もしも妊娠中にお葬式があったら…妊婦さんが参列する時の注意点
Date:2016.10.14
突然の不幸があった時、失礼がないようにとお葬式に参列するマナーを覚えている女性も多いと思います。
しかし、意外に知られていないのが妊娠している時のお葬式に関するマナーや服装です。
身内だけではなく、お世話になった人や親しい人が亡くなった時は、妊娠していても最後のお別れに行きたいと思うのではないでしょうか?
しかし、妊娠しているからこそ、普通のお葬式の参列とは違い、いろいろと気を付けなければいけないことも多くなります。
妊娠している時にお葬式に参列する際、知っておきたい服装やマナーについて調べてみました。
この記事の目次
「妊婦は葬儀に参列してはいけない」というのは間違い
突然、人が亡くなると葬儀に参列しなくてはいけません。その時、既婚女性は妊娠していないという確証はありません。
よく「妊婦は葬儀に参列してはいけない」ということを耳にしますが、それは本当なのでしょうか?
結論から言うと、妊婦が葬儀に参列してはいけないという決まりはありません。相手方も妊娠しているから葬儀への参列を拒否することもありません。
しかし、妊娠中は体調が優れない時もあります。妊娠中の葬儀への参列は、まずは妊婦さんの体調によって決めることが大事です。
妊婦さんが葬儀に参列する時は、次のようなことに気を付けて、参列する必要があります。
- つわり時期は匂いに敏感になるので注意
- 安定期に入っていない場合、少しの変化で体調を崩すのでなるべく参列は避ける
- 現在、妊娠していることを数名でいいので、周りに伝えておく
- 亡くなった方の身内に妊娠しているが参列しても可能か確認をする
特に、つわりが酷い時期などは要注意です。葬儀の時は線香を匂いがきつく感じて気分が悪くなるという人もいます。
頻繁に席を外してトイレに駆け込むことが難しいので、つわりが酷い場合は、医師に相談をして参列するか判断する必要があります。
これは、妊娠時期も関係します。安定期に入っている場合はいいのですが、その前だとちょっとしたことで体調が悪くなることがあります。
臨月の場合も同じで、いつ産まれるか分からない状態で葬儀に参列するのは危険です。
自分で、葬儀への参列を決めることができないという場合は、かかりつけの産婦人科医に相談をして、葬儀への参列が可能かどうか決めてもらうのもいいかもしれません。
また、お通夜などの場合は時間も短いですので、体調が良ければ妊娠初期の人でも参列することは可能です。
地域や習性によっては、妊婦の葬儀参列ができない場合もある
妊婦さんでも葬儀への参列は可能ですが、地域によっては参列ができない場合もあります。
実際、私が住む地域は、妊婦さんは葬儀に参列しなくていいということになっています。
その理由は、妊婦さんへの体の負担と昔から伝えられている迷信を行うのが大変だろうということから、そういう決まりが自然とできたそうです。
葬儀は長時間座ったままなため、体勢に無理がある場合は控える
お線香をあげにいく程度であれば短時間で済みますが、葬儀に参列となると長時間座った状態になります。
葬儀会場によっては、椅子が用意されておらず、正座で参列しなくてはいけないこともあります。
親族であれば椅子を用意することもできますが、こちらの無理で椅子などを用意してもらうことは難しい場合もあります。
特にお腹が大きい時に長時間正座をしていると、かなりお腹に負担がかかりお腹が張ってきたり痛みを感じる場合もあります。
自宅で生活している時、長時間座ることができないと感じた場合は、その旨を伝えて参列を見送ることも大事です。
親しい間柄ではない場合は辞退することも考える
葬儀に参列する場合、妊婦さんに限らず相手との関係で決めるという人も多いと思います。
あまり面識がない人や遠い親戚の場合、妊娠していることを告げ葬儀への参列を辞退することも考えなくてはいけません。
葬儀には多くの人が参列し、空気なども悪くなります。なかには風邪を引いている人なども参列する場合があります。
妊娠中に病気にかかると、薬などをあまり使えないので大変です。そういうことも考慮し、亡くなった方との間柄を考えて参列を決めることも大事です。
また、遠方の方の場合は、お供えできるお菓子や線香代などを送るという方法もあります。
葬儀へ参列しなかったからいいではなく、こういったことも大人としてのマナーになるので、気を付けましょう。
葬儀だけではなく火葬場へ行く時は体調と迷信に注意
妊婦さんの場合、葬儀に参列するより大変だと言われているのが、火葬場へ行くことです。
親族などの身内だけなく、親しい間柄の場合は亡くなった親族の方に頼まれて火葬場まで一緒に同行することがあります。
その時に、妊婦さんが気を付けなければいけないのが「体調」と「迷信」です。
火葬場は長時間かかるため体調を第一に考える
葬儀の場合、体調が優れない場合はお線香をあげて帰ることができますが、火葬場の場合は体調が悪くなったからと言って、すぐに帰ることができません。
火葬場に行くと、平均2時間ほどその場にいなくてはいけません。
最近は、親族が待機する場所が個室で横になるスペースなどもある火葬場もありますが、なかなかその場で休むわけにはいきません。
立ちっぱなし、座りっぱなしなどの状態が続くと足などがむくみ、妊娠高血圧症候群になる場合があります。
どうしても参列する場合は、亡くなった方の親族の方に妊娠している旨を伝え、休めるような環境づくりをしておくことも大事です。
「妊婦はお腹に鏡を当てておく」といった迷信は守るのがベター
「妊娠している時に葬儀に参列すると顔にアザのある子供が産まれる」
「妊婦は火葬場へ行ってはいけない」
と昔の言い伝えであります。
赤ちゃんの魂を連れて行かれないために、いつからか腹部に鏡を仕込むようになりました。
鏡は邪悪なものを追い払う力があると言われていたため、それをお腹に仕込むことで邪悪なものを跳ね返すということなんだそうです。
迷信ですが、妊娠中に火葬場に行き、その後「あの時、やっておけばよかった」という後悔をしないため、今でも妊婦さんが火葬場に行く際はお腹に鏡を仕込むよう葬儀会社などもお願いをしているようです。
腹部に鏡を仕込む場合は、次のことに注意をしましょう。
- 鏡の反射部分を外側にする
- 鏡が落ちないよう、腹帯などで押さえる
最近は、マタニティ専用の喪服には鏡を入れるポケットが付いているものもあります。
覚えておきたい「妊婦さんのブラックフォーマル」
葬儀へ参列する時、妊婦さんも一般の人と同じで、ブラックフォーマルでの参列が基本です。
しかし、多くの女性が妊婦用のブラックフォーマルを持っていないというのが実状です。
また、妊娠している時にブラックフォーマルで立ったり座ったりすると、お腹が窮屈になってしまうという人もいます。
妊婦さん用のブラックフォーマルは、腹部にゆとりがあり授乳ができるような仕組みになっているものもあります。
こういうものを購入しておくと便利ですが、いつ妊娠するか、そして本当にこの喪服を使うか分からないという場合は、レンタルなどもあります。
葬儀会社でレンタルしている場合もありますし、ネットなどでマタニティ用ブラックフォーマルのレンタルというものもあるので、こういうものを利用するのも便利です。
また、ブラックフォーマルじゃなくても持っている洋服を代用することができます。
- 黒のワンピース(長さは膝丈)
- 腰がゴムになっている黒のスカートやパンツ
- 襟付きの黒のブラウス
- 黒のカーディガン(飾りなし)
上記のような服装でも葬儀への参列は可能です。
特に、妊婦さんの場合は体が冷えるとよくありません。夏でも、葬儀会場が冷房で冷え切っていることもあるので、ストールなどを1枚持っていくことをオススメします。
また、親族などが亡くなった場合に着物で葬儀に参列をしなくてはいけない場合があります。
ヒールは必要?葬儀に参列する妊婦さんにふさわしい靴
葬儀に参列する際、ヒールは3センチ程度のものを選ぶというのが常識になっています。
3センチのヒールは低く感じますが、この高さは妊婦さんにとってはとても危険です。
妊婦さんの場合は、転倒しないようにフラットなものでも構いません。しかし、靴を選ぶルールはきちんと守るようにしましょう。
- 黒の皮素材(合皮)のもの
- つま先が空いていないもの
- ラメや飾りのないもの
ヒールはなくて構いませんが、上記のルールは押さえておくようにしましょう。
タイツはラメや模様の入っていないシンプルな黒タイツで、お腹などが冷えないよう少し厚めのものを選ぶようにしましょう。
妊婦さんはノーメイクでも大丈夫?お葬式用のメイクはしっかり覚える
葬儀に参列する場合、メイクやヘアスタイルにも気を付けなくてはいけません。普通の葬儀の場合、メイクは薄化粧でナチュラルにというのが基本です。
妊婦さんの場合、お腹の子供に影響を与えたくないと、日頃からノーメイクで生活をしている人がいますが、
妊婦さんでも多少なりともメイクはしなくてはいけません。といっても、普通の時のようにアイシャドウなどは塗る必要がありません。
ファンデーションは、とにかく薄くつけることが大事です。
お腹の子供への影響が気になる場合は、オーガニックやミネラルでできたファンデーションがオススメです。これを、ブラシなどで軽くつけるだけで十分です。
目元は、アイブロウのみで構いません。アイラインやアイシャドウはする必要はありません。
口元も、本来はベージュなどの目立たないリップを塗るのですが、これもドラッグストアなどにある薬用リップにほんのり色がついているものでも十分です。
薬用リップは唇の荒れを防ぐものなので、鉱物などもほとんど含まれません。
ヘアスタイルは、普通に葬儀に参列する時と同じように長い場合は1つで結び、前髪などが落ちてこないようにピンで止めておくようにしましょう。
妊娠時の葬儀への参列は体調を第一に考える
妊娠をしている時は、普段よりもいろいろと気を使わなくてはいけません。ちょっとした気温差や疲労でも、体調を崩したりお腹の赤ちゃんに影響を与えかねません。
大事な人が亡くなった時、お別れはしたいと思います。身内の場合は別ですが、大事な人とのお別れでも、自分の体調が優れない時は葬儀への参列は控えるようにしましょう。
妊娠時は、まず自分の体調を優先に何事も決めることが大切です。
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