えっ意外…タンパク質不足が招く9つのリスク!貧血、むくみも
Date:2019.09.10
ダイエットにも健康にも欠かせない、タンパク質。
タンパク質は、筋肉や臓器をはじめとする身体のあらゆる部分を、健康にそして美しく保ってくれる栄養素です。
ですが日本では今、タンパク質不足の人が増えていると言われています。とくにダイエット中の女性は食事の総量が少なくなるため、どうしてもタンパク質の摂取量も不足しがちです。
じつはタンパク質が不足すると、
- 貧血
- むくみ
- 集中力の低下
など、心身に意外なリスクの数々をもたらす可能性があります。
今回は、タンパク質不足がもたらす危険な症状についてご紹介します。
この記事の目次
【1】タンパク質の役割は多様!消化や神経伝達も
タンパク質は、身体を構成するさまざまな部位や、消化酵素など身体に必要な物質の材料となる物質です。
タンパク質から作られている身体の部位は、主に次のようなもの。
- 臓器(脳を含む内蔵)
- 筋肉
- 皮膚
- 骨
- 髪の毛
- 爪
- 歯
ご覧のとおり、身体じゅうのあらゆる部位と言っても過言ではありません。私たちの身体のほとんどは、タンパク質からできているのですね。
また、身体を守るために働く「免疫体」も、タンパク質が原料ですし、
- 炭水化物分解酵素
- タンパク質分解酵素
- 脂肪分解酵素
といった「消化酵素」もタンパク質からできています。
脳内で情報や司令を伝えるための「神経伝達物質」も、タンパク質で構成されています。
これらの物質は日々新しく作り変えられており、食べ物から新しいタンパク質を摂取することでそのサイクルがスムーズに回ります。
【2】タンパク質不足が招く「身体的なリスク」
タンパク質不足が身体と心に引き起こすリスクを、順番に見ていきましょう。
まずは身体的なリスクです。
リスク1「貧血」
貧血の原因といえば鉄分を思い起こす人が多いでしょう。たしかに鉄分も大切ですが、じつはタンパク質不足も貧血の大きな原因となります。
貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンという色素が少なくなった状態です。
全身の細胞に酸素を運び、かわりに不要な二酸化炭素を身体の外へ排出する、という血液の働きを担っているのは、主にこのヘモグロビン。
そのため、ヘモグロビンが少なくなると全身に酸素がいきわたりにくくなってしまい、
- 頭痛
- 肩こり
- だるさ
- めまい
- 立ちくらみ
といった貧血の症状を引き起こしやすくなります。
このヘモグロビンの材料となっているのも、タンパク質です。タンパク質が不足すると、ヘモグロビンが減少し、貧血を引き起こしやすくなります。
女性には月経があるため、男性よりも貧血になりやすいのが事実です。女性はとくにタンパク質不足に気をつける必要があります。
リスク2「筋肉量の減少」
身体を動かす筋肉も、タンパク質でできています。
よくアスリートが筋肉を増強するために鶏のささみやゆで卵などでタンパク質を摂りますよね。
この補修の段階で、タンパク質が必要になります。
筋肉をつくるのも補修するのも、タンパク質です。タンパク質が不足していると、いくら筋トレしてもうまく筋肉を鍛えられません。
それどころか、筋トレをしてもしなくても、自然と筋肉が落ちてしまうリスクがあるのです。
リスク3「基礎代謝量の低下」
筋肉が落ちれば、カロリー消費に不可欠な基礎代謝の量も減ります。
基礎代謝とは、生きているだけで消費される最低限のエネルギーのこと。
筋肉量が多い人はこの基礎代謝量が多いため、寝ているだけでもより多くのカロリーが消費される痩せやすい身体でいられます。
でもタンパク質不足で筋肉が落ち、基礎代謝量が減ってしまうと、運動をしてもなかなか痩せにくく、太りやすい体質になってしまうのです。
リスク4「肌や髪のトラブル」
お肌や髪の毛もタンパク質からできています。タンパク質が不足した状態では、これらを美しく保つことはできません。
ハリとツヤのあるお肌も充分なタンパク質摂取のたまものです。タンパク質が不足すると、
- 肌のツヤがなくなる
- 顔色がくすんで見える
- シワやたるみが増える
- ニキビや吹き出物の治りが遅くなる
といった肌トラブルを起こしやすくなります。
また、髪の毛もタンパク質からできています。髪の毛1本1本を構成している物質のうち、じつは80〜90%がケラチンというタンパク質なのです。
タンパク質不足によって起きる髪の毛のトラブルは、
- 髪のツヤ・コシがなくなる
- 枝毛
- 切れ毛
- 薄毛
といったもの。
タンパク質不足は、美容にとっても深刻な問題です。
リスク5「爪のトラブル」
硬い爪や歯を形作っているのも、じつはタンパク質です。
もしも爪が薄くなったり、割れやすくなったりといったトラブルを実感しているのであれば、それはタンパク質不足が原因かもしれません。
丈夫で美しい爪を保つためにも、タンパク質が必要です。
リスク6「むくみ」
身体のあちこちに現れる「むくみ」。太って見えたり、痛みやだるさを感じたりと、結構厄介なものです。
「むくみとタンパク質の間に、何の関係があるの?」と思う方も多いかもしれませんが、じつはむくみを引き起こす大きな原因のひとつがタンパク質なのです。
むくみとは、皮膚の下、細胞と細胞の間に水分が溜まってしまった状態のこと。この水分は血管内から細胞間に染み出してきたものです。
タンパク質の摂取が不足すると、血液の中のタンパク質濃度が薄くなります。すると身体はそれを察知して、タンパク質濃度を上げるために水分を血管の中から外へと排出しようと働くのです。
流れを分かりやすくまとめると、
↓
血中のタンパク質濃度が薄くなる
↓
タンパク質の割合(濃度)を上げるため、水分が血管の外に排出される
↓
排出された水分が、皮膚の下の細胞間に溜まり、むくみとなる
こうした流れにより、タンパク質不足が原因のむくみが発生してしまいます。
むくみの原因というと、水分のとりすぎというイメージが浮かびます。が、じつはタンパク質不足が原因であることも多いのです。
あまり意識されない原因ですが、むくみが気になる方はタンパク質にも注意が必要です。
リスク7「免疫力の低下」
タンパク質不足は、免疫力も低下させてしまいます。
元気なときにはなんでもないことでも、免疫力が落ちていると病気にかかりやすくなってしまうことがありますよね。
たとえば、風邪や下痢などウイルス性の病気です。
細菌やウイルスと戦い、身体を守ってくれるのが「抗体」と呼ばれる物質ですが、この抗体もじつはタンパク質でできているのです。
また、病気を治すための薬を飲んだとき、薬効成分を身体中に運ぶ「アルブミン」という物質も、タンパク質からできています。
タンパク質が不足すると、病気にかかりやすく、また治りづらくなってしまうのです。
【3】タンパク質不足が招く「精神的なリスク」
タンパク質不足は身体に深刻な影響を及ぼすことが、だんだんわかってきましたね。
しかし、引き起こされるリスクは身体だけにとどまりません。精神的にも次のような状態に陥りやすくなります。
リスク8「疲労感」
感情をリラックスさせて、やる気や精神的なバランスを保っているのが、脳内にある「セロトニン」という神経伝達物質です。
このセロトニンも、タンパク質からできています。
セロトニンの量が少なくなると疲れやすくなり、他にも、
- やる気の低下
- 憂うつ感
- イライラ
- 落ち込みやすさ
といった精神的な不調を引き起こす可能性があります。
リスク9「集中力・思考力の低下」
セロトニンだけでなく、やる気を引き出す「ドーパミン」もタンパク質でできています。
ドーパミンが少なくなると、日中でも元気に活動することが難しくなり、集中力や思考力が低下してしまいます。
とくに原因に心当たりがないのに「なんだかいつもぼんやりしてしまう」という方は、良質のタンパク質をきちんと摂ることで改善されるかもしれません。
【4】タンパク質不足を予防する、バランスの良い食事とは
タンパク質が不足する一番の原因は、食生活の乱れや偏りです。
- 食事を減らすダイエットをしている
- 忙しくてつい食事を抜いてしまう
- 菓子パンやファストフードなど手軽に食べられるものばかり選んでしまう
- 朝起きられず、朝食を食べる習慣がない
など、このような生活習慣を持つ方は、とくに注意が必要です。
また、ストレスがかかる生活を続けている方も、タンパク質が減りやすいと言われています。
ちなみに一日に摂るべきタンパク質の目安量は、体重1kgあたり0.8〜1.0g程度です。
この分量を意識しつつ、動物性タンパク質と植物性タンパク質の両方をバランス良く摂ることが推奨されています。
動物性のタンパク質は、
- 肉
- 魚
- 卵
- 牛乳
- チーズ
- その他、乳製品
などから。
植物性のタンパク質は、
- 豆腐
- 納豆
- 豆乳
- その他、大豆製品
などから、摂取することができます。
バランスの良い食生活で、タンパク質をしっかり補っていきましょう!
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