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マスク依存症とは…現代に潜む意外な心理ストレスの影への対処法

Date:2019.01.23

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マスク依存症とは…現代に潜む意外な心理ストレスの影への対処法|女性の美学
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「マスク依存症」ともしもお医者さんから言われたら、多くの人は頭の中に疑問符がたくさん浮かんでしまうのではないでしょうか。

世の中にはたくさんの「依存症」が存在します。

  • アルコール依存症
  • 薬物依存症
  • ニコチン依存症
  • カフェイン依存症 など
依存症とは「それ(対象)が無いと心理的に不安が高まり、震えや情緒不安、パニックなど多種多様な異常をきたすもの」。そして、それ(対象)は限定されません。

ぬり絵が依存につながる人もいれば、果物が依存につながる人もいます。また、掃除や買い物など行動の依存もあります。

こうした延長線上に、まさに現代の風潮が生み出した「マスク依存症」が存在するのです。


マスク依存症とはどんな状態を指す言葉なのか

マスク依存症、と言われたらどういった状態をイメージするでしょうか?

実は精神科医やカウンセラーが提唱するその状態は、すぐ身近にも当てはまるような非常にシンプルな状態を指すのです。

本来の用途から離れた使い方をやめられない状態

マスク依存症は、マスクを本来の用途とはかけ離れた使い方をしており、かつそれをやめられない状態を指し示す言葉です。

マスクの本来の用途は誰もがご存知だと思います。

  • 外部の菌やウイルスの感染予防
  • 花粉などアレルゲン侵入の予防
  • 菌やウイルスの拡散を防ぐ
  • 寒気や暖気の急激な吸引を防ぐ

病気やその原因となる物質を直接的に体内に吸入しないようにするための衛生用品です。この目的用途からは逸脱した状態を継続し、かつ、それが「やめられない」状態が依存症です。

  • 顔を隠すために使用する
  • 周囲との距離感を保ちたいために使用する
  • 周囲に漠然とした不衛生感を感じて使用する

このような使用目的は不自然だと感じ、やめようとしてもマスクを外せない、外すと不安が強くなる、といった場合にはマスク依存症、あるいはその可能性があると考えられます。

社会的、時代的背景も要因のひとつとされる現象

マスク依存症と言われるほどの状態を引き起こす要因には何があるのでしょうか。

心理学的には、その根本原因として「社会的な不安やコンプレックスが一因となる」場合が多いと考えられています。

マスクは顔のほぼ半分を覆うことが出来るため、人目にふれる顔の範囲は鼻筋と目、眉程度になります。髪型によっては目しか暴露しないということもあるでしょう。

こうして顔を隠すことで、目の印象のみが強くなり顔全体の印象を隠すことが出来るので、顔の印象を濃くしたくない、はっきりとした輪郭を見せたくないといった心理的な願望を叶えることが出来るのです。

ダテメガネという言葉はすでにメジャーとなっていますが、今やダテマスクの時代とさえ言われています。

顔の造形をぼんやりとさせ、他者への第一印象を変えてしまうことが出来るアイテムとして男女問わずファッション小物として愛用している人が増えているのです。

こうしたファッションアイテムも使いすぎると「それがないと不安」といった心理状態を作ることがあります。マスクがないと「印象と違う」といった他者からの評価を心配し、マスクなしの顔は自分の顔ではないというような錯覚に陥ることがあるのです。

周囲との距離感を作ってしまう要因のひとつにも

人の顔の第一印象は「目で決まる」ということを耳にしたことがあるでしょう。しかし、実はそれは少しだけ間違いです。

目というパーツに伴う全体のバランスによって人の顔の印象は決まります。そして、その印象によって人間という生き物は「この人は安全か」「好ましい人物か」といった直感を働かせます。

マスクは目と他のパーツとのバランスを覆い隠してしまうため、第一印象がわかりにくくなります。

マスクをつけている人の目的はこれで達していると言えますが、第三者から見ると「顔の印象がわかりにくい=人物像が判別しにくくて近寄りがたい」という印象になります。

つまり、マスクの顔は他者との関わりをあえて拒否しているような印象を与えるのです。

他者との関わりは社会的な生活を円滑にするための必要な能力です。

この部分を拒絶しているような印象をあえて作る、というのは長い目で見れば自分にとって非常に不利益なのですが、それがわかっていてもやめられない、やめたくないという心理が「依存症」と考えられる要因なのです。

精神科医やカウンセラーも注意喚起をしている

人と関わりを持つのが怖い、あえて距離を作っておきたい、自分の本来の顔や姿は見られたくない、という心理が過剰に働くと、マスクなしでは明確な理由がなくても不安になったり、混乱したりという日常生活の弊害が起こりやすくなります。

精神科医や心理カウンセラーもこうした状態を社交不安障害の一種であるとし、注意喚起を促しています。

マスク依存症によって何らかの肉体的疾病が引き起こされるという検証はされていませんが、マスク依存症によって精神面に障害が生じやすいという理論は現代で活発に行われています。

深刻なのは、依存によって社会生活が円滑に行えなくなること。より良い潤いのある生活を行う権利はすべての人が持っているのですが、このような状態になると生活に支障が起こり、充実した人生から離れていってしまうことがあるのです。

自分はマスク依存症?チェックしておきたいポイント

筆者は毎日マスクをします。通勤時の感染症予防として使うのですが、これもマスク依存症なのでしょうか?

どのような状態になれば疾患を疑うべきなのかを確認しておきましょう。

季節やTPOを問わず、マスクなしでは外出できない

単純に、「どんな時でもマスクなしで外出が出来ない」という状態は黄色信号。

冬は確かに感染症のリスクは高いですが、春夏秋冬問わず、ちょっと近所に買い物へ出かけるだけでもマスクを手放せない、人とコミュニケーションを取らなくてはならない時にも外せないというのは少し神経質かもしれません。

花粉症など明確な理由がある場合とはまた別に、マスク依存症の方は「明確な理由なく」「季節を問わず」マスクをして外出します。

筆者のように、通勤時のみマスクをしており、仕事中は外せる人、人と会う時は外せるという人はマスク依存症とは言えないと考えて良いでしょう。

マスクをしていると笑えるが、外すと笑えない

人とのコミュニケーションを取る際に、マスクをしたままの方がリラックスして会話が出来る、あるいはニコニコと笑っていられる…という人も注意が必要です。

マスクの下でどのような表情が動いているのか、傍目にはほとんどわかりません。自分は非常にリラックスして心を開いているつもりでも、他者には全く心を許してもらえていないような印象を与えてしまっています。

マスクを外すと、逆ににっこりと笑うことが出来なかったり、萎縮してしまい思ったことを言えないという心理状態に追い込まれてしまうなら、それは依存症と言っても良い状態かもしれません。

マスクがないと公衆衛生的な不安がつきまとう

感染症予防に活用されるマスクですが、大気中の有害物質を軽減する効果も確かにあります。そのため外に出る時はマスクをしたい、という人も少なくはありません。

しかし「マスクをしないと空気が汚く感じる」「マスクなしで呼吸すると病気になりそうな気がする」という心理が働く人はマスク依存症と潔癖症を同時に併発している可能性があります。

マスクをしていても、大気中のすべてのチリやゴミを除去出来るわけではありません。繊維の隙間を抜けて大量のチリが私達の体には入り込みますが、それは体内の清掃作用を持つ細胞たちがさっさと片付けてくれます。

にも関わらず、マスクなしでは呼吸さえ思ったように出来ないというのは脅迫的な心理が心と脳に働きかけてしまっていると言えるでしょう。

顔を見られるのが怖い、話しかけられたくない気持ちが常にある

なぜ自分はマスクをするのか、マスクにどんな利点を感じているのか…と自分の心を振り返った時、「マスクをしていたほうが顔を見られないから安心」「話しかけられることが減るから楽」といった気持ちが見つかった場合にも、少し注意したほうが良さそうです。

マスクは他者とのコミュニケーションに弊害を起こすことがあるというのは先述した通りです。

マスク依存症の方はこの状態を深層心理では理解しており、そこにマスクの利点を見出します。

しかしそれは本来のマスクの活用法とは異なっており、マスクをすることであえて他者を遠ざけるために使用するといった依存症の典型的な使い方となってしまっているのです。

どうすればいい?マスク依存症を脱するためのステップとは

マスク依存症について、自分は注意したほうが良いかも…そう思ったらどうすれば良いのでしょうか。多くの精神科医が推奨する脱却のステップをご紹介します。

段階を踏んだ暴露療法が有効かつ近道

マスクに限らず、依存と呼ばれる状態を改善するために多くの医療現場で用いられるのが段階的な「暴露療法」と呼ばれるものです。

簡単に言えば「マスクをしない時間を徐々に増やし、精神を慣れさせて行く」というようにお考え頂ければ良いと思います。

ただし、これはいきなり「丸一日マスクを外してみる」などといった行動をしてしまうと逆効果となり、ますますマスクがないことへの不安が強くなってしまう場合もあるので、少しずつその時間を増やしていくという長期的な継続が必要です。
  1. マスクをつけない時間を1時間作る。これを2〜3週間続ける
  2. 2〜3時間に増やす。これを3〜4週間続ける
  3. 4〜6時間に増やす。これを1〜2ヶ月続ける
  4. 日中はつけないようにする。これを2〜3ヶ月続ける
  5. 休日はつけないようにする。外出時は日中はつけない。これを2〜3ヶ月続ける
  6. 人と会話する時は外す、日中はつけない。これを2〜3ヶ月続ける
  7. 丸一日つけない日を週に2〜3日作る。これを2〜3ヶ月続ける

このように、本当に少しずつ少しずつマスクをつけない時間を伸ばしていきます。

人と会話する、コミュニケーションを必要とする場面でも外せるようになるまでに早い人でも半年〜1年はかかるものだと考え、周囲にも協力してもらいながら焦らず継続することが大切です。

自力で無理をせず心療内科などでカウンセルを受ける

暴露療法を始め、依存と呼ばれる精神状態を回復させるのは非常にエネルギーを使いますし、継続というのも一人で行うのは困難を極めます。

不安を感じているなら、精神科や心療内科などを受診し専門家のアドバイスを得ながら継続する方法が最も失敗が少なく、負担も少なく済む方法です。

精神科などは敷居が高い…と感じるのであれば、今は心理カウンセラーがあらゆるメンタルでの悩みや不安を聞き助言をしてくれる機関も増えています。お住まいの地域にメンタルクリニックや心理カウンセルを行っている機関がないか確認をしてみてください。

依存について治療が行えるかどうか、ということも含め、最初の問診時に確認をすることも有効。「門前払いされたらどうしよう」といった不安は必要ありません。

依存症はあらゆるもの、あらゆる行動で起こっておかしくない心の疾患であり、専門家はそうした事象があるということは熟知しています。

周囲にも少しずつ協力と理解を求めて

自分、そして専門家の連携ともう一つ、「依存」という心理状態を改善するのに不可欠な力があります。それが「他者の協力」です。

ご家族、ご友人、仕事先の人、ご近所の方でも構いません。あなたが「自分の依存」と「それを改善したいという気持ち」を伝えられる人に、協力を求めてみてください。

「依存状態を改善したい。マスクを取る時間を少しずつ伸ばしていくから応援してほしい」

具体的に協力が出来なくても良いのです。応援している、という他者の力が継続への励みになります。「わかった、見守ってるよ」の一言でも、半年以上続くであろう療法への応援になります。

具体的な協力方法としては、一緒にいる時間はマスクを外しておけるか見守ってもらったり、今日はマスクを外せたか否か、という確認をしてもらうのでも良いでしょう。

ただし、協力者は依存解決の専門家ではありません。

正しいやり方をしているかどうかは判断出来ませんし、患者の望み通りのサポートが出来るわけではありません。具体的な協力は医師など専門家のアドバイスを得ながら慎重に行うようにしてください。

マスク依存症は治さなければならない「病気」なの?

マスク依存症、というのは絶対に治さなければならない「病気」なのでしょうか。

少なくとも筆者が子供の頃にはそうした病名はなかったと思いますし、医師の中でもそれを疾病とするかどうかは賛否が分かれるところかもしれません。

マスクをすること自体は悪いことではありませんし、感染症を予防するという観点から推奨されることこそよくありますが「するな」という言葉を耳にすることはあまりありません。

結論だけを言えば、マスク依存症だとしても「他者との関わり合い(コミュニケーション)」に支障がなければ問題はないかもしれません。

しかし、マスクをすることで他者との間に不要な距離感が生まれていたり、誤解を受けやすかったり、マナー的に外さなければならない時に外せない…という弊害が生まれているのであれば、それは克服すべきひとつの病気とも捉えられます。

その時はご自身を責めるのではなく、是非「こういう自分もいるのだ」と自らを受け入れるところからスタートしてください。

マスクに頼ることは悪いことではありませんし、病気になるのは悪いことをしたからでもないのですから。

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ライター:Utako

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コメント一覧

  • タヌキ

    マスクなしで電車に乗ったら熱が出た。
    多死社会と言われ、致死率の高いインフルウィルスが流行る可能性もある中、予防の為のマスクをしづらい空気をつくりたい理由でもあるのだろうか。

    返信
  • ハル

    学校で喘息で咳をしたときに何回も咳き込んでしまうので、周りの人に迷惑にならないように、とマスクをつけていましたが手放せなくなってきました。
    それと同時に人混みが嫌になったり、他人に話しかけるのも嫌になりました。
    自分でも自覚していますが、直す気にもなりません。病気なんでしょうか?

    返信

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