人に優しくなりたい…。罪悪感と怒りのループを卒業する方法
Date:2018.11.10
誰かに対してトゲトゲしい態度をとってしまった後は、自己嫌悪で気分が沈んでしまうもの。
- 「あんな言い方しなくても良かったな」
- 「あの人だって悪気があったわけじゃないのに」
- 「もっと冷静に、優しい態度で接することもできたんじゃないだろうか?」
……こんな具合に、同じ場面を繰り返し思い出しては悶々と悩んでしまうこともあります。
そんなふうに感じているあなたのために、今回は「優しい自分を育てる方法」についてご紹介します。
もうトゲトゲしない!優しい自分を育てる「12の方法」
ただ感情を抑え込むだけでは、人は優しくなれません。
むしろ感情を無理に閉じ込めていると、いつか爆発して手のつけられない激しい怒りに変わってしまう恐れもあります。
そんな内面の癖を変えるコツを、12通りご紹介します。
すべて行う必要はありません。比較的楽にできそうなもの、自分に合っていそうなものから選んで意識してみてください。
では、早速見てみましょう!
(1)損得勘定を捨てる
何事においてもギブアンドテイクのバランスを保つのは大切なことですが、あまり細かく損得勘定しすぎてしまうと、気持ちがギスギスしてきます。
こうしたことが気になりだすと、自分がギブした数を数えてはいちいち腹を立てることになります。
ですがそもそも、差し出した分と1ミリのズレもなく全く同じ量のテイクが返ってくるなんて、現実的ではありませんよね。
「あの人はちっともお返しをしてくれない」ということが気になってしまうと、相手に対して必要以上にトゲトゲしい態度をとってしまうことも多いものです。
ここで周囲の人の中で、あなたが憧れる「優しい人」を思い浮かべてみてください。
その人の行動は、「ギブされたからテイクする」とか「テイクがあるからギブする」といった損得勘定で成り立っているものでしょうか?
おそらく、違うはずです。
自分の損得や見返りは気にせず「困ったときはお互い様」と、相手のために自然と動くことができるのが、優しい人の特徴です。
わざわざ自分が損をするように仕向ける必要はありません。ただ、ギブアンドテイクのハードルをちょっとゆるくして「いつか返ってくるかもしれない。それでいいや」というくらいに考えられると、他人に対して肩の力が抜けた付き合いができるようになります。
(2)親切に敏感になる
人にしてもらった親切に対しては、過敏なくらい敏感になりましょう。
「私は人にしてあげてばかりで、何もお返ししてもらってない」と感じている人もいるかもしれません。でもそんな気分になったときこそ、「本当にそう?」と自分に問いかけてみてください。
というのも、人は自分が行った親切は記憶に残りやすいのですが、人からしてもらった親切についてはすぐに忘れてしまいがちだからです。
忘れるどころか、気が付かないことだってあります。
でも確かにこのとき、自分は親切を受け取っているはずなのです。
こうした小さな小さな親切に、敏感になってみましょう。ゲーム感覚で行うと始めやすいかもしれません。小さな親切を探して1日いくつ集まったか記録してみるのです。
周囲から受ける親切に敏感になると、人への感謝の気持ちが自然と大きく膨らんでいきます。
「ありがたいな」と感謝する気持ちは、そのままあなたの優しさとして心に蓄積されていくでしょう。
(3)感謝を口に出す
人の親切に敏感になるだけでなく、感謝を感じたときにはぜひ口に出して相手に伝えましょう。
ピリピリしたムードの現場でも、誰かが素直に「ありがとう」と口にしたことがきっかけで、一気に雰囲気が和らぐことがありますよね。
これを心がけるだけで、自分の心も不思議と優しい気持ちで満たされます。
(4)自分をコントロールする
優しい人は、腹が立つことがないのでしょうか?
いいえ、そんなことはないはずです。失礼な態度をとられればカチンと来るでしょうし、心無い言葉を言われたら腹が立ち、悲しい気持ちにもなるでしょう。
では、どうしてトゲトゲしい態度をとらずにいられるのでしょうか?
それは、彼らが自分の気持ちをコントロールし、平常心を保つことに長けているからです。
どんなに失礼な相手であっても、どんな嫌な言葉を投げかけられたとしても、その場の感情に任せて怒ってしまえば、あなたが損をします。
怒ればスッキリすることもありますが、それ以上に自己嫌悪することの方が多いはずです。失礼な相手はともかく周囲の人にまで、あなたの怒った姿を見せてしまうのは、決して良いことではありませんよね。
と言っても、急に変身することなんてできませんから、少しずつ訓練を積んでいくことが大切です。
怒りをコントロールする方法については、以下の記事に詳しく書いてありますので、参考にしてみてくださいね。
自分をコントロールするスキルは、訓練次第で誰にでも身につけられます。憧れの優しいあの人のように、何があっても平常心でいられる自分になりましょう。
(5)誰にでも誠実に接する
一見優しそうな人が、じつは「上司にはごますりしておいて、部下には理不尽に八つ当たりする」という本性を隠し持っていると知ってしまったら……。なんだかがっかりしてしまいます。
相手によって、とくに利害関係の有無によって態度をあからさまに変える人は、優しい人とは言えません。
本当に優しい人は、誰に対しても誠実ですし、公平です。相手が上司でも部下でも一本筋の通った対応を心がけています。
人間ですから人の好き嫌いはありますし、「同じことをAさんにされても大丈夫だけど、Bさんにされると腹が立つ」ということもあるでしょう。それは自然な気持ちです。
でも「Aさんには誠実に対応するけれど、Bさんのことは理不尽に扱う」というのは優しさからはかけ離れた行為です。
誰を相手にするときも誠実さを心がけましょう。
(6)悪口・陰口を言わない
人の欠点を笑ったり、根も葉もないうわさ話をしたり。こうした行為は自分の心をどんどん荒ませ、ささくれ立たせていきます。
「あの人のこういうところが嫌いだ」と思うこと自体は自由ですし、人に愚痴を聞いてもらうのも決して悪いことではありません。
悪口や陰口は、心のトゲトゲをどんどん大きくしてしまうだけ。優しくなりたい人にとっては、百害あって一利なしです。
自分は悪口を言いたくないけれど、周りがしょっちゅうそんな話をしている、というケースもあるでしょう。
その場合は、できるだけ悪口・陰口の輪に加わらず、何かしら理由をつけて抜け出すように工夫してみましょう。
(7)相手視点でものを見る
カチンときたときやイラッとしたときは、一度深呼吸して心を落ち着かせてから、相手の視点でその場の状況を検証してみましょう。
嫌味に聞こえることを言われたときは、相手がなぜ今その言葉を口にしたのか、ずっと我慢していたのか、それとも今たまたま気になって言ったのか、といろいろ検証してみるのです。
どちらが悪いかを証明するのではなく、「この人はなんでこんなこと言うのかなぁ」という謎を解決するつもりで検証してみてください。
検証の結果、相手の言い分を認めるか認めないか、相手の言動を許すか許さないかは、あなた次第です。
ただ少なくとも「感情任せに言い返してしまって自己嫌悪」といういつものパターンからは、外れることができるはずです。
(8)丁寧な言葉を使う
丁寧な言葉づかいを心がけましょう。
相手を思いやる気持ちは、言葉に現れます。また言葉は自分の心にも影響を与えます。
乱暴な言葉遣いをしていれば気持ちも乱暴に、トゲトゲしい言葉遣いをしていれば気持ちもいつのまにかトゲトゲしてしまいます。
多くの人は、自分で想像しているのとは少し異なる喋り方をしています。
試しに一度、誰かと会話している自分の声を録音して、自分で聞いてみてください。
「こんなに早口だったのか」「結構きつく聞こえる喋り方をしているかも」と、びっくりする点があるでしょう。
乱暴な単語を避けてソフトな言葉に言い換えるだけでも、印象はかなり変わります。
丁寧な言葉で会話できるようになると、場が丁寧な雰囲気になり、優しい人間関係を築きやすくなります。
(9)「これが正しい」と決めつけない
誰かをトゲトゲしい態度で責めてしまうときは、「自分が正しい」と強く信じ込んでいる場合が多いのではないでしょうか。
でも相手から見れば、そうとは限らないかもしれません。相手にも事情があり、感情があります。どちらが正しいか一概には言えないことも、世の中には多いですよね。
自分にとっては、自分が正しい。これは決して悪い考え方ではありませんが、相手を思いやるのであれば、「でも向こうにも言い分があるかもしれない」と柔軟な考え方も取り入れてみましょう。
- 自分が正しい
- こんなのは常識だ
- ○○に決まっているのに
私たちはつい、こうした考え方をしてしまいがちです。
でも「正しさ」も「常識の形」も、人それぞれ異なります。相手と自分の感覚も、まるきり違って当然なのです。
自分の知らないさまざまな価値観があるのだということを、常に忘れないようにしましょう。
(10)積極的に人を助ける
電車でお年寄りが乗ってきたときに、ためらわずに席をスッと譲れる人は、案外少ないものです。
この場合、多くの人は決して「譲りたくない」と思っているわけではありません。
ただ、照れくささや「なんと声をかけたら良いのか分からない」といった迷いがブレーキとなり、とっさの行動を邪魔してしまうのです。
ときには照れくさい思いをすることや、断られてちょっと気まずい思いをすることもあるかもしれません。
でも優しい人は、こうした小さな親切を積み重ねて今の大きな優しさを育ててきています。
無理をする必要はありません。自分のできる範囲でOKです。
困っている人を見かけたり、「こうすれば相手にとって親切かな?」と思いついたりしたときは、チャンス!と思って積極的に手助けしましょう。
(11)ストレスを溜めない
自分を上手にコントロールするためには、日々のストレスを溜め込まないうちに上手に発散する工夫も必要です。
心に余裕がない状態だと、人は優しくなれません。ですがストレスが全くない日常というのも、現実的にありえないでしょう。
大事なのは、溜め込まないことです。自分に合ったストレス発散の手段をいくつか持っておきましょう。
- 身体を動かす
- お風呂にゆっくり入る
- 趣味に没頭する
- プチ旅行に出かける
- 動物と触れ合う
- 瞑想する
- 部屋を徹底的に掃除する
- 美味しいものを食べる
- 友達とお喋りする
人により、ストレス発散の方法はさまざまです。
好きなことや心地よいことを行うと、気持ちがリフレッシュします。優しさをキープできる人は、このリフレッシュをきちんと生活に取り入れて、自分をコントロールしているのです。
(12)自分にも優しくする
自分の心に余裕がないと、人には優しくできません。どんなにたくさんの工夫をしても、気持ちがいっぱいいっぱいになっている人は、他人に優しくできないものです。
自分の気持ちを尊重し、嫌なことからはできるだけ離れる。
完璧ではない自分のことを、ありのまま認めて受け入れる。
そんなふうにまず自分を大切に扱うことができたなら、自然と心に余裕が生まれます。この余裕こそが、優しさが育つためのスペースなのです。
まとめ:優しさは我慢にあらず。できることから始めよう♪
「優しくなりたい」と思えた瞬間から、あなたの優しさはちゃんと育ちはじめています。
人に優しくなりたいという気持ちそのものが、優しさの現れです。
トゲトゲした態度を自己嫌悪したり反省したりする、その事実そのものが、あなたが優しい証拠です。
優しさは、我慢することではありません。無理していつでもニコニコしていなきゃ、と思う必要もありません。
まずは自分に優しくすること。そこから始めてみてはいかがでしょうか?
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コメント一覧
素敵な記事をどうもありがとうございました