女性に多い大人喘息は見逃すと危険!寒い季節に発症者が急増
Date:2016.01.09
季節の変わり目や寒い季節になると、空気が乾燥して咳が出やすくなったり風邪を引くことがあります。その後、「風邪は治ったはずなのに咳が止まらない」と悩んでいる人はいませんか?
ただの咳だろうと思って放置している人も多いようですが、実はこれが喘息のサインの場合があります。
特に女性は季節の変わり目などに体調を崩しやすいので、知らないうちに喘息を発症していたという人も多いそう。大人でも発症する喘息について調べてみました。
咳に関する疾患で多いのは喘息だった
咳が止まらないから全ての人が喘息というわけではありません。咳が多く出る疾患にはいくつかあります。
- 喘息
- 咳喘息
- アレルギー性咳疾患
- 慢性閉鎖性肺疾患(COPD)
- 逆流性食道炎
- アトピー咳嗽
- 肺疾患(肺炎など)
こういったものがあります。咳が出たから喘息とは限りませんが、2か月以上咳が続く場合は上記の疾患が考えられます。
実は、この10年間で大人喘息を発症する人数が2倍に増えています。そして大人喘息で年間2000人の方が亡くなっているという、とても危険な病気なのです。上記の疾患の中に「喘息」と「咳喘息」があります。この違いは何なのでしょうか。
「喘息」と「咳喘息」の違いはどこにあるのか?
咳疾患の中に「喘息」と「咳喘息」があります。実は咳喘息は喘息予備軍と言われており、喘息ほど酷くはありませんが、放置しておくと将来的に喘息の重い症状が出ることがあります。喘息と咳喘息、症状などにどういう違いがあるのでしょうか。
治療すれば喘息症状は出ない?「咳喘息」とは
そのため、咳喘息の症状が出た時に治療をすれば喘息の症状も出なくなります。では、どういった症状が咳喘息になるのでしょうか。
- 咳が2か月以上続く
- 咳止めを飲んでも効果がない
- 発作や呼吸が苦しくなることはない
- 夜や早朝に咳が止まらないことが多い
- 会話をすると咳が出やすくなる
上記のような症状がある人は咳喘息の可能性があります。咳喘息の場合、喘息のような息苦しさはありません。乾いた咳が出る場合が多く、たんが絡むこともほとんどありません。
気温差やのどへの刺激で咳が出るので、話している最中に急に咳が止まらなくなることもあります。
放置すると危険、命に関わる「喘息」の症状とは
- 呼吸をするとゼーゼーと音がする
- 急に発作が出る
- 季節の変わり目や気温差が激しいと発作が出る
- 明け方に咳が出て目を覚ますことがある
- 呼吸がうまく出来ていないと感じることがある
上記のような症状がある人は、喘息の可能性があります。喘息の場合、気道が狭くなっているので咳だけではなく息がうまくできていない、息苦しいと感じることがあります。
大きな発作が出ると呼吸困難に陥ることもあるので、とても危険です。そして喘息の場合、咳が出ると同時にたんが絡んで喉にへばりついたような感じもします。それでさらに息苦しさを感じるという人も多いようです。
喘息経験者や気管支が弱い人は喘息になりやすい
風邪などから喘息になる人もいるので、「こういう人が喘息になります」と言い切ることはできませんが、やはり喘息になりやすい人というのはいます。
- 親が喘息持ち、喘息歴がある
- 子供ころに喘息で治療をしていた
- アレルギーを持っている人
- 気管支が弱い人
- 肥満の人
上記に当てはまる人は、大人になって喘息を発症する確率が高くなります。この中で特に注意が必要なのが、肥満の人です。肥満の場合、肺活量自体が低下していることが多く、喘息になると悪化しやすいと言われています。
年齢は関係ない!こんなことでも喘息が発症することも
喘息は小さい頃に発症するというイメージがありますが、大人になって喘息を発症するという人もいます。
実際、私の祖父は80歳を越えて咳が止まらなかったため病院に行くと、「喘息を発症しています」と言われました。
風邪を引いて、そこで咳が止まらずに喘息を発症していたという人もいますが、それ以外にも喘息を発症する原因はいくつかあります。その中には女性ならではの原因もあるようです。
- 花粉、ダニやほこりといったアレルゲン
- 風邪
- 気温や気圧の変化
- 精神的、肉体的ストレス
- アスピリンの過剰服用
- 白髪染めやパーマ液などの化学物質
アレルゲンや花粉で、喘息を起こすのはよく聞きます。風邪やストレスといった免疫力が落ちている時に、急に咳が出てそれが続いて喘息になることもあるそう。
意外なのが、白髪染めやパーマ液といった化学物質やアスピリンです。よく「使用する前にパッチテストを行ってください」とありますが、これは皮膚などの炎症だけではなく化学物質でアレルギー反応を起こし、喘息症状が出る場合があるからです。
これはアスピリンも同じで、あまり過剰に服用すると化学物質によって突然アレルギー症状が出ることもあります。
喘息の診断はどういうことをする?
喘息かどうかというのを調べるには、検査が必要です。その時に行うのが、スパイロメーターを使って呼吸機能を調べます。
これは、息を思い切り吐くことで呼吸状態を見るのですが、この場合、喘息は発見できるのですが咳喘息は見つけにくいと言われています。
最近は、咳喘息も発見することができる「呼気NO(一酸化炭素)検査」という病院もあります。これは呼気内の一酸化炭素濃度で気道の状態が分かるというもので、息を吹き込むだけなのでとても簡単です。
そして何といっても検査結果が5分程度で出るので、咳喘息でもすぐに治療に入ることができます。現在は保険適用なので、検査費用も1000円未満になっています。
咳が続くという人は、病院で「呼気NO検査」ができるか尋ねてみると見抜きにくい咳喘息もすぐに見つけることができます。
喘息・咳喘息は「発症予防・発作改善」の2つの治療が必要
喘息は発作が出ると、薬を飲むという印象がありますが、発症予防の治療をすることで、発作は出にくくなります。発作を抑える時と薬も全く違います。発症を予防するために使うのが、炎症を抑える吸入ステロイド薬です。
ステロイドというと敬遠する人が多いですが、この炎症を抑える吸入ステロイド薬を使わないと気管支の炎症を抑えることができず、一向に治りません。吸入式の場合、のみ薬とは違うので妊婦さんでも使えるようになっています。
気管支の炎症状態が続くと気道が狭くなり、息苦しくなって発作が起こります。発作が起きた時は気道が狭くなっているので、発症予防の吸入ステロイド薬では間に合いません。その時に使うのが気管支拡張薬です。
発作が出た時、息苦しくなった時にこれを吸うと気管支を広げてくれるので、息苦しさを緩和してくれます。
咳喘息の場合、症状が出ないからとすぐに薬を止めてしまう人が多いようですが、気管支の炎症は症状が治まっても続いているので、それから1ヶ月程度は毎日薬を続けて、完全に炎症を抑えないと咳喘息が喘息に繋がることもあります。
喘息の人も、喘息じゃない人も気を付けておきたいこと
寒くなると、喘息じゃない人もちょっとしたことから咳喘息を発症し、それが喘息に繋がる場合があります。そして喘息の人も悪化させないように気をつけなくてはいけないことがあります。
- 風邪を引かないようにする
- ほこりなどのアレルゲンを出さないようにこまめに掃除をする
- 疲れている時は無理をしない
- マスクと手洗い、うがいは必須
まず風邪を引かないことが1番大事です。寒い季節は免疫力が落ちるので、風邪を引くと長引いてしまい、咳喘息に繋がることがあります。喘息持ちの人は風邪を引くことで症状が悪化するので、注意しましょう。
喘息に年齢は関係ない!大人でも注意が必要!
喘息は、子供が引き起こす病気ではありません。年齢関係なく喘息は発症するので、「私は大丈夫」と安心してはいけません。
特に風邪を引きやすい人やアレルギーを持っている人は、喘息を発症しやすいので、注意しましょう。
「喘息は咳が出る病気」と思っている人も多いようですが、症状が悪化すると命を落とす可能性もあります。
風邪だけではなく、疲れやストレスが原因で喘息症状が出る場合もあります。それを回避するためには日頃から注意をし、体も心もメンテナンスをしてあげるようにしましょう。
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