乾燥肌向け!保湿力の高いパックの選び方と効果的な使い方
Date:2018.04.05
乾燥肌にとってパックは保湿ケアの定番中の定番!
しかし、
「コツコツ続けているのに効果が感じられない」
「パックをしても乾燥が良くならない」
そんなふうに感じているなら、もしかしたらパックの選び方、使い方が間違っているのかもしれません。
乾燥肌に効果的なパックとは一体どんなものなのでしょう?また、どんな使い方をすれば保湿効果が得られるのでしょうか?
この記事の目次
乾燥肌に足りないのは肌のバリア機能を保つための保湿成分
乾燥が肌に良くないのは多くの女性が知っているものの、乾燥肌は何が足りていないのか、何を補うことが保湿なのか、実のところよくわからないという人もいるでしょう。
乾燥ケアに最適なパック選びをするためにも、まずは「乾燥肌」「保湿」について知っておくことが大切です。
乾燥肌は肌のバリア機能」低下した状態
私たちの肌表面にある角質層は約0.02mm。これは食品用ラップとほぼ同じ厚みです。
肌には元々保湿成分が存在していますが、これらがたっぷりあることで肌のバリア機能を保つことができます。
肌が乾燥するということは肌のバリア機能が低下している証拠。角質層に隙間ができ、
- 外からの刺激が入りやすい
- 角質層内の潤いが蒸発しやすい
というデリケートな状態です。
「保湿」とはバリア機能を保つための保湿成分を補うこと
肌のバリア機能は肌にもともと存在している保湿成分によって保たれます。
- 天然保湿因子(NMF)
- 角質細胞内にある天然保湿因子の約40%はセリン、シトルリン、アラニンなどのアミノ酸。その他、ピロリドンカルボン酸や尿素など約20種類の成分で構成されています。角質層の中で水分を保持する重要な役割があります。
- 細胞間脂質
- 角質細胞同士をつないでいるのが細胞間脂質。セラミド、レシチン、コレステロールなどの成分を含んでおり、肌に水分を留める働きをします。天然保湿因子を安定させるためにも欠かせない成分です。
- 皮脂膜
- その名の通り、肌の表面の膜。水分の蒸散を防ぐ役割があります。
これらによって角質層内の潤いがキープできているのですが、これらが不足しないように外から補ってあげることを「保湿」と言います。
選び方1.保湿成分が高配合で肌への刺激がないパックを選ぶ
スキンケアの中でもスペシャルケアに含まれるパック。
そのため、どんなパックを使ったとしてもある程度の保湿効果は期待できます。
しかし、肌が失ってしまった成分を補う保湿対策をするなら、配合されている保湿成分の量が多く質も高い「保湿」に特化して作られたパックを使うのがベストです。
乾燥肌に効果的なパックの選び方、まずは保湿成分からみていきましょう。
- 角質細胞内の水分を保つもの(ヒアルロン酸・コラーゲン・アミノ酸)
- 細胞間脂質を潤すもの(セラミド)
に分けられます。
ヒアルロン酸
保湿成分の代表とも言えるヒアルロン酸は元々人の肌に存在しており、角質層がある表皮よりももっと奥の真皮という部分に備わっています。
「1gで6Lもの水分を保持できる」と言われるほど高い保湿効果があります。
パックを含めてスキンケア商品に配合されているヒアルロン酸は分子が大きいので真皮までは届かないとされているんです。
では保湿効果がないのかというとそうではなく、肌にヒアルロン酸を使うことで、表皮の角質層の水分量を保持することができます。
スキンケア商品に含まれるヒアルロン酸は以下の3つの種類です。
- 一般的なヒアルロン酸
- 分子量が100万以上の高分子で粘度が高いという特徴があります。肌には浸透しにくいですが、肌表面に膜を作って肌のバリア機能を補助します。
- 加水分解ヒアルロン酸(低分子ヒアルロン酸)
- 酵素などでヒアルロン酸を加水分解したもの。分子量が1万以下と低分子なので、ヒアルロン酸に比べて粘度が少ないのが特徴です。肌の表面に膜を作りながら肌の水分を保持します。
- アセチルヒアルロン酸(スーパーヒアルロン酸)
- 1万~10万ほどの分子量で粘性が低いアセチルヒアルロン酸はさらっとしたテクスチャーで肌なじみが良いのが特徴です。通常のヒアルロン酸に比べて約2倍の保水力があり、長時間潤いを保ちます。
乾燥肌の場合はより保湿力が高いパックを使いたいもの。購入前にパックの成分表示を確認してみましょう。
コラーゲン
ヒアルロン酸と並んで有名な保湿成分、コラーゲン。
親水性が高く保水力に優れていますが、ヒアルロン酸と同じく、分子の大きいものと小さいものがあります。
- 一般的なコラーゲン
- 一般的なコラーゲンは分子が大きいので真皮層、角質層への浸透は期待できませんが、肌表面の保湿効果、乾燥などの刺激から肌を守る効果はあります。肌表面に高分子の膜を張ることで肌の水分をキープします。
- 加水分解コラーゲン
- 分子量が数百~数千のコラーゲンで「コラーゲンペプチド」とも呼ばれます。こちらも肌への浸透はしませんが、肌なじみが良く肌表面の潤いを保つ働きがあります。
- 低分子コラーゲン
- 分子量が200~300の肌への浸透率をもっとも高めたコラーゲン。「ナノ化コラーゲン」「浸透型コラーゲン」とも呼ばれ角質層まで浸透する可能性があり高い保湿効果があります。
分子の大きさで保湿効果に違いがあります。
パックで補うことができない部分は他のスキンケアでカバーするなど、場合によっては使い分けても良いでしょう。
アミノ酸
先述したように、天然保湿因子の約40%はアミノ酸です。
私たちの体には約20種類ものアミノ酸が存在していますが、特に美肌に関わっているのが以下の3つです。
- アスパラギン
- 表皮の角質層内の細胞分裂に関わるアミノ酸です。肌に使うことで角質層の新陳代謝を促す、角質の水分を保持して乾燥を防ぐなどの効果が期待できます。
- セリン
- 天然保湿因子にもっとも多く含まれるアミノ酸で肌の潤いを維持する作用があります。
- プロリン
- 体内に吸収されたタンパク質やアミノ酸からコラーゲンを作る際に必要なアミノ酸。ダメージを受けたコラーゲンの修復作用もあります。
セラミド
角質細胞の間にあるセラミドは「角質細胞間脂質」と呼ばれることもあり、細胞間脂質の約40~50%を占めています。
- 肌の水分を保持
- 有害物質などの侵入を防止
の両方の働きをこなす、強力な保湿物質です。
スキンケア商品に使われるセラミドは合成由来の「ヒト型セラミド」「合成セラミド」と天然由来の「天然セラミド」「植物性セラミド」の4種類あります。
- 1.ヒト型セラミド(バイオセラミド)
- 酵母を利用して作られたセラミドでその名の通り、人の肌に存在するセラミドとほぼ同じ構造をしています。肌なじみが良く、保湿効果が高いのが特徴。「セラミド1」「セラミド2」「セラミドNP」「セラミドAP」などと表示されます。
- 2.植物性セラミド
- コメ、ダイズ、トウモロコシ、コンニャクなど植物由来のセラミドです。「植物性セラミド」「コメヌカスフィンゴ糖物質」などと表示されます。
- 3.合成セラミド
- セラミドに類似した物質を化学的に合成したセラミドで「類似セラミド」とも呼ばれます。安価で大量生産も可能。「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」などと表示されます。
- 4.天然セラミド
- 主に馬の脳や脊髄などから抽出した動物由来のセラミド。人間の細胞間角質と似ているので保湿力が高く肌なじみも良いのが特徴です。デメリットとしては配合量が多いものほどコストもあがるという点です。「ビオセラミド」「セレブロシド」「ウマスフィンゴ脂質」などと表示されます。
この中でももっとも乾燥肌に向いているのはヒト型セラミドです。
- 保湿力
- 浸透力
に優れていてそれでいて低刺激。乾燥肌はもちろん、敏感肌やアトピー肌でも使いやすいとされています。また、天然セラミドよりも安価で安心なのも嬉しいポイントです。
ヒト型セラミドはさらに7つの種類に分けられます。
種類 | 働き |
---|---|
セラミド1 | 水分保持効果と外部刺激から肌を保護するバリア機能がある |
セラミド2 | ヒトの肌に最も多く含まれるセラミドで水分保持効果がある |
セラミド3 | 水分保持効果とシワを軽減する効果がある |
セラミド4・5 | 角質のバリア機能をアップさせる |
セラミド6 | 水分保持効果と肌のターンオーバーの促す効果がある |
セラミド7 | 皮膚常在菌のバランスを調節する |
特にセラミド1・2・3・6は保湿において大切なセラミドです。
商品選びの参考にしてみてくださいね。
肌に強い刺激を与える成分が含まれていないものを選ぶ
乾燥肌は肌のバリア機能が弱まっているので、以下のような添加物は肌に強い刺激となる場合があります。
- 保存料や防腐剤(プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベンなど)
- 合成香料(青色○号、黄色○号など)
は、肌状態を考慮して避けた方が良いでしょう。
また、アルコール(エタノール)を含んだパックも避けましょう。
選び方2.肌に負担をかけない素材、使い方のものを選ぶ
乾燥した肌はバリア機能が低下しています。
外的刺激に敏感になっているので、肌に負担をかけるような素材、使用感のパックは避けましょう。
乾燥肌の場合は、以下のようなタイプのパックを使うのがおすすめです。
- シートタイプ
- パックの中で一番多いシートタイプは顔全体を覆うだけなので正しく使えば肌に余計な刺激を与えることはありません。たっぷり含まれた美容成分や保湿成分をじっくり浸透させることができるので乾燥肌はもちろん、年齢肌にも向いています。
- 洗い流すジェル・クリームタイプ
- 水溶性で水分を補うシートタイプに対して、ジェルタイプとクリームタイプは油分で栄養補給するパック。洗い流したり拭き取ったりしても肌にしっとり感が残ります。メリットは肌への密着度が高いので成分が浸透しやすいということ、目の周りなど細かいところまでケアしやすいということなどがあげられます。デメリットはシートタイプに比べてお値段が高いという点と落とす手間があるという点です。
- 洗い流さないジェル・クリームタイプ
- 塗ってそのまま眠れる、いわゆる「スリーピングパック」。塗った後に洗い流したり拭き取ったりしなくて良いので手間ひまかけずにケアができます。保水力が高いのが特徴です。
逆に、以下のタイプのパックは乾燥の程度や商品によっては刺激が強い場合があります。
- クレイパック
- クレイ(泥)によって色、成分、効果に違いがありますが、基本的には吸収力、吸着力に優れていて毛穴の汚れを取り除く効果が高いパックとされています。血行促進効果やデトックス効果があるのも魅力ですが、中には洗浄力が強いものもあります。
- 剥がすパック
- 剥がすタイプのパックは主に2種類。1つは小鼻の黒ずみや角栓の除去を目的としたパックです。もう1つはクリームタイプのパックを顔に塗り乾いたら剥がすという方法の”ピールオフパック”です。どちらも溜まった角質や毛穴汚れを除去することで、肌の滑らかさやトーンをアップすることができますが、気になるのは”乾かす”、”剥がす”という使い方です。
パックの保湿効果を高める使い方とは?潤いで肌をプルプルに
せっかく保湿効果の高いパックを選んだら、その効果を高める使い方をしたいもの。
ここではパックの王道、シートパックの保湿効果をアップさせる使い方をご紹介していきます。
パックの成分が浸透しやすいよう肌を整えておく
肌に余分な汚れが残ったままではせっかくの美容成分、保湿成分も浸透しません。
パックを使う前にはクレンジングや洗顔をして、メイク汚れや皮脂汚れを取り除き、清潔な状態にしておきましょう。
化粧水の効果で、
- 肌が柔らかくなる
- 肌のキメが整う
など肌状態が良くなるのでその後のパックの成分が浸透しやすくなります。
顔もパックも温めることで浸透力がアップする
パックをする前に顔やパックを温めておくことで浸透力をアップさせることができます。
- 肌を温める
- 洗顔後、化粧水をなじませてから肌を温めます。タオルを熱めのお湯に浸して絞るか、レンジを使ってホットタオルを作りましょう。顔にのせるときは温度に注意し適度に冷ましてから使ってください。
タオルを水で濡らして硬く絞りおしぼりのように丸めます。ラップでくるんだら電子レンジで1分加熱すればOK!
- パックを温める
- 個包装されているパックに限りますが、パッケージを開けずに熱めのお湯に入れておきましょう。お風呂に入っている時にパックを湯船に浮かべておいて、お風呂上りの温かい顔にパックを使う…という方法もおすすめです。
ただし、ビタミンCなどの成分や商品によっては温めることでパックの効果が減ってしまうこともあります。
上からラップを被せて潤いを閉じ込める
パックの保湿力、浸透力を高めるために、ラップを使って水分の蒸発を防ぐという方法があります。
- 目
- 口
の部分に穴を空けたパックを用意して、パックの上から被せるだけ!
パックの水分の蒸発を抑えることができて保湿効果がアップします。
目元と口元はパックの前にケアをしておく
シートパックは顔全体を覆うことができますが、目元と口元は切り抜かれていてケアができません。
- 目元の小じわ
- ほうれい線
などが目立ってしまうことも…。
そこでおすすめなのが目元と口元のケアを先にしておく方法です。
化粧水で肌を整えたら乳液やクリーム、アイクリームなどを使って目元と口元のケアをしておきましょう。
パックの後はクリームなどで肌にフタをする
パックはスペシャルケアですが、その後のスキンケアをサボると効果も半減してしまいます。
パックは美容液と同じなので、パックをした後は
- 乳液
- クリーム
などを使って潤いチャージした肌にフタをしてあげましょう。
パックの間違った使い方に注意!さらなる乾燥を招くNG行為
シートパックは顔にのせるだけで効果が得られる優れものですが、それも正しい使い方をしてこそのもの。
最後にシートパックの間違った使い方について知っておきましょう。
長時間の使用は逆効果!
「念入りに」「もったいないから」という理由で長時間肌にパックをのせていませんか?
実はこの行為、栄養補給どころかより乾燥を進行させてしまうNG行為!
パックの長すぎる使用は厳禁!使用時間は10分を目安にしましょう。
また、この仕組みで言うと、コットンパックやローションパックは特に注意が必要ということになります。
- 水分が蒸発しやすい
- 使用する化粧水によっては肌刺激になる
という点で乾燥肌には不向きという意見もあります。使用時間や化粧水選びには気をつけましょう。
お風呂に入りながらはNG
お風呂に浸かりながらパックをする…一見、浸透率も高まるような気がしますよね。
しかし、お風呂に入っているとき、体はデトックスしている状態!
- 汗
- 老廃物
が今まさに排出されている状態なので、肌が吸収する美容成分はほんの少し。
お風呂に入りながら使うことを推奨しているもの以外は、お風呂の中でのパックの使用は控えましょう。
毎日使わない
パックは1度の使用で肌にしっかりと栄養補給できるように作られているので、美容成分がぎゅっと凝縮されています。
しかし、毎日使えば使っただけ美肌になれるかといったらそうではありません。
正確な頻度は専門家によっても意見が分かれているようですが、
- 美容成分たっぷりのパック→週1~2度
- 水分補給を目的とした薄いパック→週3~4度
などのペースに留めておくのがおすすめです。
肌を甘やかさないという美容法があるように、肌本来の保湿力を低下させないためにもパックの使いすぎには気をつけたいですね。
乾燥肌は早めにケア!使いやすくて肌質に合うパックを選ぼう
乾燥肌を放っておくと肌トラブルや肌老化につながっていくので、気になったら早めにケアを始めること、コツコツ根気よくケアを続けることが大切です。
そのためには保湿ケアを楽しむのが一番!最近はパックの種類が豊富なので、
- 使用感が心地良いもの
- 手持ちのスキンケアアイテムと相性が良いもの
などいろいろ探してみるのも面白いと思います。
あなたの肌質、乾燥の程度にぴったりなパックを選んで保湿ケアを頑張ってみてくださいね。
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