体に良いオメガ3脂肪酸の効果。油を摂って健康美を手に入れる!
Date:2016.07.28
オメガ3系脂肪酸は健康に良い、ということは聞いたことがあっても、何がどのようにいいのかということはちょっと曖昧なところもあるのではないでしょうか。
健康にいいだけでなく美容にも素晴らしい効果があるんです!
青魚に含まれるというオメガ3系脂肪酸ですが、私たちは食の欧米化によって魚を食べる機会も減っていますよね。もしかしたら必要な量をまったく摂れていないのかも!?
この記事を読めば、脂肪酸にはどのような健康&美容効果があって、どのくらい摂ればいいのかなどオメガ3系脂肪酸のすべてがわかります。
オメガ3系脂肪酸は体の中で作れない脂肪酸
脂肪酸とは油脂、肉、魚などに含まれており体の重要なエネルギー源となる栄養素です。
身体にいいとはいっても油ですから、多く摂りすぎてもいけませんが、少なすぎても生活習慣病の原因となるので、適度な摂取が大切です。
脂肪酸には大きく分けて2つ種類がある
脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があり、それぞれ違う働きをしています。
- 飽和脂肪酸とは
- 体内で合成できる脂肪酸であり、固まりやすいという性質があります。分子内に二重結合はないので安定しており、ココナッツオイルやパームオイルに含まれるパルミチン酸、ステアリン酸などがあります。
- 不飽和脂肪酸とは
- 分子内に二重結合があり、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸にわかれます。
- オリーブオイルのオレイン酸
- マカデミアナッツオイルのパルミトレイン酸
は一価不飽和脂肪酸、
- リノール酸
- リノレン酸
などの多価不飽和脂肪酸は体内で合成することが出来ない脂肪酸です。
人の体内で合成できない脂肪酸を「必須脂肪酸」と呼びます。
オメガ3系脂肪酸は体内で形が変わる
「オメガ3」という名称は、脂肪酸を構成している炭素の終わりから何番目に二重結合があるのかということを示しています。
末端から3番目に二重結合があるのがオメガ3系脂肪酸です。
α-リノレン酸は体内に入るとEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)と形を換えていきます。
EPAとDHAは氷点下になっても固まらずさらさらしているのが特徴です。これは魚が冷たい海でも泳ぎ続けられる秘密です。
だから魚油はラードなどと違い低温でも固まりません。
脳に良い?オメガ3系脂肪酸の健康効果
青魚を食べると頭が良くなる、なんて聞いたことはありませんか。オメガ3系脂肪酸は脳や血管など様々なところに良い効果があることがわかっています。
コレステロールを下げて血液をサラサラに
悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールの働きを高めるという作用があり、血液をサラサラにして血圧を下げる効果が期待できます。
健康診断などで血圧が高めだという結果が出ている方はオメガ3系脂肪酸を積極的に摂りたいですね。
循環器系疾患の予防効果
血栓が出来るのを防ぐ働きもあり、血液の粘度を下げることから
- 動脈硬化
- 心筋梗塞などの心臓病
の予防効果が期待されています。
実際、魚を多く食べる人の方が循環器系の病気で亡くなる確率が低くなるそうです。
1日に食べる魚類・オメガ3系多価不飽和脂肪酸が増えるにつれ、全循環器疾患による死亡は直線的に減少し、魚やオメガ3系多価不飽和脂肪酸を最も多く食べるグループの循環器疾患による死亡率は、最も少ないグループに比べ約20%低くなっていました。
母乳にも含まれているDHAとEPA
EPAとDHAはオメガ6系脂肪酸であるアラキドン酸と一緒に母乳にも含まれています。
赤ちゃんの脳の発達や体の発育に欠かせない脂肪酸なので、ベビー用のミルクにこれらの脂肪酸が配合されていることもあります。
認知症の予防効果も期待されている
高齢者を対象にしたある調査で、オメガ3系脂肪酸を積極的に摂っている人は認知機能の低下が抑えられている、ということが判明したそうです。
というのも、脳の60%は脂質で構成されているので、オメガ3系脂肪酸は脳の細胞を修復する働きがあると考えられています。DHAは特に短期記憶を司る海馬というところに多く含まれています。
特に脳の細胞膜にはDHAとEPAが必要なので、加齢とともにα-リノレン酸の重要性は増していくということですね。
オメガ3系脂肪酸でがんも予防
青魚を食べている人は、喫煙や飲酒の習慣があっても、青魚を食べない人よりもがんにかかる可能性が低いとされています。
特に前立腺がんにその傾向が見られるという研究の結果もありますが、その他のがんにどのような明確な効果があるのかは、まだまだ研究段階といったところです。
うつ病などの精神疾患にも有効
うつ病患者のオメガ3系脂肪酸の蓄積量は健常者のそれと比べて低くなっているということがわかっていて、オメガ3系脂肪酸がうつ症状を軽減させる効果があるのではと考えられています。
実際に、1998年の学術調査(Hibbelnが9カ国で調査)で、魚をよく食べている国ほどうつ病の発症率が低かった、というデータがあります。
オメガ3系脂肪酸はうつ病の改善以外にも
- 前向きな気持ち
- 元気な心
など、生きていく為に私たちに必要不可欠なものをもたらしてくれるのでは、という期待がもたれてます。
今後の更なる研究が待たれるところです。
アレルギー抑制にはオメガ6系脂肪酸とのバランスが大切
オメガ3系脂肪酸とよく比較されるオメガ6系脂肪酸は、とても酸化しやすいのが特徴です。
コレステロールを下げる働きがあるものの、善玉コレステロールまで減らしてしまうので、過剰に摂取しないことが大切です。
リノール酸を摂取すると「γ-リノレン酸→アラキドン酸」と体内で変換されていきます。
オメガ6系脂肪酸は摂りすぎると
- 免疫機能の低下
- アレルギーの原因
など健康上の問題が起きることがわかっています。
ジャンクフードなどをよく食べる方はオメガ3系脂肪酸が少なく、オメガ6系脂肪酸が過剰になっているという問題があり、食生活が乱れていると脂肪酸のバランスが悪くなるんですね。
また、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸を摂りすぎるとアレルギーの原因となることがわかっています。
オメガ3系脂肪酸を適度に摂ることも大切ですし、オメガ6系脂肪酸を減らしていくことも大切です。
しかし、オメガ6系脂肪酸が絶対的な悪者というわけではありません。
健康だけじゃない!オメガ3系脂肪酸の美容効果
生活習慣病の予防や脳機能の改善だけではないんですよ。オメガ3系脂肪酸が美容にどのような効果があるのかご紹介します。
α-リノレン酸の抗炎症作用で肌トラブル改善
α-リノレン酸の抗炎症作用によって
- ニキビ
- 肌荒れ
- 肌の赤み
- かゆみ
などの肌トラブルを改善する効果が期待できます。
ニキビや吹き出物が出来やすい方はスキンケアで保湿することもとても大切ですが、身体の内側から炎症を抑えていくと症状が改善されやすくなるでしょう。
肌の新陳代謝を促進する作用
α-リノレン酸は細胞間脂質(セラミド)の原料となる大切な物質です。
- 血液循環の促進
- 肌の新陳代謝の促進
- 肌の水分保持力の向上
など、肌を柔らかくして弾力や潤いを保つ為にも欠かせない成分です。
オメガ3系脂肪酸は細胞膜を構成する成分でもあるので、細胞膜を老化させない為にも積極的に摂りたいですね。
丈夫な細胞膜を作ることはシワやたるみの予防にもつながります。
食べる美容液でアンチエイジング
オメガ3系脂肪酸はティースプーン1杯程度の量でアンチエイジングに役立つとされています。
α-リノレン酸は女性ホルモンのバランスを整る働きがあるので、加齢とともに減少する女性ホルモンを補う事が出来るとされています。
女性ホルモンはコラーゲンの生成や女性らしい体を作る為にととても大切な役割を果たしますが、バランスが乱れると肌が荒れたり乾燥したりするのです。
化粧品ではもうどうにもならない肌荒れは、やはり体の中からケアしていく必要があります。お肌の為にもちょっと食事の内容も見直してみませんか。
オメガ3系脂肪酸で生理痛も乗り切れる
女性ホルモンのバランスを整えるということは、女性の不調にも有効です。
- PMS(月経前症候群)
- 生理痛
- 生理不順
などで悩んでいる方は、積極的に摂取してみましょう。
薬を飲まずに食べ物で改善できたらその方が身体には負担が少ないです。食べ物から摂りづらければ、サプリメントを利用するのもひとつの方法です。
オイルで便秘も解消?お通じもスッキリ
太るからといって油分をまったく摂ろうとしない方がいますが、それは体にとってとてもよくないこと。
適度な油、それも質の良い油を摂れば太るどころか身体にいいことが多いのですから。
そのひとつが便秘解消効果です。適度なオイルが腸の粘膜をコーティングするので、便の滑りが良くなるんですね。
またオメガ3系脂肪酸には腸の蠕動運動を促進する働きもあるので、便秘がちな方はむしろ積極的に摂った方がいいオイルなのです。
オメガ3系脂肪酸のダイエット効果
オメガ3系脂肪酸には中性脂肪を低下させる働きもありました。
中性脂肪はトリグルセリドともよばれ、
- 皮下脂肪
- 内臓脂肪
として蓄えられる脂肪分の大半がこの中性脂肪なのです。
体のエネルギー源としてとても大切な中性脂肪ですが、余ればすべて”脂身”として蓄積されてしまいます。
オメガ3系脂肪酸を取る為に食べるといいもの
生活習慣病予防の為には1日当たり2~3g程度のオメガ3系脂肪酸が必要だとされています。
それでは、どのような食品をどのくらい食べればオメガ3系脂肪酸を効率よく摂れるのでしょうか。やっぱり青魚?
EPA、DHAはやっぱり青魚を食べよう
青魚とは、
- まぐろ
- さば
- さんま
- ぶり
- いわし
など、背の青い魚の総称です。
ということは、「マグロのカブト焼き」なんて、EPAとDHAの宝庫、ということになりますね。
青魚を週に2回ほど食べれば必要量を摂取できるとされています。
木の実や種にも含まれるオメガ3系脂肪酸
オメガ3系脂肪酸が含まれるのは青魚だけではありません。むしろこちらの方が女性は必要な摂取量を確保しやすいのではないかと思います。
- 亜麻仁油
- エゴマ
- チアシード
- くるみ
- シソ油
などの食材、植物油にも含まれています。
亜麻仁油は加熱に弱いですから、調理用の油として使うのではなく、そのままスプーンで飲んでも大丈夫です。1日に大さじ1杯程度で十分です。
足りない時はサプリメントで補う
魚は調理法がよくわからないからと敬遠する方も多いのではないでしょうか。
出来れば食べ物から摂った方がよいのですが、それが難しい時にはサプリメントで補うのも良いでしょう。
ただし、心臓疾患に関しては今のところサプリメントでは予防できず、食べ物から直接摂る必要があるとされています。
オメガ3系脂肪酸で心配される副作用
体にいいと入っても油の成分ですから、摂りすぎれば体によくないこともありそうです。
妊婦や授乳中のママはサプリの方がよい
オメガ3系脂肪酸自体の副作用ではないのですが、ママが子どもの頭をよくしたい!とばかりに青魚を食べ過ぎるのは少し考えものです。
魚にはどうしても
- 水銀
- ダイオキシン
など、食物連鎖の中で有害物質が蓄積されてしまっており、これは大型の魚ほど蓄積量は多くなります。
DHAをたっぷり含む青魚の代表格はマグロですが、大型の魚は小さな魚をえさにし自分がえさになることは少ないので、どんどん有害物質がたまっていきます。
オメガ3系脂肪酸のメリットよりも有害物質のリスクの方が心配なので、妊娠中・授乳中は安心して摂取するならサプリメントなどを利用するのも良いでしょう。
オメガ3系脂肪酸は幅広い食材から摂るようにしよう
魚を食べないと!と思うとストレスですし、実際問題週に2回といっても魚を食べ続けるのも忙しい毎日では難しいでしょう。
魚は良質なタンパク質でもあるので、魚ももちろん食べる努力をしつつ、亜麻仁油など他の食材からもとるような工夫をしていくことで、無理なく摂取できるのではないでしょうか。
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