予定の立て方で仕事は変わる!定時で帰るスケジューリングのコツ
Date:2019.04.04
学生時代は、授業にも時間割が決められていました。
時間割どおり授業を受けるだけで、教科書をひととおり網羅できるよう、あらかじめ予定を組んでもらっていた、とも言えます。
でも社会に出れば、そうはいきません。
手持ちの仕事をすべて終わらせるためには、ある程度自分でスケジュールを決める必要がありますよね。
限られた時間内でスマートに仕事を終わらせるには、どんなふうに予定を立てたら良いのでしょうか?
「スマートな予定の立て方」について、詳しい手順やコツをご紹介します。
この記事の目次
【1】予定通りに進まない…計画に失敗する3つの原因
スケジュールの立て方がうまくいかないと悩む人は、案外多いものです。
予定の立て方については、学校で教えてくれるものでもありませんし、意識しなければ学ぶ機会もありません。
やり方がよく分からないまま、独学でなんとなくスケジュールを立てている方も多いのではないでしょうか。
その上、どんなに完璧に見えるスケジュールでも、実践できなければ意味がありません。
- 予定がうまく立てられない
- スケジュールどおりに仕事が進まない
- 結局、計画が遅れに遅れて無理をする羽目になる
こうした残念な結果になってしまうのは、いったいどうしてなのでしょうか?
計画の作成と実行で失敗してしまう原因を探ってみましょう。
原因1 無理な計画を立てている
計画どおりにいかないとき、一番多い原因が、「そもそも計画に無理があった」というものです。
人間は、基本的に未来の仕事に関しては楽観的な予測を立てる傾向があります。
一般的に、将来行う作業に関しては、人は半分くらいの時間で見積もってしまいがちである、という研究結果もあります。
つまり、実際の作業にかかる時間は、「だいたいこのくらいだろう」と見積もった時間の2倍くらいかかるのが普通なのです。
この習性を知らずに(または無視して)作業スケジュールを組んでしまうと、結局は計画だおれになってしまいます。
予定は完璧なはずなのに、なぜかいつもスケジュールが遅れてしまう。そんな悩みを抱えがちな人は、そもそもの計画に無理がある可能性が大です。
原因2 ベスト・コンディションを前提にしてしまう
自分のコンディションについても、考慮に入れなくてはなりません。
人間誰しも、体調が悪いときもあれば、どうしても仕事に集中できないときもあるでしょう。
そういったネガティブな要素も含んだ計画こそが、現実的なスケジューリングです。
体調は万全で集中力も完璧、というベストな状態の自分を基準にしてスケジュールを組んでしまうと、結局そこには現実性がないので、計画は破綻してしまいます。
原因3 ゴールがはっきりしていない
スケジュールを立てるとき、最終的な目的、つまりゴールの姿が明確に見えていないと、優先順位があやふやになってしまいます。
良い成果をあげるためには、あれもこれもやってみたいと思うでしょうし、やるべきと思える作業も無限に湧いてくるでしょう。
でも思いついたことをすべて実践するには、与えられた時間はあまりにも短すぎます。
目的を達成するためには、思いついた無数のタスクから本当に必要なタスクを選び出し、その中でも重要なものを優先して、順番にこなす必要があります。
予定を立てる際に「どのタスクからこなしたらいいのか分からない」と混乱してしまう場合は、いったんToDoリストから離れて、まずゴールの姿を明確にしましょう。
【2】現実的な予定なら、集中できる、安心できる!
達成可能で現実的なスケジュールを立てられるようになれば、スケジュールどおりに淡々と仕事を進めるだけで、日常がうまく回り始めます。
でも、タスクを予定通りにこなせるようになれば、「今やるべきこと」に安心して集中できるようになります。
無計画に物事を進めようとすると、気が散って仕方ありません。
この状態は、あまり効率が良いとは言えませんよね。気持ちもずっと焦ったままで、くたくたに疲れてしまうでしょう。
適切な予定を立てられるようになれば、「10時までは書類づくりに集中しよう」「10時〜12時までにプレゼン資料を仕上げれば大丈夫」というように、集中力と安心感をキープできます。
【3】実現可能で効率的なスケジューリング・4つの手順
ではいよいよ、上手なスケジューリングのやり方についてご紹介しましょう。
次の手順に沿って、スケジュールを立ててみてください。
STEP1 まずは手帳を持つ
手帳を持っていないという人は、まず1冊、書き込みやすい手帳を手に入れましょう。
スケジューリングやタスク管理に便利なスマホアプリもたくさんありますが、最初は紙の手帳を使ってスケジューリングに慣れるのがおすすめです。
よくある手帳といえば、下の図のようなマンスリータイプ。
[画像2-1]
愛用している方も多いでしょう。ただ、マンスリータイプは枠が小さいので細かい予定の管理には向きません。
スケジュール管理のためにおすすめの手帳は、
- バーチカルタイプ
- デイリータイプ
のどちらかです。
スマートに予定を管理するのであれば、1日を時間ごとに区切ってスケジューリングできる「バーチカルタイプ」(下図)や、
[画像2-2]
もしくは、1日1ページ書き込める「デイリータイプ」(下図)、
[画像2-3]
このどちらかがおすすめです。
STEP2 仕事を小さなタスクに分ける
手帳を準備できたら、今度は仕事を小さなタスクに分解していきましょう。
ひとつの仕事について、手順をすべて書き出します。
その手順をさらに、5分〜15分程度で完了できるくらいの小さな作業に切り分けていきます。
小さなステップを積み重ねていくことで、挫折せず着実に大きな目標を達成できる心理学的手法として、ビジネスだけでなく幼児教育にも用いられています。
ひとつを5分〜15分程度のステップに切り分けることで、「これくらいならできそうだ」という安心感を持つことができます。
「どこから手を付けていいか分からない」「いつ終わるのか、はてが知れない」というネガティブなイメージを払拭し、目標達成をイメージしやすくできます。
もう少し具体的に見てみましょう。
*
(1)仕事を作業に切り分ける
たとえば「新しい商品企画を提出する」という仕事があったとします。
これを一気にやろうとしても、どこから手を付けていいか分からず、途方に暮れてしまう人が多いはずです。
でも、
- 既存の商品にはどんなものがあるか、リサーチする
- 既存商品への不満を周囲に聞き込みする
- 不満を解決するためにはどんな機能があればいいかを考える
- その機能を実現するための方法を考える
- アイデアのメリット、デメリットを書き出す
- デメリットをカバーする方法を考える
- 書類に落とし込んでいく……etc.
といった作業に分ければ、次に何をしたらいいかがほんのり見えてきます。
*
(2)作業をタスクに切り分ける
こうした作業を、さらに具体的なタスクに分けていきましょう。
たとえば「既存の商品にはどんなものがあるか、リサーチする」という項目。これを、より小さなタスクに分けていきます。
- ネットでアイテムを検索してみる
- 店頭で売り場をチェックする
- 商品ごとの価格やスペックをリスト化する
- グラフを作成し、市場を分析する
といった工程に分かれるかもしれません。
ただし、これではまだ、スケジュール帳に書くには作業単位が大きすぎます。ここからさらに、5分〜15分単位でできる具体的な行動を書き起こしていきましょう。
こうして書き起こされた小さなタスクが、「スモールステップ」です。この形になって初めて、具体的なスケジューリングが可能になります。
STEP3 タスクごとに時間を見積もる
5分〜15分でできるスモールステップまで切り分けることができれば、タスクごとにかかる時間を見積もることができます。
たとえば「ネットでアイテムを検索してみる」というタスクには、どれくらいの時間がかかるかを見積もってみましょう。
ここで大切なのは、余裕を持った時間で見積もることです。
前述のとおり、人は実際にかかる時間の半分くらいの時間で仕事を見積もってしまいがちです。
もしも全く未経験の作業で、それをこなすのにどれくらいの時間がかかるのか、さっぱりわからない……という場合は、まず試しに15分程度やってみて、どれくらい進むかを見てみると良いでしょう。
STEP4 スケジュールに落とし込む
大きな仕事をスモールステップにまで分解できたら、それぞれのステップをスケジュール帳に落とし込んでいきましょう。
スケジュール帳について、マンスリータイプではなく、バーチカルもしくはデイリータイプをおすすめしたのは、このためです。
バーチカルタイプ、デイリータイプの手帳であれば、細かい時間の切り分けがパッとみて分かりやすく、
- どの時間がどれだけ空いているか
- どの時間にいくつタスクを入れられるか
- 1日に詰め込み過ぎていないか
- 非現実的なスケジュールになっていないか
といったことがチェックしやすくなります。
ここまでできれば、あとはスケジュールどおりに予定を実行していくだけです。
次章でご紹介するちょっとしたコツを意識すると、さらに上手なスケジューリングが可能になりますよ!
【4】ここがキモ!予定を立てるときに意識すべきコツ
スケジュールを組んでいく手順は、だいたい分かってきました。
この手順に沿って予定を立てると同時に、意識すると良いコツをいくつかご紹介しておきましょう。
コツ1 「これくらいかな」と思う時間の2倍見積もる
前述のとおり、人は作業時間を短めに見積もってしまいがちです。
非現実的なスケジュールを組んでしまえば、結局仕事が予定どおりに終わらず、「やっぱり私には上手に予定を立てられないんだ」と落ち込んでしまうかも。
それを避けるには、思い切って余裕を持ったスケジューリングをすることが大切です。確実に予定をこなすためには、「ちょっと余裕をもたせすぎかな?」と思うくらいでちょうどいいのです。
スモールステップやタスクにかかる時間を見積もるときには、「このくらいで終わるだろう」と思った2倍〜3倍くらいの時間でスケジュールを組んでおきましょう。
コツ2 ToDoリストは一本化する
タスクやステップをひとつずつ潰していくために、とても便利なToDoリスト。
このToDoリストをつくるときには、ひとつの場所にまとめましょう。
プライベートと仕事でタスクを見分けたいなら、色分けするのがおすすめです。とにかく1箇所に集約することを意識しましょう。
コツ3 大事なことを最初にやる
一日の始まりに、その日に行う作業の中で一番大事なものを片付けてしまいましょう。
人はつい、カンタンにできる手軽なタスクから片付けたくなってしまいます。ToDoリストの上から順に消していきたくなるかもしれません。
でも、一日の始めは一番頭が冴えてスッキリしています。この時間に最も重要な案件を片付けてしまえば、その日一日余裕を持って過ごせます。
コツ4 同じ作業はできるだけまとめる
一日に行う作業の中には、さまざまな種類の作業があります。
- 電話をかける
- メールを書く
- 文書作成
- 打合せ
など、次々に訪れる用件を手当たり次第にこなしていくのは、大変です。
できる範囲でいいので、同じ作業は同じ時間にまとめるように工夫してみましょう。
たとえば営業職で外回りと内勤の両方を行う必要があるのなら、外出する用事は1日にまとめ、内勤や事務仕事は別の1日にまとめる、といったやり方が効率的です。
他にも、
スケジューリングする際は、こうした工夫を心がけてみてください。
ちょっとした工夫ですが、脳が作業の切り替えに使うエネルギーを大幅に節約できます。
また移動時間や待ち時間などの無駄を減らし、結果的に効率よく仕事ができます。
コツ5 休憩時間も予定に入れる
多くの人が見逃してしまいがちなのが、休憩時間の見積もりです。
人の集中力が持続できる時間には、限界があります。どんなにすごいビジネスマンでも、長時間休まず働き続けることは決してできません。
あなたもそんな状態を目指すなら、手帳に隙間なくびっしり仕事を詰め込んでしまわず、ぜひ休憩時間や休日をきちんと予定に組み込んでみてくださいね。
【まとめ】スマートな予定はプライベートにも余裕をくれる♪
本当にスマートな予定とは、効率的なだけでなく、実現可能なスケジュールのことではないでしょうか。
予定どおりに仕事が運べば、日々追いかけられているような焦燥感もなくなり、プライベートも思いきり楽しめるようになります。
ご紹介した手順やコツを参考に、自分に合ったスケジュールの立て方を工夫してみてくださいね♪
Sponsored Link