「カロリーゼロの飲み物=太る原因」?リスクを回避するポイントは
Date:2018.03.05
コンビニやスーパーで飲み物を買う際に、ダイエットや健康を気にして「カロリーゼロ」と書かれたものを手に取る人も多いでしょう。
でも「良かれ」と思ったそのチョイス、じつは太ること、健康を害することに繋がっているかもしれません。
デメリットやリスクもしっかり把握した上で、賢くチョイスしたいもの。
そこで今回は、カロリーゼロの飲み物についての「落とし穴」、ありがちな誤解やリスクについて分かりやすくご紹介します。
この記事の目次
【1】そのカロリーは「ゼロ」じゃない!
ダイエット中の人にとっては非常に気になるのがカロリー。一日の摂取カロリーを制限している人も多いでしょう。
そんなときに目に飛び込んでくる「カロリーゼロ」「ノンカロリー」といった文字は、とっても魅力的ですよね。
でもなんと、実際のカロリーはゼロではないのです。
ちなみに表記の基準は、以下のように定められています。
- 「カロリーゼロ」「ノンシュガー」「無糖」など
- 飲料100ml中のカロリーが、5kcal未満のもの。
- 「カロリーオフ」「低カロリー」「カロリー控えめ」「ダイエット◯◯」など
- 飲料100ml中のカロリーが、19kcal未満のもの。
たとえば500mlのペットボトルに入った清涼飲料水ならば、「カロリーゼロ」と書かれていても実際には25kcal程度、「カロリーオフ」なら95kcal程度のカロリーそ含んでいる可能性があります。
「0kcalのはずだから、いくら飲んでも大丈夫♪」と思っていると、ダイエット計画が崩れてしまうかもしれません。注意が必要です。
【2】人体への影響が「ゼロ」かどうかは分からない
ところでカロリーゼロの飲み物、「どうして甘いのかな?」と不思議に感じませんか?
これらのドリンクが甘いのは、砂糖の代わりに人工甘味料を使用しているためです。
人工甘味料とは、その名のとおり人工的に抽出・加工した甘味料のこと。
- 食品に含まれる甘み成分を精製・抽出した「天然甘味料」
- 人工的に甘み成分を合成した「合成甘味料」
この2種類に分けられます。
このうち「合成甘味料」は、もともと自然界には存在しないものです。
実際に食用として利用され始めてからの歴史も浅く、長期的に見て「安全かどうか」は、いまだに世界中で議論が交わされている最中なのです。
これらの研究はまだ一つの仮定の段階ではありますが、リスクがゼロではないことは知っておいて損はありません。
ちなみに合成甘味料にはたくさんの種類がありますが、その一部については日本でも厚生労働省により「一日の許容摂取量」が定められています。
リスクを全く知らないのと知っているのとでは大違いですよね。必要以上に避けることはありませんが、あまりたくさん摂りすぎないよう注意しましょう。
【3】脳の錯覚で「太る食生活」を招きやすい
人工甘味料の多くは、摂取しても血糖値が上がりにくいか、全く上がりません。糖質制限ダイエットを試みる人にとっては、この仕組みは利用できる一面もあります。
でも「血糖値が上がらない」ことが仇になり、脳が「もっと食べなくちゃ」と錯覚して食べ過ぎてしまう恐れもあることは知っておいた方が良さそうです。
人工甘味料も、舌を通して脳が甘みを感じます。でも、血糖値は上がりません。
脳は、いつまで待っていてもエネルギー源が届かないので「もしかして栄養が足りてないのでは?」と勘違いして、食欲を増幅させてしまいます。
人工甘味料の甘さは、脳にとって詐欺のようなもの。満足できないから結局いつも以上にたくさん食べてしまう……という事態に陥りやすいのです。
【4】「カロリーゼロ」に油断して…つい食べ過ぎてしまう
もっとシンプルな理由で食べ過ぎの原因になることもあります。
そう、カロリーゼロだからという安心、油断。これこそがダイエットの大敵です。
心理学用語で「モラル・ライセンシング」と呼ばれる現象があります。「いいことをした後・頑張った後は自分に甘くなる」という心の動きを指す言葉です。
人間は、身体にいいことをしたり、ダイエットのために何かを我慢したりすると、「頑張ったんだから、これくらいはいいだろう」とつい誘惑に負けてしまう傾向があるのです。
「カロリーゼロだから」。この自己暗示に安心して、
- 甘いもの
- 脂っこいもの
- 味の濃いもの
- いつもよりたくさんの量の食べ物
などを手に取ってしまい、結局トータルでは摂取カロリーが増えていた!なんていうのは笑えない落とし穴ですよね。
【5】依存性が強く、味覚が鈍麻する
人工甘味料の甘さは、種類によってかなり異なります。
天然甘味料なら砂糖の半分〜同等程度ですが、合成甘味料の一部はなんと砂糖の200〜600倍ほどにも及ぶ甘さです。
だからこそ、ほんの少量で飲み物を甘くすることが可能で、カロリーを限りなくゼロに近づけることもできるわけです。
味覚はとってもデリケートな器官です。味の濃いものばかり食べていると、薄味のものに我慢できなくなりがちですよね。
甘みだって同じです。
「甘味依存」という症状があります。甘味を摂取すると、快楽を司る「脳内報酬系」という機能が働いてドーパミンを分泌し、「もっと欲しい」という渇望感をもたらします。
これは仕組みとしては麻薬と同じで、味覚の中でも甘味はとくに依存性が高いと言われています。
ダイエット中で甘いものを我慢しているのに、ますます欲しくなってしまう。これは困りますよね。
【6】低血糖症の発作を起こす恐れもあり
お腹がすいているときに「甘いものでも飲んでごまかそう」と思ったことはありませんか?
普段から「お腹がすくと身体の力が抜けてしまう」「充分寝ても仕事中に寝落ちてしまう」といった低血糖による症状のある方は、とくに要注意。
空腹時は血糖値が最も下がるタイミングです。そんなときに「脳は甘いと感じるけれど、実際に血糖値は上がらない」そんな飲み物を摂取してしまうと、低血糖症の深刻な発作を引き起こす恐れもあります。
普段から気になる症状を抱えている方は、とくに空腹時にはカロリーゼロ以外の飲み物を選んだり、ブドウ糖を適切に摂取するなど、気をつけることをおすすめします。
【7】カロリーゼロ飲料を上手に活用するポイントは?
カロリーゼロ、という甘い言葉にのみ注目して安易に飲むのは問題があります。
でも、上手に活用すればダイエットの味方になってくれることも。いったい、どんな点に気をつけたら良いのでしょうか?
(1)状況で賢く使い分ける
もともと砂糖入りのジュースなどをたくさん飲んでいた人が「カロリーゼロ」の飲み物に置き換える、というケースでは、カロリーを大幅にカットすることが可能です。
でも、そうでない人にとってはかえって余計な摂取カロリーを増やしてしまうことになります。
たとえ「ダイエット飲料」と銘打たれていても、=ヘルシーというわけではありません。健康に良さそうだからという理由で選ぶのは避けましょう。
(2)たくさん飲み過ぎない
どんなものでも摂り過ぎは身体にとって毒です。サプリメントや薬だってそうですよね。
ましてや人工甘味料は、長期的に見た人体への影響がまだ証明できる段階にありません。将来の自分の身体のために、飲み過ぎには注意しましょう。
(3)成分表示をチェックする
「カロリーゼロ」「カロリーオフ」といった魅力的なワードに飛びつくのではなく、自分なりの判断基準をしっかり持って選ぶことが大切です。
人工甘味料の中でも天然由来の甘みである「天然甘味料」は、もともと自然界に存在する成分です。
「合成甘味料は避け、天然甘味料を選ぼう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。そんなときは成分表示を見てください。
そこには、使用された甘味料の名前が書かれています。
●果物や植物から精製・抽出された「天然甘味料」
- エリスリトール
- トレハロース
- キシリトール
- ソルビトール
- ステビア など
●完全に人工的に創り出された「合成甘味料」
- アセスルファムカリウム(アセスルファムK)
- アスパルテーム
- アドバンテーム
- スクラロース
- ネオテーム
- サッカリン など
これらを一つの目安にするのも良いかもしれません。
飲み過ぎるとさまざまなリスクのある「カロリーゼロ飲料」。ほどほどに、そして上手に活用していきましょう!
Sponsored Link