定期預金のメリット。金利が低くても普通預金よりはマシ?
Date:2018.02.13
長く続く低金利時代で、銀行にお金を預けて増やそうという概念は誰も持っていないと思いますが、それでも普通預金よりは金利が高いのが定期預金です。
定期預金は、
- 一定期間引き出すことが出来ない
- 満期日まで原則として解約できない
という特徴があります。
預け入れの方法としては、一度にまとまった金額を預ける方法と、毎月少しずつ積み立てていく方式があります。
リスクがなくお金を増やす方法としては王道ですが、本当にメリットがあるのか、定期預金の気をつけるべきポイントなども合わせてご紹介します。
少しでもいいから確実にお金を増やしたいという人は是非読んでみてください。
何が違うの?定期預金と定期貯金
貯金と預金、この違いをご存知ですか?
- 預金は銀行に預けるお金
- 貯金はゆうちょ銀行に預けるお金
という違いがあります。
地方銀行や信用金庫などの金融機関は預金ですが、農協や漁協の協同組合を利用する場合は貯金と呼びます。
これは、国の政策として「貯金しよう!」と国民に呼びかけて始まったのが郵便貯金で、国の政策のためにそのお金が使われました。
それに対して、商人や企業がお金を預けることで、そのお金をさらに「融資」という形で銀行が企業に貸し出すというお金を回してきたのが銀行です。だから「預金」というのです。
ゆうちょ銀行にも定期貯金や積立貯金はありますが、今回は銀行に預けることを前提に考えて、「預金」という言葉で統一して説明します。
低金利でも定期預金にする6つのメリット
今は金融の自由化によって、各銀行が様々な定期預金商品を揃えています。
いくら低金利といっても、預け方によっては、お金をただ寝かせているよりもずっとお得になるのです。
1.普通預金よりは金利が高い
もう長く続く低金利時代に、銀行にお金を預けて増やそうという意識のある人はいないかもしれません。
それでも定期預金は普通預金と比べれば、微々たるものですが利率が有利になっています。
それは、定期預金は一定期間預け入れることが決まっていますので、その間銀行はその資金を融資に回したりして運用できるから。
だからその分利率で優遇されているのです。
2.引き出せないことが大きなメリット
一定期間引き出せないということは、お金を貯めることが苦手な人にとってはメリットでもあります。
毎月決まった金額を積み立てていくタイプの定期預金にすれば、今手元にまとまったお金がなくても堅実に貯蓄をすることが可能です。
3.元本が保証されている
定期預金は国の「預金保険制度」の対象になっています。
万が一、銀行が破綻しても元本1千万円とその利息は守ってもらえます。
株式投資などと比べると確かにリターンは少ないですが、リスクは少なく、元本割れの心配もありません。
お金で冒険したくない人にとっては堅実な資産運用方法だといえるでしょう。
4.キャンペーンが多く実施されている
夏と冬のボーナス時期など、特別金利や金利優遇のキャンペーンをやっている銀行は多いものです。
もしまとまったお金をすぐに使わないなら、このようなキャペーンを上手に利用すると、普通に定期預金の申し込みをするよりもずっとお得になります。
特にネットバンクはこのようなキャンペーンを頻繁にやってますので、色々と比較してみるといいでしょう。
5.短期間の定期預金も増えている
今まで定期預金というと最低でも1年くらい、たいていは3~5年くらいの期間が長いものが主流でした。
最近では3ヶ月や半年といった期間の短い定期預金商品が増えてきているので、ずいぶん利用しやすくなってきました。
ネットバンクでは2週間などという短い期間の定期預金もあります。
ボーナスをもらった直後などの大金を持っている時には、普通預金に入れておくよりも、少しでもお得になるでしょう。
6.複利なら利子にも利子がつく
定期預金には、単利と複利があります。
単利とは、元本と利子を分けて受け取る方法で、複利は元本に利子を組み込んでいく方法です。
例えば、「3年定期半年複利」という商品に預け入れたとしましょう。
最初の半年でついた利子を元本に組み込んで、次の半年分の利子を計算します。つまり、次の半年は「元本+半年分の利子」に対して利子がつくことになります。
100万円に0.5%の利子だったとして
- 単利なら半年後も1年後もつく利子は5千円
- 複利なら半年後は5千円だが1年後は5,025円
利子を組み込むタイミングが半年ごとにあるので、預け入れ期間が長いほど利子が増えていきます。
知っておきたい、定期預金のデメリット
金利が高くなるとはいっても、今の低金利時代では微々たるもの。
デメリットを全く考慮せずに、いきなり長期の定期預金などに預け入れてしまうと、後悔することもあり得ます。
定期預金にはどのようなデメリットがあるのかを把握した上で、どんな定期預金商品を選ぶかと考えることが大切です。
積極的な資産運用にはならない
積極的な資産運用になるかというと、正直それは難しいと思います。今は低い金利が続いているからです。
あくまでも「使わずに溜める手段」「普通預金よりは少しお得」くらいに思っておいた方がいいでしょう。
投資のようにリスク高くない代わりに、リターンも少ないのです。
中途解約は注意が必要
定期預金は基本的に中途解約が出来ない仕組になっています。
ですから、無理に途中で解約しようとすると手数料などを差し引かれ、普通に預けていたよりも損してしまうことだってあるのです。
あくまでも引き出す必要のないお金を預けるか、一定の期間を過ぎたら自由に引き出せる「期日指定定期預金」を利用しましょう。
期日指定定期預金はだいたい1年以上の商品が多く、1年以上預け入れれば、後は自分が好きな時に引き出すことが出来ます。
元本割れの危険もある仕組預金
新型定期預金などとも呼ばれる仕組預金。普通の定期預金よりも高金利である分、リスクもあるのがこの形の定期預金です。
大きく分けると、
- 満期を銀行側が決める「満期変動型」
- 外貨で預ける「外貨特約型」
などがあります。
満期変動型は銀行側が自由に満期を決めるため、原則として預金者は解約が出来ません。
どうしても解約したいとなると、普通の定期預金と違って元本割れすることもあります。
また、外貨で預け入れる外貨特約型は、円相場によっては元本が大きく減ってしまうこともあります。
変動金利タイプは経済状況を見ながら
定期預金には固定金利タイプと変動金利タイプがあります。
固定金利方式の方が多いですが、低金利が続いている今はもしかしたら半年後、1年後に大きく金利が動いて、今より有利になるかもしれません。
色々と銀行を比較して一番金利が高いところを選んだつもりでも、数年後には全く様相が変わっていることもあり得ます。
ですから、あまりに長い預入期間のものに入れてしまうと、損はしないものの、得も出来なくなってしまう可能性があります。
定期預金を上手に運用するには
賢くお金を増やしていくなら、少しずつであっても確実な定期預金はやはり魅力的です。
今は色々な商品が出ているので、少しでもお得にするためにはどうしたらいいか考えてみましょう。
どのくらいの期間にするかがポイント
銀行によっては、長い期間預けていれば利率が高いかというと、必ずしもそうではありませんので、利率をよく比較して期間を決めることが大切です。
また、自分のライフスタイル、ライフイベントもしっかり考慮して、数年後にまとまったお金が必要になるタイミングで満期が来るように期間を考える必要があります。
何も考えずにただ利率だけで期間を決めると、中途解約などで後々損をしてしまうこともあるからです。
自動継続か満期の自動解約にするか
自動継続とは、満期が来てもそのまま新たに定期預金に預け入れる手続きを自動的にしてくれるもの。
銀行によっては自動継続でも元金だけが継続で、利子は普通預金に入れてくれる方法もあります。
自動解約は満期が来たら、税金を引いた元金と利息を普通預金に振り替えてくれます。もしまた定期預金にしたければ、改めて預ける必要があります。
昔は余剰資金があるなら自動継続にして、ずっと定期預金を続けている方が、手続きも面倒でなくて良かったのですが、今はそうともいいきれません。
長い期間預けておくのも、急にまとまったお金が必要になった時に困りますし、今は預入期間が長いからといってもそれほどの運用益が期待できないからです。
いつもと違う銀行も検討してみる
ネット銀行には様々な定期預金商品があります。いつもお給料を振り込んでいる口座や光熱費などの引き落としに使っている口座がある銀行だけでなく、定期預金をするための銀行を検討してみましょう。
今はネットで口座開設が出来るところも増えていますから、仕事のある平日に窓口に行く必要もありません。
他の銀行の商品もしっかり検討してからどこに預けるか決めた方がいいでしょう。
相続定期預金の利用
あまり知られていない名前かもしれませんが、意外と色々な銀行で取り扱われている商品です。
銀行の決めた期間内に相続した資金を定期預金として預け入れることで、通常の定期預金よりも有利な金利で運用が出来ます。
必ずしも相続手続きをした金融機関でなくてもいい場合が多くて、手続き書類が増えて若干面倒ではありますが、自分の銀行で定期預金にすることも可能です。
もし親や親戚から相続した余剰金がある場合は、相続資金をとりあえず置いておく場所として、相続定期預金を利用してみてはいかがでしょうか。
あくまで余剰資金で運用すること!
定期預金は、ある程度まとまったお金を預けることで優遇を受けられる商品です。生活費程度のお金では、微々たるものしか受け取れません。
かといって、必要なお金までつぎ込んでしまうのは後々困ることも出てきます。
まずは積立などで一定のお金を貯め、そのまとまったお金を今すぐ使う必要がないなら定期に入れる、というのが賢い方法だと思います。
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