
産後に起こる心とカラダの変化。トラブルを乗り越えて楽しく過ごす方法
妊娠、出産ときて、産後もママは休む暇がありません。いやむしろ、産後の方が大変かもしれませんね。
育児は楽しいことばかりでなく、慣れないことばかりでストレスもたまると思います。
でも、産後にはこんなことが起こりやすいということを知っておくだけでも、対策を考えることは出来るのではないでしょうか。
予備知識がないと次から次へとやってくるトラブルに心身ともに疲れてしまうと思いますが、「産後の一時的なもの」と分かっていればすんなりとやり過ごすことも出来るはずです。
産後の赤ちゃんとの生活を少しでも楽に、楽しく過ごすために、産後に気をつけて欲しいことをまとめました。
出産後すぐに元通りするワケではない!産後の身体の変化
出産は、赤ちゃんを産んだら終わりではありません。むしろ、産んでからの方が大変かもしれません。
10ヶ月かけて変化してきた身体が急激にもとの状態に戻ろうとすることから、様々な変化が起きるんです。
2度目の方が痛い?後陣痛
後陣痛(こうじんつう。あとばらともいう)とは、出産に伴って、膨らんだ子宮が元の大きさに戻ろうとする時の痛み。
子宮が急激に収縮していくので、かなり痛いです。初産よりも経産婦の方が子宮の戻りが早いので、その分痛みも強くなるといわれていますが、これは個人差があります。
病院ではちゃんと出産後に痛み止めをくれますから、それを飲んでいる間は大丈夫ですよ。
産褥期の過ごし方
産褥期とは産後6~8週間位までの期間を指し、ママの身体が回復するための大切な期間です。疲れやすくなっているので決して無理してはいけません。
1ヶ月検診を受けるまでは外出も控えた方がいいですし、この間は安静が一番。赤ちゃんに母乳やミルクをあげたりオムツ替えをする以外はずっと寝ていたっていいんです。
この時期に動きすぎると悪露が増えたり、産後の肥立ちが悪くてそれをずっと引きずってしまうこともあります。家事なんて無理してやらなくてもいいんです。
ホルモンバランスの急激な変化
産後は女性ホルモンも激しく変化します。元の状態に戻ろうとするので、それについていけずに心身ともに不調を感じる人も多いものです。
ホルモンバランスは自分の意思でコントロールできるものではありませんから、体調が悪いと感じたら休むことが一番です。
がんばり屋で真面目な人ほど、育児は手を抜いてはいけないと思い込み無理をしてしまいます。そうすると産後うつになる可能性もあり、そうなると育児どころではなくなります。
上手に周りの人の助けを借りて、出来ないことは出来ないとあきらめて、リラックスして過ごすことが大切ですよ。
産後の生理の再開は個人差がある
母乳を与えている間はホルモンの関係で生理が起こりにくくなっていますが、必ずしも起きないわけではありません。
産後数か月で生理が来た、という人もいれば1年近くなかったという人もいます。
一般的に母乳を上げている人は生理の再開が遅い傾向がありますが、母乳の出が悪くてミルクにしている人でも、ストレスや疲労のせいで生理がなかなか来ないこともあります。
産後に起こるトラブルあれこれ
慣れない授乳と睡眠不足でへとへとなのに、あちこちにトラブルが起きるんです、産後って。
でも、こんなことが起きるということを知っているだけでも慌てないで済むと思います。
ごそっと抜けてびっくり!産後の抜け毛
ホルモンバランスの乱れから、一時的に抜け毛が増えることがあります。必ずしも起きることではなく、1人目は何ともなかったのに、2人目の時はやたらと抜けた、という人もいます。
本当にごそっと抜けるので、このまま抜け続けたらはげるのでは?と不安になりますが、大丈夫です。しばらくすれば収まります。
産後特有の症状だと割り切って、あまり不安に思わずに、疲れたら休む、身体にいい物を食べるという普通のことを心がけるようにしてください。
骨盤の歪みからくる腰痛
出産で開いた骨盤は、自然に元の位置に戻るとは限りません。ずれてくっついてしまうと、それがようつの原因になることがあります。
骨盤がずれたままにしておくと産後ダイエットもうまくいかないですし、そのまま脂肪がたっぷりついた体型になってしまう可能性もあるので気をつけてくださいね。
出産が原因で痔になる人も
出産時のいきみが原因で産後に痔になる人は少なくありません。
いぼ痔や切れ痔など症状は人によって様々ですが、女性は便秘も重なって、さらに痔を悪化させてしまうことがあります。
産後は食事の栄養バランスに気をつけて便秘をしないことが重要!運動はあまり出来ない時期ですが、産褥体操などをして身体が冷えないような工夫も必要です。
痛みがひどい場合には恥ずかしがらずに早めに病院を受診しましょう。
骨盤底筋がゆるんで起こる尿漏れ
産後は骨盤底筋がゆるんでいるために尿漏れが起きやすくなっています。自然に治る場合も多いですが、骨盤底筋を鍛えればそれだけ回復も早くなります。
尿漏れは治療すれば治ります。
なかなか痩せない、産後太り
赤ちゃんを産んだらすぐにもとの身体に戻ると思っていたのに、なかなか戻らない!と驚く人も多いようですが、それはそうです。
なかなか痩せにくい身体になってしまっている人も多いんです。
その他にも身体の痛みや肌のトラブルも!
出産は体力を使いますし、産んだ翌日はあまりの疲労感に起きられないこともあります。会陰切開の痛みもあり、座るのも一苦労です。
- 帝王切開の傷の痛み
- 膣の痛み
- 乳首の痛み
など、身体のあちこちが痛くなることもあり、しばらくは痛みと疲労との戦いです。
しかも、早い人ですと産んだ翌日くらいから、遅くても数日で母乳がどんどん分泌されてくるので、胸が張って眠れないほどの痛みを感じることもあります。
助産師さんにマッサージをしてもらうと少し楽になりますが、母乳がスムーズに出るようになるまでかなりの痛みがあります。
母乳を一生懸命出さないと乳腺炎になってしまうこともあるので気をつけましょう。
その他にも、
- 妊娠線
- 肌の黒ずみ
- シミ
など、お肌のトラブルも起きやすくなりますが、この辺りは体調が戻ってから徐々にケアしていけば大丈夫ですので、あまり深刻に考えない方が良いでしょう。
覚えておきたい、産後クライシスを乗り切る方法
産後2年以内に夫婦の愛情が冷めてしまうことを「産後クライシス」といいます。
赤ちゃんを産んで、これから親子で幸せな暮らしが始まるはずだったのに、なぜか夫とうまくいかなくなり離婚、という人も残念ながら少なくありません。
せっかく家族が増えたのですから、そんな残念なことにならないようにしたいものです。
不仲になってしまう原因は様々です。
- 産後の体調不良
- ホルモンバランスの急激な変化
- 産後うつ
など、ママの負担は大きいもの。慣れない育児で心身ともに疲れ果ててしまうことも少なくありません。
そこへきて、夫の帰りが遅い、帰宅しても育児も家事も手伝わないなどということが重なると、それが不満としてどんどん蓄積されていき、ある日突然爆発してしまうのです。
でも男性は口で言わなければ分かりません。男性は女性とは全く違う生き物だと思った方がいいですよ。
言葉ではっきりとして欲しいことを分かりやすく伝えないと、「手伝ってくれて当然でしょ」と「期待」だけしていても思い通りには動いてくれません。
こんな時は自分一人で抱え込まないで、しっかり夫婦で話し合いましょう。どちらにも言い分はあると思いますが、大事なのは相手を思いやって歩み寄ることです。
ママになってもキレイでいたい!産後の美容やダイエット
産後は思うように時間が取れなくなります。好きな時に美容院にいくことも、買い物に行くことも難しくなるでしょう。
かといって、頭がぼさぼさ、好きな服も着られないなんて悲しい!産後もキレイでいるためにはどうすればいいでしょうか。
産後のダイエットは無理せず、ゆっくり
元の身体に戻すためには食事や運動など、色々と組み合わせて取り組んでいくことが大事です。体質改善をするつもりで、半年から1年かけてじっくりダイエットしましょう。
というのも、子育ては体力勝負。無理は禁物です。痩せたいからといって食事を抜くなどの極端なダイエットは絶対にしないでください。
まずは自分の体調を優先させて。家の中でも出来るエクササイズは色々ありますから、少しずつでも継続していくことが大切です。
産後でもヘアカラーやパーマをしたい時
髪も染めていないし、パーマもかけていないという人はしばらく伸ばしていても大丈夫な場合がありますが、地毛とは違う色でカラーを入れていた人や白髪が気になる人は、なるべく早く美容院へ行きたいですよね。
産後の心身の変化について勉強しておこう!
赤ちゃんが生まれたら、本当に休む暇はなくなります。育児は「やっぱりやめた」と途中で投げ出すことは出来ないのです。
だからこそ、産後に身体はどのような変化をするのか、どんなトラブルが起きやすくなるのか、夫婦で勉強しておくことをおすすめします。ママだけが知っていてもダメなんです。
せっかく家族が増えてこれから幸せも増えていくのですから、産後のトラブルも夫婦で協力して乗り切って欲しいと思います。

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