睡眠不足が美容や健康に与える影響とは?病気のリスクも高まる
Date:2017.07.24
睡眠不足になると、ただ疲れるだけではありません。美容にも健康にも、多大な影響を及ぼします。単なる睡眠不足とあなどってはいけないんですよ!
人間、寝ダメはできないのです。週末だけまとめて寝ても、普段の睡眠不足を補うことはできません。睡眠不足になると疲れるだけでなく、寿命を短くする可能性もあるんです。
睡眠不足になるとどのような影響があるのかを知って、まずい、もっとちゃんと寝なくちゃ!と思ってもらえたら幸いです。
睡眠不足が美容に与える影響
睡眠不足は美肌の大敵!しっかり眠れないとキレイな肌は作れません。化粧でごまかすのも限界がありますから、まずは睡眠が大事。
睡眠が足りないと美容面でもこれだけの影響があるんです。
成長ホルモンの減少で太りやすくなる
成長ホルモンは寝入ってから数時間で沢山分泌されます。睡眠不足だと成長ホルモンがうまく分泌されず、ダイエットにも良くないのです。
成長ホルモンがたっぷり分泌されないといくら運動してもやせにくいので、ダイエット効果も半減。痩せるためにはしっかり眠ることも必要なのです。
新陳代謝の低下による肌荒れ
質の良い眠りは美肌には欠かせませんが、なぜ睡眠が肌に必要なのか、それは寝ている間に細胞が生まれ変わるからです。
睡眠不足は古い細胞から新しい細胞に生まれ変わる時間を奪ってしまうのですから、肌にいいわけがありません。
新陳代謝が低下すれば、古い角質が残ったままになり、肌はごわごわ、ガサガサになります。
肌が生まれ変わればシミの元・メラニン色素ができていてもそれを追い出すことができますが、それもできずに沈着してしまえばシミが増えることにもなりますね。
睡眠不足で肌はごわついてくすみ、シミも増えてしまうという恐ろしい自体を引き起こすのです。
メラトニンの低下による老化
睡眠には欠かせないホルモン、メラトニン。メラトニンには活性酸素を除去する働きがあるので、美肌作りにも欠かせないのです。
活性酸素が増えると細胞を傷つけ、それがシミやシワなど肌トラブルの元になります。
活性酸素は紫外線を浴びたり、ストレスがたまることで増えていくので、なんとかして減らしていくことが大事。
ところがそれを除去する働きのあるメラトニンが減ってしまうと、活性酸素がどんどん増えてしまうので、細胞の劣化が早くなってしまうのです。
メラトニンを沢山分泌して活性酸素を除去するには、睡眠が欠かせないということです。
睡眠不足が健康に与える影響
そして睡眠不足が健康に与える影響は大きいですね。
もちろん、一晩寝ないくらいで命に関わることはありませんが、睡眠が足りない状態が続くと、それは命を縮めることになります。
疲労による体力の低下
睡眠不足で一番分かりやすいのは疲れが抜けないことだと思います。脳と身体がしっかり休めていないので疲れがたまったままになり、体力も低下します。
思うように動けなくて、仕事や勉強の効率も悪くなりますね。疲れた、動けない、と感じたらそれは睡眠不足ですよ、という身体からのサインです。
体内時計が乱れて不眠になる
睡眠不足になると朝起きて夜になったら寝る、という当たり前のリズムが作れなくなるので、体内時計が乱れてきます。
体内時計は脳がコントロールしていますが、睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌できなくなり、本物の不眠になってしまいます。
免疫力の低下
寝ていなくて疲れている時ほど、風邪を引きやすくなったりしませんか。
ストレスも免疫細胞を弱めることが分かっていますから、睡眠不足でストレスがたまっていたら二重に免疫細胞にダメージを与えてしまうことになりますね。
ガンのリスクが高まる
20~30代の若い年代はまだガンといっても実感が沸かないかもしれませんが、40代以降は他人事ではなくなりますよ。
睡眠不足によって免疫力が低下すればガン細胞の増殖を止められずに、がんを発症するリスクが高まります。
特に睡眠ホルモンのメラトニンには乳がんの発生を抑える働きがあるといわれていますから、女性は特に睡眠不足に注意したいですね。
筋肉疲労による身体の痛み
頭の重さは体重の8~13%くらいだと言われています。平均すると約10%、体重が50kgの人なら5kgはある計算になりますね。
細い首でその5kgもの重さのある頭を1日中支えているのですから、たまには横になって身体を休ませてあげなければ、それは疲れてしまいます。
筋肉に疲労がたまれば、血行も悪くなり、筋肉が凝り固まって
- 肩こり
- 腰痛
- 頭痛
などを引き起こすのです。
身体の歪み、悪い姿勢
起きている間は常に上からの重力を受けていますから、肩や腰などにもかなりの負担がかかっています。横になるということはその重力を取り除いて身体が楽になるということです。
そして寝ている間に適度に寝返りを打つことで体全体の歪みを矯正しているのです。
睡眠不足になるとその時間もなくなってしまいますから、身体の歪みを矯正できずに、姿勢が悪くなったり、内臓の不調などが起こりやすくなります。
疲労による吐き気
睡眠は身体の疲れを取ってリセットする時間。しっかり休養することによって老廃物を排出しやすくし、血行も促していきます。
睡眠不足になるとこの「リセット」するタイミングがなくなるので、疲労物質などがたまったままになってしまうんですね。
吐き気がするほど疲れているというのは「休んで!」という身体からのサインですから、吐き気を我慢してはいけません。
腸が緊張することによる便秘
睡眠不足で疲れていると便秘がひどくなると感じている人も多いのではないでしょうか。
疲労で自律神経のバランスが乱れると、腸の動きにも影響が出ます。
自律神経は内臓の動きを司っていますが、ストレスで交感神経が活発になっている時間が長いと、血管は収縮し、内臓も緊張状態が続きます。
それによって腸の動きも悪くなり、便秘が慢性化していくのです。
生理不順など女性の不調
女性の場合は生理にまつわる増えることも睡眠不足の特徴です。実際、生理不順で悩んでいる方で、睡眠時間が足りないという方は多いのです。
睡眠不足になると脳がしっかり休めていないので、ホルモンバランスを司る下垂体にも影響を与えます。
そうすると、ホルモンの分泌がうまくいかなくなり、生理の周期にも影響が出て生理不順などのトラブルが起きやすくなるんです。
生理不順で悩んでいる方は、身体を冷やさないことももちろん大事ですが、ストレスや睡眠不足は大敵ですから、しっかり休んでくださいね。
基礎体温が一定にならない
睡眠不足で疲労がたまると微熱のように体温が高くなる人もいれば、逆に体温が下がる人もいます。
特に低体温の人は寝不足ぎみの人が多いのですが、これは身体が寝ようと準備をし続けているからなんですね。
妊活のために基礎体温を測っている方で、なかなか体温が一定にならないという場合には睡眠時間を見直してみるといいかもしれません。
アレルギー症状の悪化
メラトニンには活性酸素を取り除く働きがあることを美容のところでお話ししましたが、活性酸素はアレルギーによる炎症の原因にもなるんです。
ところが睡眠不足でメラトニンの分泌量が減ると活性酸素を除去できなくなりますから、アレルギー症状を悪化させてしまうことがあるんです。
抗体を作りにくくワクチンが効かない
なんと睡眠不足によって予防接種の効果が薄れるということも分かっています。予防接種とは無毒化した病原体を身体に植え付けることによって抗体を作るものです。
しかし睡眠不足だと抗体を作る力が低下するのだそうです。実際に、6時間睡眠を取る人とそれ以下の人では、抗体を作る時間に11.5倍もの開きがあるそうです。
心臓病のリスクが高まる
ストレスがたまると血圧が上がったりしますよね。血圧が上がるということは心臓に負担をかけるということです。
睡眠時間が6時間以下とそうでない人とへは48.6%も罹患率が高くなっているというデータもありますから、たかが睡眠不足と思っていると思わぬ病気のリスクを背負うことになります。
空腹ホルモンが増えることで過食になる
夜中まで起きている生活をしていると、やたらとお腹がすきませんか。それでついついおやつに手を出して、今回もダイエットは挫折、という経験をしたことのある人も多いと思います。
食欲と関係するホルモンには2種類あります。空腹を感じさせる「グレリン」と満腹になったと知らせる「レプチン」です。
睡眠不足になると15%もグレリンが増えるということがわかっています。そしてレプチンも同じくらい減ってしまうのです。これは無視できませんね。
ですから、空腹ホルモンが増えるということは実際にお腹が空いていなくても、空いたと感じて食べ過ぎてしまう可能性があるということです。
高カロリーの食品を欲するようになる
睡眠不足の人は高カロリーで指向性の高い食品を選ぶ傾向があり、レム睡眠が減少することでショ糖などの過剰摂取が起こりやすくなるという研究結果があるのです。
睡眠不足になると肥満への道をまっしぐらということですね。これは脳の問題で自分の意思ではどうにもなりませんから、太りたくなければしっかり睡眠を取った方がいいでしょう。
記憶力、集中力に影響が出る
脳が十分な休息を取れていないことで、
- 記憶力
- 集中力
- 思考力
- 注意力
などが低下します。
仕事に集中できずに、人と話していても会話が全然頭に入ってこなかったり、いつも簡単にできることにやたら時間がかかってしまったりということが起きやすくなります。
日中やたらと眠くなる
本来寝るべき時間に眠れていないのですから、その反動が日中に来てしまい、仕事中にドッと眠くなってしまいます。
寝たはずだと思っても日中にやたらと眠気に襲われるなら、それは睡眠時間が足りていないのです。
幻覚を見るようになる
ここまでくるとかなりまずい状態ですが、睡眠不足によってドーパミンが過剰に分泌されると神経の興奮を引き起こし、幻覚を見たり幻聴が聞こえることがあるそうです。
イライラして怒りっぽくなる
1965年に17歳のランディ・ガードナーさんが、医師立ち会いの元、11日間(264時間)寝ないという不眠のギネス記録を打ち立てます。
ところが医師の所見によると、2日目ですでに怒りっぽくなり、軽度の記憶障害も見られたそうです。
やたらと人に腹が立つ時は、しっかり睡眠を取って休めば優しい気持ちを取り戻せるかもしれないですよ。
感情のコントロールが効かなくなる
感情や気持ちというのはどこにあるのか、それは胸ではなく「脳」なんです。好きとか嫌いというような感情も脳がコントロールしています。
ところが睡眠不足になると感情をつかさどる大脳辺縁系も疲れてしまいますから、感情のコントロールがうまくできなくなるのです。
やる気がなくなる
睡眠不足だとやる気スイッチが入りません。これは脳からのサインで、睡眠不足ですよ、やる気が出せませんよ、というメッセージです。
やる気がでないのは意思の問題ではありません。やる気を起こすためのエネルギーが十分チャージできていないと思ってください。
睡眠不足だとストレスがたまり思考もネガティブになり、身体も思うように動きませんね。こんな状態でやる気が出るはずがありません。
今日はどうにもやる気が出ないという時には、とっとと仕事を切り上げてしっかり休養を取るべきなのです。
認知症のリスクが高まる
睡眠不足によってアルツハイマー型認知症の原因であるとされるアミロイドβたんぱく質が発生するといういことがわかっています。
認知症はアミロイドが脳の神経細胞を破壊することで認知機能に障害を与えることが原因だと考えられています。
たまったアミロイドは睡眠中に処理されるので、睡眠不足だとこのアミロイドがどんどんたまっていくことになります。
うつ病のリスクが高まる
睡眠不足が続くとイライラするだけでなく、ネガティブなことに反応しやすくなったり、些細なことで落ち込みやすくなったりという経験をしたことのある方もいるでしょう。
慢性的な睡眠不足はうつ病などを発症しやすいといわれており、実際、不眠症の人はうつのリスクが5倍も高いというデータがあるほどです。
うつ病は最悪の場合自殺の可能性もあり、早期発見、早期治療が必要ですが、真面目な日本人は自分がうつ病であることを認めたがらず、重症化してしまう人も少なくありません。
自殺者の平均睡眠時間は5時間程度だといわれており、寝つきも悪いのが特徴の一つです。たかが睡眠不足とあなどってはいけないのです。
交通事故の危険性が高まる
アメリカの調査によると、たった2時間程度の睡眠不足でも交通事故のリスクが倍増することが分かったそうです。
睡眠時間が7時間以上の人と比べて、
- 4〜5時間だと4.3倍
- 4時間未満だと11.5倍
と跳ね上がるのだそうです。
ちなみに、5〜6時間眠ったとしても1.9倍になるそうですから、やはり7時間は寝ないと危険だということでしょうか。
早死にする確率が高まる
睡眠不足の人は、
- 高血圧
- 不整脈
- 脳卒中
- 糖尿病
などの病気のリスクが高まることが分かっています。
太っていなければ生活習慣病にならないのではなく、睡眠不足で疲労が抜けていないと体型に関係なくかかりやすくなるんです。
特に日本人にも多い糖尿病ですが、睡眠不足はインスリンというホルモンの働きを低下させ、糖尿病が発症しやすくなるといわれています。
また、アメリカで行われた調査によると、1日の睡眠時間が6.5〜7.5時間の人が最も長生きで、それ以下でもそれ以上でも死亡率は20%も高くなるそうです。
疲れたら寝る!それが基本中の基本
食事はしないと死んでしまうと皆さん分かっているんですが、睡眠についてはそこまで意識が高くないのではないでしょうか。
少しでも眠れていれば睡眠は取っているという認識かもしれませんが、ぐっすり眠って翌朝疲れが取れて元気になることが「睡眠」というのです。
疲れが取れていないなら眠れていないのと一緒。すぐに睡眠不足を解消する必要があります。
それよりも将来にわたって元気でいられる身体を作る方がずっと大事。たまには勇気を持って早めに寝ましょう。
それで疲れが取れて、次の日たっぷり活動できれば、そっちの方が楽しいと思いませんか。
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