食べる漢方「七味唐辛子」の効果とは?チョイがけできれいに!
Date:2019.05.17
七味唐辛子は好きですか?どのくらいの頻度で食卓に登場しますか?うどんを食べるときにかけるくらいで月に1~2回使えばいい方だなんて言っている人、いませんか?それでは七味唐辛子の持ち腐れ!実にもったいないです。
七味唐辛子は食べる漢方と言われるくらい、体に良い成分が詰まっています。その効果は、健康面だけでなく美容面にも。
七味唐辛子はうどんやそば以外にも、実にさまざまな料理に合います。調理する必要もなく、「マイ七味」を持ち歩くことも簡単!いつでも、どこでも、いろいろな食べ物にチョイがけできる七味唐辛子の魅力について紹介します。
この記事の目次
日本発祥のミックススパイス「七味唐辛子」とは
日本人に馴染みの深い「七味唐辛子」。でも、いざ「七味唐辛子の中身は何?」と聞かれると答えられない人も多いのでは?
七味唐辛子とは何か。どんな薬味が使われているのかを紹介します。
七味唐辛子は日本発祥!七味唐辛子のルーツとは
唐辛子の「唐」の字から連想して、中国発祥だと勘違いしている人もいるかもしれませんが、七味唐辛子は日本発祥のミックススパイスです。江戸時代の初め頃、薬研堀(やげんぼり:現在の両国橋あたり)で売り出されたのが始まりです。
初代からしや徳右衛門という人が、漢方を食に取り入れることができないだろうかと、唐辛子にいろいろな材料を混ぜ合わせて作り出したそう。
この始まりの七味唐辛子屋さんは今もあります!それが「やげん堀 七味唐辛子本舗」。京都の「七味家本舗」と長野の「八幡屋礒五郎」とで、「日本三大七味」と呼ばれています。
七味唐辛子に使われる薬味とその効能
七味唐辛子の中身は何か知っていますか?唐辛子と山椒はわかっても、ほかに何が入っているのか意識したことがない人も多いのでは?
七味唐辛子は二辛五香。2つの辛味と5つの香味で成り立つと言われています。使われるのは、唐辛子、山椒、生姜、陳皮、胡麻、芥子、麻の実、紫蘇、青海苔など。何をどれだけ配合するかは、お店によって異なります。
- 唐辛子
- 唐辛子の辛み成分であるカプサイシンにはアドレナリン分泌促進作用があり、代謝促進、食欲増進などの効果が期待できます。また、カプサイシンに発がん性物質に対する予防効果があることもわかってきています。
- ケシの実
- アンパンの上にのっているツブツブがこの芥子の実です。鉄分やカルシウムなど、ミネラルが多く含まれています。鉄分には貧血予防、カルシウムには骨粗しょう症予防、骨や歯を丈夫にする働きなどがあります。
- 麻の実
- タンパク質が豊富。必須脂肪酸や食物繊維、亜鉛、鉄分なども多く含まれたミネラルバランスの良い食品。食欲増進や皮膚炎予防効果が期待できます。
- 海苔、青海苔
- カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅などのミネラル、食物繊維にビタミンと、実は栄養価の高い食品。カロテンも豊富で、干しのり1枚でピーマン2個に匹敵するほど。老化予防効果、免疫力向上効果なども期待できます。
- 陳皮
- 温州ミカンの熟した果実の皮を乾燥させたもの。「陳」には「老いた」「古い」という意味があり、その皮は古いほど効果が高いとされています。漢方薬として、健胃、整腸、咳止めなどの効果があると言われています。
- 紫蘇
- βカロテンやカルシウムなど、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。殺菌・防腐作用、咳止め、発汗、健胃、整腸、アレルギー抑制などの効果があると言われています。
- 生姜
- 辛味成分のショウガオールやジンゲロールには血流を促進する働きがあり、身体を温めてくれます。冷え改善、消化促進のほか、殺菌作用や抗酸化作用もあります。夏には食欲増進に、冬には解熱、鎮痛にと、体に良い香辛野菜として広く知られています。
- 胡麻
- 抗酸化成分セサミンやセサミノール、老化を防ぐビタミンE、コレステロールを下げる働きがある不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸など)が多く含まれています。カルシウムも豊富なため、骨粗しょう症予防にも良いと言われています。
- 山椒
- 辛味成分のサンショールは胃腸を刺激し機能を亢進。食欲増進や消化促進、整腸などの効果があります。山椒の実を噛むと舌が痺れたような感覚があるのは、サンショールの持つ麻痺(局所麻酔)作用のせいです。
七味唐辛子のチョイがけ習慣を!七味のうれしい効果とは
七味唐辛子はただピリッと辛味をつけるだけのものと思っていましたが、体に良いものだけを調合した、まさに食べる漢方薬のようなものだったんですね!これからは、ぜひ食卓に常備を!
では、実際に七味唐辛子を毎日の食卓に登場させることで期待できる、女性にうれしい美容・健康効果について紹介します。
唐辛子の燃焼効果でダイエット
「唐辛子ダイエット」が流行りましたね。
↓
代謝が上がることで脂肪が分解されやすくなり、痩せやすくなる
というもの。
この唐辛子ダイエットは「痩せない」という意見も多かったのですが、その一番の理由はダイエット効果の間違った解釈でした。
唐辛子には脂肪を分解する効果はあっても脂肪を燃焼する効果はないため、唐辛子を摂取するだけではなく、その後有酸素運動をしなければ痩せない、運動とセットのダイエットだったのに、運動をしない人が多かったようです。
もしかすると、使用する唐辛子にもよるのかもしれませんが、ダイエット効果を目的とするなら、七味唐辛子を摂取した上で、有酸素運動を行うようにした方が良さそうです。
▼唐辛子のダイエット効果についてはコチラも参考にしてください!
唐辛子で脂肪を燃やせ!カプサイシンがダイエットに効く本当の理由
美味しく簡単に減塩できる!
七味唐辛子を食事にチョイがけすることで得られる効果の中で、一番実感しやすいのが「減塩」ではないでしょうか。
七味唐辛子を振りかけると、ピリッと味にアクセントがついたり、ブレンドされた薬味の風味で味わい深くなったりするため、料理の味付けをいつもより薄くしても美味しくいただけるのです。
七味唐辛子を食事にプラスすることで、美容にも健康にも良い減塩生活を、簡単に、無理なく続けることができます。
▼塩分と肥満の関係についてはコチラも参考にしてください!
塩分の摂り過ぎで太るのはなぜ?高カロリーより怖い塩分過多
唐辛子の血流改善による効果
唐辛子に含まれるカプサイシンにより代謝が促進されると体温が上がります。冷えの改善効果が期待できます。
また、体温が上がれば血流が良くなります。血の流れが良くなれば、体の隅々まで栄養が運ばれ、老廃物は体の外へと排出されます。美肌効果が期待できます。
実際、七味唐辛子ダイエットをした人の中には、「体重は落ちなかったけれど肌がきれいになった」という人もいるようです。
うどんだけではもったいない!七味の利用法
「七味唐辛子が美容・健康に良いなら、毎日でも使いたい!でも、毎日うどんは食べないし、何にかけて食べればいいの?」そんなふうに思う人もいるかもしれませんが、七味唐辛子は思った以上に、いろいろな料理に合うスパイスなのです。
毎日簡単!減塩もできるお味噌汁
七味唐辛子を毎日摂取したい場合、最も簡単で手軽なのが「お味噌汁」です。お味噌汁を作る習慣のないご家庭でも、お湯を注ぐだけの即席のお味噌汁を常備しておけば、毎日簡単に飲むことができます。
七味唐辛子とお味噌の相性は抜群です!七味唐辛子を振り入れることで味に深みが出ますし、ピリッとアクセントにもなります。いつもよりも、お味噌少な目でも十分おいしくいただけるため、簡単に減塩できますよ。
味噌との相性が良いということで、さばの味噌煮などの味噌煮料理にも合います。最近はさばの缶詰ブームということで、さば缶を使ったアレンジ料理にも七味唐辛子は大活躍なようですね。
うどん以外の麺にも!
うどん・そばに七味唐辛子をかけるように、焼きそばやパスタなど、他の麺料理との相性も良いようです。
特にパスタは、トマト系のソースにも、クリーム系のソースにも、オイル系のパスタにも!パスタが合うのだから、ピザやグラタン、ラザニアにも!
クリームソースが合うのだから、クリームシチューやポタージュスープにも!七味唐辛子の出番はどんどん増えていきますね。
甘辛味との相性も抜群!
大手の牛丼チェーン店がお持ち帰りの牛丼に七味唐辛子をつけてくれるからか、牛丼や親子丼など、丼ものに七味唐辛子をかける人は多いようです。
しょうゆにみりんや砂糖で甘みをつけた甘辛味付けには、実に七味唐辛子が合いますね。肉じゃがや鶏の照り焼き、ぶりの照り焼きなど、しょうゆ甘辛味付けのものは外れがありません!
味良し、健康に良し、美容にも良し!いつも食卓に七味唐辛子を
七味唐辛子をササっと数振りするだけ。辛いのが苦手でなければ、味が嫌いでなければ、こんなに簡単にできる美容・健康生活はありません。
七味唐辛子はお店によって、味も風味も異なります。七味唐辛子の専門店に行けば、好きな分量で薬味をブレンドしてもらえます。自分好みの「マイ七味」を見つけるのも楽しそうですね。
気をつけたいのは過剰摂取です。より効果を得たいからと、七味唐辛子をたくさん摂りすぎてしまうと胃腸の粘膜を痛めてしまい、お腹を壊してしまうことも。体の声も聞きながら、無理のない範囲で七味唐辛子生活を楽しみましょう!
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