ビーツの栄養と健康効果。美味しくて見た目も色鮮やか!
Date:2018.05.01
ロシア料理のボルシチをご存知ですか。キレイな赤い色をした、身体の芯から温まるスープです。
トムヤムクン、ブイヤベースと並んで世界三大スープのひとつといわれています(フカヒレスープを加えて4つとする説もあり)。
ボルシチの赤い色の元がビーツです。日本ではあまり馴染みのない野菜ですが、とても栄養価の高いカブなんです。
知ったらきっと食べたくなる!ビーツの栄養価の高さや健康効果についてご紹介します。
あわせて、買ってきてすぐに使える、簡単な取り入れ方もご紹介しますね。
ビーツにはこんなにたくさんの栄養が詰まっている
ビーツは丸いカブのような形をしているので、赤かぶの仲間だと思われることがありますが、カブではなくてサトウダイコン(甜菜)の仲間です。
日本でもサトウダイコンから採られたお砂糖が「てん菜糖」として売られていますね。あの甜菜と同じ種類なんです。
ちなみに日本では「火焔菜(かえんさい)」という呼び名があります。ビート、テーブルビートなどと呼ぶこともあります。
糖質を多く含んでいるのが特徴ですが、それ以外にもビタミンやミネラルがたっぷりの野菜です。
カリウムがたっぷり
ビーツには余分な塩分を排出してくれるカリウムがたっぷり含まれています。
1個の重さがだいたい200gなのですが、1個食べると920mgのカリウムを摂ることが出来ます。
塩辛いものが好きな人は積極的に摂って欲しい栄養素です。
カリウムは筋肉の収縮にも関わっていますが、塩分の多い食事をしていると、塩分を排出するためにどんどん使われてしまいます。
そうすると筋肉を動かすためのカリウムが足りなくなってしまうために、身体が疲れやすくなります。
生命維持に欠かせないナトリウム
ナトリウムは、摂り過ぎはよくないものの、生命を維持するためには必要不可欠な栄養素です。
- 身体の浸透圧を調整する
- 筋肉の収縮に関わる
- 神経の伝達に関わる
- 精神の安定
などの作用があるので、適量は必要なもの。
ビーツにはカリウムが含まれているので、ナトリウムの摂り過ぎになる心配はあまりないでしょう。
カルシウムをサポートするマグネシウム
女性は年齢を重ねるごとに骨がもろくなりやすく、骨粗しょう症のリスクも高まります。
骨を作るのに必要なのはカルシウムですが、カルシウムだけではうまく働かないんですね。マグネシウムのサポートがあって、初めて丈夫な歯や骨が出来るのです。
マグネシウムは、
- タンパク質を合成する
- 酵素の働きをサポートする
- 神経の安定に関わる
などの働きがあります。
ナイアシン
ナイアシンという名前はあまり聞き慣れないかもしれません。別名をビタミンB3といい、ビタミンBの仲間です。
ビタミンB群は健康はもちろん、お肌やダイエットに役立つ働きがたくさんあるので、女性は積極的の摂りたい栄養素です。
比較的熱には強いビタミンですが、水溶性なので、ボルシチのようにスープごと飲めるような料理だと余すことなく摂れそうです。
ナイアシンには、
- アルコールを分解する
- 抗酸化作用
- 糖質、脂質、タンパク質の代謝をサポートする
などの働きがあります。
お酒をよく飲む人は、最後にボルシチを食べておくといいかもしれません。
パントテン酸
パントテン酸はビタミンCの働きをサポートするので、美容のためにも摂りたい栄養素。
健康な肌や髪を作るためには、コラーゲンの生成に関わるビタミンCが欠かせませんが、その働きをサポートするのが、パントテン酸なんです。
他にも、
- ストレスを軽減する
- 動脈硬化の予防
などに関わる栄養素です。
ビタミンC
ビーツに含まれるビタミンの中でも、やっぱり女性に嬉しいのはビタミンCですね。
ビタミンCも水溶性ビタミンですから、スープごと飲めるような料理に使うのがおすすめです。
強力な抗酸化作用で、お肌の老化を防ぐとともに、免疫力をアップするのにも役立ちます。
赤紫色の色素はポリフェノール
ビーツの赤紫色の秘密は、ベタシアニンというポリフェノールです。
スーパーフードとして有名なアサイーに含まれている、アントシアニンよりも抗酸化力が強いといわれています。
ポリフェノールは身体の中に長時間ためておけないので、数時間おきにこまめに摂るのが理想的です。
甘味成分はベタイン
ビーツの甘味の元は、ベタイン。アミノ酸の一種で、化粧品の保湿剤としても使われる成分です。
ベタインには
- 動脈硬化の予防
- 脂肪肝の予防
- 肝機能を高める
などの効果が期待できます。
食物繊維とオリゴ糖
ビーツには食物繊維とともにラフィノースというオリゴ糖が含まれているので、
- 腸の中の善玉菌のエサとなり、善玉菌を活発にする
- 老廃物を排出しやすくなる
など、腸内環境を整えるのに役立ちます。
女性に嬉しい葉酸
カリウムとともに注目すべき成分が、この葉酸です。
100g中110μgの葉酸を含み、細胞の再生をサポートする働きなどが期待できます。
健康を維持し、美しい肌を作るのにも欠かせない栄養素なので、女性は年齢に関わらず、積極的に摂って欲しいです。
NO(一酸化窒素)
ビーツにはちょっと変わった栄養素、「一酸化窒素(NO)」が含まれています。
一酸化窒素なんてきくと、何やら危ないようなものに感じてしまいますが、決してそうではありません。
- 血流を良くする
- 血管を柔軟にする
- 血管を拡張する
などの働きがあるんです。
血行不良や低血圧で身体が冷えがちな女性にこそ、必要な栄養素です。
糖質が少ない野菜
ビーツがサトウダイコンの仲間、なんて聞くと、甘いからダイエット中には危険なのでは?と思うかもしれません。
でも、ビーツにはタンパク質、ミネラル、ビタミンなどバランスよく栄養が含まれていて、当膣自体はそれほど多くありません。
ビーツに期待できる、女性に嬉しい健康&美容効果
ビーツの旬は6〜8月。夏の野菜なんですね。この時期なら、国産のビーツが手に入るかもしれません。
栄養価も高いので、もしスーパーで見かけたら、是非食べてみてください。
ビタミン類やミネラル類が豊富なビーツ。次は具体的に、健康や美容にどのような効果や効能が期待できるのかということについてお話しします。
腸内環境を整えて便秘も解消
多くの女性が悩んでいる便秘も、ビーツで解消できるかもしれません。
オリゴ糖や食物繊維の働きで腸の善玉菌が増えれば、悪玉菌の増殖を抑えることが出来ます。
また、老廃物やコレステロールなど、身体に不要なものを排出しやすくなるので、お腹の中からスッキリ!
便秘の解消にも役立つでしょう。
むくみが気になる人に
ビーツに含まれるカリウムは余分な塩分や水分を排出しますので、むくみがちな人にもおすすめ。
夕方になると靴がきつくなる人や、お酒を飲んだ翌日に顔がむくみやすい人は積極的に摂るといいでしょう。
血糖値の上昇を抑える
食物繊維はお腹をスッキリさせるだけでなく、血糖値の上昇を抑える働きもあります。
- 糖尿病
- 高血圧
などの予防にもつながります。
骨や歯の形成に
ビーツのマグネシムをとることで、カルシウムとともに骨を丈夫にする効果が期待できます。
女性は特に骨粗しょう症に気をつけないといけないので、若いうちから対策をとりたいものです。
二日酔いにはビーツ
ビーツに含まれるナイアシンはアルコールの分解を促進します。ですから二日酔いの予防にも効果的。
飲み会のときは、おつまみにビーツを使った料理などを食べるといいでしょう。
動脈硬化の予防
ビーツのパントテン酸には、悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やすという働きがあります。
動脈硬化の予防にも役立つといわれています。
肝臓の機能を高める
ビーツのベタインは、肝機能を高める働きがありました。
脂肪肝や肝硬変の予防にも役立つといわれていますから、お酒が好きな人におすすめしたい野菜ですね。
活性酸素を除去する働き
ビーツの色素であるベタシアニンが体内の活性酸素を取り除き、細胞の老化を防ぐといわれています。
強力な抗酸化作用で、お肌のシミやシワなどのトラブルも防げるかもしれません。
ビーツでその日の疲れはその日のうちに
ビーツの一酸化窒素を摂ることで血行が良くなれば、冷え性などが改善するだけでなく、エネルギー効率の良い体になります。
そうすると、運動の効果も早く出るようになりますし、巡りの良い身体になって疲れも取れやすくなるでしょう。
美味しく食べよう!ビーツを簡単に取り入れる方法
ボルシチに入っているといわれても、家でボルシチを作ろう!と思う人は少ないと思います。
もっと簡単にビーツを食べられないの?という人のために、なるべく手間をかけずにビーツを取り入れる方法もご紹介します。
美味しいビーツを見分けるコツ
もしスーパーでビーツが売っていたら、どういったものを選べば良いかというポイントです。
- 直径は7〜8cmくらい。
- 皮の表面にデコボコがない
表面にひげがついているものも、新鮮な証です。
生のままサラダで食べよう
簡単に食べるなら、生でスライスして食べましょう。皮を厚めにむいて、スライスしたものをサラダに加えます。
ドレッシングはシンプルに、オリーブオイルやレモン汁なんかがいいですね。
もしそのままでえぐみを感じるなら、塩水につけて灰汁を抜きましょう。
缶詰を利用するのもあり
自分で調理をするのは面倒!という人は缶詰もありです。
茹でたビーツを缶詰にしてあるので、後は切って料理に入れるだけ。下茹での手間が省けます。
インターネット通販でも売っていますし、少し大きなスーパーに行くと置いてあるでしょう。
食べ過ぎには注意して!
オリゴ糖や食物繊維の摂り過ぎでお腹がゆるくなる可能性があります。健康によいからといって、食べ過ぎは禁物です。
美味しく食べて健康&キレイになれるビーツ
私はビーツ=甘い、と誤解していたのですが、ボルシチはそれほど甘くはありません。普通に食べられます。
だからもっと、栄養価の高い野菜として、ビーツ普段の食事に取り入れてみるといいと思います。
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