもてなしです。冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温かいうちに使ってしまいましょう。
出されたおしぼりは基本早めに使う、というのがおしぼりを出された際のマナーですね。
台拭きはおしぼりを使わず、用意してもらう
ついやってしまいがちなのが、おしぼりを台拭き代わりにしてしまうこと。繰り返しますが、おしぼりは手を拭くためのもの。間違っても台拭きにしてはいけません。
もしテーブルや台が汚れてしまったときは、お店やお家の方を呼んで台拭きをいただきましょう。
台拭きのためにわざわざ人を呼ぶのは気が引けるかもしれませんが、本来手を拭くはずのおしぼりでテーブルの汚れを拭く方がもっと失礼です。
料理をこぼしたときなどはつい慌てておしぼりに手を伸ばしてしまいがちですから、よく注意しておいてくださいね。
時と場合に合わせて臨機応変に!おしぼりを出すときのマナー
お客様にお茶をお出しするのとほぼセットで、おしぼりをお出しする機会がありますよね。
最初の方でご説明した通り、おしぼりはお客様を歓迎する・労わる気持ちを表す大切なポイントです。
せっかく訪ねて来てくれたお客様に失礼のないよう、おしぼりをお出しするときのマナーも押さえておきましょう。
手渡しの場合は2つ折りで渡す
まずはおしぼりを手渡しでお出しする場合のマナーです。自分やお客様に余裕のあるときは、なるべくおしぼりは手渡しでお出しした方が好印象です。
手渡しでお出しするときはお客様がおしぼりを広げる手間を省きたいですから、丸めてお出しするのはNGです。
- 丸めたおしぼりを広げる
- 広げたおしぼりを2つ折りにする
- 折り目の方をお客様に向けて出す
という手順でお出ししてください。
折り目がついている方が手に取りやすいため、お客様もおしぼりを使いやすくなりますよ。
置いておくなら丸めてトレーの上に
お客様の人数が多かったり、あまりゆっくりする時間がないときにはおしぼりを手渡しできない場合がありますよね。
別に手渡しでなくても、マナーをきっちり守れば印象が悪くなることはないので安心してくださいね。
おしぼりをあらかじめ置いておく場合は、お茶を左に、おしぼりを右に置いて下さい。おしぼりは専用のトレーに乗せて丸めておくと良いですね。
- 一度絞ったおしぼりを綺麗に開く
- 2つ折りにする
- くるくると丸める
おしぼりを右側にお出しするのには、お客様が利き手で取りやすいようにという配慮があるためです。
お客様が大人数のときは平等に右側に置いておくのが良いですが、もしお客様の利き手が左だとあらかじめ分かっていて尚且つ大人数でない場合は、おしぼりを左側に置いておくのも良いおもてなしですね。
おしぼりとは別に台拭きを用意する
おしぼりを使うときのマナーでもご説明しましたが、おしぼりを台拭きのように使うことはマナー違反です。
そこで、自分がおしぼりを出す側に回ったときは、お客様がおしぼりを台拭き代わりにしないように台拭きも一緒に出しておきましょう。台拭きがないせいでお客様がわざわざ人を呼ぶこともなくなりますよ。
そのため、用意する台拭きはおしぼりとは見るからに違う色や柄の布にしておくと親切ですね。
時間が長引いた場合はもう一本お出しする
お食事や打ち合わせなど…お客様のご用事が思ったよりも長引くことはありますよね。時間が長引けば長引くほど、お出ししたおしぼりは乾いて使い物にならなくなります。
そこで、お客様の滞在時間が長引いたときは、最初に出したのとは別にもう1本おしぼりをお出しすると好印象です!
新たにおしぼりをお出しするときは、まず古い方のおしぼりをお下げしてからですよ。
おしぼりは歓迎の気持ち。正しく使えばコミュニケーションになる
おしぼりは日本ならではの「おもてなし」のマナー。意識しなければ些細なことのように見えますが、おしぼりを出す・使うことには相手の気持ちを汲み取る思いやりの心があるのです。
人と人を繋ぐための大切なコミュニケーションの一つがおしぼりです。しっかりマナーを守れば、相手に自分の誠意を伝える手段になりますよ。
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