サラサラパワーで健康に!青魚の代表格・鯖が持つ栄養と効果
Date:2017.04.13
皆さん、お魚食べてますか?
お寿司やお刺身で人気の魚といえば、マグロやサーモンなど赤身の魚ですが、体に良いのは断然青魚(背の青い魚)です。青魚の中でもポピュラーなのは鯖ですよね。
年中お店に並んでいて値段もお手頃。しかも栄養に富んでいて様々な効果が期待できる食べ物です。
今回は鯖の持つ効能をご紹介します。
鯖ってどんな魚?まずは鯖についての基礎知識
鯖はスズキ目サバ科サバ属に含まれる魚のことです。
日本周辺では日本海・太平洋・南シナ海などに広く生息しており、群れで生活しています。水温15℃位の海水を好み、夏は北上、冬は南下する回遊魚です。
年中水揚げされますが旬は秋(9月〜11月頃)と言われています。この時期に獲れるものは特に脂がのっていて美味しいのです。
日本で流通しているものの主流は
- マサバ
- ゴマサバ
です。
ノルウェーサバ(タイセイヨウサバ)という種類もあり、こちらは北大西洋で獲れる鯖で最近日本でも多く出回るようになりました。
低い水温の海で暮らすノルウェーサバは他の鯖と比べ脂質が豊富で美味しいのが特長です。
様々な病気予防に効果あり!鯖の効能
豊富な栄養素を含む鯖。手軽に手に入るこの食材は、驚く程たくさんの効果・効能を持っています。
鯖の最大の強み!EPAとDHA
鯖の持つ栄養素の中で特に注目されているのがEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)でしょう。
これらは食品に含まれる脂質のうち、健康に良いとされる不飽和脂肪酸と呼ばれるものです。
中でもオメガ3脂肪酸に分類されるものは意識して摂ることが推奨されており、EPA、DHAもこのオメガ3脂肪酸に含まれます。
- EPA…100gあたり約1200mg
- DHA…100gあたり約1780mg
1日の摂取量の目安が両方合わせて1g(=1000mg)と言われていますので、1尾(約96g)食べればそれだけで1日分摂取出来る事になります。
EPA・DHAには、おもに次のような効能があります。
- 高血圧や脂質異常などが原因の生活習慣病を予防する
- DHAには、血液中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。
EPAも同じく悪玉コレステロールを下げ、中性脂肪の低下、血管の拡張や血小板凝集を抑制します。
これにより血圧を降下させ、動脈硬化や血栓が出来るのを防ぎます。
- 記憶力の向上、認知症を予防する
- DHAは脳が優先的に摂取しようとする成分の一つです。神経細胞の働きを活発にし脳を活性化させる、脳が必要とする成分なのです。
脳の発育を助け機能を維持するため、「記憶力を向上させたい」「最近もの忘れが激しいので何とかしたい」という方には特におすすめです。
- 花粉症やアトピー性皮膚炎など、アレルギー症状を緩和する
- EPA、DHAともにアレルギー反応の原因となる過剰な免疫反応を抑制する効果があります。
アレルギーの炎症を起こす原因となる「プロスタグランジン」という物質が体内で生成されるのを抑える働きがあり、これにより様々なアレルギー症状が緩和されるのです。
鯖が持つミネラル「セレン」とは?
鯖は五大栄養素・ミネラルの一種であるセレンも豊富に含まれています。セレンが持つ役割は、「抗酸化作用」。細胞を酸化させ、身体を錆びつかせる活性酸素から身体を守ってくれるのです。
活性酸素はそもそもウイルスや細菌から身体を守る役割がありますが、過剰に発生すると老化やガンなどの病気の原因になります。
つまりセレンの持つ抗酸化作用を身体に取り入れる事で、病気予防やアンチエイジングに繋がるのです。
セレンの1日の推奨摂取量は、30〜50代女性で約25μg。鯖に含まれるセレンの量は100gあたり70μgです。
鯖はビタミンも豊富!効果も色々
鯖にはビタミンも多く含まれており、様々な効果が期待できます。(カッコ内は鯖100gあたりの含有量です)
- ビタミンD(10.98μg)
- ビタミンDは脂溶性ビタミンです。鯖にはビタミンD3(コレカルシフェロール)が含まれています。
カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯、皮膚や爪などの発育を促進します。骨粗鬆症の予防、また、糖尿病予防やうつ病のリスクを下げる効果もあると言われています。
ビタミンDの一日の必要量は5.5μg。鯖を約50g食べれば良い計算になります。
- ビタミンB6(0.50mg)
- ビタミンB6はたんぱく質の代謝・吸収に必要な水溶性ビタミンです。
たんぱく質はエネルギーとして吸収する為に、一度体内でアミノ酸に分解され、再び合成されます。この分解・合成を助けるのがビタミンB6の働きなのです。
皮膚や粘膜を健康に保つ効果があり、ハリのある若々しい肌を維持するには欠かせません。
また、ホルモンバランスを整える働きもありますので、PMS(月経前症候群)などの緩和も期待できます。
ビタミンB6の一日の必要量は約1.0mgです。
- ビタミンB12(10.58μg)
- ビタミンB12は赤血球の生成に関わる水溶性ビタミンです。葉酸とともに赤血球を作る役割をします。
赤血球不足によって起こるのが悪性貧血で、鉄欠乏性の貧血と比べて治りにくい為、「悪性」貧血と呼ばれています。
貧血によるめまいや動悸などの症状にお悩みの方は特にしっかり摂っておきたい栄養素です。
神経機能の維持、末梢神経の回復などの効果もありますので、腰痛などの末梢神経障害の改善にも役立ちます。
ビタミンB12の一日の必要量は2.4μgです。
- ナイアシン(10.37mg)
- ナイアシンはビタミンB群に含まれる水溶性ビタミンです。脂質、糖質の代謝に関わっています。
脂質、糖質を分解する酵素を補助する「補酵素」の働きをし、エネルギーを生み出します。
また、アルコールを摂取した時に体内で発生する有害物質アセトアルデヒドを分解する役目もあります。
お酒をよく飲む人はナイアシンが不足しがちですので、意識して摂るようにしたいですね。
ナイアシンは毛細血管を拡張し血行を良くする働きもあります。冷え性や肩凝りなどの改善も期待出来るという訳です。
ナイアシンの一日の必要量は10mgです。
特に多く含まれているものをご紹介しましたが、鯖は他にも沢山の栄養素を含んでいます。
どのように摂取すれば効果的?おすすめの食べ方
豊富な栄養と効能を持つ鯖ですが、効率的に摂取出来る食べ方や調理の際の注意点などがあります。
日が経った鯖はアレルギーの元?
「鯖の生き腐れ」という言葉があるように、鯖は鮮度が落ちるのが非常に早いと言われています。見た目が新鮮に見えても、身が既に傷みはじめている場合があるので、なるべく早く調理し、食べるようにしましょう。
鯖は死後、体内でアレルギーの原因となるヒスタミンを生成します。鮮度が落ちてくると、このヒスタミンが増えるため日にちが経ったものほど食べるとアレルギー反応を起こしやすいと言えます。
アレルギー症状が出るのを避ける為にも、鯖の鮮度には気をつけたいものです。
生食には不向き。寄生虫アニサキス症に注意!
新鮮な生の鯖を塩と酢で締めたしめ鯖はとても美味しいですが、買ってきた鯖を自宅で生のまま食べるのはおすすめしません。鯖にはアニサキスという寄生虫が生息している事があります。アニサキスは魚の内臓または身(筋肉)に寄生します。
人へのアニサキス症感染源として一番危険とされているのが鯖の生食なのです。最もよく見られる症状は、アニサキスが胃粘膜を食い破り胃壁に侵入する事により、激しい胃痛、嘔吐、悪心などを引き起こすというものです。
アニサキスは熱に弱く60℃以上の温度で1分以上の加熱調理をすれば死滅すると言われています。が、塩や酢には強い為、しめ鯖にしてもアニサキスは生きたまま潜んでいる恐れがあるのです。
買って来た生の鯖は、加熱調理してから食べるようにしましょう。
余すことなく栄養を摂取出来る!水煮缶がおすすめ
あらかじめ水または塩水で茹でた鯖を缶詰にしたものが水煮缶です。
水溶性ビタミンなどの栄養素は食品を水で洗ったり茹でたりする事によって失われてしまう事がありますが、水煮缶はまず生の鯖を缶に入れそれから加熱調理を行いますので、栄養素の損失がほとんど無いのです。
鯖の揚げ物は栄養摂取には不向き?
片栗粉をまぶしてカラッと揚げた鯖の竜田揚げ。とても美味しいのですが実は揚げ物も栄養摂取の観点からはあまりおすすめ出来ない食べ方です。
EPA・DHAは熱に弱く溶けやすいと言われています。揚げ物にするとおよそ半分程が油の中へ流れ出てしまうのです。
廉価で栄養たっぷりの鯖を活用しよう
いくら栄養価に優れた食品でも、高価なものとなると気軽に食生活に取り入れる事も難しくなります。
その点鯖は値段も安く一年を通して買う事が出来る、まさに毎日の食事にぴったりの健康食品なのです。
是非積極的に活用して、病気予防や身体の不調の改善に役立てて下さいね。
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コメント一覧
鯖の事が詳しく良く解りました。