我慢できない!生理中のつらい頭痛の緩和法や鎮痛剤の使い方
Date:2017.05.08
毎月やってくる生理。女性はこの時期になると、気分が憂鬱になってしまいます。
生理時の腹痛や腰痛に関しては、様々な緩和方法などがネットなどでも紹介されていますが、意外に知られていないのが生理時に出てくる頭痛です。
女性の場合、片頭痛を持っている人が男性に比べて多いため、その症状がたまたま生理中に出ているだけと思っている人も多いようです。
しかし、生理中に出てくる頭痛は普通の片頭痛ではなく、生理が影響しているものもあります。
生理中に起こるつらい頭痛を緩和する方法はあるのでしょうか。また、よく用いられる鎮痛剤を生理中に飲んでも問題はないのでしょうか。
この記事の目次
生理中に頭痛は「ホルモンの急激な変化」と「貧血」が原因
生理前あたりから、体調が悪くなるという女性がいます。
- 腹痛
- 腰痛
- 頭痛
上記のような症状を訴える女性が多く、中には毎月のことだからと我慢している女性もいるようです。
この中で、腰痛や腹痛は痛い部分を温めてあげると痛みが緩和することが多いため、対処法が分かっています。
しかし、頭痛に関しては「どうせ片頭痛だろう」と気にしないようにしている人もいます。
また、生理中に起こる頭痛は普通起こる頭痛と違って、次のような症状が出ることがあります。
- 吐き気を伴う
- 頭が響くように痛む
- 体を動かすと痛みが増す
生理中の頭痛は、普通の頭痛や片頭痛とは少し症状が違います。また、生理中の頭痛といっても原因は1つではありません。
生理中に起きる頭痛には、大きく分けて2つの要因があると言われています。
女性ホルモンバランスの乱れによって起こる「月経関連片頭痛」
生理周期に合わせて出てくる頭痛を「月経関連片頭痛」と言います。
また、月経関連片頭痛には、次の3つの種類があると言われています。
生理前当たりから腰痛や腹痛といった症状と一緒に出てくる頭痛は、月経困難症の症状の可能性があります。
子宮から分泌される「プロスタグランジン」には血管を収縮させる作用があるため、血管を収縮させることによって頭痛が起こります。
もともと片頭痛を持っている人は、生理前~1日目にかけて頭痛の症状が重くなることがあります。
毎回、生理時に頭痛がするのではなく、時々生理前に片頭痛の症状が重くなるといったものなので、片頭痛の症状の1つになります。
生理中に頭痛の症状が出る人の多くが、女性ホルモンバランスの変化によるものです。
生理前に分泌量が増えたエストロゲン(卵胞ホルモン)が生理とともに分泌量が一気に減り、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えることによって起こります。
女性ホルモンのバランスが変化することによって脳の血液量が増え、血管が拡張することでズキズキとした痛みが出てきます。
また、女性ホルモンによって起こる頭痛には、次のような特徴があります。
- 生理の2日前から生理の3~4日目までに頭痛が起こる
- 体を動かすと痛みが増す
- ズキズキとするような痛みがある
血液量が不足して起こる「緊張型頭痛」
生理中は、経血の排出のために血液が子宮やその周辺に集まります。そのため、他の体の部位や脳への血液量が日頃に比べて減少してしまいます。
血液量が減ると、運んでくる酸素量も減るため、脳やその周辺の筋肉が固くなり頭痛の症状が出てきます。
生理中に体が痛くなったりするのも、血液量不足による酸素不足で筋肉が凝り固まって起こる症状です。
緊張型頭痛は、次のような症状が出てきます。
- 頭を締め付けられた痛みが出る
- 頭が重く感じる
また、緊張型頭痛は血液量不足だけではなく、生理中のストレスで筋肉が緊張状態になって起こる場合もあります。
生理中に頭痛と共に出てくる症状にも注意
生理中の頭痛は、「生理痛」という大きなくくりの1つの症状とされています。そのため、頭痛だけではなく様々な症状が出てきます。
- 腹痛
- 腰痛
- イライラ
- 倦怠感
頭痛を含め、生理時に出る症状には波があり痛みが続いた後にすぐに痛みが治まるということもあります。
生理時のイライラを解消したら頭痛も治ることもあるので、生理中に出てくる症状を改善することも頭痛の改善に繋がります。
毎日の生活を見直すだけで生理中の頭痛症状も緩和できる
生理中の頭痛や体調不良が続くと、気分も滅入ってしまいます。
生理中の頭痛は、毎日の生活を見直すだけで症状を緩和したり、症状を出にくくすることができます。
どういうことに気をつければ、症状の緩和になるのでしょうか。
その1.規則正しい生活やしっかりと睡眠を取るようにする
生理中の頭痛は、女性ホルモンのバランスが乱れや自律神経の乱れから起こります。
自律神経の乱れは、毎日規則正しい生活を送ることで、整えることができます。
朝決まった時間に起きて日光を浴びることも大事ですが、生理中に特に気を付けたいのが睡眠です。
しっかりと睡眠を取ることで、自律神経を整えることもできますし心も体も休まるので、痛みを軽減することができます。
その2.体を冷やさないように注意する
よく生理中にお腹や腰が痛い時は、温めると症状が軽くなると言います。
頭痛も同じで、血流が悪くなることで起こるため、体を冷やさないようにすることは頭痛の症状緩和にも繋がります。
生理中は腰やお腹だけ温めるのではなく、体全体が冷えないようにすることが大事です。
1番いいのが入浴です。38~40℃ぐらいのぬるめのお湯にゆっくりと浸かって、体を温めましょう。
その3.軽く運動をすることで血流を良くする
生理時は体を動かしてはいけないと思っている人がいますが、そうではありません。
激しい運動やジョギングは向いていませんが、ストレッチや軽いウォーキングであれば問題はありません。
軽い運動をして体を動かすと血流も良くなるので、体も自然と温まり頭痛などの症状が出にくくなります。
その4.食べ物や飲み物に注意する
生理中は、食べ物や飲み物にも注意が必要です。
特に、日頃何気なく摂取しているものが頭痛の原因に繋がることもあるので、生理中は何を避けた方がいいのかを知っておくことが大事です。
【生理中に摂取を避けたいもの】
甘いもの | 急激な血糖値上昇で頭痛を招く・自律神経の乱れを引き起こす |
---|---|
カフェイン | 血管を収縮させる・自律神経の乱れを引き起こす |
冷たい飲み物 | 体を冷やし、血流を悪くする |
【生理中に積極的に摂取したいもの】
鉄分・マグネシウムを含むもの | レバー、ほうれん草、プルーン、ナッツ類など |
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自律神経を整えてくれるもの | 牛乳、大豆製品、ゴマなど |
体を温めてくれるもの | 生姜、ニンニク、たまねぎなど |
女性ホルモンを補助するもの | 大豆製品 |
上記のようなものを積極的に摂取して、生理中の体調を整えるようにしましょう。
その5.体を締め付けないような服装をする
生理中は血流が悪くなると、頭痛などの症状が出やすくなります。
血流を悪くしないために、生理中は体を締め付けないような服装をすることも大事です。
- 補正下着
- ジーンズ
など体を締め付けるような服装をしていると、血流がさらに悪化して症状を悪化させてしまいます。
その6.アロマを使って気分をリラックスさせる
最近増えているのが、アロマを使ってリラックスする方法です。
生理時は精神的にイライラしてしまい、イライラすることで症状が悪化することもあります。
アロマを使って頭痛の症状を緩和させる場合、頭痛の種類によって選ぶ香りが違うので注意が必要です。
【月経関連片頭痛に効果的なアロマ】
ラベンダー | 鎮痛作用 |
---|---|
ユーカリ | 血圧降下作用、鎮痛作用 |
ベルガモット | 鎮静作用 |
カモミール | 鎮痛作用 |
【緊張型頭痛に効果的なアロマ】
ゼラニウム | 筋肉の緊張状態を緩和 |
---|---|
クラリセージ | 筋肉の緊張状態を緩和、鎮痛作用 |
生理中に上記のようなアロマオイルの香りを部屋につけたり、入浴時に数滴湯船に入れるのも効果的です。
アロマオイルによっては、肌に触れるとよくないものもあるので、肌に塗布しても大丈夫なものか調べてから使うようにしましょう。
その7.ツボを押して症状を緩和させる
生理中の頭痛などの体調不良を緩和させる方法の1つに、ツボ押しがあります。
生理中の症状緩和には様々なツボがありますが、ほとんどが腹痛や腰痛の症状緩和です。
その中でも頭痛の症状緩和や血流の緩和、冷え改善のツボを紹介します。
つぼ押しは、力を入れて行うと痛みが出ます。気持ちいい程度の力で押すようにしましょう。
- 関元(かんげん)
- おへそから指4本分下のツボ
生理痛の緩和・腰痛・冷えの改善など
- 血海(けっかい)
- 膝(内側)の皿の上、指約2本分上のツボ
血流の緩和・生理痛の緩和など
- 足三里(あしさんり)
- 膝(外側)の皿のくぼみから指4本分下のツボ
血流の緩和・生理痛の緩和など
- 合谷(ごうこく)
- 手の親指と人差し指の骨が交わる部分のツボ
生理痛の緩和・頭痛の緩和など
その8.心と体をリフレッシュさせてストレスを溜めない
生理中の頭痛はホルモンバランスだけではなく、イライラなどのストレスが原因で起こることもあります。
特に生理中は、自律神経が乱れることがあるのでストレスが溜まるとさらに自律神経を乱してしまいます。
また、心も体もリラックス状態にしたいという人はお風呂に浸かるのも効果的です。
その9.症状が重い時はとにかく無理をしないことも大事
頭痛があるけれど、やらなきゃいけないことがあるとついつい頑張ってしまうことはありませんか?
生理中は出血もあるので、普段よりも体力が落ちています。
それだけでも大変なのに、頭痛などの症状がある時に頑張ってしまうとさらに頭痛が酷くなってしまいます。
特に、脳の血管が拡張して起こる痛みである月経関連片頭痛の場合、光や大きな音が刺激となり症状が悪化することもあります。
その10.漢方薬を使って体質改善をする
最近は、病気の症状によって病院でも漢方薬を処方することがあります。生理中の体調不良を改善するために漢方薬を処方する病院も増えています。
婦人科系に処方する漢方薬は数種類ありますが、その人の体格や症状によって処方されるものが違ってきます。
今回は、生理時の症状を改善するために処方される漢方薬をいくつか紹介します。
加味逍遥散(かみしょうようさん) | イライラ・発汗・のぼせと冷えを繰り返す・全身の倦怠感に効果あり |
---|---|
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) | のぼせ・冷え性・肩こり・頭痛・めまい・女性ホルモンの変化による身体や精神神経症状に効果あり |
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 冷え性・めまい・むくみ・貧血・低血圧に効果あり |
漢方薬は、飲んだらすぐに効果が表れるというものではありません。
長期間飲んで体調を改善していくものなので、気長に続けて症状を緩和させていくようにしましょう。
また、漢方薬は副作用が少ないですが、自分に合ったものを選ばないと効果は得ることができません。
鎮痛剤を使うのに不安な人も飲み方に注意をすれば大丈夫
痛みを抑えるのによく使われるのが、市販されている痛み止めです。しかし、生理が来るたびに痛み止めを飲むのは不安という人もいると思います。
薬を飲まず痛いのを我慢していると、それがストレスとなりさらに頭痛に繋がることもあります。今の鎮痛剤は用量や用法を守れば、体への影響もほとんどありません。
では、鎮痛剤を飲む時にどういうところに注意をすれば、効果を得ることができるのでしょうか。
その1.痛みが出る前・出始めた時にすぐ飲む
鎮痛剤は、痛みが出て我慢が出来なくなってから飲むという人が多いと思います。しかし、これでは鎮痛剤の効果を最大限に活かすことができません。
場合によっては、薬が効きにくいため、飲む量が増えてしまうことがあります。
鎮痛剤は、痛みが出始めた時や、痛みがくるタイミングが分かっている人は痛みが来る前に飲んでおくと、鎮痛剤の効果も高くなります。
この飲むタイミングさえ押さえていれば、服用量も最小限にすることができるので、体への負担もほとんどなくなります。
その2.頭痛以外の痛みがある場合は飲む薬に注意が必要
生理痛は頭痛以外の症状もあります。とにかく痛みを和らげたいと鎮痛剤を飲む人がいますが、頭痛以外の痛みがある場合は注意が必要です。
特に、腹痛や胃痛が一緒に出ている場合は、鎮痛剤を飲むことで胃腸を傷めてしまうことがあります。
ここ数年は、生理時に飲む鎮痛剤というものも販売されています。このような鎮痛剤は生理時に出る生理痛全般に効果があるとされています。
また、子宮周辺などの腹痛だけの場合は、ホルモン薬が効果的と言われています。有名なのがピルです。
ピルは、月経困難症にも効果があるので症状が重い人には有効とされています。ホルモン薬は婦人科での処方となるので、婦人科医に相談をしてみましょう。
その3.鎮痛剤を飲んでも効果がない・効果が落ちた場合は病院へ
片頭痛は軽いものであれば、市販されている鎮痛剤でもすぐに症状を抑えることができます。
しかし、症状が悪化すると鎮痛剤を飲んでも効果がないこともあります。そういう場合は、病院で診察を受ける必要があります。
重い片頭痛の場合、病院で薬を処方してくれます。また、片頭痛の症状が重くなっただけと感じているだけで頭や脳に他の病気が隠れている可能性があります。
少しでも薬の効き目が落ちたと感じた時は市販薬の服用を増やすのではなく、必ず病院で診察を受けるようにしましょう。
生理中の頭痛は体だけではなく精神的な負担にもなるので注意
生理中は普通に生活していてもイライラしたり、ちょっとしたことが気になったりと過敏になってきます。また、すぐに気分が落ち込んだりすることもあります。
そういう時に頭痛の症状が出ると、体の状態も悪くなりさらに精神的な負担が大きくなります。
生理中の頭痛は、体だけではなく精神的ダメージも大きいです。
そうならないためにも、日頃の生活で生理中に頭痛が起きないようにしたり、症状が出た時には痛みを緩和する方法を知っておく必要があります。
頭痛などの痛みをなるべく出さないようにして、体や精神に負担をかけないようにすることも大事です。
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