生理痛に豆乳は効かない!生理の症状を悪化させない豆乳の飲み方
Date:2017.09.15
生理痛に豆乳がいい!という説もあれば、豆乳で生理痛が悪化した、という人もいます。いったいどちらが正しいのでしょうか。
確かに、大豆製品を摂ることは女性ホルモンのバランスを整えるために良いといわれていますが、生理痛との関係が知りたいところです。
生理痛に豆乳は本当に効果があるのかについてまとめました。
この記事の目次
豆乳で生理痛は解消できない
結論としては、豆乳を飲んで生理痛を鎮めることは出来ないと思います。
生理痛には原因がいくつかありますが、一番の原因はプロスタグランジンというホルモンによって起こると考えられているからです。
プロスタグランジンを抑えなければ痛みは緩和できない
プロスタグランジンは子宮の収縮を促すホルモンで、血中にも出回るので、生理中の頭痛の原因にもなるものです。
生理痛がひどい人はプロスタグランジンが過剰に分泌され、それで子宮がキューッと収縮する時に痛みを感じると考えられています。
では、豆乳にその作用があるのかというと、それはありません。
その他の生理痛の原因とも豆乳は関係ない
プロスタグランジン以外にも生理痛が起こる原因があります。
- 子宮口がせまくて経血が出
- ストレスによる血行不良
- 身体が冷えていることによる血行不良
- 子宮筋腫や子宮卯内膜症などの婦人科系の病気
また、痛みに弱い人は、「また生理痛に悩まされる」と思うこと自体がストレスとなり、痛みを強めてしまうことがあります。
豆乳は薬ではない
豆乳は所詮飲み物なのです。もちろん、食事は健康状態を左右する重要な要素ですし、食事で体質改善をしていくことも可能です。
ただそれが「豆乳で痛みを和らげる」ということとは結びつきません。
豆乳には確かに、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンが含まれていますが、それはホルモンそのもののではなく、痛みを抑えるような作用はないのです。
それなのに豆乳が生理痛によいといわれる理由
ホルモンバランスが乱れると、生理痛を悪化させる可能性はあります。
ですから、元々ものすごくホルモンバランスが良くない人は、それが整うことで生理が安定する、ということは考えられます。
ただし、ホルモンバランスの乱れは痛みそのものの原因ではないので、繰り返しになりますが生理痛の緩和には直接つながりません。
大豆イソフラボンの働きでホルモンバランスを整える
大豆イソフラボンはこのエストロゲンと似た働きをしてくれる成分なので、生理痛に良いといわれています。
しかしその働きは痛みを和らげるのではなく、ホルモンバランスを整える働きが期待できるのです。
生理があるということは女性ホルモンがしっかり分泌されている、ということですから、そこに大豆イソフラボンで女性ホルモンを補う、ということ自体にあまり意味がないのです。
女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減ってくるので排卵しなくなる=生理がなくなるのが閉経です。
閉経を挟んだ前後約10年間を更年期といいますが、急激なホルモンバランスの乱れによって不定愁訴が現れることがあります。
そのような方には、豆乳を飲むことでホルモンバランスが整い、更年期障害を緩和する効果は期待できるでしょう。
しかしエクオールを作れないと意味がない
しかし、ホルモンバランスを整えるために豆乳を飲むことがすべての人に効果があるのかというと、実はそうではありません。
大豆イソフラボンのまま吸収されても、健康効果はそれほど高くないのです。
そして、このエクオールを体内で作れる人は日本人の1/2だといわれていますから、半数の人は豆乳を飲んでもそれほどホルモンバランスを整えるのには役立たない、ということになります。
ただし、エクオールを今作れなかったとしても、その腸内細菌がお腹にいるのなら、豆乳を飲むことで今後その菌を活発にしていくことは可能です。
豆乳で生理痛が悪化してしまう理由
生理中に豆乳を飲むことで、かえって症状が悪化してしまったという声もありますね。それは、なぜなのでしょうか。
エストロゲンが増えすぎることによる不調
先ほども言いましたが、生理があるということは女性ホルモンが分泌されているということです。
しかし、普通に女性ホルモンが分泌されているなら、過剰に食品から摂る必要はないのです。
日本人は納豆や豆腐、味噌など大豆製品を割と頻繁に摂ることが出来ますから、きちんとした食生活をしているなら、それ以外にあえて豆乳をがぶがぶ飲む必要はありません。
場合によってはエストロゲンが過剰になってしまい、それでホルモンバランスが乱れて痛みを悪化させてしまうこともあるのです。
豆乳を飲むタイミングが悪くホルモンバランスが乱れる
生理前の1週間に豆乳を飲むという豆乳ダイエットがありますが、これも逆効果になる場合があります。
人によっては生理前に飲むと黄体ホルモンの働きが活発になってしまうため、生理痛が悪化することがあるのです。
冷たい豆乳で身体を冷やしている
豆乳を飲めば生理痛が治る!と、冷たい豆乳ばかり飲んで身体を冷やしている可能性もあります。
豆乳に限らず冷たいものの摂り過ぎは身体を冷やし、生理痛を悪化させます。
ホルモンバランスを整えるための豆乳の飲み方
豆乳はもちろん健康にいいものです。ですから飲んでも無駄、などということはありません。やみくもに飲まずに適量であれば、健康維持にも役立つでしょう。
大豆イソフラボンの摂取量を守る
食品安全委員会の報告書によると、大豆イソフラボンの1日の摂取目安量は75mgです。
豆乳(調製豆乳)にはどのくらい大豆イソフラボンが含まれているのかというと、200mlあたり40~50mgくらいです。
ただし、製法などによって若干の違いがあるので、1日2本摂れば十分ということになりますね。
他の大豆製品には、このくらいの大豆イソフラボンが含まれています。
- 納豆1パック:約35mg
- 豆腐半丁:約30~40mg
- 油揚げ1枚:約12mg
豆腐や納豆などの大豆製品を毎日食べているなら、豆乳は1本でもいいでしょう。
ちなみに、サプリメントなど食事以外の摂取目安量は30mgとされています。大豆製品をよく食べる人であれば、サプリメントまで使う必要はなさそうです。
自分の身体と相談しながら上手に豆乳を取り入れよう
豆乳は確かに生理痛を悪化させてしまうこともあるようですが、個人的には良質な植物性たんぱく質を摂ることが出来る、身体に良い食品だと思います。
豆乳が好きで、豆乳を飲むことで生理のストレスから解放されるなら、それはそれでいいこと。
ただ、世間では身体にいいといわれているものでも、自分の体質には合わない、という場合もあります。自分の体調と相談しながら、上手に取り入れていけば良いのではないでしょうか。
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