勘違いは危険!「叱らない子育て」のコツ
Date:2018.11.13
『叱らない子育て』という子育て法を聞いたことはありますか?最近よく聞く育児法ですが、実際に実践している方もいるかと思います。しかし、自己流の『叱らない子育て』はとても危険なのです。
例えば『叱らない』をはき違えて、子供を自由にほったらかしにしている親がいます。お友達に危害を加えても「ダメよ~。」と軽く声をかけるだけで、叱らない。本当に叱らないだけ。
子供は親からいろいろなことを学びながら育ちます。幼稚園や保育園に入る前の最初の先生が親です。生活のルールや小さな社会のルールは、親が教えてあげなければならないのです。
間違った『叱らない子育て』をしたら、子供がこれから生きていくためのルールを守ることができなくなってしまうかもしれません。そうならないためにも、正しい『叱らない子育て』の知識を習得して、実際に子育てに役立ててみてください。
『叱らない子育て』のルールは「叱らない」だけじゃない
『叱らない子育て』と聞くと、何をしても叱らない、怒らない、ということだと思っていませんか?このように解釈して実践している方もいるかもしれません。
本当の『叱らない子育て』の定義を理解してから、実践していきましょう。
頭ごなしに怒らない
子供を叱らなければならない場面に遭遇した時、感情的に怒って怒鳴り散らしてはいけません。「ママが怒っている」「怖い」ということしか感じることができず、なぜ怒られているかまで頭が働かなくなってしまうからです。
しまいには「怖いから謝っておこう。」という防御反応から、怖いから謝るという本末転倒な結果になってしまいます。よって、決して高圧的な態度をとってはいけません。
子供の意見を聞いて寄り添う
感情的に怒って子供を委縮させてしまっては、子供からなぜ叱られる行為をしたのかの理由を聞くことができません。
きちんと子供の意見を聞けば、子供も冷静になり「ママはちゃんと聞いてくれる。」という信頼関係を築くことができます。また、ママも「そういうことだったのか。」という子供の言い分を聞くことができますよね。
一呼吸おいて状況を確認する必要があります。意見を聞くというワンクッションが入れば、叱る必要がなくなるかもしれないのです。
人格否定しない
「だから、あなたはダメなのよ。」「やっぱり、あなたには何度言ってもわからないのね。」と、子供の人格を否定することは絶対に言ってはいけません。
「自分はダメな人間なんだ。」「自分は親から愛されていないんだ。」と心に根付いてしまい、「どうせ・・・」が口癖になるような卑屈な人格に成り得るのです。
カッと怒ってしまうと、本当に思っていないことでも口に出てしまうかもしれません。ここは子供の人生に関わることだと常に意識を持ち、子供を卑下するような言葉を使わないように注意しましょう。
最後になぜダメなのか諭す
子供の意見を聞いた上で、なぜダメなのか、なぜしてはいけないことだったのか、悪いことをしたことを理解させ、冷静に言い聞かせます。この時も、決して感情的にはならずに向き合い、目を見つめて真摯な対応を心掛けましょう。
危険が及ぶ、お友達を傷つけることは叱る
本人やお友達が危険な状態になったり、お友達を傷つけるようなことをしたり、周囲の人に迷惑をかける行為をした場合は、叱りましょう。このような危険行為や迷惑行為は、小さなことでも大きなことにつながりかねません。
絶対にしてはいけないと諭すためには、時には叱ることも大切なのです。しかし、この時も感情的になって大きな声を出したりせずに冷静に叱りましょう。
子供の要求を全て受け入れない
『叱らない子育て』とは、叱らずに、子供の思うように行動させて良いということではありません。ダメなことはダメとしっかりとした基準を持って子供に接しましょう。
子供の要求を全て受け入れてしまったら、何もできないわがままな子供になってしまいますよ。
なるべく褒める
何でもかんでも褒めるのではなく、小さなことでも「できている」ことを褒めてあげましょう。よく観察し、こまめに日常会話のように褒めてみましょう。
「できてない」ことに目がいきがちですが、小さな「できている」ことを発見して褒めてあげるのです。「ママはちゃんと見てくれている。」という安心感と心の余裕ができれば、叱られるような行為をしなくなるものなのです。
「叱らない」だけの『叱らない子育て』はデメリットばかり!
『叱らない子育て』を「叱ってはいけない」とだけ認識して子育てをしたら、子供はどのようになってしまうのでしょうか。
叱られないで育った子供は、どのように成長していくのでしょうか。大袈裟かもしれませんが、以下の状態になる可能性があるので要注意です!
- 善悪の区別が曖昧で、自己判断ができない
- 叱られないことで自由に行動してきたばかりか、社会に出た時に善悪の判断ができず自分の意見も曖昧に。
- どんどんわがままになり、親の言うことを聞かない
- 何をしても怒られない、叱られないと、どんどんわがままになっていくのは当たり前ですよね。もちろん、親の言うことを聞くわけもありません。
- 少し非難されただけでも大幅に傷つき立ち直れない
- 叱られた経験がないので叱られる免疫がなく、少し意見されたり非難されるとショックを受けやすく、打たれ弱くなってしまいます。
- 暴力を振るうようになる
- 「ダメよ~。」くらいの注意しか受けてこなかったため、暴力がそんなに悪いこととの認識が甘く、自分の意見が通らない、相手が気に入らない、思い通りにならないと暴力を振るうようになってしまいます。
- 社会に適応できない
- 社会に出るまでの学生時代は、周囲の人間を自分で選べることもあり自由に過ごせる可能性は高いですが、社会に出るとそうはいきません。さまざまな人間関係と接する組織の中では、うまく適応できず引きこもりになる可能性もあります。
子供のために愛情を持って叱ることは悪いことではない!
『叱らない子育て』とは、単に叱らないだけなのではなく、間違ったことは子供と真摯に向き合い冷静に怒鳴ることなく言い聞かせることなのです。
もちろん、お友達に嫌な思いをさせたり傷つけてしまったりしたら、理由はどうあれまずは謝らせましょう。その上でしっかりと意見を聞き、言い聞かせます。
言い分がある場合は、お友達に「実はこういう理由があったみたいなの、でも嫌な思いさせたのはごめんね。」というように子供と一緒に伝えましょう。
「理由はあったけど、お友達を傷つけてはダメなんだ。」「でも、ママはちゃんと自分の意見を聞いてくれて、お友達にもそれを伝えることができた。」と、納得するはずです。
そのためにも、愛情を持って叱ることは有益であり、叱り方を間違えなければ悪いことではないのです。
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