結婚式後のお礼状のマナー。書く・送るタイミングや文の書き方
Date:2017.09.25
結婚式が終わった後は、式でお世話になった人たちへのお礼が待っています。お礼状はその中でも特に重要な一つ。
挙式や新婚旅行を済ませた後は、式への出席の有無には関係なく、ふたりにお祝いをくれた人たちに向けてお礼状を送るのがマナーです。
新郎新婦の新たな人生の門出を祝福してくれた人たちに、少しでも気持ちの良いお礼をしたいものですよね。この記事では、結婚式のお礼状のマナーについてご説明します。
この記事の目次
式でお世話になった方全員に。お礼状を送るべき相手
結婚式が終わると、結婚報告の通知状とは別に式でいただいたお祝いへのお礼状を送ることになります。
お礼状を送る相手ですが、式に参列してくれた人以外にも送らなければならない場合があります。
結婚式のお礼状は、式には参列していなくても祝電のみを送ってくれた方や、お祝いの品やご祝儀をいただいた方にも送りましょう。
- 式に参列してくれた人
- 式に祝電を送ってくれた人
- ご祝儀やお祝いの品を贈ってくれた人
- 職場の方など、式を行うにあたってお世話になった人
単純に”式に参列した人”と考えてお礼状を用意しないように注意です。
お礼状を送るタイミング。式が終わったらなるべく早めに
お礼状を送るタイミングはケースによって様々ですが、いずれにしても早いに越したことはありません。式から日数が経ち過ぎない間にお礼状を送ってしまいましょう。
お礼状を送る、作成するタイミングの目安は次の通りです。
人によって変わるタイミング
結婚式のお礼状を送るのはどんな人にでも早めが理想的ですが、送る相手によってその優先度が変わります。
一般的には、挙式後や新婚旅行を終えたタイミングでお礼状を送るとされています。相手別にもっと詳しく見ていくと、次のようになります。
- 仲人や主賓、受付、司会など
- ふたりの結婚式にあたり、仲人や主賓、受付、司会を務めてくれた人にはなるべく早めにお礼状を送りましょう。目安としては1週間以内です。式後にすぐ新婚旅行に出かけてしまう場合は、あらかじめお礼のはがきを用意してから式に臨みましょう。
ただのゲストではなくてふたりの式を手伝ってくれた方々ですから、できるだけ感謝の気持ちを伝える必要があります。お礼状を送ったら、後日改めて食事の場などを設けても良いですね。
- 祝電のみを贈ってくれた方
- 式には出席していなくても、祝電のみでふたりの結婚をお祝いしてくれた方もいますよね。祝電のみの方にはできれば3日以内、最低1週間以内にはお礼状を送りましょう。
祝電のみの方には、結婚式の内祝いなどを贈らないケースもあります。その場合、お祝いへのお礼ができる機会はお礼状だけ。ですから、できるだけ早めにお礼状を送ることで感謝を伝えましょう。
- 式に参列してくれたゲスト
- 特に受付などの役はなく、式に参列してくれたのみのゲストには1か月以内にお礼状を送りましょう。日にちが経ちすぎなければ、そんなに急ぐ必要もありません。新婚旅行などが終わった後でも良いですね。
新婚旅行が終わった後なら、旅行のお土産と一緒にお礼状を添付して郵送することもできますよ。
お礼状作成のタイミング
お礼状を書くタイミングですが、できれば式が終わった後の方が良いです。
お礼状には頂いた結婚祝いの品に対する感想や、結婚後の状況報告、新婚旅行でのできごとなどについて書きます。
ですから式の前にあらかじめお礼状を用意してしまうと、内容が薄く感謝の気持ちも上手く伝わらないのです。
お礼状はゲスト一人一人に向けて書くのがマナーですから、式の後で相手に対する気持ちを思い浮かべながら手紙を書きましょう。
お礼のはがきであれば、式の前から用意していても構いません。
欠席のゲストには電話も一緒に
結婚式には欠席だった、あるいは招待できなかったゲストからお祝いを貰うこともありますよね。そんなゲストには、内祝いと一緒にお礼状を送りましょう。また、お礼状を送る前に電話でのお礼も忘れてはいけません。
電話ではお祝いを受け取ったお礼と、結婚式の報告をしてください。
- 「会えなくて残念に思う」
- 「招待できなくて申し訳なかった」
- 「お祝いを貰えてうれしい」
…など、電話で直接気持ちをお話してください。式に来られなかったゲストとお話できる機会は少ないですから、ただ文書のお礼状だけで済ませるより電話をした方が感謝の気持ちが伝わります。
お礼状を書くときの基本的なマナー。言葉遣いや構成など
お礼状は結婚報告のはがきやメールとは違って、少しかしこまった形式で書くのが一般的です。「親戚や友だち相手にかしこまらなくても…」と思うかもしれませんが、かしこまった手紙を出すことが相手への敬意…マナーになるのです。
とは言え、ビジネス文書のようにテンプレートな内容もあまり好まれませんね。新郎新婦らしさのこもった、丁寧な言葉遣いの手紙を目指しましょう。
お礼状の基本的な書き方や、書くときに注意すべきポイントは次の通りです。
基本のお礼状の書き方
お礼状の内容を大まかに分けると、
- 季節のあいさつ
- 結婚式のお礼
- いただいたお祝いの品への感想など
- 締めのあいさつ
といった4つのポイントから構成されています。
まずは基本となる結婚式のお礼状の例文を見てみましょう。
1.季節のあいさつ | 拝啓 梅雨の候、皆様におかれましてはご清祥のこととお喜び申し上げます。 |
---|---|
2.結婚式のお礼 | 先日はお忙しい中私どもの結婚式ご出席いただいた上、お心のこもったお祝いを賜り、誠にありがとうございました。 |
3.いただいたお祝いの品への感想など | いただいた○○、さっそくリビングに飾らせていただきました。新居によく似合っていて、夫婦そろって喜んでいます。 なお、ささやかではございますが、内祝いの品をお送りいたしましたので、ご笑納ください。 |
4.締めのあいさつ | まだまだ至らぬ二人ですが、これからも見守っていただければ幸いです。 敬具 |
漢語調、口語調を使い分ける
お礼状に登場する季節のあいさつは、相手によって漢語調と口語調の2つを使い分けます。
漢語調は目上の相手などにかしこまる場合に、口語調は親戚や友達などの親しい人に対する場合に使います。
- 漢語調:梅雨の候、初夏の候、向暑の候…など
- 口語調:すがすがしい初夏の季節となりました。
雨に紫陽花の花が映える季節となりました。…など
上でご説明した例文は漢語調のものですね。親しい人へ書くお礼状の場合は、口語調に書き換えてOKです。
新居に誘う一言を加えてもOK
親戚や親しい人へ送るお礼状なら、新居に誘う一言を加えるのも良いですね。その場合、締めのあいさつの手前に書き加えましょう。
…お近くにいらっしゃる場合は、ぜひ新居にお立ち寄りください。
新居へ誘う一言があるだけで、お礼状から伝わってくる親密さや感謝の気持ちが格段にアップします。
もしインテリアや家具などのお祝いをいただいている場合は、新居に頂いた品を置いてあることに触れても良いですね。
はがきではなくて手紙で出す
お礼状をはがきで済ませてしまう夫婦も増えつつありますが、できればお礼状は手紙で出しましょう。
はがきで済ませてしまうと、お礼状というよりは結婚報告の通知状や現状報告の報せのようになってしまいます。
ゲストや式の協力者に出すはがきは、他にも年賀状や暑中見舞いなど別に機会があります。お礼状は季節のあいさつではなくて「式へのお礼」ですから、しっかり手紙で出しましょう。
忌み言葉を使わないように注意
結婚式に関するやり取りの文章では、「忌み言葉」といって使ってはいけないNGワードがあります。
- 「切る」、「別れる」…別れを連想させる言葉
- 「病む」、「死ぬ」…不吉な言葉
- 「重ねる」、「たびたび」などの繰り返し言葉…再婚を連想させる
結婚式で頂く祝電や手紙、スピーチなどでもこの忌み言葉は避けられています。ゲストがマナーを守って避けているのに、結婚式の招待主である新郎新婦が忌み言葉を使うのは失礼ですよね。
最近では、入力した文章に忌み言葉が使われていないかをチェックするツールやアプリケーションがあります。そういったものを活用しながら、お礼状に忌み言葉が使われないように注意してくださいね。
各相手によるお礼状の例文。内容は少しずつ変えるのが吉
結婚式会場のサービスでテンプレートのお礼状が付属する場合もありますが、できることならお礼状は一人一人に合わせた内容にするのが理想です。
お礼状を出す相手によって、どんな風に文章を変えていけば良いのでしょうか?結婚式のお礼状でよく使われている例文をいくつか見ていきましょう。
式で何かの役を担ってくれた人
受付係やスピーチ、主賓や乾杯の発声をしてくれた人たちは、ふたりの式の大切な協力者です。その人たちがいたからこそ式が成功した、という場面もいくつかあるでしょう。
式で何かしらの役を担ってくれた方には、個別で式のときのお礼や感想を書いておきましょう。他の人と似通ったテンプレートな内容にならないよう注意です。
- 受付係
…「○○さんのおかげで、スムーズに式が進みました」 - スピーチ
…「心のこもったスピーチをありがとうございました。家族や親せきにも好評でした」 - 主賓や乾杯のコールをしてくれた人
…「祝辞でいただいた言葉に感動しました」、「乾杯の音頭を取っていただきありがとうございました」 - ダンスや歌などの余興をしてくれた人
…「素敵なダンスor歌をありがとうございました。○○さんのおかげで楽しい披露宴になりました」
もちろんこれは例文ですから、他に式で感じたことがあれば素直にそれをお伝えしてくださいね。
職場の上司や同僚、部下など
職場の上司や部下、後輩などが式に参列してくれた場合には、今後の人間関係に支障を出さないような一文を加えましょう。
- 目上の人
…「今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」 - 同僚や後輩、部下など
…「仕事と家庭の両立ができるように頑張ります」
など、相手との関係に合わせて少しずつ文章を変えていくと良いですね。
新婚旅行で休日を貰う場合、職場の人には迷惑をかける可能性が高いです。また、式に出席してもらう人にはスケジュールを無理に調整してもらっています。
相手が自分たちの式のために割いてくれた時間や労力に対するお礼を書いておきましょう。
親しい友人や知人への場合
親しい友人に宛てて書くお礼状の内容は、目上の人に宛てるような堅苦しい文章でなくても大丈夫です。季節のあいさつも、漢語調ではなくて口語調でOK!
- 「久々に会えてうれしかったです」
- 「○○さんとお話出来てよかったです」
- 「○○さんのような家庭を築いていきたいです」
…のように、思ったことを素直な言葉で伝えましょう。
ただしあまりくだけた文章にならないように、最低限の敬語は使って書きましょう。あくまでも”お礼状”ですから、普段のメールや手紙のようにならないように注意してくださいね。
普段あまり会わない親族
普段から交流のある親しい親族であれば、内容は友人に宛てるようなお礼状でも構いません。ですがあまり交流がない、遠方からわざわざ来てくれたような親族へのお礼状なら、しっかり丁寧な言葉でお礼を伝えましょう。
- 遠方から来てくれた人
…「遠いところからわざわざ足をお運びいただき、ありがとうございました」 - 久しぶりに会った人
…「久々にお姿を拝見して嬉しく思います」
両親やきょうだいなどの家族
両親やきょうだいなど…家族にあてる手紙は、内容も特別に考えてしっかり書きましょう。家族へのお礼状に特に決まった例文などはありませんが、
- 「見守ってくれてありがとう。これからもよろしくお願いします」
- 「お父さんとお母さんのような夫婦になれるよう、絆を深めていきたいです」
などの言葉がよく使われていますね。
両親への手紙は、両家の両親に新郎新婦が連名で出すのが一般的です。
お互いに自分の両親への手紙についてリードし合いながら、夫婦で一緒に両家の両親に感謝の気持ちを伝えましょう。義両親とはこれからも長い付き合いになりますから、丁寧な言葉を使いつつも堅苦しくなりすぎないよう、丁寧に内容を考えていきたいですね。
お礼状は結婚式の仕上げ。ゲストに式の余韻を与えよう
招待した人にとっても招待されたゲストにとっても、結婚式はその日が終わったからといって忘れさられるイベントではありませんよね。式のクオリティが高いほど「良い式だったな…」と余韻に浸れるのが、結婚式の醍醐味です。
結婚式後に出すお礼状は、ゲストに式の余韻を感じさせる重要なポイントです。
ただ披露宴で料理をもてなすだけではなくて、お礼状を送るまでがゲストへのおもてなし。内容やタイミングにも気を配ったお礼状で、結婚式の仕上げをしてくださいね。
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