制汗剤はタイプで効果が違う!汗の種類によって使い分けがオススメ
Date:2019.04.18
日本の夏は湿度も高く、不快指数の高い日が何日も続きます。毎日毎日「これでもか!」というほど汗をかくという方も多く、女性にとっては汗対策に頭を悩ませるシーズンですよね。
最近では一年を通じてドラッグストアやディスカウントショップには「汗対策」のコーナーがあり、様々なタイプの汗対策用アイテムが立ち並んでいます。
「いくつも使ってみたけど、自分が期待するほどの効果はなかった…」
制汗剤には色々な種類がありますが、実は汗の種類や制汗の目的によって使い分けるのが最も効率の良い使用法です。
どんな汗を、どんな風に抑えたいのか?あなたが求める理想の肌や、かく汗の質を確かめながら自分にぴったりのアイテムを選びましょう。
この記事の目次
制汗剤はなぜ汗に効果的なのか
「制汗剤」と一言で言っても、実は種類があるのをご存知でしょうか?
意外とこの種類を混同してしまっている方が多く、そのために自分の目的とは違う効果のあるアイテムを購入してしまい「効果がない…」とがっかりしてしまう場合が後を絶ちません。まずは制汗剤の種類をしっかりと覚えましょう!
デオドラント剤と制汗剤って違うの?
多くの人が混同してしまうのが「制汗剤」と「デオドラント剤」の2種類です。
どちらも汗対策として販売されていますが、大まかにわかりやすく分類してみると、次のように特徴が異なります。
- 制汗剤
- 「汗の量を減らす」ことを目的として作られているのが制汗剤です。汗腺の多いワキ、背中、お腹などに使用し、体内からにじみ出る汗の絶対量を軽減させます。
- デオドラント剤
- 「汗のニオイを抑える」ことが主目的のアイテムです。主原料に金属成分や殺菌力の高い成分を配合し、体から出てきた水分(汗)に菌が繁殖するのを防ぐことでニオイを抑えるものが多く開発されています。
汗の対策としてはたしかに似ているのですが、「汗の量」を減らすものと「汗のニオイ」を抑えるもの、と考えると違いがハッキリわかりますよね。
目的は消臭?制汗?
前述したとおり、制汗剤には特徴の違いがあります。つまりこの特徴を正しく理解していれば、「思っていたような効果がなかった」とがっかりすることも減るというわけです。
あなたが最も「抑えたい」ものはなんでしょうか?
汗の量もニオイも両方対策したい!という方は、この2種類を正しく使い分けるのが「正しい汗対策」になります。まずはご自身の「汗対策」の目的を定めてみましょう!
汗の種類によって制汗剤を使い分ける!
汗対策のコーナーに立ち並ぶいくつもの制汗アイテムですが、特徴や効能とはまた別に、スプレーやシートなど様々な形状のものが並んでいますよね。
「どのタイプを使うべきか?」と悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。ご自身の汗対策の目的がハッキリしたら、次は「自分の汗のタイプ」を確認しぴったりの形状のアイテムを選びましょう。
スプレーは「小汗」にベストマッチ
制汗剤で最もポピュラーなのがスプレータイプ。シューッとひんやりした制汗剤が吹き出てきて清涼感が高く、涼しさを感じたい人にも人気があります。
このタイプの特徴は次の4点です。
- 清涼感が高い
- 制汗、消臭両方に適応するものが多い
- 香りの種類が豊富で持ち運びもしやすい
- 大量の汗を抑えるのは困難
汗をかく量はそれほど多くないものの、肌がベタつく、ムレたようなニオイが気になるという方にはスプレータイプがぴったりです。
近年ではプレケアタイプといって、お風呂上がりやお出かけ前など「汗をかく前」にシュッと一吹きすることで、量を減らす制汗効果が発揮できる商品も多く開発されています。
また、夏だけでなく冬の暖房や湿気などによる肌のベタつきやニオイにも効果があるので、年中愛用しているという方も多いようですよ。
湿気を帯びたベタベタ汗にはシート
湿度の高い日本は、梅雨時期から秋にかけて60〜70%以上の湿気が外気に含まれる場合も少なくありません。こうした湿度と気温による汗は毛穴からにじみ出るようなじっとりとした汗になりがちです。
このようなベタベタ汗の場合、上からスプレーしてもあまり爽快感は得られません。そのため、シートタイプでサッパリと拭き取る方がオススメです。
シートタイプの特徴は次の通りです。
- 水分を多く含み、汗以外に皮脂や汚れを拭き取れる
- 汗の量に左右されない
- ポケットティッシュ程度のものもあり携帯しやすい
- プレケア効果のあるものはまだ少ない
どちらかといえば「かいてしまった汗やベタつき」に対応できるアイテムとしての要素が高いので、お出かけのお供に持ち運ぶのがベストです。
運動直後などの滴る汗にはウォーター
ちょっと自転車で買い物に…という程度でも、心拍数が上がれば「ドッ」と汗が吹き出してくる夏。滴りそうな汗は不快感も強いですし、周囲に見られたくないと感じる人も多いですよね。
タオルで拭えば汗の雫は消えますが、肌表面の火照り感や日差しによる乾燥感が消えなければ吹き出してくる汗はなかなか止まりません。
ウォータータイプの場合は、次のような特徴があります。
- メントールの配合量が高く、肌表面の火照りや乾燥を鎮める
- 植物性パウダーなどの配合によりサラサラ肌を作りやすい
- 全身に使用できるため、広い範囲でも化粧水感覚で使える
- デオドランド効果は高いが、制汗効果はやや弱い
強い日差しを浴びる夏のレジャーや運動の後などにはウォータータイプでさっと肌を落ち着かせてあげるのがぴったりです。メーカーによってはお風呂上がりのボディローションとしても使えるというものも開発しています。
夏の汗をサッと鎮めたい時はシート+スプレー
目的がいくつもある場合、複数のタイプを上手に組み合わせることも有効です。ただし使う順番を間違えてしまうと効果を打ち消し合ってしまうので、その形状に最も適した使い方が出来るように特徴は覚えておきましょう。
火照り感や滴る汗を抑え、清涼感を感じたい場合は次のような手順がベストです。
- まずは汗の水分をしっかりとタオルで拭います。汗びっしょりのところにいきなり制汗剤を付けても流れてしまいやすいので、滴るような汗は布でしっかりと吸水しておきましょう。
- 次にシートタイプの制汗剤で首筋や脇の下、デコルテ、ウエストなどを拭きます。腕や足よりもニオイがこもりやすいところを先に拭くのもポイントです。
- シートタイプの制汗剤によってサラっとした肌を作ったら、最後に仕上げとして制汗スプレーをワキ、首筋にふきかけます。
このように複数のタイプを効果的に使い分けると、それぞれの制汗剤の効果も長持ちします。ぜひ試してみて下さい。
火照りを鎮めたい時はウォーター+スプレー
運動後など、火照り感が強い時はウォータータイプがおすすめ…というのは前述したとおり。このウォータータイプの鎮静効果を長持ちさせ、肌のクールダウンと同時に吹き出す汗を抑えたい時には、スプレータイプをプラスします。
手順は次の順番がオススメです。
- タオルで汗を拭い、ウォーターを火照りの強いところから馴染ませます。首筋の肌表面温度が高いと、体温を下げるため汗が止まりにくいため、首から始めてデコルテ、腕、胸、お腹…と順に下がっていくようにしましょう。
- 肌の火照りが収まってきたら、次にスプレーを首やワキにON。クールタイプなどメントールの強いタイプだと冷感はアップしますが、肌が敏感な人は急激な冷却によって湿疹などが出る人もいますので注意してください。
- 全身に使えるウォータータイプですが、顔やデリケートゾーンは避けましょう。皮膚の薄いところには制汗剤の成分は強すぎるので、思わぬ肌トラブルの原因になりやすいと言われています。
タオルでなくシートタイプの制汗剤を使えばもっと効果が上がるのでは?と思いたくなりますが、制汗剤を使いすぎるとその成分や冷感によって肌にはダメージがかかります。
また、ウォータータイプの成分とシートタイプの成分はほぼ同じであることが多いので、デオドランド効果がキツくなってしまいがち。いい匂いも過剰になると悪臭になりますから注意しましょう。
蒸れのニオイが気になる時は除菌シート+ストーン+デオドラント
制汗よりもニオイが気になる…という人は、抗菌効果の高いものを組み合わせて使うことで菌の繁殖を抑え、ニオイを減らすことができます。
デオドラント効果はほとんどないものの、汗のニオイや蒸れのニオイの元になる原因菌の繁殖を抑える抗菌効果が高く、結果的にデオドラント剤の効果も高めてくれるため、次のような手順のトリプル使いにも向いています。
- まずは除菌タイプのシートで首筋、耳の後ろ、ワキを拭います。通気性が悪く菌が繁殖しやすい部分ですので、丁寧に行いましょう。特に耳の後ろは盲点になりがちですが、皮脂分泌も多く髪の毛などで通気性も悪いところです。忘れないようにしてくださいね。
- 無香タイプのストーンタイプの制汗剤をすりつけます。塗りにくい場合はクリームタイプでもOK。ここでの目的は「菌を繁殖させないこと」なので、できるかぎり無香料を選びましょう。
- 最後の仕上げとして、デオドラント剤を使用してもOK。体臭が強い方の場合、デオドラント香料が強いとぶつかり合い逆に体臭がキツくなることがあります。柔らかい微香性、殺菌効果もあるミント系などがおすすめです。
最後の仕上げに使うデオドラントはスプレーがオススメ。ウォーターやシートだとストーンの効果を拭き取ってしまう可能性があるので、肌をこすらないようなタイプをチョイスしましょう。
汗のニオイを抑える正しい制汗剤の使い方とは?
酸っぱいような苦いような、なんとも言えない汗のニオイでお悩みの方は男女の区別なくいらっしゃるでしょう。
最近は食生活の欧米化に伴い、子供ですら体臭が変化していると言われています。汗のニオイの正体を知って適切な対処を行うようにしましょう。
ニオイの主な原因は「酸化」した汗や皮脂
この酸化した汗汚れは肌の表面にいる常在菌の大好物。通常なら特に問題を起こさない常在菌が、大量繁殖することであの独特の汗のニオイを作り出してしまいます。
敵は汗ではなく「酸化」!こまめに拭き取るのが最も効果的
元々、体内から出た直後の汗や皮脂はほとんどの場合無臭です。もちろん内臓の不調やストレスなどによってニオイがきつくなってしまう場合もあるのですが、ほとんどの人のニオイの元は「酸化」が原因。
酸化するには時間が必要ですので、「汗をかいたら拭く」という原則は徹底しましょう。酸化する前に菌の好物を取り去ってしまえば、常在菌の大量繁殖は防ぐことが出来ます。
最近はお絞りを持ち運べるケースなども100円均一で販売されていますので、お家で熱いお絞りを作り、お出かけ先に持ち運ぶのも良いですよね!
汗をかく「前」のケアが重要
汗のニオイを対策したいのであれば、汗をかく「前」の予防策が重要です。かいてしまえば洗い流さない限り根本からリセットすることは不可能なので、どうしても菌は繁殖してしまいます。
お出かけ先などで汗を拭いた後も、できるだけ同じケアをくり返します。クリームなどを塗ることが難しいようであれば、除菌シートとスプレーだけでもお手洗いなどで行うようにしてみてください。
汗ジミを防ぎたい!サラサラ感をキープする方法は
ニオイと同じくらい悩む人が多いのが「汗ジミ」。脇の下やアンダーバストの部分などにくっきりと汗が染み込んでいると、不衛生に見えてしまい人前に出たくなくなってしまいますよね。
汗の量を抑え、シミを作りにくくする対策には何があるのでしょうか?
塩化アルミニウム配合のクリームタイプで肌に高密着
汗の量には個人差がありますし、確実に「出なくする」というのは逆に体の生理的反応を抑制してしまうことに繋がるためあまり体に良くありません。しかし、絶対量を減らすというのは可能です。
スプレーなどにも含まれている成分ですが、より肌への密着度が高いもののほうが効果的だと言われています。
- クリームタイプ
- ロールオン(液状)タイプ
- ジェルタイプ
など、肌にすり込むようなつけ心地のもののほうが密着度が高いため、より制汗の効果は高くなります。
ただし、塩化アルミニウムは化学物質です。刺激性も高く、多用しすぎるとかぶれや肌荒れ、かゆみを起こすこともありますので、肌が弱い人や金属成分に過敏なアレルギーがある方は使用前に薬剤師などに確認をしてください。
体に制汗剤+ベビーパウダー、洋服にも防水材を
汗ジミ対策には、体には「汗の量を抑える」タイプの制汗剤を使用するのが鉄則。ニオイと同じように、汗をかく「前」に塩化アルミニウム系のクリームや、塩化アルミニウム配合のスプレーなどでボディのプレケアを行います。
更にお洋服の方にもプレケアを行いましょう。衣服にかけるタイプの防水材を脇の下部分や背中、お腹の部分にシュッとひとふき。この時、お洋服をひっくり返して「裏地側」につけましょう。表面側につけても、雨は弾いても汗は弾いてくれませんのでご注意くださいね。
インナーや服の色でも対策できる
汗ジミが目立たない色を組み合わせて、「かいても目立たなくする」というのも対策のひとつです。
汗ジミが目立たない色味は次のようなものがあります。
- 白
- 黒
- ストライプ
- 水色
- 明るいベージュ
逆に目立ってしまう色味はこちらです。
- グレー
- カーキ
- 赤や黄、明るいブルーなどの原色系
- 濃いベージュ、茶色
色が濃くても、濡れると明度(光の加減によって明るく見える色)が上がるものは汗が目立ちやすいということになりますが、夏のコーデがワンパターンになるのは嫌ですよね。
汗が目立ちやすい色のお洋服を着る時は、汗ジミ対策インナーなどを組み合わせて対策するようにしましょう。この時、先述したような「ボディに制汗剤でケア」「洋服に防水材でケア」も一緒に行えば、大抵の汗じみは目立たないくらいまで抑えることができます。
「意識的に汗をかく」こともニオイ予防になる
ここまで「汗を抑える」ことを主体に制汗剤の特徴や使い方、使い分けの方法を解説しましたが、原則として「汗はかいたほうが良いものである」ということは忘れないようにしてください。
適度な汗は肌表面の汚れやニオイの元になる菌を洗い流す作用もあるものです。1週間に1度でも良いので、意識的に運動や入浴などでしっかり汗を出し、発汗力を高めるようにしてみましょう。デトックスしやすい代謝の良い体づくりが出来ますよ!
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