生理痛の原因とは?辛くて我慢できない痛みを症状別に解説!
Date:2017.08.21
生理痛で毎月辛い思いをしている女性は多いと思います。胃や頭が痛かったり、歯が痛ければ病院に行くのに、生理痛だけは市販薬を飲んで我慢してしまう女性が多いと思います。
腹痛から腰痛、頭痛など様々な痛みに悩まされ、日常生活に支障をきたす場合もあります。
その原因を知って、毎月痛みが来るなら、その痛みが少しでも軽くなるように治療も視野に入れて欲しいと思います。
生理痛が辛い!腹痛の原因
生理痛で一番辛いのは下腹部痛ですね。大きな原因はプロスタグランジンという物質であるといわれています。
その他にもライフスタイルなどによって痛みが強くなることもあるんです。
プロスタグランジンが原因
プロスタグランジンは誰でも分泌されているもので、子宮内膜を収縮させて、剥がれ落ちた内膜を血液と一緒に経血として子宮の外に排出する役割があります。
- プロスタグランジンとは
- アラキドン酸(オメガ6系脂肪酸)という必須脂肪酸から作られる物質で、体内で様々な生理活性物質に変換されます。血管を拡張させたり子宮の収縮など多くの作用を持っています。動物性食品の摂り過ぎで増えるともいわれています。
例えばプロスタグランジンが過剰に分泌されると経血が増えてしまい、うまく排出できなくなることがあります。
すると、何とかそれを押し出そうとして、子宮の血管が過剰に収縮して痛みの原因になるといわれています。
冷え性などによる血行不良
女性は冷え性の方が多いですが、身体の巡りが悪いことも生理痛を強める原因の一つです。
生理をスムーズに終わらせるためには子宮が元気でいることが大事ですが、血行が悪いと骨盤周りの血流も悪くなり、卵巣や子宮の働きに影響を与えます。
子宮が元気に働けないと、経血をスムージに排出することが出来ないので、プロスタグランジンの分泌量が増えて、生理痛がひどくなるのです。
ストレスや疲労でも生理痛は強くなる
女性はとても繊細な生き物です。
- ストレス
- 疲労
によってもホルモンバランスが乱れて、血行不良の原因になるんです。
身体を温める工夫をしても、心身ともに疲れていない状態でないと血行は改善されないということですね。
子宮口の大きさや子宮の位置
これは出産経験がない方に多いのですが、子宮口が狭いために経血が排出されにくく、排出する際の痛みが強くなる傾向があります。
ですから、出産とともに生理痛が軽くなる人が多いのは、子宮口が広がって子宮の中身を出しやすくなるからなんですね。
また、子宮の位置が前に傾きすぎている場合も経血が出しにくいため、スムーズに排出されずに痛みが出やすいのです。
婦人科系の疾患が原因になることも
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
など、病気が原因で生理痛がひどくなる場合があります。
子宮の病気による生理痛を「器質性月経困難症」と呼びます。放置すると不妊のリスクが上がったり、妊娠中も流産や早産などのトラブルが増えるといわれています。
日常生活に支障が出るほどの痛み、市販薬を飲んでも効かないくらいの痛みがあるなら病気を疑って、早めに婦人科を受診しましょう。
ここで大事なのが、症状によっては「産婦人科」では分からない場合があるということです。産婦人科では産科専門の医師もいます。
医者なら何でも分かると思ったら大間違い、私は突然の腹痛に悩まされてから、原因が子宮内膜症であると診断されるまで数件の産婦人科を回り、結局2年もかかりました。
子宮内膜症などは痛みが治まってから病院に行っても分からないことがあり、抗生物質や痛み止めを出されて終わり、ということもあります。
婦人科系の病気を疑ったら、「婦人科」の病気を専門にしているクリニックなどを探してください。
骨盤内感染症の可能性
クラミジア菌などの細菌が膣を経由して子宮内に入り込み、そこから卵管を通って腹部へ広がっていく感染症を総称して「骨盤内感染症」といいます。
卵管や卵巣が炎症を起こすこともありますし、腹膜炎を起こすこともあります。感染の原因の多くは性交渉によるもので、まれに出産時やその他治療時に感染することもあります。
単一の細菌ではなくて複数の細菌で感染することが多く、放置しておくと不妊のリスクが高くなるといわれているので要注意です。
下腹部痛の他に、微熱や寒気、吐き気などの症状を伴うことが多いので、いつもの生理痛とは違う、と思ったらすぐに病院を受診してください。
生理の回数の増加
昔の女性と比べて身体が大きいことから初潮の年齢が早くなり、しかも出産回数が少ないことから、一生のうちに経験する生理の回数が圧倒的に多くなっています。
昔の女性は10代半ばで初潮を迎え、20代から30代半ばくらいまで出産をしていますね。妊娠期間中と授乳中は生理がありませんので、子ども一人につき1年半~2年くらい生理が来ないことになります。
平均5回出産していますから、一生のうちに経験する生理の回数はおよそ50回程度だったといわれています。
ところが現代の女性は初潮が11~12歳くらい、出産回数も2回あればいい方でしょう。
そして50歳前後まで生理がありますから、なんと一生のうちに「450回」も生理が来るんです!
生理中に起こる腰痛の原因
生理中は腰痛に悩まされる人も多いですね。子宮が収縮するので下腹部痛があるのは分かりますが、なぜ腰まで痛くなるのでしょうか。
リラキシンというホルモンが原因
リラキシンとは卵巣ホルモンの一種です。
骨盤は生理の周期に合わせてしまったりゆるんだりしていますが、生理が近づくと経血が排出されやすいように、骨盤がゆるむようになっています。
リラキシンは恥骨結合や靭帯をゆるめる作用があり、経血を出しやすくするのですが、恥骨がゆるむと骨盤も不安定になります。
それで、骨盤を支えている筋肉に負担がかかり、腰痛が起きやすくなるというわけです。
プロスタグランジンで腰痛も!?
経血をうまく出せないと子宮周りだけでなく、骨盤回り全体の血流が悪くなることがあります。そうすると、腰痛で苦しむことも。
また、プロスタグランジンは胃腸の動きにも影響し、下痢が起きやすくなったり、吐き気を感じることもあります。
骨盤の歪みによる腰痛
普段から骨盤が歪んでいることで血流が悪くなり、生理による腰痛がひどくなるといわれています。普段姿勢が悪かったり、片方の足に体重をかけて立つクセがある人は要注意です。
O脚やX脚は骨盤が歪んでいる証拠でもありますから、もし生理の時の腰痛がひどいなら、痛み止めでごまかすのではなく、骨盤矯正をした方がいいかもしれません。
子宮内膜症が原因であることも
子宮内膜症の痛みはお腹だけではありません。もし尋常でないほどの腰痛を感じるなら、1度婦人科を受診した方が良いでしょう。
生理によるその他の痛み
生理の時に痛くなるのは、お腹や腰だけではありません。様々なところに痛みが出て、毎月辛い思いをしている女性が少なくないのです。
ホルモンバランスの乱れによる頭痛
辛いのは腹痛や頭痛だけではありませんね。生理の周期に合わせて頭痛に悩まされている女性も多いのではないでしょうか。
これには女性ホルモンとセロトニンというホルモンが関係しています。ところが、生理の時に頭痛がするにも関わらず、生理と頭痛が関係していることに気がついていない女性が多いんです!
女性の身体はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、排卵まではエストロゲンが、排卵後はプロゲステロンの分泌量が増えます。
頭痛と生理、結びつけにくいかもしれませんが、いつも生理の時に頭痛がひどくなるという方は、このセロトニン不足が原因かもしれません。
セロトニンが減少するとイライラしたり、うつ症状になる人もいるので注意が必要です。
胃痛や吐き気もプロスタグランジン
プロスタグランジンが影響を与えるのは子宮だけではないのです。その周りにある臓器にも影響を与え、胃に強い痛みを感じる人もいます。
プロスタグランジンは
- 血圧
- 消化機能
- アレルギー反応
- 腎機能
- ホルモンの生成
などに関わっていることが分かっているので、子宮の痛み以外にも不快な症状を感じることがあるのです。
痛みは身体からのサイン。我慢しないで!
本来、生理痛なんてないんです。痛みが起こるということは、何か不調が起きているという身体からのサインです。
痛みを我慢して何の得があるでしょう。
毎月辛い思いをするのはもうやめましょう。毎月痛みが起こるなら、まずは婦人科を受診してみませんか。
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