結婚前の検査、ブライダルチェックとは?検査内容やその目的
Date:2017.06.01
近年の晩婚化で第一子が高齢出産となる人も少なくありません。
そんな不安を少しでも解消できるように受けるブライダルチェック。
ブライダルチェックという名称ではあるものの、この検査は結婚が決まっていない人でも受けることができます。
結婚の予定がなくても将来子供を望んでいるという人も積極的に受けてみませんか?
この記事の目次
不妊で悩む人は不妊検査を受けること!ブライダルチェックと不妊検査は違うもの
ブライダルチェックを受ける人の対象は妊娠・出産を控えた全ての人です。女性だけでなく男性も受けることができますが、不妊検査とは目的も検査内容も違ってきます。
ブライダルチェックを受ける目的
ブライダルチェックは妊娠することを前提とした検査で、妊娠後にトラブルになるよう原因はないかを調べるためのものです。
不妊の原因を探る検査ではありませんので、ブライダルチェックで異常がなかったからといって必ず不妊症ではないということではありません。
不妊検査は妊娠しない原因を探るための検査になりますので、ブライダルチェックの検査内容とも違ってきます。
ブライダルチェックは必ず受けるもの?必要性を考えてみよう
晩婚化の影響か結婚前にブライダルチェックをきちんと受けてみたいという女性は増えてきています。
しかし、一方で問題があったとき結婚が破断になってしまわないか怖くて受けたくないという人も少なくありません。
そんなときはブライダルチェックの必要性を考えてみましょう。
パートナーへの思いやり
セックスによって感染する性病は年間約60万人ともいわれておりその代表的なものにクラミジアや淋病、エイズなどがあります。
これらは初期の自覚症状はなく感染に気付かずパートナーにも病気をうつしてしまう場合も少なくありません。
不妊症や妊娠時のトラブルを避けるため
性感染症は放置してしまうと不妊症の原因にもなりかねません。また母子感染や、子宮外妊娠といったリスクもでてきます。
ブライダルチェックに抵抗がある、という人も定期的な検診を受けていると安心ですね。
ブライダルチェックはどこで受けられる?
ブライダルチェックは産婦人科や婦人科・不妊治療を扱っている病院で受けることができます。
婦人科検診が初めてだという場合は抵抗がある人も多いでしょう。そんな人は女性の医者がいる病院を選んでみてはどうでしょうか。
同じ女性なら男性医師よりリラックスした気持ちで受けることができますよ。
最近ではカップルで受けられるところも増えていますが男性だけで受けたい場合は
- 泌尿器科
- 性病科
- 不妊専門のクリニック
などで受けることができます。
受ける前に予備知識を!ブライダルチェックの検査内容
特に気になるのが検査内容ですよね。どんな検査をしてどんなことを調べるのか?ブライダルチェックを受けるまえに予備知識があると安心ですね。
問診・内診
問診では
- 月経周期
- 過去の病歴
- 妊娠経験や流産経験
- 生活習慣
などを行います。
普段から気になっていることがあればこの機会に積極的に質問しましょう。
内診では
- 外陰部や膣内を視診
- 卵巣や子宮を触診
婦人科の内診が初めてで抵抗がある場合は、希望しなければ行わない医療機関もあります。
血液検査で分かること
血液検査では主に性感染症やウイルス感染がないかどうかを調べます。
- 血液型の検査
- 自分の血液型は知っているという人がほとんどでしょう。しかし万が一間違った血液型を記憶している場合もありますので妊娠に備えたこの機会に詳しく調べます。
- 風疹ウイルスの免疫
- 風疹ウイルスに対しての免疫があるかどうかを調べる検査です。妊娠初期に風疹にかかってしまうと赤ちゃんに先天性異常が起こる可能性があります。その割合は約4割と言われています。
検査の結果免疫がなかった場合はワクチンを接種します。生ワクチンのため2か月間は避妊するようにしましょう。
- 梅毒検査
- 最近では潜在的な感染者が増えている性感染症の一種です。性交渉で感染しますが、妊娠中は胎盤を通じて胎児に感染する可能性もあります。
- ウイルス性肝炎の検査
- 厚生労働省によると国内でのB型肝炎ウイルス持続感染者は110万人~140万人、C型肝炎は190万人~230万人と言われています。自覚症状がないことが多いため気づかないうちに病気へ移行してしまうケースも少なくありません。分娩時の母子感染を防ぐためにも必要な検査です。
- エイズの検査
- HIV感染の有無を調べます。
HIVは
- 精液
- 血液
- 膣分泌液
- 母乳
などから感染します。そのため感染経路は性的感染・母子感染・血液感染です。
HIV検査はこのHIVに感染しているかどうか血液中にある抗体を調べる抗体検査が一般的です。
2017年現在も完治する治療法はありません。感染した場合は抗HIV薬で増殖を抑えたりエイズの発症を防いだりします。
自覚症状がないことが多いため、検査による早期発見が重要になってきます。
ヒト免疫不全ウイルススでのことで人の体を守る免疫細胞に感染します。感染後は長い時間をかけて増殖します。 大きく分けるとHIV1型とHIV2型があり、エイズ発症の原因となるウイルスです。
- 卵巣年齢検査(AMH検査)
- AMH(アンチミューラリアンホルモン)は成長中の卵胞により分泌されるホルモンであるため、この値を調べることで卵巣の中にある卵子の目安をしることができます。
数値に表されるものは卵子の数であり卵子の質は年齢により下がります。
妊娠率で言うならば高齢になるほど下がると言えるでしょう。
卵子の質は年齢が上がるごとに下がってしまうため高齢になるほど卵巣年齢は下がってくるのです。
- クラミジア抗体検査
- クラミジア抗体検査は陽性であれば不妊の原因にもなりかねませんので注意が必要です。
超音波検査で分かること
超音波をお腹の上から当てり、膣から挿入したりして検査します。
- 子宮
- 卵巣
を調べて子宮筋腫や子宮内膜症などの病気はないか、卵巣の健康状態などを見ます。
他に流産や不妊の原因はないかなどを調べます。
尿検査で分かること
近年増加している感染症にクラミジア感染があります。
クラミジア感染について血液検査で分かることはクラミジア抗体の有無ですが、尿検査では現在進行形で感染しておりパートナーに感染する可能性はないかを知ることができます。
心配な病気も検査できる
癌などの病気も調べて不安を取り除きましょう。
主に
- 子宮がん
- 乳がん
- 貧血
- 糖尿病
- 甲状腺異常
などの病気を調べることもできます。
特にがんは早期発見がとても大切です。これらはオプションでついてくる場合が多いですが、がんの発症は2人に1人の割合とも言われています。受けておくと安心ですね。
20代~30代に発症率が高い子宮頸がんは早期発見で妊娠も可能
特に子宮頸がんは20代~30代の女性に発症率が高くなっています。
- 子宮頸がん
- 子宮頸がんとは子宮の入り口付近に発生することが多いがんで比較的発見されやすいがんと言われています。早期発見できれば予後順調であるがんですが、進行してしまうと治療が困難になってしまいます。
子宮に病気が見つかってしまうと、もう妊娠は無理なのではないか。と不安になってしまいますよね。
しかし、子宮頸がんは早期発見することで妊娠・出産は可能です
健康保険は使用できない。ブライダルチェックは自己負担で
ブライダルチェックは健康診断と同じです。病気でない診察に健康保険は適用されず全て自己負担となります。
そのため2万円~4万円とやや高めです。医療機関より料金設定が違ってきますので受けたい医療機関のホームページなどでしっかりと確認してみましょう。
基本的な検査内容がセットになっている場合が多いです。また料金はプラスされますが、自分で気になる検査を追加することもできます。
それにより必要に応じた検査項目をきちんと受けることができますよ。
ブライダルチェックは安心を買うつもりで受けてみよう!
検査を受けて何も異常がなかったら高い費用が無駄になったような気がして、ブライダルチェックは受けてみたいけれど躊躇してしまう、という人も多いでしょう。
それとは逆に念のためにと受けたブライダルチェックで妊娠や胎児の成長にリスクを及ぼす異常が見つかってしまったら将来が心配になり不安にもなりますよね。
しかし、その場合は早期発見が出来たと前向きに考えましょう。病気が発見できたことで子宮外妊娠や流産のリスクを抑えることができるのです。
また近年の晩婚化の影響もあってか結婚後子供がほしくてもなかなか授からず、不妊治療を受けている夫婦は少なくありません。
ただ、1つ気を付けてほしいことはブライダルチェックは不妊検査ではないという事です。
不妊で悩む場合は不妊検査を受けることをおススメします。
年齢を重ねれば妊娠率も下がってしまうため晩婚で妊娠できたことは本当に喜ばしいことです。
せっかく授かった命を大切に守り無事に元気な我が子に逢うためにもブライダルチェックを受けて万全の準備で挑みましょう!
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